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調査の実施背景 介護保険制度が 2000 年に創設されてから 10 年余りが過ぎました 同制度は 家族介護をあてにせずに在宅介護ができる支援体制を整えることを目的として発足されたものですが 実際には 介護の担い手としての家族の負担 ( 経済的 身体的 精神的負担 ) は小さくありません 今後 ますま

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調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に

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調査実施の背景 近年 ライフスタイルの多様化が著しく進んでいます 生涯未婚率が上昇し 単身世帯 一人親世帯も増加するなど 世帯構成が大きく変化しました また 25 歳から 39 歳の就業率が上昇し 共働き世帯も増加しました においては 管理職の積極的な登用が推進される一方で非正規社員の占める割合は高

調査実施の背景 わが国では今 女性活躍を推進し 誰もが仕事に対する意欲と能力を高めつつワークライフバランスのとれた働き方を実現するため 長時間労働を是正し 労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得促進策など労働時間制度の改革が行なわれています 年次有給休暇の取得率 ( 付与日数に占める取得日数の割合

調査の背景と目的 健康長寿社会の実現がわが国の重要課題となる中 企業が人々の健康づくりに取り組むことを促す動きが広がっています また 健康経営 という観点から 企業が従業員の健康づくりに取り組んだり それを推進したりする動きもあります こうした動きと並行して 従業員の健康づくりへの取り組み状況等に関

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

調査実施の背景 2015 年 1 月からの相続税における基礎控除の引き下げを前に 孫等への教育資金一括贈与の非課税制度に対する社会的反響が続いています 一般社団法人信託協会のとりまとめによれば この制度に基づく教育資金贈与信託の受託契約件数は取り扱い開始以降増加を続け 2014 年 9 月現在で 8

調査実施の背景 今日 様々な調査において 仕事上重要な能力の1つとして コミュニケーション能力 が上位にあげられています しかし 一言でコミュニケーション能力といっても 企業で求められるそれは多岐にわたり 具体的にどのような能力がどのような人で重要ととらえられ 各人においてそれぞれのコミュニケーショ

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

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調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

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調査実施の背景 わが国は今 人口構造の変化に伴う労働力の減少を補うため 女性の活躍を推進し経済成長を目指しています しかし 出産後も働き続ける女性は未だ多くないばかりでなく 職場において指導的な立場に就く女性も少ない状況が続いています 女性の活躍を促進させるためには 継続就業のための両立支援策ととも

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 20 歳から 59 歳の会社員の男女 2. サンプル数 700 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2007 年 2 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 601 名

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 20 歳から 59 歳の会社員の男女 2. サンプル数 700 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2007 年 2 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 601 名

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 30~60 代の既婚男女 2. サンプル数 800 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2006 年 1 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 769 名 (96.1%

三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

問 2-1. 同伴者対象者 選択肢 11 人旅 2 家族旅行 3 友人 知人との旅行 4 団体旅行 ( 職場 地域 ) 誰と来たか n = 487 一人旅 7.0 ( 職場 地域 ) 15.4 家族旅行 40.5 友人 知人 37.2 家族旅行が 39% で最も多く 次いで友人 知人が 35.8%

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調査の実施背景 戦後 日本の平均寿命は飛躍的に延び 平成 年 7 月に厚生労働省が発表した 平成 年簡易生命表 によると 65 歳の平均余命は 男性は 8.86 歳 女性は.89 歳となっています 約 0 年あるセカンドライフをより有意義に 楽しく暮らすためには人生設計や事前の準備が必要なのではない

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調査の実施背景 第二次世界大戦後の 1948( 昭和 23) 年に新民法が施行され 家族の概念は これまでの家父長制の直系制家族から夫婦制家族へと移行しました たとえば相続財産については 現行の民法では 兄弟姉妹で均等に相続するのが原則となっています しかし墳墓の継承については 民法第八九七条による

「学び直し」のための教育訓練給付制度の活用状況|第一生命経済研究所|的場康子

2. 調査の結果の概要 雲仙市訪問の目的 を 1 観光 2 仕事 3 帰省 4 その他 の項目で聞いた 観光 が 75.9% で最も多く 次いで その他 17.3% 仕事 4.4% 帰省 2.4% である 同伴者対象者 を 1 一人旅 2 家族旅行 3 友人 知人との旅行 4 団体旅行 ( 職場 地

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質問 1 敬老の日 のプレゼントについて (1) 贈る側への質問 敬老の日 にプレゼントを贈りますか? ( 回答数 :11,202 名 ) 敬老の日にプレゼント贈る予定の方は 83.7% となり 今年度実施した父の日に関するアンケート結果を約 25% 上回る結果となった 敬老の日 父の日 贈らない

