政策課題分析シリーズ13(本文5)

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平成 30 年 8 月 10 日 リポバス錠 5, 10, 20 アトーゼット配合錠 LD, MSD 株式会社 HD 競合品目 1 クレストール錠 クレストールOD 錠 アストラゼネカ 競合品目 2 リピトール錠 アステラス製薬 競合品目 3 リバロ錠 リバロOD 錠 興和 自社製品を除いた同効品で

政策課題分析シリーズ14(本文2)

1 分析の主旨 ビタミン剤 うがい薬 湿布薬 保湿剤に関しては 医療費適正化の観点か ら 診療報酬改定で様々な対応を行ってきている 本分析は 2012 年度から2016 年度 ( 平成 24 年度から平成 28 年度 ) の調剤レセプトのデータを用いて これらの医薬品の薬剤料 数量等の推移を示したも

第 19 回報告書 図表 Ⅲ-3-1 配合薬の重複処方に関する 共有すべき事例 (2014 年 3 月事例 4 を一部改変 ) 事例の内容 患者は元々オングリザ錠とアクトス錠が処方されていたが 途中でリオベル配合錠 LDに変更となっていた 今回他の薬剤と合わせて処方された際 オングリザ錠 5mgとピ

外来薬剤費 増加要因分析 1 従前 外来薬剤費は価格 数量両面で増加してきたが 近年は数量が減少寄与 ( 図表 1) 数量面では 人数 一人当たりレセ数 レセ当たり薬剤数の何れも2 年間累積で減少寄与だが レセ当たり薬剤種類数の寄与が大きい ( 図表 2) 価格変化では 相対的に高価格帯品の寄与が大

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薬剤師が患者さんから 薬の問合せ 苦情 副作用の訴え で記憶に残っている製品 1 リリカ % 1 リリカ % 2 アミティーザ 5 1.3% 2 ロキソプロフェンNa( 一般名 ) 5 1.3% ロキソニン 5 1.3% 3 アミティーザ 4 1.1% 説明に苦労した 困った

05 別添2H30八尾市医薬品適正利用等啓発事業概要

経済成長を担う医薬品産業

使用マニュアル 同文書院

<4D F736F F F696E74202D F2817C CBB8D7382CC96F289BF8AEE8F8090A C982C282A282C42E B8CDD8AB

2 有効成分名 添付文書及び審査報告書に基づき記載する 3 品目名 ( 後発医薬品 ) 添付文書及び審査報告書のほか薬価基準収載品目リストにより記載する 複数の品目がある場合は 個別医薬品コード (YJ コード ) 順に番号を振り 記載する ( 複数規格があっても 全規格まとめて YJ コード順とす

( 参考 ) 1. 最近の後発医薬品等の動向 収載収載初めての後発医薬品先発薬価 0.4 掛け ( 注 2) 先発薬価 0.4 掛け ( 注 3) 代替収載年月日希望品目新規 以外品目成分規格品目成分規格品目成分規格品目 平成 20 年 11 月 7 日

医療用医薬品の流通改善推進施策対比表 項目 適切な仕切価の設定 割戻し アローアンスの縮小 単品単価取引の推進 未妥結 仮納入の改善 緊急提言 ( 平成 19 年 ) 一次仕切価については薬価告示後速やかに提示し 卸売業者間との交渉に努める 割戻し アローアンスのうち一次仕切価に反映可能なものは反映

Ⅲ名称類似に関する事 その他の事例 5 (0.3%) (0.6%) (0.4%) (0.5%) (0.5%) 例 Ⅲ 事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 名称類似に関する事例 2017 年年報 2. 報告件数 2017 年の報告件数および報告事例の

薬-1 長期収載品と後発品

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Microsoft PowerPoint - 【厚労省】説明資料_ pptx

【案5】H29年度 調剤医療費の動向_プレスリリース

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Microsoft PowerPoint  税-1(平成28年度補てん状況把握)

2 院内処方 ( 入院外 投薬 ) 及び院外処方 ( 薬局調剤 ) における薬剤点数薬剤点数階級別件数の構成割合を入院外の投薬 ( 以下 院内処方 という ) 薬局調剤( 以下 院外処方 という ) 別にみると ともに 500 点未満 が最も多く それぞれ 67.0% 59.4% となっている また

上位 10 製品では 15 年発売の C 型肝炎治療薬 ハーボニー - ハイゴウ が 1 位 ソバルディ が 4 位でした トップ 10 ランキングは 前年から アバスチン を除き全てが入れ替わりました 2015 年第 4 四半期 (10 月 -12 月 ) 日本医療用医薬品市場トピックは以下の通り

相互作用DB

表 脂質異常症 スクリーニングのための診断基準空腹時採血 とがあります 定 期 的に血 液 検 査を行うこ 妨げることによってLDLコレステロール値 を上げる効果もあります ル値を下げたり HDLコレステロール値 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症 トリグリセライド 50mg/dL以上

