調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に

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調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

調査実施の背景 わが国は今 人口構造の変化に伴う労働力の減少を補うため 女性の活躍を推進し経済成長を目指しています しかし 出産後も働き続ける女性は未だ多くないばかりでなく 職場において指導的な立場に就く女性も少ない状況が続いています 女性の活躍を促進させるためには 継続就業のための両立支援策ととも

調査実施の背景 近年 ライフスタイルの多様化が著しく進んでいます 生涯未婚率が上昇し 単身世帯 一人親世帯も増加するなど 世帯構成が大きく変化しました また 25 歳から 39 歳の就業率が上昇し 共働き世帯も増加しました においては 管理職の積極的な登用が推進される一方で非正規社員の占める割合は高

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調査の背景と目的 健康長寿社会の実現がわが国の重要課題となる中 企業が人々の健康づくりに取り組むことを促す動きが広がっています また 健康経営 という観点から 企業が従業員の健康づくりに取り組んだり それを推進したりする動きもあります こうした動きと並行して 従業員の健康づくりへの取り組み状況等に関

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調査の実施背景 近年の消費スタイルは 長引く不況下での節約志向の定着の中で 環境問題や節電が 心がけられたり 東日本大震災の復興支援を目的とした応援消費 支援消費が意識され るなど 単に 安くていいもの を基準としたコストパフォーマンスだけでは説明でき なくなってきています こうした動きの中で 消費

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スライド 1

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調査の背景 わが国は今 女性の活躍推進を掲げ 結婚や出産をしても働き続けることを後押しする社会を目指しています しかしながら 出産後も働き続ける女性は未だ半数にとどまっているばかりでなく 職場において指導的な立場に就く女性も多くありません こうした中 北海道においても地域や職場 家庭などのさまざまな

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基本情報

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流山市子ども・子育て会議

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1. 職場愛着度 現在働いている勤務先にどの程度愛着を感じているかについて とても愛着がある を 10 点 どちらでもない を 5 点 まったく愛着がない を 0 点とすると 何点くらいになるか尋ねた 回答の分布は 5 点 ( どちらでもない ) と回答した人が 26.9% で最も多かった 次いで

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関東地方の者が約半数を占める (45.3%) 続いて近畿地方 (17.4%) 中部地方 (15.0%) となっている 図表 2-5 地域構成 北海道 東北関東中部近畿中国四国九州 沖縄総数 (%) 100.0% 8.9% 45.3%

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2017 年 2 月 27 日株式会社カカクコム 価格.com 生命保険 に関する調査結果を発表加入率は約 8 割 若年層ほど低い傾向 加入中の生命保険は終身タイプがトップ将来への不安?20 代の加入目的 老後保障 貯蓄 が他世代よりも高い結果に補償内容への理解度 十分理解できていない加入者が 53

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(2) 月額の手取り収入と扶養控除について 図 2: 月額の手取り収入について ( 既婚女性 n=968 未婚女性 n=156) 図 3:( 上 ) 扶養控除や健康保険免除について ( 月収 10 万円未満 n=802 月収 10 万円以上 n=166) ( 下 ) 働く際に扶養控除などを気にしてい

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第1回「離婚したくなる亭主の仕事」調査

質問 1 企業 団体にお勤めの方への質問 あなたの職場では定年は何歳ですか?( 回答者数 :3,741 名 ) 定年は 60 歳 と回答した方が 63.9% と最も多かった 従業員数の少ない職場ほど 定年は 65 歳 70 歳 と回答した方の割合が多く シニア活用 が進んでいる 定年の年齢 < 従業

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第2回「離婚したくなる亭主の仕事」調査

平成 26 年 8 月 仙台市 認可保育所利用申請者数 15,077 人 14,340 人 13,826 人 認可保育所入所者数 13,994 人 13,401 人 13,069 人 市の保育施策で対応している児童数 人 174 人 157 人 待機児童数 人 533 人 4

目次 調査概要調査サマリー 歩きスマホ は危ないと思うか?/ 歩きスマホ をしたことがあるか? 歩きスマホ をしてしまう理由は? 歩きスマホ をしている人に対して危ないと感じたことはあるか? 歩きスマホ が危ないと感じたのはどのようなシーンか? 歩きスマホ で最も危ないと感じたのはどのようなシーンか


