第 2 学年 国語科学習指導案 指導者 単元名本をさがして読む すみれとあり ~ 本をたくさん読んで, 生きもののひみつカード を作ろう~ 2 目標 生きもののひみつカード を作るために本を探し進んで読もうとする < 関心 意欲 態度 > すみれの種が時間の経過とともに変化していく様子や, ありとの関わりに気をつけて, すみれが仲間を増やしていく仕組みを読むことができる < 読むこと> 知識を得るために, いろいろな生き物の本を選んで読むことができる < 読むこと> 主語と述語の関係に注意して読み, ありの行動やすみれの種の変化を読み取ることができる < 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 > 3 学習指導要領との関連 C 読むこと (3) 書かれている事柄の順序や場面の様子などに気付いたり, 想像を広げたりしながら読む能力を身に付けさせるとともに, 楽しんで読書しようとする態度を育てる イ時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内容の大体を読むこと カ楽しんだり知識を得たりするために, 本や文章を選んで読むこと 4 児童の実態調査 5 月 2 日 ( 月 ) 調査人数児童は 年生で, 説明文の なにが, かくれているのでしょう で問いと答えの関係を考えながら読むことを学び, はたらくじどう車 で, 順序を考えて読むことを学んできた また, 内容を理解するために, 写真や絵と文章を結びつけながら読み取ることも学習している さらに, うみへのながいたび の学習を通して動物が出てくる話の本を読むようになり, 読書の幅が広がってきている すみれとあり の学習を行うにあたって関係する実態調査を行った 結果は以下の通りである 単元に関する実態正答 組 ( ) 2 組 [ ] 2 年上のふろくにある とりのちえ のささごいについての文章を読んで, 実態調査を行った ささごいはどんな順序で魚をとりますか (23)[9] 2 ささごいになって魚のとり方をせつめいしてみましょう (23)[8] 3 ささごいの魚のとり方をどう思いますか すごい 虫を餌に見せかけるところがおもしろい 頭がいい すばやくつかまえてすごい うまくおびきよせている いろいろなもので罠を作っている 4 すみれを見たことがありますか (20)[0] 5 ある人はどこで見ましたか 花壇 家の前 野原 公園 庭 学校
6 生き物の本をよく読みますか よく読む ( 8)[ 5] たまに読む (5)[5] あまり読まない ( 7)[ 9] 7 生き物の本を読むとしたらどんな本を読んでみたいですか 複数回答 動物 (20)[5] 草や木や花 (20)[4] 魚 (9)[9] 虫 (5)[3] 鳥 (7)[8] 2 考察実態調査の結果から, 絵と文章を結びつけて読むことや順序を考えて読むことが苦手な児童が多数いることがわかった そして事柄の順序がつかめない児童は説明できないこともわかった 従って, 本単元での すみれが種をとばす様子 ありが種を運ぶ様子 を読み取らせるときには, 時間的な順序, 事柄の順序を丁寧に扱っていく必要がある とりのちえ の文章から, 児童は鳥の知恵がすごいと感じていることから, 本単元のすみれの仲間を増やしていく仕組みにも興味をもつものと思われる 児童のこのような感性を大切にしながら学習を進め, さらに読書を通していろいろな生き物の不思議を発見できるようにしていきたい 調査からすみれを見たことのない児童がいるので写真を活用したい すみれがコンクリートの隙間や高い石垣など意外な場所にも咲くことを すみれとあり の絵本の挿絵を活用して理解させ, どうして, こんな場所に, さいているのでしょう という問いがよく把握できるようにしたい 本をたくさん読んで, 生きもののひみつカード をつくろう 5 指導観この単元では, まず, 読書活動推進補助教員による生き物の本の紹介から興味をもたせ, 本を読んで生き物の不思議を発見し, 生きもののひみつカード を作って友達に紹介しようという単元を貫く学習のめあてをもたせたい すみれとあり の説明文の学習では, すみれとありとのつながりによって仲間を増やす仕組みを読み取らせ, 生き物の不思議に気付かせていきたい さらに, いろいろな生き物の本を読んで, 不思議を発見しようという意欲を高めていきたい すみれとあり の説明文は, 問題事象を示し, 問いを立て, 答えを示すという点では, 年生の説明文と同じであるが, 答えまでに問いを解明していく過程が述べられている文章がある 従って, 文章の始めに示されている どうして, こんな場所に, さいているのでしょう という問いと文章の終わりの部分にある答えとの対応を捉えさせることが重要である 問いを解明していく過程での すみれが種をとばす様子 ありが種を運ぶ様子 については, 時間的な順序, 事柄の順序を考えながら読み取らせたい そのために, 文章の なにが~どうする を捉えさせ, 文章を順序に従って整理したり, 写真と対応させたりしながら読ませていきたい さらに, 文章や言葉のイメージをはっきりと捉えるために, 絵に表したり, 動作化を取り入れたりしていきた