松本ほか : 肥満と精神神経薬剤処方数の関連 評価に資することを目的に平成 21 年度分より電子レセプトならびに特定健診の匿名化後のデータ収集を開始し 図 1のような流れで25 年 4 月より本格運用されている レセプト情報が約 80 億 5,000 件 特定健診等情報が約 1 億 2,000 件


3 電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の請求を行うこと ( 以下 レセプト電子請求 という ) が義務付けられた保険医療機関 ( 正当な理由を有する400 床未満の病院及び診療所を除く なお 400 床未満の病院にあっては 平成 27 年度末までに限る

新規文書1

要旨 : 昨年初めて公開された NDB オープンデータを用いて医薬品マーケティングへの応用可能性を検討した 薬効領域 ( 小分類 ) の市場構造分析と都道府県単位のエリアマーケティングに活用可能であることを確認した キーワード : 医薬品マーケティング 医療ビッグデータ NDB オープンデータ 市場

ミッションステートメント 第 6 次中期経営計画 我々は 我々のジェネリック医薬品が世界の患者 薬剤師 医師 卸売業者 製薬企業に必要とされ 提供し続ける為に自ら存続する努力を行い ジェネリックメーカーとして世界で卓越する 2

中医協総 医薬品及び医療機器の費用対効果評価に関する取扱いについて 1 既収載品に係る費用対効果評価の手続き (1) 対象品目の指定中央社会保険医療協議会の定める以下の選定基準に基づき 費用対効果評価専門部会において指定 公表されたものとする 次の全ての要件を満たす品

第 7 回大阪市人口移動要因調査報告書 平成 27 年 3 月 大阪市都市計画局

医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版有効成分リトドリン塩酸塩 品目名 ( 製造販売業者 ) 後発医薬品 品目名 ( 製造販売業者 ) 先発医薬品 効能 効果用法 用量添加物 1) 解離定数 (25 ) 1) 溶解度 (37 ) 1 ウテロン錠 5mg サンド 2

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ミッションステートメント 第 6 次中期経営計画 我々は 我々のジェネリック医薬品が世界の患者 薬剤師 医師 卸売業者 製薬企業に必要とされ 提供し続ける為に自ら存続する努力を行い ジェネリックメーカーとして世界で卓越する Copyright 2015 Nichi-Iko Pharmaceutica

はじめにわが国の健康保険制度は, 原則として 療養の給付 である すなわち, 医療技術者による直接的な医療サービスや, 医薬品や検査は 現物 で患者に給付される 保険医療機関や保険薬局は, 患者に対して給付した医療サービスや医薬品を, 保険者に請求 ( 保険請求 ) する この際必要となる医薬品の価

資料3

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2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

に 正当な理由がない限り無償で交付しなければならないものであるとともに 交付が義務付けられている領収証は 指定訪問看護の費用額算定表における訪問看護基本療養費 訪問看護管理療養費 訪問看護情報提供療養費及び訪問看護ターミナルケア療養費の別に金額の内訳の分かるものとし 別紙様式 4を標準とするものであ


骨粗しょう症調査

クロザリル 錠 25mg クロザピン 錠 25mg コンビビル 配 合 錠 ジドブジン ラミブジン 錠 ザーコリカプセル200mg クリゾチニブカプセル 200mg1カプセル ザーコリカプセル250mg クリゾチニブカプセル 250mg1カプセル サムスカ 錠 15mg トルバプタン 錠 15mg

ニ後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している こと 4 施設基準 通知 第 36 の 3 外来後発医薬品使用体制加算 1 外来後発医薬品使用体制加算に関する施設基準 (1) 診療所であって 薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質 安全性 安定供給体制等の情

ものだ 患者は副作用に気づけない中身を具体的に見ていこう 降圧剤では アジルバやノルバスクなどに横紋筋融解症の副作用が 1 月に追加された アジルバは ARB( アンジオテンシンⅡ 受容体拮抗薬 ) という比較的新しい降圧剤で 副作用も比較的少ないとされている ノルバスクはカルシウム拮抗薬というタイ

データの取り扱いについて (原則)

医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況等に関する調査

目次 Ⅰ 調剤等に関する事項 1 処方せん 1 2 調剤等 2 3 処方せん 調剤録の保存 3 Ⅱ 調剤技術料に関する事項 1 調剤料 3 2 調剤料又は調剤技術料に係る加算 3 Ⅲ 薬学管理料に関する事項 1 薬剤服用歴管理指導料 3 Ⅳ 薬剤料等の請求 1 薬剤料 5 Ⅴ 事務的事項 1 届出事

後発医薬品への変更調剤について

医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版 有効成分 ニカルジピン塩酸塩 品目名 ( 製造販売業者 ) 1 ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル20mg 日医工 日医工 後発医薬品 2 ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg 日医工 日医工 品目名 ( 製造販売業者 )