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調査概要 調査方法 調査目的 贈与者調査 ( 親や祖父母 ) 資金贈与者の立場から 結婚を契機とした既婚の子供への資金援助の実態や未婚の子供や孫に対する資金援助の意向 商品の受容性を把握し 贈与税制見直しなどの提言の一助とする 受益者調査 ( 子供や孫 ) 資金受益者の立場から 結婚の障壁や不安点

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十和田市 事業別に利用数をみると 一時預かりは 年間 0 (.%) 以 上 (.) - (.%) の順となっています 問. 一時預かり ( 年間 ) n= 人 以上. 幼稚園の預かり保育は 年間 0 (.%) 以上 (.%) (.%) の順となっています ファミリー サポー

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

全国20~69歳の未婚男女の結婚・婚活に関する調査

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(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

第5回 「離婚したくなる亭主の仕事」調査

アンケート調査実施概要実施期間 :2017 年 12 月 15 日 ~24 日対象者 : カレコ カーシェアリングクラブ個人会員サンプル数 :4,980 人 ( 内訳 ) 新規会員 (2016 年 12 月以降に入会された会員 )2,570 人既存会員 (2016 年 11 月以前より在籍されている

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

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参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

目次 目次 2 調査概要 3 調査サマリー 4 歩きスマホ は危ないと思うか? / 歩きスマホ をしたことがあるか? 5 歩きスマホ をしてしまう理由は? 6 歩きスマホ をしている人に対して危ないと感じたことはあるか? 7 歩きスマホ が危ないと感じたのはどのようなシーンか? 8 歩きスマホ によ

2. 有期契約労働者を雇用しているか 設問 1 パート アルバイト 契約社員 嘱託 派遣社員などの有期契約労働者を雇用していますか 選択肢 1 雇用している 2 雇用していないが 今後雇用する予定 3 雇用していないが 以前雇用していた 4 雇用しておらず 今後も雇用しない予定 全体

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

第2節 茨木市の現況

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人生100年時代の結婚に関する意識と実態

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

Transcription:

2015 年 1 月 9 日 首都圏 近畿圏在住の子どものいる専業主婦 1,000 名に聞いた 女性の就労 社会参加に関するアンケート調査 ~ 子どもがいる専業主婦の子育て分野で働く意識 第一生命保険株式会社 社長渡邉光一郎 のシンクタンク 株式会社第一生命経済研究所 社長矢島良司 では 首都圏 近畿圏在住の子どものいる専業主婦 1,000 名を対象に 就労や社会参加に対する意識を明らかにするためにアンケート調査を行いました この程 その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします 本リリースは ホームページ URL:http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/ldn_index.html にも掲載しています 調査結果のポイント 子育て分野で働きたいか P.3 約 3 人に 1 人が 現在もしくは将来的に子育て分野で働きたいと思っている その傾向は若 い年代ほど高い 1 子育て分野で働くにあたって希望する就労先 P.4 子育て分野で働くにあたり希望する就労先は 民間企業が 53.6% 住民参加型の地域活動 が 46.4% 1 子育て支援員の認知度 P.5 子育て支援員 について 聞いたことがある 人は 36.4% 年代が高い人の方が認知度が 高い 子育て支援員として働きたいか P.6 子育て支援員として働くことに前向きである人は約 3 人に 1 人 若い年代の人ほど 前向き に考えている 本リリースは 当研究所から季刊発行している ライフデザインレポート Winter 2015.1 を もとに作成したものです 当該レポートは 下記のホームページにて全文公開しております < お問い合わせ先 > 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室広報担当 津田 新井 TEL.03-5221-4771 FAX.03-3212-4470 URL http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi

調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に必要な研修を提供し 研修を修了した人を 子育て支援員 と認定 保育従事者等として活用する制度が新制度と共に創設されることとなりました これによって 地域の子育て世代のために役に立ちたいという住民の力を活用することで 子育てを住民相互が支える仕組みを確立し 潜在的な女性労働力を引き出しながら地域における子育て機能を向上させ 子育てしやすい社会を目指そうとしています こうした中 当研究所では 子どものいる専業主婦を対象に 女性の就労 社会参加に関するアンケート調査 を実施し 子育て分野の仕事への就労意向 並びに 子育て支援員 についての関心度等についての意識をたずねましたので その結果を紹介します 調査概要 1. 調査対象 30~69 歳で首都圏 東京 神奈川 埼玉 千葉 と近畿圏 京都 大阪 兵庫 の都府県に住み 既婚 有配偶 で子どもをもつ無職の女性 1,000 人 30 代 40 代 50 代 60 代それぞれ 250 人ずつの割付をおこなった 2. 調査方法インターネット調査 株式会社クロス マーケティングのモニター 3. 調査時期 2014 年 10 月 1