調査の実施背景 近年の消費スタイルは 長引く不況下での節約志向の定着の中で 環境問題や節電が 心がけられたり 東日本大震災の復興支援を目的とした応援消費 支援消費が意識され るなど 単に 安くていいもの を基準としたコストパフォーマンスだけでは説明でき なくなってきています こうした動きの中で 消費

一人暮らし高齢者に関する意識調査結果 <概要版>2

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介護休業制度の利用拡大に向けて

図表 6-10 別 ( 会議 研修 仕事 帰省 親戚等の訪問を除く ) 1 年以内 3 年以内 5 年以内 10 年以内 10 年より前 初めて 北海道 東北

第2章 調査結果の概要 3 食生活

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表 6.1 横浜市民の横浜ベイスターズに対する関心 (2011 年 ) % 特に何もしていない スポーツニュースで見る テレビで観戦する 新聞で結果を確認する 野球場に観戦に行く インターネットで結果を確認する 4.

JATMA タイヤの空気圧点検についての意識調査 リリース構成案

                                        

稲沢市の観光に関するインターネット調査調査項目 未定稿 1 回答者の属性 Q1 あなたの性別 1 男性 2 女性 1 つだけ選択 Q2 あなたの年齢 1 10 歳代 2 20 歳代 3 30 歳代 4 40 歳代 5 50 歳代 6 60 歳以上 1 つだけ選択 Q3 あなたの職業 1つだけ選択 1

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Q2. 海外旅行にいくなら下記のどの形態で行きたいですか [SA] ガイド付きパック旅行 ( 自由行動あり ) % ガイド付きパック旅行 ( 自由行動なし ) % 航空券とホテルがセットになったパック旅行 ( ガイドなし ) % 航空券とホテルを別々に自分で

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

第4章妊娠期から育児期の父親の子育て 45

調査の結果 問 1 あなたの性別は 調査に回答していただいた生徒の性別は 男 が問 % 女 が 49.5% です 男 女 問 2 あなたは, 生まれてからずっと鈴鹿市に住んでいますか 生まれたときから鈴鹿市に ずっと住ん

Ⅰ 観光振興計画制定の背景 1 観光による地域振興 観光立国推進基本法 に基づき策定された 観光立国推進基本計画 の中で 観光立国の実現は地域経済の活性化 雇用機会の増大 国民の健康の増進 潤いのある豊かな生活環境の創造 国際相互理解の増進等の意義を有するものである と位置づけられています また 東

調査の背景 埼玉県では平成 29 年度から不妊に関する総合的な支援施策として ウェルカムベイビープロジェクト を開始しました 当プロジェクトの一環として 若い世代からの妊娠 出産 不妊に関する正しい知識の普及啓発のため 願うときに こうのとり は来ますか? を作成し 県内高校 2 年生 3 年生全員

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世論調査報告書

PowerPoint プレゼンテーション

平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 日常生活に関する事項

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平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

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2018 年 10 月 15 日日本政策金融公庫総合研究所 訪日旅行に関するアンケート 結果の概要 Ⅰ 調査目的と実施要領 Ⅱ 調査結果 1 旅行手配方法 2 宿泊数 宿泊施設 3 訪問した都道府県 4 旅行目的 5 情報収集の手段 6 旅行支出額 7 旅行の満足度 8 再訪日の意向 9 まとめ <

満足度調査 単純集計結果

2008/3/4 調査票タイトル : ( 親に聞く ) 子どものダイエットについてのアンケート 調査手法 : インターネットリサーチ ( ネットマイル会員による回答 ) 調査票種別 : Easyリサーチ 実施期間 : 2008/2/22 14:28 ~ 2008/2/22 21:41 回答モニタ数

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平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

十和田市 事業別に利用数をみると 一時預かりは 年間 0 (.%) 以 上 (.) - (.%) の順となっています 問. 一時預かり ( 年間 ) n= 人 以上. 幼稚園の預かり保育は 年間 0 (.%) 以上 (.%) (.%) の順となっています ファミリー サポー

2002 年 2 月 全国の 20~69 歳の男女 598 名に聞いた 外国人労働者に関する意識調査 第一生命保険相互会社 ( 社長森田富治郎 ) のシンクタンク ライフデザイン研究所 ( 所長千葉商科大学学長加藤寛 ) では 全国の 20 ~ 69 歳の男女 598 名を対象に標記についてのアンケ

2006年7月6日

日本、中国、米国の貯蓄に対する意識調査:東京スター銀行

第 5 章管理職における男女部下育成の違い - 管理職へのアンケート調査及び若手男女社員へのアンケート調査より - 管理職へのインタビュー調査 ( 第 4 章 ) では 管理職は 仕事 目標の与え方について基本は男女同じだとしながらも 仕事に関わる外的環境 ( 深夜残業 業界特性 結婚 出産 ) 若