長期収載品について 長期収載品とは 明確に定義はされていないが 一般的には 後発医薬品のある先発医薬品をいう 長期収載品と後発医薬品の間には 実質的に 以下のような役割分担が生じている 安定供給 長期収載品 安定供給することが求められており 具体的には 医療機関から継続供給を求める意見が強いことなど

Ⅲ-3 試用医薬品に関する基準 平成 10 年 1 月 20 日公正取引委員会届出改定平成 13 年 3 月 19 日公正取引委員会届出改定平成 16 年 5 月 25 日公正取引委員会届出改定平成 17 年 3 月 29 日公正取引委員会届出改定平成 26 年 6 月 16 日公正取引委員会 消費

発 再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を除く ) においては 通常 8 週間まで 十二指腸潰瘍においては 通常 6 週間まで 非びらん性胃食道逆流症においては 通常 4 週間までと限定されていることから 使用にあたっては十分留意すること 2 本製剤は 既に薬価収載後 1 年以上を経過している ネキ

Microsoft Word - 日薬連宛抗インフル薬通知(写).doc

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

KITASATO  UNIVERSITY EAST  HOSPITAL

もくじ糖尿病は 合併症を防ぐために治療する 1 高血糖の三大原因 スルホニル尿素薬 (SU 薬 ) 4 速効型インスリン分泌促進薬 5 - グルコシダーゼ阻害薬 ビグアナイド薬 (BG 薬 ) 7 チアゾリジン薬 9 DPP-4 阻害薬 10 SGLT2 阻害薬 11 糖尿病の治療薬で起こる 低血糖

201601

H1-H4

I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

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01 年 月 1 人あたりオフィス面積の分布と推移 図表 1は 01 年の東京 区における 1 人あたりオフィス面積の分布で 中央値は.9 坪であった ( 半数のテナントは.9 坪より小さく 残りの半数のテナントは.9 坪より大きい ) 01 年 月 17 日 図表 1 1 人あたりオフィス面積の分

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

薬価基準収載医薬品コード レセプト電算処理システム用コード HOT コード一覧 薬価基準収載医薬品コード (YJ コード ) レセプト電算処理システム用コード HOT コード包装 ブロチゾラム錠 0.25mg ヨシトミ F1037

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

調査票を入力いただく環境について Adobe Reader のバージョンについて本調査票は Adobe Reader 11 以降のバージョンに対応しています (Adobe Reader11 より古いバージョンですと ファイルの保存の際に下記等のエラーメッセージが表示され ファイルの保存がされません

医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版有効成分クリンダマイシンリン酸エステル 品目名 ( 製造販売業者 ) 後発医薬品 品目名 ( 製造販売業者 ) 先発医薬品 効能 効果用法 用量添加物 1) 解離定数 1) 溶解度 原薬の安定水 性 1) 液性 (ph) 1

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SKMBT_C552D

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

第2章 食品卸売業の経営指標

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

有価証券報告書・CG報告書比較分析

平成 30 年度調剤報酬改定に係る 都薬によくある問い合わせ ( 平成 28 年 ) 調剤基本料 1 ( 平成 30 年 ) 調剤基本料 1 の場合は提出不要 様式 87 の 3 地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類 2 麻薬小売業者免許証の番号 ( 届出する全薬局 ) 該当番号を記載 3

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Microsoft Word - 平成28年度診療報酬改定における主要改定項目.docx

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

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KITASATO  UNIVERSITY EAST  HOSPITAL

211 年 2 月 25 日発行 TVI( タス空室インデックス )( 過去 2 年推移 ) ポイント 全域 23 区市部神奈川県埼玉県千葉県 年月 東京都全域 23 区市部 神奈川県 埼玉県 千葉県 29 年 1 月

News Release No.214(14-5) 2014 年 ( 平成 26 年 )6 月 13 日 東商記者クラブ 日銀クラブで 資料投函させていただいております 平成 26 年 5 月度貸金情報統計概況 貸金業法の指定信用情報機関シー アイ シー (CIC) は 毎月 貸金情報統計を公表して

富士フイルムファーマ から製造販売承認を承継する製品 2019 年 3 月 28 日承継 : 変更品の出荷予定時期 2019 年 4 月頃から包装ごとに順次出荷 販売名アゼルニジピン錠 16mg FFP アゼルニジピン錠 16mg FFP アゼルニジピン錠 16mg FFP アゼルニジピン錠 8mg

標準コード一覧 平成 26 年 12 月 11 日にレセプト電算処理システム医薬品マスターに追加された商品名コードを新設しました 医科 窓口処理情報 について品名欄に記載した窓口処理情報処 15X-XXX:XXXXXX 薬剤 は 算定アシストソフトにおいて必要な情報です 当ソフトをご利用でないお客様