2 4. 調査対象の属性 1 調査対象者の末子の年齢 勤務 婚姻状況 全体 年代別 単位 :% 注 : 網掛けは 各年代別に上位 2 位の項目を示す 2 調査対象者の企業等への勤務経験 全体 年代別 単位 :% 0 ~ 3 歳未満 幼稚園に入園していない 3 ~ 6 歳 幼稚園に入園している 小学生中学生高校生短大 専門学校 大学 大学院生 予備校生を含む 学校を卒業し 企業等に勤務している 未婚 学校を卒業し 企業等に勤務している 既婚 学校を卒業し 企業等に勤務していない 未婚 学校を卒業し 企業等に勤務していない 既婚 その他全体 n=1,000 16.1 10.0 13.2 5.5 4.4 9.7 17.6 11.4 4.7 5.1 2.3 30-39 歳 n=250 54.0 27.2 15.2 1.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.0 40-49 歳 n=250 10.4 12.8 35.6 17.2 10.0 8.4 2.8 0.4 0.8 0.0 1.6 50-59 歳 n=250 0.0 0.0 2.0 3.2 7.6 28.8 38.0 7.2 8.0 3.2 2.0 60-69 歳 n=250 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.6 29.6 38.0 10.0 17.2 3.6 正社員 正職員として企業等に勤務したことがある正社員 正職員と 非正社員 非正職員として企業等に勤務したことがある非正社員 非正職員 パート アルバイト 契約社員 として企業等に勤務したことがある全体 n=1,000 100.0 6.1 63.5 21.1 8.6 0.7 30-39 歳 n=250 100.0 3.2 54.8 28.4 12.8 0.8 40-49 歳 n=250 100.0 5.2 59.2 26.4 8.8 0.4 50-59 歳 n=250 100.0 4.0 72.4 18.0 4.8 0.8 60-69 歳 n=250 100.0 12.0 67.6 11.6 8.0 0.8 学校を卒業してから現在まで 企業等に勤務したことがないその他企業等に勤務したことがある全体

子育て分野で働きたいか 約 3 人に 1 人が 現在もしくは将来的に子育て分野で働きたいと思っている その傾向は若い年代ほど高い 図表 1 子育てにかかわる仕事の就労意向 全体 年代別 居住地の人口規模別 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 n=1,000 12.3 22.2 65.5 年代別 30-39 歳 n=250 16.0 31.6 52.4 40-49 歳 n=250 12.8 26.4 60.8 50-59 歳 n=250 9.2 21.6 69.2 60-69 歳 n=250 11.2 9.2 79.6 居住地の人口規模別 東京 23 区 n=164 17.1 21.3 61.6 政令指定都市 n=296 12.5 24.0 63.5 人口 30 万人以上の市 n=209 11.0 26.8 62.2 人口 10 万 ~30 万人未満の市 n=212 11.3 19.3 69.3 人口 10 万人未満の市 町村 n=119 9.2 16.0 74.8 この分野で働きたい 現在はできないが 将来的にこの分野で働きたい この分野で働くことを考えていない 注 : 本調査の対象における政令指定都市は さいたま市 千葉市 横浜市 川崎市 相模原市 京都市 大阪市 堺市 神戸市を示す 子どものいる専業主婦に 子育て分野で働きたいかをたずねた結果が図表 1 です 子育 て分野で働きたいと回答した人は全体の 12.3% でしたが 現在はできないが 将来的に この分野で働きたい 22.2% を合わせると 3 割を超える人が前向きな回答でした 年代別にみると 年代が若いほど この分野で働きたい と 現在はできないが 将来 的にこの分野で働きたい を合わせた 子育て分野で働く意向のある人 以下同様 の 割合が高いです 中でも 30 代では 3 割以上が 現在はできないが 将来的にこの分野で働 きたい と回答しています 30 代の多くは末子がまだ未就学児であることから 子どもが もう少し大きくなったら この分野で働きたいと思っているのでしょうか 居住地の人口規模別にみると 東京 23 区や政令指定都市 人口 30 万人以上の市では 子育て分野で働く意向のある人 の割合が 4 割近くにのぼります 一般的に人口規模の 大きい地域の方が 待機児童が多いなど子育て支援に対するニーズが高いと考えられ そ うした地域特性を察して 人口規模が大きい地域の住民は 子育て支援充実の必要性を実 感し 子育て分野で働くことに前向きな人が多いのかもしれません 3