鳥取砂丘に関する観光客満足度調査 報告書

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(1) 回答者の属性と旅行内容 図表 4-18 久米島における圏域外客の属性と旅行内容 居住地 H27 年度 第 1 回調査 (6 月 ) 第 2 回調査 (8 9 月 ) 第 3 回調査 (10 11 月 ) 第 4 回調査 (2 月 ) 回答数 ( 件 ) 回答数 ( 件 ) 回答数 ( 件 )

ニッセイインターネットアンケート ~ 夏のボーナス について ~ 2019 年 6 月 2 8 日日本生命保険相互会社 日本生命保険相互会社 ( 社長 : 清水博 ) は ずっともっとサービス のサンクスマイルメニューのひとつ として ホームページ (

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参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

目次 P. 1 調査の概要 P 年を振り返って P 年の展望 P 備えが必要 ( 経済的に不安 ) と感じること P 今 一番買いたいもの P お金の支払いをする際の決済方法 P 資産運用について

2017 年 2 月 27 日株式会社カカクコム 価格.com 生命保険 に関する調査結果を発表加入率は約 8 割 若年層ほど低い傾向 加入中の生命保険は終身タイプがトップ将来への不安?20 代の加入目的 老後保障 貯蓄 が他世代よりも高い結果に補償内容への理解度 十分理解できていない加入者が 53

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日本でビジネスを始めるなら、神戸で。


調査概要 調査対象 : 東京都 愛知県 大阪府 福岡県の GF シニアデータベース 有効回答件数 :992 件 標本抽出法 :GF RTD( ランダム テレフォンナンバー ダイアリング ) 方式 調査方法 : アウトバウンド IVR による電話調査 調査時期 : 平成 23 年 8 月 4 日 (

Uモニ  アンケート集計結果

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調査実施の背景 第一生命経済研究所は 生活者の意識や行動の現状と変化をとらえるため 1995 年より 今後の生活に関するアンケート を実施し ライフデザイン白書 を出版してまいりました 第 8 回目となる ライフデザイン白書 2015 ( ) では 家族 地域 消費 就労 健康 介護 人生設計 とい

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「高齢者の健康に関する意識調査」結果(概要)1

表 110 性 別子からの仕送りの有無別個人数 子からの仕送り ありなし 昨年収入ありと答えた人の 男性 歳 歳 歳 歳 歳 0 77

3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

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平成25年度 高齢期に向けた「備え」に関する意識調査結果(概要版)2

2. 調査結果 1. 回答者属性について ( 全体 )(n=690) (1) 回答者の性別 (n=690) 回答数 713 のうち 調査に協力すると回答した回答者数は 690 名 これを性別にみると となった 回答者の性別比率 (2) 回答者の年齢層 (n=6


結婚しない理由は 結婚したいが相手がいない 経済的に十分な生活ができるか不安なため 未婚のに結婚しない理由について聞いたところ 結婚したいが相手がいない (39.7%) で最も高く 経済的に十分な生活ができるか不安なため (2.4%) 自分ひとりの時間が取れなくなるため (22.%) うまく付き合え

沼津港の景観の現況と課題

質問 1 敬老の日 について (1) 贈る側への質問 プレゼントは何を贈る予定ですか? ( 回答者数 :4,450 名 ) (2) 贈られる側への質問 プレゼントは何がほしいですか? ( 回答者数 :1,061 名 ) 昨年同様 贈る側 贈られる側ともに 食事 グルメ がトップ 贈られる側は 旅行

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Transcription:

おかげさまで第一生命は 2012 年 9 月に創立 110 周年を迎えます 2012 年 6 月 家族を介護している 800 名に聞いた 要介護者の旅行に関する調査 ~ 要介護の親を旅行に連れて行くことは親孝行になる と思う人は 72% 要介護者との旅行の最大の不安は 宿泊先で入浴すること ~ 第一生命保険株式会社 ( 社長渡邉光一郎 ) のシンクタンク 株式会社第一生命経済研究所 ( 社長長谷川公敏 ) では 現在家族を介護している全国の男女 800 名を対象に 標記についてのアンケート調査を実施いたしました この程 その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします 調査結果のポイント 要介護者との旅行経験 (P.2) 要介護者と旅行したことがある 人は 29% 要介護者との旅行の実態 1 (P.3) 個人旅行 が 92% 旅行先は 国内 が 97% 平均宿泊数は 1.6 泊 宿泊先は ホテル 旅館 がともに 43% 要介護者との旅行の実態 2 (P.4) 旅行先でおこなったことは 温泉浴 が 61% 利用した交通機関は 自家用車 が 71% 要介護者との旅行の実態 3 (P.5) 旅行の同行者は 配偶者 が 55% 子ども が 28% 旅行の提案者 計画者 費用負担者は いずれも 自分 が過半数 旅行後の評価 (P.6) 要介護者の8 割以上 介護者の7 割以上が 旅行を楽しめた 旅行で気分転換できた 要介護者と旅行したことがない理由 (P.7) 要介護者が旅行するのは無理だと思うから が 41% 要介護者が旅行したがらないから が 32% 要介護者との旅行に対する不安 旅行時の困難 (P.8) 要介護者が宿泊先で入浴すること が最も不安であり困難 旅行前の不安ほど実際の旅行時には困らない 要介護者が旅行することに対する考え (P.10) 旅行することは要介護者の心身のためになる と思う人は 77% 要介護の親を旅行に連れていくことは親孝行になる と思う人は 72% 要介護者の旅行環境に対する問題認識 意向 (P.11) 要介護者が旅行するための 設備やサービス 情報 が不足していると思う人は8 割以上 本冊子は 当研究所から季刊発行している ライフデザインレポート Summer 2012.7 をもとに作成したものです 当該レポートは 下記のホームページにて全文公開します <お問い合わせ先 > 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室広報担当 ( 安部 新井 ) TEL.0352214771 FAX.0332124470 アドレス http://group.daiichilife.co.jp/dlri/ldi

調査の実施背景 近年 高齢者 障害者 外国人などを含め 誰もが旅行を楽しめるようにするための取り組みが 国や自治体 民間事業者 NPO などさまざまな主体によって進められています また バリアフリー ユニバーサル ( デザイン ) アクセシブル と 旅行 ツーリズム 観光 とを組み合わせて バリアフリー旅行 ユニバーサルツーリズム アクセシブル観光 といった言葉も使われるようになっています また 高齢化の進行とともに 介護を必要とする人は年々増加しています それにともない 介護が必要になっても旅行したいという人や 介護が必要な親などを旅行に連れて行って孝行したい人も増えていると予想されます この調査では 介護を必要とする人やその家族の旅行の実態と旅行に対する意識を明らかにし 彼らがより旅行しやすくなるための課題を検討することを目的に実施しました 調査の実施概要 回答者の特性 1. 調査対象家族を現在介護している男女 800 名 2. 調査地域全国 3. 調査方法インターネット調査 ( 株式会社クロス マーケティングに委託 ) 4. 実施時期 2011 年 11 月 5. 回答者 要介護者の属性 ( 単位 :%) [ 回答者 ] 性別 年齢 男性 女性 計 30 歳未満 30 代 40 代 50 代 60 歳以上 計 経験者 ( 旅行時 ) 9.2 21.9 32.9 25.9 10.1 100.0 57.0 43.0 100.0 経験者 ( 現在 ) 7.9 15.4 32.0 31.1 13.6 100.0 非経験者 ( 現在 ) 54.4 45.6 100.0 8.6 12.4 31.1 3 17.5 100.0 [ 要介護者 ] 回答者からみた続柄 自分の父親 自分の母親配偶者の父親配偶者の母親祖父母 配偶者 その他 計 経験者 ( 現在 ) 21.9 32.0 3.9 11.8 10.1 12.3 7.9 100.0 非経験者 ( 現在 ) 23.3 39.0 5.1 11.5 14.2 2.4 4.5 100.0 年齢 要支援 要介護度 60 歳 80 歳要介護要介護認定は受わから 60 代 70 代計要支援未満以上 1~2 3~5 けていないない 計 経験者 ( 旅行時 ) 19.7 12.3 29.4 38.6 100.0 22.8 32.9 24.6 11.4 8.3 100.0 経験者 ( 現在 ) 12.7 7.9 27.2 52.2 100.0 18.4 32.9 32.5 9.2 7.0 100.0 非経験者 ( 現在 ) 4.7 7.9 28.5 58.9 100.0 13.0 30.8 38.9 9.3 8.1 100.0 注 : 経験者 ( 旅行時 ) とは旅行経験者 の旅行時の属性 経験者 ( 現在 ) とは旅行経験者 の現在の属性 非経験者 ( 現在 ) とは旅行非経験者 (n=572) の現在の属性 旅行経験者 旅行非経験者についての説明は次ページ参照 1