新規採用医薬品 28 件 イクスタンジ錠 40mg エンザルタミド 前立腺癌治療剤 アステラス製薬 院外採用 ( 院外処方のみオーダリング可 ) イクスタンジカプセル 40mg の院内在庫がなくなり次第オーダリング開始イクスタンジカプセル 40mg は院内在庫がなくなり次第削除 ( オーダ停止 )

プロピベリン塩酸塩塩酸プロピベリン錠 10 KN ( 小林化工 ) プロピベリン塩酸塩塩酸プロピベリン錠 20 KN ( 小林化工 ) リルマザホン塩酸塩水和物 リルマザホン塩酸塩水和物 塩酸ベニジピン錠 2 MEEK 塩酸ベニジピン錠 4 MEEK 塩酸ベニジピン錠 8 MEEK 塩酸リルマザホン

News Release 報道関係各位 2015 年 6 月 22 日 アストラゼネカ株式会社 40 代 ~70 代の経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんと 2 型糖尿病治療に従事する医師の意識調査結果 経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんは目標血糖値が達成できていなくても 6 割が治療

調剤ミス防止対策における調剤室環境整備とヒューマンエラーの関連性の分析

1 新規採用医薬品 薬事委員会の決定による医薬品採用の開始 プレセデックス静注液 00μg/50mL シリンジ ファイザー 一般名デクスメデトミジン塩酸塩 薬効等 α 作動性鎮静剤 開始日平成 0 年 11 月 日 ( 金 ) エンブレル皮下注 5mg ペン 0.5mL エタネルセプト ( 遺伝子組

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図表 2-1-21 薬価プロファイル ( 薬効 ( 大分類 ) 別 ) 20 改定回数別サンプル数 収載時 1 回目 2 回目 3 回目 4 回目 5 回目 6 回目 7 回目 8 回目 神経系及び感覚器官用医薬品 184 184 176 157 133 112 97 90 83 個々の器官系用医薬品 292 292 269 242 221 199 180 167 148 代謝性医薬品 169 169 142 121 95 81 70 65 57 組織細胞機能用医薬品 144 144 117 102 87 76 65 58 52 病原生物に対する医薬品 160 160 137 124 115 100 90 75 65 全医薬品 1,010 1,010 899 797 696 608 535 485 428 2.2.2. 個別価格のプロファイル前項では医薬品全体の価格の動きをみてきたが ここでは個別医薬品の薬価プロファイルについて 市場の需要の大きさや寡占度 ( 競合の有無 ) 等とどのような関係があるのかをみていく 具体的には 販売額が大きい内服薬が含まれる薬効を抽出し 当該薬効を含む医薬品の価格プロファイルの検証と 当該薬効の上市医薬品数と価格プロファイルの関係の分析を行う 分析対象薬効は 前項で利用したデータセットから 販売額が大きい特定薬効の医薬品を抽出し 薬効毎に価格プロファイルを作成した 販売額については 2013 年度の売上高ランキング 21 を参考にしており 販売額の大きい内服薬の薬効を6 種類選定した ( 図表 2-2-1) 選定された薬効について 価格プロファイルのデータセットから 当該薬効に含まれる薬剤を一般名ベース 22 で抽出し 分析対象とした 規格が異なる同名製品については 1 収載年度が古いもの 2 規格単位が小さいもの の順に優先して1 剤を選択した 図表 2-2-1 薬価プロファイル ( 個別価格プロファイル対象薬効 ) 代表的な薬剤薬効 ( 売上高最大のもの ) ブロプレス 1 ARB ( 武田薬品工業 ) プラビックス 2 抗血栓薬 ( サノフィ ) 3 DPP-4 阻害剤 ( 糖尿病ジャヌビア治療薬 ) (MSD) PPI( プロトンポンプ阻タケプロン 4 23 害薬 ) ( 武田薬品工業 ) 5 スタチン ( 脂質異常症治療リピトール薬 ) ( アステラス製薬 ) 6 ChE 阻害薬 NMDA 受アリセプト容体拮抗薬 ( 認知症治療薬 ) ( エーザイ ) 40 薬効中分類 214 血圧降下剤 333 血液凝固 血小板凝集阻止剤 396 糖尿病薬 232~234 消化性潰瘍用剤 健胃消化剤 制酸剤 218 高脂血症用剤 119 その他の中枢神経用薬 20 薬効 ( 大分類 ) は一部を抜き出しているため 合計と全医薬品数は一致しない 21 株式会社じほう 日刊薬業データベース に基づく 2013 年度売上高ランキングのうち 内服薬の売上高上位品目を抽出し 重複する薬効を除いた上で 上位 6 品目を抽出し それらの医薬品が含まれる薬効を対象とした 22 該当する医薬品 ( 一般名 ) の選定に際しては 医療情報科学研究所 薬がみえる vol.1 薬がみえる vol.2 を参考とした 23 プロトンポンプ阻害剤には カリウムイオン競合型アシッドブロッカーを含む