子育て分野で働くにあたって希望する就労先 子育て分野で働くにあたり希望する就労先は 民間企業が 53.6% 住民参加型の地域活動が 46.4% 図表 2 子育てにかかわる仕事の希望する就労先 全体 年代別 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 n=345 53.6 46.4 年代別 30-39 歳 n=119 64.7 35.3 40-49 歳 n=98 60.2 39.8 50-59 歳 n=77 41.6 58.4 60-69 歳 n=51 33.3 66.7 雇用契約に基づく民間企業で働きたい 助け合いの理念に基づく住民参加型の地域活動に参加して働きたい 注 : 図表 1 で この分野で働きたい と 現在はできないが 将来的にこの分野で働きたい の回答者が対象 子育て分野で 働きたい と 現在はできないが 将来的にこの分野で働きたい と思っている人に 子育てにかかわる仕事をするにあたり どのような組織で働きたいかをたずねました 現状 子育て分野の主な就労先として 一つの選択肢は雇用契約に基づく民間企業 以下 民間企業 などがあり *1 もう一つは助け合いの理念に基づく 社会福祉協議会 ファミリー サポート センター NPOなどの住民参加型の地域活動 以下 地域活動 があります 調査の結果 全体では 民間企業 が 53.6% 地域活動 が 46.4% となっています 図表 2 民間企業の方が多いものの あまり大きく差が開いていません 子育てにかかわる仕事をするにあたり 地域活動に参加して働きたいという人も 民間企業と同じくらいの割合となっています 年代別にみると 30 代と 40 代は子育てにかかわる仕事をするにあたり 民間企業で働きたいと回答した人が6 割以上を占めていますが 50 代と 60 代では地域活動に参加して働きたいと回答した人の方が多い結果となっています *1 この他にも雇用契約に基づく子育て分野の就労先として 社会福祉法人や学校法人等があり ますが 本調査では このうち民間企業に絞ってたずねました 4

子育て支援員の認知度 子育て支援員 について 聞いたことがある 人は 36.4% 年代が高い人の方が認知度が高い 図表 3 子育て支援員の認知度 全体 年代別 居住地の人口規模別 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 n=1,000 36.4 63.6 年代別 30-39 歳 n=250 34.0 66.0 40-49 歳 n=250 22.8 77.2 50-59 歳 n=250 60-69 歳 n=250 居住地の人口規模別 東京 23 区 n=164 政令指定都市 n=296 人口 30 万人以上の市 n=209 人口 10 万 ~30 万人未満の市 n=212 人口 10 万人未満の市 町村 n=119 42.8 46.0 40.9 38.9 39.2 30.7 29.4 57.2 54.0 59.1 61.1 60.8 69.3 70.6 聞いたことがある 聞いたことがない 注 : 本調査の対象における政令指定都市は さいたま市 千葉市 横浜市 川崎市 相模原市 京都市 大阪市 堺市 神戸市を示す 本アンケート調査では 一定の研修を実施し修了した人を 子育て支援員 として認定し 小規模保育 家庭的保育 一時預かり 事業所内保育の保育従事者等とする事業が始まる予定 ですと説明した上で この 子育て支援員 について聞いたことがあるかをたずねました その結果 全体では 聞いたことがある が 36.4% 聞いたことがない が 63.6% であり 聞いたことがある 人は4 割弱となっています 図表 3 年代別にみると 聞いたことがある への回答割合が最も高いのは 60 代の 46.0% であり 次いで 50 代の 42.8% です これら 50 代以上に比べて 40 代以下の 聞いたことがある 人の割合は低く 40 代では約 2 割に留まっています 年代が高い人の方が認知度が高いです 居住地の人口規模別にみると 東京 23 区 政令指定都市 人口 30 万人以上の市に住んでいる人では 聞いたことがある に約 4 割が回答しており 人口 30 万人未満の市 及び町村に住んでいる人よりも認知度が高い傾向があります 5

