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浴室床排水トラップの更新 ( 株 ) 小島製作所代表取締役小島誠造 1. はじめに浴室ユニットが普及する以前の集合住宅では コンクリートスラブ 壁で囲まれた空間の床にアスファルト防水を施し アスファルト防水層をモルタルで押さえ タイルで仕上げて浴室を作る方法が一般的であった 浴槽からの排水も 洗い場からの排水も床排水トラップを介して排水横枝管に導かれる間接排水方式で 床排水トラップ :T5B( 図 1, 写真 1) は床スラブを貫通して埋め込み施工され 排水横枝管は下階の天井を通って排水立て管に接続されている また当時の配管にはねじ込み式排水管継手 ( 写真 2) が使用されており 鋼管の肉を削ってねじを切るため ねじ部からの腐食が発生しやすい弱点がある このように施工された築 30 年を超える高経年集合住宅で 浴室からの漏水が散見されるようになってきている 図 -1 床排水トラップ :T5B 2. 漏水の原因 写真 -1 床排水トラップ :T5B 錆び付いた本体とワン 写真 -2 ねじ込み式排水管継手下階の天井配管 浴室からの漏水の原因としては 1アスファルト防水層の経年劣化に起因するもの 2 排水管のねじ部の腐食によるもの 3 床排水トラップの腐食によるもの などが考えられる いずれも下階住戸にその影響がおよぶため 早急の対策が求められるが 改修工事はハツリや防水工事を伴うと同時に 下階住戸の天井配管まで影響することになるので 大規模な工事となる 防水層の耐用年数は 35~40 年程度といわれているが 施工精度によりバラツキが多く 防水層立ち上がり端部 入隅部 出入口框部などから浸水したものが漏れ出す 配管ねじ部の腐食は 15 年経過頃から始まり 25 年を超えると各所で出始める 床排水トラップは鋳鉄製で比較的耐久性はあるが 常に水が溜まっている本体底部 ( 封水部 ) の腐食が多い アスファルト防水層 床排水トラップ 下階の天井配管は共用部として扱われることが一般的で これらの工事は管理組合の費用でまかなうことになる 漏水住戸が複数戸におよぶ場合は 全戸を更新する大規模修繕となり 併せて排水通気システム全体を見直すことになる - 1 -

3. 床排水トラップの更新方法 3-1. 既設工法と同じ方法で施工し直す既設の床排水トラップを撤去して ( 写真 3) 新品に取り替え アスファルト防水をし直す ( 写真 4) その際にバランス釜を撤去し 給湯器を浴室外に設置して 大きな浴槽に替えるケース ( 写真 5) も多い 写真 -3 既設床排水トラップ :T5B ハツリ作業 写真 -4 新設床排水トラップ :T5B アスファルト防水シート 写真 -5 バランス釜を撤去し 大型の浴槽に交換 ( 改修後 ) 3-2.FRP 防水用の床排水トラップに取り替え FRP 防水で仕上げる FRP 防水は臭いが強いため室内での施工や浴室改修には不向きであると言われてきた しかし 揮発性有機化合物の揮散量を 95% カットしたノンスチレン樹脂の採用により 臭いは大幅に軽減され 入居者や作業者への負担も少なくなった そのため FRP 防水で浴室を改修する集合住宅が増え始めている 従来は FRP 防水を積層する際 鋳鉄製床排水トラップの防水受けつばになでつけていたが 鋳鉄と FRP との密着性にやや難があった この度 開発した FRP 防水用床排水トラップ marta-1( たて型 )( 写真 6,7) marta-2( よこ型 )( 写真 8) は FRP 製の防水板を備えた床排水トラップで 積層する FRP と同質の樹脂になでつけるため 密着性が向上し FRP 防水の信頼性が高まる 写真 -6 FRP 防水用床排水トラップ marta-1( たて型 ) 写真 -7 marta-1( たて型 ) FRP 防水板を専用工具で締め付け 写真 -8 FRP 防水用床排水トラップ marta-2( よこ型 ) 4.FRP 防水による浴室改修事例 4-1. 住戸別工程神奈川県の某所の 5 階建て 4 棟 125 住戸の団地で FRP 防水用床排水トラップ marta-1 を使用した浴室改修工事が行われた 住戸別の標準工程は表 -1 の通り - 2 -