要介護者との旅行経験 要介護者と旅行したことがある 人は 29% 図表 1 要介護者との旅行経験の有無 (n=800) 旅行したことはない 71.5% 旅行したことがある 28.5% 現在介護している家族 ( 以下 要介護者 ) と 介護が必要になった後に一緒に一泊以上の旅行したことがあるかたずねました ( 図表 1) その結果 旅行したことがある と答えた人は 28.5% 旅行したことはない と答えた人は 71.5% でした 以下では前者を 旅行経験者 後者を 旅行非経験者 と表記します 次の3~6ページでは 旅行経験者に対して直近の旅行についてたずねた結果を紹介します 2

要介護者との旅行の実態 1 個人旅行 が 92% 旅行先は 国内 が 97% 平均宿泊数は 1.6 泊 宿泊先は ホテル 旅館 がともに 43% 一般の団体旅行 2.6% 主に要介護者やその家族を対象とした団体旅行 5.3% 図表 21 旅行の形態 個人旅行 92.1% 海外 3.1% 図表 22 旅行先 国内 96.9% 他の都道府県 58.8% 同一の都道府県 38.2% 図表 23 宿泊数 4 泊以上 4.8% 3 泊 10.1% 2 泊 19.3% 1 泊 65.8% ホテル ( 洋式 ) 旅館 ( 和式 ) 知人 親戚 家族宅民宿国民宿舎 休暇村などの公共の宿泊施設会社 官公庁の寮 保養所別荘 貸別荘その他 図表 24 宿泊先 < 複数回答 > 4.4 3.9 1.8 0.9 0.9 11.0 43.4 43.4 0 10 20 30 40 50(%) 注 : いずれも旅行経験者の回答 旅行の形態 ( 図表 21) は 個人旅行 (92.1%) が大半です 主に要介護者やその家族を対象とした団体旅行 (5.3%) や 一般の団体旅行 (2.6%) に行った人はほとんどいません 旅行先 ( 図表 22) は 国内 (96.9%) が大多数であり 海外 (3.1%) は少数です 国内旅行で行った都道府県は 旅行当時に要介護者が住んでいた都道府県と同一である割合 (38.2%) よりも他の都道府県である割合 (58.8%) のほうが高いです 宿泊数 ( 図表 23) は 1 泊 (65.8%) が3 分の2 近くを占めます 平均宿泊数は 1.60 泊です ( 図表省略 ) 利用した宿泊施設 ( 図表 24) は ホテル と 旅館 がともに 43.4% です 3

要介護者との旅行の実態 2 旅行先でおこなったことは 温泉浴 が 61% 利用した交通機関は 自家用車 が 71% 図表 31 旅行先でおこなったこと < 複数回答 > 0 20 40 60 80(%) 図表 32 利用した交通機関 0 20 40 60 80 (%) 温泉浴 60.5 自家用車 70.6 67.1 自然の風景を見る特産品等の買い物 飲食ドライブ名所 旧跡を見る 54.8 43.4 32.9 32.0 鉄道 レンタカー 飛行機 17.1 11.0 12.7 7.9 12.3 7.0 知人 親戚 家族宅の訪問 18.0 タクシー ハイヤー 11.8 3.5 季節の花見 動 植物園 水族館 博物館 美術館 郷土資料館見物 神仏詣 墓参り 法事 14.5 12.3 11.4 11.4 路線バス 貸切バス 船舶 4.8 3.9 2.2 1.3 その他 忘れた 4.8 1.3 その他 忘れた 1.3 利用した交通機関 ( 複数回答 ) 主に利用した交通機関 注 : いずれも旅行経験者の回答 旅行先でおこなったこと ( 図表 31) は 温泉浴 (60.5%) が最も多く 次いで 自然の風景を見る (54.8%) 特産品等の買い物 飲食 (43.4%) ドライブ (32.9%) 名所 旧跡を見る (32.0%) となっています 旅行で利用した交通機関 ( 図表 32) は 複数回答でたずねた結果では 自家用車 (70.6%) が最も多く 2 位の 鉄道 (17.1%) を大きく引き離しています 主に利用した交通機関 (1つのみ選択) もまた 自家用車 (67.1%) が圧倒的に多いです レンタカー (7.9%) と合わせると4 人に3 人は 主な交通機関として自動車を使っていることがわかります 要介護者にとっては鉄道などの公共交通機関よりも自動車のほうが旅行しやすいためだと考えられます 4