また 市場メカニズムの働き方を検証すべく 薬効別上市品目数と当該薬効における下落率の関係を分析した 上市品目数については 6 種類の薬効それぞれについて 医薬品 ( 一般名 ) 毎に医薬品数 ( 製品名ベース ) を調査 24 し 薬効毎に足し合わせて集計した 集計に当たっては先発 後発医薬品を区分して集計するとともに 規格が異なる同名製品は同一のものとみなした また 後発医薬品数については 規格により数が異なる場合には 原則として後発医薬品が存在する最小規格の後発医薬品数を採用した ( 図表 2-2-2) 24 厚生労働省 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について に基づき 2014 年度薬価改定及び 2016 年度薬価改定の参考資料となる薬価調査の直前の情報として 2013 年 8 月末時点及び 2015 年 8 月末時点の後発医薬品数を計上した 41

図表 2-2-2 薬価プロファイル ( 個別価格プロファイル対象医薬品 ) 25 薬効 一般名 先発医薬品製品名 後発医薬品数後発医薬品数先発医薬品数 (2013.8) (2014.8) スタチン 合計 6 70 84 アトルバスタチンカルシウム水和物 リピトール 1 19 20 シンバスタチン リポバス 1 18 11 1 スタチンピタバスタチンカルシウム リバロ 1 0 25 プラバスタチンナトリウム メバロチン 1 29 24 フルバスタチンナトリウム ローコール 1 4 4 ロスバスタチンカルシウム クレストール 1 0 0 ARB 合計 20 32 128 アジルサルタン アジルバ 1 0 0 アジルサルタン アムロジピンベシル酸塩 ザクラス配合錠 1 0 0 イルベサルタン イルベタンアバプロ 2 0 0 イルベサルタン アムロジピンベシル酸塩 アイミクス配合錠 1 0 0 イルベサルタン トリクロルメチアジド イルトラ配合錠 1 0 0 オルメサルタンメドキソミル オルメテック 1 0 0 オルメサルタンメドキソミル アゼルニジピン レザルタス配合錠 1 0 0 カンデサルタンシレキセチル ブロプレス 1 0 34 2 ARB カンデサルタンシレキセチル アムロジピンベシルユニシア配合錠酸塩 1 0 0 カンデサルタンシレキセチル ヒドロクロロチアジエカード配合錠ド 1 0 0 テルミサルタン ミカルディス 1 0 0 テルミサルタン アムロジピンベシル酸塩 ミカムロ配合錠 1 0 0 テルミサルタン ヒドロクロロチアジド ミコンビ配合錠 1 0 0 バルサルタン ディオバン 1 0 32 バルサルタン アムロジピンベシル酸塩 エックスフォージ配合錠 1 0 0 バルサルタン シルニジピン アテディオ配合錠 1 0 0 バルサルタン ヒドロクロロチアジド コディオ配合錠 1 0 0 ロサルタンカリウム ニューロタン 1 32 32 ロサルタンカリウム ヒドロクロロチアジド プレミネント配合錠 1 0 30 抗血栓薬合計 4 3 33 クロピドグレル硫酸塩 プラビックス 1 0 30 3 抗血栓薬クロピドグレル硫酸塩 アスピリン コンプラビン配合錠 1 0 0 チクロピジン塩酸塩 パナルジン 1 3 3 プラスグレル塩酸塩 エフィエント 1 0 0 DPP-4 阻害剤合計 10 0 0 アナグリプチン スイニー 1 0 0 アログリプチン安息香酸塩 ネシーナ 1 0 0 アログリプチン安息香酸塩 ピオグリタゾン塩酸塩リオベル配合錠 1 0 0 4 サキサグリプチン水和物オングリザ 1 0 0 DPP- シタグリプチンリン酸塩水和物ジャヌビア 1 0 0 4 阻害剤シタグリプチンリン酸塩水和物グラクティブ 1 0 0 テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物 テネリア 1 0 0 トレラグリプチン ザファテック 1 0 0 ビルダグリプチン エクア 1 0 0 リナグリプチン トラゼンタ 1 0 0 PPI 合計 6 49 44 エソメプラゾールマグネシウム水和物 ネキシウムカプセル 1 0 0 オメプラゾンオメプラゾール 5 PPI オメプラール 2 12 10 ボノプラザン タケキャブ 1 0 0 ラベプラゾールナトリウム パリエット 1 25 24 ランソプラゾール タケプロン 1 12 10 認知症治療薬 合計 5 28 28 ガランタミン臭化水素酸塩 レミニール 1 0 0 6 認知症治ドネペジル塩酸塩アリセプト 1 28 28 療薬メマンチン塩酸塩メマリー 1 0 0 リバスチグミン リバスタッチパッチイクセロンパッチ 2 0 0 ( 同じ薬効の医薬品は 同様の市場実勢価格で取引 ) 6 種類の薬効毎に 実年度別に 個別医薬品の価格プロファイルを作成すると 多くの薬効で類似した価格プロファイルが描かれた スタチンでは 1990 年度に収載されたリポバス及びメバロチンがほぼ同じプロファイルを描いているほか 2000 年度以降に収載された各品目についても おおむね類似したプロファイルを辿っている ( 図表 2-2-3) また 改定回数別のプロファイルでも 収載年度が違う品目でも 4 回目以降の改定で乖離が生じてはいるものの 改定 3 回目まではおおむね似通ったプロファイルを描いている 25 先発医薬品数は 2016 年度薬価改定時点 2014 年度薬価改定時点で収載されていなかった先発品については 太字で表記した 42