1 日目 2 日目 3 日目 4 日目 5 日目 6 日目 器具取り外し 排水トラップ更新工事 FRP 防水工事 FRP 防水工事 FRP 防水工事 器具取り付け 浴室 仮復旧 ( コア抜き工事 ) モルタル下地処理プライマートップコート通水試験内装撤去器具取り外しガラス繊維敷き色付けシーリング内装復旧工事 配管工事 配管工事 樹脂塗布 在宅 必要 必要 必要 必要 必要 必要 浴室 洗面使用不可期間 表 -1 住戸別工程表 ( 浴室 FRP 防水 標準工程 ) 居住者が工事で拘束される在宅必要期間は 6 日間におよび さらに浴室 洗面 ( 浴室の中に洗面器が設置されている ) を使用できない期間が 5 日間となり 居住者にとっては長期間の不便を強いられる 当該現場では浴室防水 床排水トラップ 排水横枝管 排水立て管も併せて更新しており 雑排水系統の大規模修繕工事と位置づけられる 図 -2 基準階断面納まり図図 -3 FRP 防水 marta-1 廻り詳細図 4-2. 施工手順 4-2-1. 既設トラップの撤去バランス釜 浴槽などの器具を取り外し 既設の床排水トラップを撤去する 撤去はダイヤモンドカッターでのコア抜き ( 写真 11) とエアドリルでのハツリを併用する 床排水トラップ T5B の防水受けつばと胴部を切り落とすようにして孔あけする ( 写真 12,13) この時点でアスファルト防水層は切断されるため 防水層上に溜まっていた浸透水がしたたり出る 本来であれば浴室のタイルから浸透してきた水は アスファルト防水層に溜まることなく 床排水トラップ :T5B の水抜き孔 写真 -9 既設の浴室 - 3 - 写真 -10 バランス釜と浴槽を取り外す

から排水管の中へ導かれるハズであるが 水抜き孔が防水層で塞がれているなど 本来の機能が発揮されずにアスファルト防水層上に浸透水が溜まってしまっているケースがしばしばある ひどい場合は 1 リットル以上の水が溜まっており そのような場合は ダイヤモンドカッタを固定するアンカーボルトが効かないこともある 写真 -11 ダイヤモンドカッタによるコア抜き 写真 -12 抜かれた孔 写真 -13 防水受けつばをスラブ内に残したまま切り取った T5B 胴部 4-2-2.FRP 防水用床排水トラップ marta-1 の設置と排水横枝管の更新浴室排水口の床レベル 排水立て管へ導かれる排水横枝管のレベル および浴室排水口の平面的な位置を 3 次元で調整しながら marta-1 を設置 配管する必要があり 微妙なレベル調整が要求される 排水は重力によって流下させるものであり 逆こう配は絶対に回避しなければならない そこで marta-1 は 15mm のレベル調整ができる工夫が施してあり 位置決めとレベル調整に配慮している 写真 -14 marta-1 本体の設置 写真 -15 marta-1 レベル出し 埋め戻し 写真 -16 下階の天井配管 4-2-3.FRP 防水の積層 marta-1 の設置が終わるとポリマーセメント系モルタルで下地処理を行い 下塗り マット 下塗り 中塗り トップコートと積層していく ( 写真 17,18,19) marta-1 に付属する FRP 製の防水板に積層していくので 密着性が高く確実な防水性能が担保される 写真 -17 FRP 防水 / 下地処理 - 4 - 写真 -18 FRP 防水 / 中塗り 写真 -19 FRP 防水 / トップコート

5. むすび住戸専有部を貫通して配管されている排水立て管 および下階の天井に配管されている排水横枝管を更新することは 居住者にとって負担の多い大規模な修繕となる しかし 腐食や劣化した箇所からの漏水はおかまいなく居住者を責め立て 区分所有物の資産価値を低下させていく 圧送する給水管と違い 排水は重力で流すのが大原則であり重力に逆らうことはできないため 配管上の制約も多い しかし 水が流せないということは 給水が蛇口まで届いていても使えないということであり 快適な生活を送るうえで最も大切な設備だとも言える FRP 防水による浴室改修は 現場打ちのユニットバス と言えなくもなく 施工後の居住者からの評価は高い 2008 年 4 月 11 日から提案募集が始まった 超長期住宅先導的モデル事業 ( いわゆる 200 年住宅 ) の募集部門には 既存住宅の改修 も含まれている きちんと手入れしてその履歴が明らかになっていれば価値は下がらない 100 万戸に上ると推定される築 30 年を超える高経年集合住宅の排水管更新は 待ったなし だ - 5 -