子育て支援員として働きたいか 子育て支援員として働くことに前向きである人は約 3 人に 1 人 若い年代の人ほど 前向きに考えている 図表 4 子育て支援員への関心度と就労意向 全体 年代別 子育てにかかわる仕事への就労意向別 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 n=1,000 3.2 31.2 36.9 28.2 0.5 年代別 30-39 歳 n=250 4.0 45.2 30.4 20.0 0.4 40-49 歳 n=250 3.6 37.2 34.4 24.8 0.0 50-59 歳 n=250 1.2 27.2 36.8 34.0 0.8 60-69 歳 n=250 4.0 15.2 46.0 34.0 0.8 子育てに関わる仕事への就労意向別 この分野で働きたい n=123 20.3 71.5 5.7 1.6 0.8 現在はできないが 将来的にこの分野で働きたい n=222 2.7 この分野で働くことを考えていない 11.5 n=655 0.2 67.1 46.3 41.8 26.6 2.7 0.9 0.3 関心があり 子育て支援員としてすぐにでも働きたい 関心があるが もう少し情報を得てから働きたい 関心があるが 働きたいとは思えない 働けない 関心がない その他 子育て支援員についての関心度と就労意向をたずねた結果をみますと 全体では 関心があり 子育て支援員としてすぐにでも働きたい 以下 すぐにでも働きたい の回答割合は3.2% と少ないものの 関心があるが もう少し情報を得てから働きたい 以下 情報を得てから働きたい の31.2% を合わせると 子育て支援員として働くことに前向きな人が約 3 分の1を占めています 図表 4 年代別にみると すぐにでも働きたい への回答割合は いずれの年代も5% 以下と低いものの 情報を得てから働きたい と回答した人の割合は年齢が若い人ほど高いです 特に30 代は すぐにでも働きたい と 情報を得てから働きたい を合わせると 半数近くが 子育て支援員に関心があり 働くことに前向きです 反対に 50 代以上は 関心がない 人が約 3 分の1を占めています 子育てにかかわる仕事への就労意向との関連をみますと この分野で働きたい 人では 20.3% が すぐにでも働きたい と答えています 情報を得てから働きたい 71.5% を合わせると 前向きな回答割合が9 割以上です 子育て分野で働きたい人は 子育て支援員として働くことにも前向きな人が多いようです 6

研究員のコメント 以上 調査結果により 子どもがいる専業主婦のうち 主に 30 代 40 代で子育て分野で働くことに前向きな人が少なくないことが明らかとなりました また こうした人を中心に 子育て支援員 に関心のある人が多くいます 2015 年 4 月の新制度スタートにあたり 保育事業の拡大に対応するために幅広い人材の確保が求められている中 一定程度期待できる担い手の存在が浮き彫りになりました こうした女性労働力を地域の子育て支援充実のために活かすことが重要です そのために何が必要でしょうか 一つは 子育て支援員の制度化にあたり まずはその認知度向上の取組が必要です 特に 30 代 40 代では子育て分野で働くことに前向きな人が相対的に多いにもかかわらず認知度が低いことから こうした層への積極的な普及活動が求められます もう一つは 保育事業の運営主体は民間企業のみならず 地域住民による非営利活動など 多様な事業主体があることの周知も必要です 未就学児の子どもを育てながらも子育て分野で働くことに前向きな人も少なくありません 最近では 子どもを預けたい あるいは預かってもいいという親同士が知り合いになり信頼関係を築いた上で お互いに子どもを預け合うなどの相互扶助的な子育て支援活動も広がりつつあります 子育て分野で働きたい人が 自分のライフスタイルに合った働き方ができるよう 地域内で子育て支援をおこなう団体 組織等についての情報提供を充実させることも 子育て支援の充実のために重要です このようにして子育て分野で働きたい人の力を引き出し 活用できるような仕組みづくりを行うことで女性の就業が促進されれば 国が目指している すべての女性が輝く社会づくり にも一歩近づくのではないでしょうか 研究開発室上席主任研究員的場康子 7