図表 2-2-3 薬価プロファイル ( スタチン ) ARBでは 年度別にみると 2008 年度以前に収載された品目の多くが類似した価格プロファイルを描いている ( 図表 2-2-4) 直近に収載されたアジルバ イルトラを除くと 2016 年度を 100 とした時の 2012 年度の価格は 107( ブロブレス ) から 110( イルベタン ) までの間にほぼ収まっており ほぼ同様のプロファイルを描いている 改定回数別にみると 品目ごとに異なるプロファイルが描かれている 例えば 4 回目の収載時点でみると ニューロタン (82.3) は オルメテック (70.3) と比べて 約 12% ポイント薬価が高止まりしている 図表 2-2-4 薬価プロファイル (ARB) 43

ADP 受容体遮断薬 ( 抗血栓薬 ) では 1990 年度から収載されているパナルジンと 近年収載されたプラビックス コンプラビンの間に 価格プロファイルの乖離がみられる ( 図表 2-2-5) 図表 2-2-5 薬価プロファイル ( 抗血栓薬 ) DPP-4 阻害剤では 年度別にみると 同時期に発売された製品はほぼ同様の価格プロファイルを描いている 一方で 改定回数別にみると 価格の下落幅に乖離があり 同一年度に収載された品目には同じ価格が設定されていることが示唆される ( 図表 2-2-6) 図表 2-2-6 薬価プロファイル (DPP-4 阻害剤 ) 44

PPIでは 年度別にみると 近年は類似した価格プロファイルを描いているものの 収載直後に遡ると水準に乖離がみられる 改定回数別にみると 1990 年代初頭に収載されたタケプロンとオメプラールはやや類似したプロファイルを描いている一方で 1997 年度に収載されたパリエットはそれらと比較して下落幅が大きい ( 図表 2-2-7) 図表 2-2-7 薬価プロファイル (PPI) ChE 阻害薬 NMDA 受容体拮抗薬 ( 認知症治療薬 ) では 収載年度の異なるアリセプトと他品目で 価格プロファイルに違いがみられる ( 図表 2-2-8) 図表 2-2-8 薬価プロファイル ( 認知症治療薬 ) 45

2.2.3. 市場寡占度 と 薬価 ( 販売額が大きい内服薬の薬効では 価格の下落幅が大きくなる傾向 ) 販売額の大きい内服薬の薬効の薬価プロファイルをみると 全医薬品平均と比較して下落率が高い薬効がやや多いように見受けられる ( 図表 2-2-9) ARB は 1 回目の薬価改定で薬価が 5.8% 下落 ( 全医薬品平均は 2.8% 下落 ) その後も薬価改定毎に下落を続け 薬価改定 8 回目後の薬価 ( 収載時比 59.6) は 全医薬品平均 ( 同 69.6) と比較すると約 10% ポイント低下幅が大きくなっている DPP-4 阻害剤 も1 回目の薬価改定で 6.5% 下落しているほか PPI スタチン も全医薬品平均と比較すると 薬価の下落幅が大きいことが確認できる 一方 販売額は大きいものの 抗血栓薬 認知症薬 は 1 回目の薬価改定でどちらも 2.5% 下落と全医薬品平均より下落幅が小さく その後も収載後一定の期間は全期間平均より下落率が低くなっている 図表 2-2-9 薬価プロファイル ( 主要薬効別 改定回数別 ) 2016 年度を 100 として年度別に遡ると 2008 年度の価格は 販売額の大きい内服薬の全薬効群で 全医薬品平均よりも高くなっている ( 図表 2-2-10) 46