要介護者との旅行の実態 3 旅行の同行者は 配偶者 が 55% 子ども が 28% 旅行の提案者 計画者 費用負担者は いずれも 自分 が過半数 図表 41 回答者 要介護者以外の旅行の同行者 < 複数回答 > 配偶者 ( 夫または妻 ) 自分の父親 自分の母親 配偶者の父親 配偶者の母親 子ども 子どもの配偶者 4.4 4.4 1.3 18.0 25.9 27.6 (%) 0 20 40 60 54.8 図表 42 旅行の提案者 計画者 <それぞれ1つ選択 > 費用負担者 <3つまで選択 > 自分 要介護者 自分以外の旅行の同行者 要介護者 24.1 23.2 31.6 14.9 6.6 23.7 (%) 0 20 40 60 80 57.0 67.1 71.5 兄弟姉妹 祖父母 2.6 18.4 旅行に同行しなかった家族 親戚 2.2 1.8 2.2 孫 その他の家族 親戚 友人 知人家族 親戚や友人 知人以外の団体旅行の参加者団体旅行の添乗員 ガイド 3.9 8.3 2.6 旅行に同行しなかった友人 知人 旅行の主催者 募集者 ( 旅行会社など ) 0.9 旅行の提案者 (1 つ選択 ) 介護スタッフ ( ホームヘルハ ー ケアマネシ ャー 施設職員など ) 医療スタッフ ( 医師 看護師など ) その他の人 1.8 1.3 旅行の計画者 (1 つ選択 ) その他の人自分と要介護者以外には誰もいない 8.3 わからない 旅行費用の負担者 (3 つまで選択 ) 注 1: いずれも旅行経験者の回答注 2: 続柄は回答者からみた続柄 回答者と要介護者以外の旅行の同行者 ( 図表 41) は 回答者の 配偶者 (54.8%) が過半数を占めます その他では回答者の 子ども (27.6%) や親 ( 自分の母親 25.9% 自分の父親 18.7%) が多いです 旅行を主に提案した人 旅行を主に計画した人 旅行の費用を負担した人 ( 図表 42) は いずれも 自分 が半数以上であり 次が 要介護者 自分以外の旅行の同行者 要介護者 となっています 5

旅行後の評価 要介護者の 8 割以上 介護者の 7 割以上が 旅行を楽しめた 旅行で気分転換できた 図表 5 要介護者 介護者の旅行後の評価 要介護者は旅行を楽しめた (%) 当てはまる 0 20 40 60 80 100 +やや 当てはまる 39.0 43.9 10.1 0.9 6.1 82.9 要介護者は旅行で気分転換ができた 39.5 42.1 7.5 3.1 7.9 81.6 要介護者は旅行に満足できた 36.4 41.2 9.6 1.3 11.4 77.6 自分は旅行を楽しめた 28.5 44.7 18.4 8.3 73.2 自分は旅行で気分転換ができた 27.6 42.5 19.3 10.5 70.2 自分は旅行に満足できた 32.0 43.4 17.1 7.5 75.4 当てはまるやや当てはまるあまり当てはまらない当てはまらないわからない 注 1: 旅行経験者の回答注 2: わからない という選択肢は 回答者に関する質問項目 ( 自分は旅行を楽しめた 自分は旅行で気分転換ができた 自分は旅行に満足できた ) にはない 旅行経験者に対し 要介護者 回答者自身がそれぞれ直近の旅行でどの程度楽しめたか 気分転換ができたか 満足できたかたずねました ( 図表 5) 要介護者は旅行を楽しめた (82.9%) 要介護者は旅行で気分転換ができた (81.6%) 要介護者は旅行に満足できた (77.6%) に当てはまる ( 当てはまる + やや当てはまる ) と答えた割合はいずれも8 割前後を占めています 自分は旅行を楽しめた (73.2%) 自分は旅行で気分転換ができた (70.2%) 自分は旅行に満足できた (75.4%) に当てはまると答えた割合は 要介護者に比べると低いですがそれでも7 割を超えています 要介護者 介護者ともに多くの人は自分が行った旅行を評価していることがわかります 6

要介護者と旅行したことがない理由 要介護者が旅行するのは無理だと思うから が 41% 要介護者が旅行したがらないから が 32% 図表 6 要介護者と旅行したことがない理由 < 複数回答 > (n=572) 0 10 20 30 40 50 (%) 要介護者が旅行するのは無理だと思うから 40.6 要介護者が旅行したがらないから 31.5 自分に時間の余裕がないから 24.7 要介護者と旅行することに対して不安を感じるから 自分にお金の余裕がないから 20.6 23.3 要介護者を旅行中に介護できる人がいないから何となく要介護者にお金の余裕がないから要介護者に介護が必要になってから間もないから要介護者が周りの人の目を気にするから 9.8 9.8 7.5 6.1 5.2 注 1: 旅行非経験者の回答注 2: 回答率が 5.0% 未満の項目 および その他の理由 (5.8%) はグラフでは省略 旅行非経験者に対し 旅行したことがない理由を複数回答でたずねました ( 図表 6) 要介護者が旅行するのは無理だと思うから (40.6%) 要介護者が旅行したがらないから (31.5%) 自分に時間の余裕がないから (24.7%) 要介護者と旅行することに対して不安を感じるから (23.3%) 自分にお金の余裕がないから (20.6%) の順に多いです その他の項目は1 割に達しません 旅行は無理 不安という介護者側の心理的要因 旅行したがらないという要介護者側の心理的要因 そして時間 費用の余裕がないという介護者側の時間的 経済的要因が 要介護者の旅行を主に阻害しているといえます 7

8 要介護者との旅行に対する不安 旅行時の困難 要介護者が宿泊先で入浴すること が最も不安であり困難 旅行前の不安ほど実際の旅行時には困らない 旅行非経験者に対しては今後もし要介護者と旅行するとしたら不安なこと 旅行経験者に対しては要介護者と旅行する前に不安だったこと そして実際に旅行した際に当てはまったことをたずねました ( 図表 7) 図表 7 旅行に対する不安 旅行時の困難 74.1 78.7 84.4 79.4 71.7 67.5 57.2 64.7 74.8 72.7 53.5 46.5 48.2 46.9 39.0 39.5 36.8 34.6 33.3 28.9 25.9 44.7 43.0 39.9 38.6 36.0 32.0 28.5 25.0 21.9 20.6 19.3 18.9 18.4 17.5 17.1 57.2 53.1 69.6 84.4 49.5 29.8 28.5 48.7 21.1 5 3 1 4 1 1 5 3 4 2 5 4 3 2 1 0 20 40 60 80 100 要介護者が宿泊先で入浴することが難しい自分が疲れる要介護者が移動中にトイレに入ることが難しい目的地(観光地 宿泊先など)での移動が難しい予定よりも移動に時間がかかる目的地(観光地 宿泊先など)までの移動が難しい要介護者が宿泊先でトイレに入ることが難しい要介護者が宿泊先で寝起きすることが難しい予算よりも旅行費用がかかる観光地や宿泊先などの従業員に迷惑がかかる食事が要介護者の体の状態に合わない周りの人から嫌な思いをさせられる他の旅行者 観光客に迷惑がかかる要介護者の体調が悪くなる旅行のスケジュールやコースが要介護者に合わない旅行非経験者 (n=572): 要介護者と旅行するとしたら不安 ( 注 1) 旅行経験者 : 要介護者と旅行する前に不安だった ( 注 2) 旅行経験者 : 要介護者と旅行した際に当てはまった ( 注 3) (%) 注 1: 旅行非経験者が 不安 または やや不安 と答えた割合注 2: 旅行経験者が 不安だった または やや不安だった と答えた割合注 3: 旅行経験者が 当てはまった または やや当てはまった と答えた割合注 4: 丸数字はそれぞれ上位 5 項目の順位

旅行非経験者が不安 ( 不安 + やや不安 ) と答えた割合は 要介護者が宿泊先で入浴することが難しい 目的地での移動が難しい ( それぞれ 84.4%) で8 割を超えます その他のほとんどの項目に対しても過半数が不安と答えています 旅行経験者が要介護者と旅行する前に不安だった ( 不安だった + やや不安だった ) と答えた割合は 要介護者が宿泊先で入浴することが難しい (53.5%) 要介護者の体調が悪くなる (48.7%) 要介護者が移動中にトイレに入ることが難しい (48.2%) の順に高いです 旅行非経験者と同じく 宿泊先での入浴が最も大きな気がかりになっています 旅行非経験者が旅行するとした場合の不安に比べると 旅行経験者が旅行前に感じた不安のほうがかなり小さいです 旅行経験者が要介護者と旅行した際に当てはまった ( 当てはまった + やや当てはまった ) と答えた割合は 要介護者が宿泊先で入浴することが難しい (44.7%) 自分が疲れる (43.0%) 要介護者が移動中にトイレに入ることが難しい (39.9%) の順に高いです 1 3 4 位の項目は 旅行前に感じた不安で1 3 4 位にあがった項目と同じです 旅行前の不安との差をみると 差が小さいのは 予算よりも旅行費用がかかる と 予定よりも移動に時間がかかる です 費用や時間はおおむね予想通りだったことがわかります 逆に 不安と困難の差が大きいのは 要介護者の体調が悪くなる です つまり 心配したほど体調は悪くなっていません 9