図表 2-2-10 薬価プロファイル ( 主要薬効別 年度別 ) ( 医薬品数が多いほど 薬価が下落しやすい傾向 ) 図表 2-2-10 と同様に 販売額売上高が大きい薬効における 2014 年度薬価改定時の薬価変動率 (2012 年度改定後薬価比 ) 及び 2016 年度薬価改定時の薬価変動率 (2014 年度改定後薬価比 ) 26 をみた ここでは 同時に 医薬品の寡占度 ( 先発医薬品品目数 ) の影響をみる また 薬価の高低が薬価変動に与える影響をみるため 1 日薬価の平均値をバブルの大きさで示した ( 図表 2-2-11) なお 当該年度に市場拡大再算定を取得した品目は分析対象から除外した 図表 2-2-11 主要薬効における先発医薬品数と薬価変動率の関係 26 いずれも 前回薬価改定時に未収載の品目については 収載時薬価比 47

( 備考 )1. 厚生労働省 使用薬剤の薬価 ( 薬価基準 ) の一部を改正する件 ( 平成 28 年 3 月 4 日厚生労働省告示第 55 号 )( 平成 26 年 3 月 5 日厚生労働省告示第 59 号 )( 平成 24 年 3 月 5 日厚生労働省告示第 79 号 ) 新医薬品の薬価算定について ( 中央社会保険医療協議会総会 ( 新医薬品薬価収載時 ) 資料 ) 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について 株式会社じほう 日刊薬業データベース 医療情報科学研究所 薬が見える vol.1 薬が見える vol.2 により作成 2.2016 年 4 月 2014 年 4 月 2012 年 4 月時点の薬価基準から 薬効毎の 2 期間 (2012-2014 2014-2016) の薬価変動率を集計した 3.2013 年度売上高ランキングのうち 内服薬の売上高上位品目を抽出し 重複する薬効を除いた上で 上位 6 品目 ( 抗血栓薬 ARB DPP-4 阻害剤 PPI 認知症治療薬 スタチン ) を抽出し それらの医薬品が含まれる薬効を対象とした 4. 薬が見える vol.1 薬が見える vol.2 を参考にして 各薬効に属する医薬品を抽出 抽出した医薬品から最小規格 (1 剤型 ) のみを選定 5. 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について を使用し 選定した医薬品の剤型 規格に対応する 後発品の有無 発売後発品数を検索 6. 新医薬品の薬価算定について を使用し 各医薬品の収載時薬価の 1 日薬価を検索し 収載時薬価に対する 2012 年 4 月 2014 年 4 月の指数から それぞれの 1 日薬価を推計し バブルサイズとした 収載時 1 日薬価が入手可能な品目のみのため 薬効内全品目の平均値ではないことに留意が必要 7. 拡大再算定対象品目は薬価変動率から除外 (2012-2014:DPP-4 阻害剤全品目 2014-2016: プラビックス ( 抗血栓薬 ) 先発医薬品 後発医薬品合計品目の図表では 後発医薬品未発売薬効は除外 (DPP-4 阻害剤 ) 2014 年度及び 2016 年度改定時における先発医薬品品目数と価格変動率の関係をみると 先発医薬品の品目数が3~4 品目の抗血栓薬の変動率は 2014 年度 2.3% 2016 年度 4.7% 5 品目の認知症治療薬は同 1.7% 2.0% 6 品目のスタチンは同 7.4% 8.7% 5~6 品目のPPIは同 9.0% 8.6% 10 品目のDPP-4 阻害剤は 2016 年度 7.1% 18~20 品目のARBは 2014 年度 6.6% 2016 年度 7.6% であり 先発医薬品品目数多いほど薬価下落率が大きくなる可能性が示唆される 同様の手法にて 先発医薬品 後発医薬品を含めた 医薬品数と先発医薬品の薬価変動率の関係をみる ( 図表 2-2-12) 後発医薬品も含めた医薬品品目数別にみると 抗血栓薬 (2014 年度 ) は6 品目で 2.3% 認知症治療薬(2014 年度 2016 年度 ) は共に 33 品目で各 1.7% 2.0% 抗血栓薬(2016 年度 ) は 37 品目で 4.7% ARB(2014 年度 ) は 50 品目で 6.6% PPI(2016 年度 ) は 50 品目で 8.6% PPI(2014 年度 ) は 54 品目で 9.0% スタチン(2014 年度 ) は 76 品目で 7.4% スタチン(2016 年度 ) は 90 品目で 8.7% ARB(2016 年度 ) は 148 品目で 7.6% である 後発医薬品を含めた医薬品数と薬価変動率の関係をみると 品目数が多いほど薬価下落率が大きくなる傾向が統計的にも有意に検出される 48