要介護者が旅行することに対する考え 旅行することは要介護者の心身のためになる と思う人は 77% 要介護の親を旅行に連れていくことは親孝行になる と思う人は 72% 図表 8 要介護者が旅行することに対する考え ( 全体 旅行経験の有無別 ) 0 20 40 60 80 100 (%) 旅行することは要介護者の心身のためになる 71.5 76.6 89.5 要介護の親を旅行に連れていくことは親孝行になる 66.4 72.0 86.0 要介護者が旅行するのはぜいたくである 14.1 15.8 13.5 全体 (n=800) 旅行経験者 旅行非経験者 (n=572) 注 : そう思う と ややそう思う の合計 要介護者が旅行することに対する考えをたずねました ( 図表 8) 旅行することは要介護者の心身のためになる 要介護者の親を旅行に連れていくことは親孝行になる と思う ( そう思う + ややそう思う ) 割合はそれぞれ7 割以上 (76.6% 72.0%) を占めています 逆に 要介護者が旅行するのはぜいたくである と思う割合は 14.1% に過ぎません 多くの人は要介護者が旅行することに対して肯定的にとらえていることがわかります 旅行経験の有無別にみると 旅行することは要介護者の心身のためになる 要介護者の親を旅行に連れていくことは親孝行になる と思う割合は 旅行経験者のほうがかなり高いです 旅行経験者は要介護者が旅行することの効用をより実感しているといえます 一方 要介護者が旅行するのはぜいたくである と思う割合は 旅行経験の有無による差がほとんどありません 10

要介護者の旅行環境に対する問題認識 意向 要介護者が旅行するための 設備やサービス 情報 が不足していると思う人は 8 割以上 図表 9 要介護者の旅行環境に対する問題認識 意向 ( 全体 旅行経験の有無別 ) 0 20 40 60 80 100 (%) < 問題認識 > 要介護者が旅行するための設備やサービスは不足している 要介護者が旅行するための情報は不足している 85.8 85.5 85.8 87.5 85.5 88.3 要介護者が旅行するための費用は一般の旅行より高い 72.3 66.7 74.5 要介護者が旅行することに対する社会の理解は不足している 要介護者が旅行することに対する世間の目は冷たい < 意向 > 54.6 51.3 55.9 76.4 76.3 76.4 全体 (n=800) 旅行経験者 旅行非経験者 (n=572) 旅行を希望する要介護者がもっと旅行できるようになるとよい 85.9 91.2 83.7 注 : そう思う と ややそう思う の合計 要介護者が旅行する環境に対する問題認識と意向をたずねました ( 図表 9) 要介護者が旅行するための情報は不足している (87.5%) 要介護者が旅行するための設備やサービスは不足している (85.8%) と思う割合は8 割を超えました 要介護者が旅行するための情報も設備 サービスも不足しているという認識が多数を占めています また 要介護者が旅行することに対する社会の理解は不足している (76.4%) 要介護者が旅行するための費用は一般の旅行より高い (72.3%) という周囲の人の意識や経済的環境に対するマイナス評価も大きいです 旅行を希望する要介護者がもっと旅行できるようになるとよい (85.9%) という意向を多くの人が持っています 旅行経験の有無別にみると 要介護者が旅行するための費用は一般の旅行より高い と思う割合は旅行非経験者でやや高いですが 問題認識に関するその他の項目では差があまりありません 一方 旅行を希望する要介護者がもっと旅行できるようになるとよい と思う割合は 旅行非経験者 (83.7%) より旅行経験者 (91.2%) のほうが高いです 11

研究員のコメント このアンケート調査では 要介護者 ( 介護を必要とする人 ) およびその介護者である家族の旅行の実態と旅行に対する意識に注目しました その結果 旅行非経験者 ( 要介護者と旅行したことがない介護者 ) は 要介護者が旅行するのは無理 という意識を持っていました また 宿泊先での入浴や目的地まで 目的地での移動 移動中のトイレなど さまざまな点に対する不安もあります 要介護者との旅行は無理 不安という意識が旅行を阻害する一因になっています 一方 旅行経験者 ( 要介護者と旅行したことがある介護者 ) の多くは 旅行においてさまざまな困難を感じながらも 要介護者や自分自身が 旅行を楽しめた 旅行で気分転換ができた 旅行に満足できた と答えました また 旅行することは要介護者の心身のためになる 要介護の親を旅行に連れていくことは親孝行になる と思っている旅行経験者は9 割近くにのぼります 旅行経験者は要介護者が旅行することの効用を実感しているといえます 多くの介護者は 旅行を希望する要介護者がもっと旅行できるようになるとよい と願っている一方 要介護者と旅行するための 設備やサービス 情報 が不足していると感じています 要介護者が円滑に旅行できるようになるためには 身体的 経済的な負担を軽減する設備 サービスや要介護者 介護者の不安の解消に役立つ情報などが必要でしょう 具体的には 入浴や移動を楽にするための設備 施設などのハード面の改善 旅行中の介助サービスの提供 旅行先での医療機関や健康管理の方法に関する情報の周知や充実などが重要と考えられます ( 研究開発室上席主任研究員水野映子 ) 12