図表 2-2-12 主要薬効における先発 後発医薬品数と先発医薬品の薬価変動率の関係 ( 備考 ) 図表 2-2-11 と同様に作成 ここまでみてきたように 薬価変動率には 売上高 医薬品数 後発医薬品の有無 薬価帯等 複合的な要因が影響すると考えられる 総じて 後発医薬品を含めた競合品目数が多いほど 薬価下落率は高くなる傾向がみられる ボックス2: 医薬品卸売業者の概況前項では 価格プロファイルを作成し 医薬品の薬価変動についてみた 現行 2 年に一度行われる薬価改定は 市場実勢価格に基づき改定されることから その価格形成に直接関与する主体として 卸売業者 が重要な役割を担う ここでは 卸売業者の概況についてみる ( 医薬品卸売業における寡占度は上昇したが 価格交渉力は高まっていない ) 医薬品卸売業の売上高でみた上位 5 社の寡占度をみると 2002 年度 (45.8%) から 2010 年度 (73.4%) にかけて上昇し 以後 70% 強で推移している 一方 原価率は 2002 年度 (90.6%) から 2010 年度 (93.1%) へと微増し 以後ほぼ横ばいで推移している ( ボックス図表 2-1) 49

ボックス図表 2-1 医薬品卸売業者の売上原価率と寡占度の関係 ( 備考 ) 厚生労働省 医薬品 医療機器産業実態調査 により作成 一般的に 市場における企業の価格交渉力は寡占度と正の相関関係にあり 価格交渉力が強化された場合には原価率が低下し 利益率が上昇すると考えられる しかし 医薬品卸売業の場合 寡占度が上昇しているにもかかわらず原価率は横ばいもしくは上昇しており 寡占度の上昇に伴う卸売業者の医療機関に対する価格交渉力の上昇は明らかではない (MS1 人当たりの医療機関 保険薬局数は 9.4 施設 7 年で 1.3 倍に増加 ) 医薬品卸売業者は 個々の医療機関 保険薬局とそれぞれ異なる条件で価格交渉を行う 医薬品卸売業において 医療機関 保険薬局と価格交渉を担当するMS 27 の人数は 2006 年度 ( 約 20,860 人 ) から 2014 年度 ( 約 17,760 人 ) にかけて 約 15%( 約 3,100 人 ) 減少した 一方 交渉相手となる医療機関 保険薬局の数は 2008 年度 (161,181 軒 ) から 2014 年度 (166,738 軒 ) にかけて 6 年間で約 5,600 軒増加している その結果 MS1 人当たりの医療機関 保険薬局数は 2007 年度 (7.8 施設 ) から 2014 年度 (9.4 施設 ) にかけて 約 1.2 倍 (1.6 軒 ) に増加している ( ボックス図表 2-2) 27 MS(Marketing Specialist) は 医薬品卸の販売担当者のこと 社団法人日本医薬品卸売連合会 (2012) 医薬卸連ガイド によると MS の主な役割は 医療機関や調剤薬局に対して 医薬品の紹介 商談 情報提供や収集を中心に活動する他 医療経営についての問題解決のお手伝いをする 等と記載されている 50

ボックス図表 2-2 MS1 人当たり医療機関 保険薬局数の推移 ( 備考 ) 1. 厚生労働省 衛生行政報告例 医療施設調査 日本医薬品卸売連合会 卸会員会社の従業員数 M S 数 により作成 2.MS 数は 隔年調査 (2012 年度以降は毎年 ) であったため 調査未実施の年度の MS 数は 前後の年度の平均値を使用した (MS1 人当たりの備蓄品目数は年間 4,500 品目 7 年で 1.4 倍に増加 ) また 医薬品流通市場で取り扱われる品目数 ( 備蓄品目数 ) をみると 2014 年度の平 均は 薬局 1,001 品目 病院 812 品目 診療所 164 品目であった ボックス図表 2-3 MS1 人当たり備蓄品目数の推移 ( 備考 )1. 厚生労働省 診療報酬改定の結果検証に係る特別調査後発品の使用状況調査後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査 日本医薬品卸売連合会 卸会員会社の従業員数 MS 数 により作成 2.MS 数は 隔年調査 (2012 年度以降は毎年 ) であったため 調査未実施の年度の MS 数は 前後の年度の平均値を使用した 51

これに 医療機関 保険薬局施設数を掛け合わせ 備蓄品目総数をみると 2007 年度 ( 約 6,700 万品目 ) から 2014 年度 ( 約 8,200 万品目 ) にかけて 7 年間で約 1,500 万品目増加している 同様に MS1 人当たりの備蓄品目数をみると 2007 年度 ( 約 3,300 品目 ) から 2014 年度 ( 約 4,600 品目 ) にかけて 約 1.4 倍 (1,300 品目 ) に増加している ( ボックス図表 2-3) MS 数が減少する一方で 施設数 備蓄品目数は増加を続けており MS1 人当たりの価格交渉における負担は増大しているものと推察される 厚生労働省 医療用医薬品の流通改善に関する懇談会 では 医療用医薬品の流通改善について ( 緊急提言 ) (2007 年 9 月 28 日 ) 医療用医薬品の流通改善の促進について( 提言 ) (2015 年 9 月 1 日 ) において 未妥結仮納入 や 単品単価取引 の改善について 提言を行ってきているが 供給側の負担がこれら流通上の課題を引き起こす一因となっていることが示唆される 52