い また, ここでは読み取ったことを友達に順序よく説明しようという活動を入れていく 説明するときには, 聞き手に順序がわかるように話すために順序を表す言葉を使うようにさせたい 学習の終盤では, すみれはどのようにしていろいろな場所に花を咲かせるのか, 自分なりにまとめさせ, そのことを知ってどのように思ったか書かせたい 生きもののひみつカード を作っていくときには, 始めに すみれとあり で, 生きもののひみつカード を作らせ, 書き方を理解させたい そして, カードを使って友達に紹介したり, 教室に掲示したりして広めていきたい 児童が充実した読書活動ができるように, 読書活動推進補助教員から学校の図書館の利用の仕方を学び, 知りたい本を自分で探して読めるようにさせたい また, 読書活動推進補助教員と連携して教室に生き物の本を整えて, 読み聞かせをしたり, 児童がいつでも手にとって読めたりできるようにしていきたい 6 仮説とのかかわり 仮説 読書を取り入れた単元構成の工夫 生きもののひみつカード を作る目標を持ち, 生き物について書いてある多くの本に触れる 仮説 2 言葉に関わって読む工夫 すみれが種をとばす様子を表す言葉に気をつけて読み, さらに写真や絵と文章を対応させて読み取らせ, とばす様子を順序よく説明する ありが種を運ぶ様子を表す言葉に気をつけて読み, 動作化して, 種を運ぶ様子を順序にしたがって説明する すみれとありの関係を表す文章に気づき, 問いかけの文に対する答えの文を見つける 仮説 3 音読を効果的に取り入れる工夫 ~が~どうする を意識して文章を音読する 問いかけの文と答えの文を役割に分けて読んだり, 順序に気を付けて読んだりして音読の仕方を工夫する 仮説 4 評価の工夫 多数の児童が順序よく説明できたかを短い時間で評価することは難しいので, ワークシートを 用意し, 説明することを書かせるようにする
文章の姿 ( 文章構成図 ) たかい石がき コンクリートの われめ 答え どうしてこんな場しょにさいているのでしょう すみれのたねのとばしかたのひみつ なかまをふやすため ありのたねのはこびかたのひみつ すみれは ありのすきなしろいかたまりをたねにつけて いろいろな場しょにはこんでもらう ありのすは 石がきなどにもあるので ありがはこんだた ねは そのような場しょでもめを出し 花をさかせる すみれがいろいろな場しょでさくひみつを知ろう やざま よしこ すみれとあり 7 指導計画 (5 時間扱い ) 過程学習内容と学習活動評価時配 < 単元を貫く言語活動 > 本をたくさん読んで, 生きもののひみつカード を作ろう みとおす (2) 読書活動推進補助教員による生き物の本の紹介を聞く 生きもののひみつカード を作る話を聞いて, 生き物の本をたくさん読んで, 生きもののひみつ を見つけ, カードに書いていくという課題を知る すみれとあり の初発の感想を書く 生きものひみつカード を作るための課題を理解している どのような文のつくりになっているのだろう 感想を話し合う中で学習のめあてや方向性をつかむ 感想の交流から 4 つの場面に分けて, 文章全体の構成を考える 学習のめあてを つかんでいる ふかめる (4) すみれはどこにさいているのだろう ( 一 ) 段落を読んで, すみれの様子について話し合う すみれの咲く季節, 場所などを確認し, 自分の経験と重ね合わせながら読み, すみれに興味を持つ 問いかけの文 どうして, こんな場しょに, さいているのでしょう をおさえる 問いかけの文を見つけている とらえたい言葉 こんな場しょにも
すみれがたねをとばすようすをじゅんじょよくせつめいしよう ( 二 ) 段落を読み, 写真と対応して順序に気をつけてすみれが種をとばす様子を読み取る とび出す 様子を動作化してつかむ つぎつぎと近くの地面に落ちる様子を絵に表す すみれが種をとばす様子に気をつけて読み, 順序を表す言葉や様子を表す言葉をおさえて説明する 種をとばす様子 を説明している とらえたい言葉 とび出す つぎつぎと 近くの地面に 組 ( 本時 ) ありがたねをはこぶようすを, じゅんじょよくせつめい しよう ( 三 ) 段落を読み, ありが種を運ぶ様子を順序に気をつけて読み取る 種を運ぶ様子や順序を明確化するために, ありになって動作化する ありが種を運ぶ様子に気をつけて読み, 順序を表す言葉や様子を表す言葉をおさえて説明する ありが種を運ぶ様子 を説明している 2 組 とらえたい言葉 ( 本時 ) しばらくすると かたまりだけが すみれとありのかんけいをかんがえよう ( 四 ) 段落を読み, 問いかけの文に対する答えの文を読み取 る すみれの種が運ばれる理由を説明し合う 答えの文を見つ けている とらえたい言葉 ~ のです ま すみれとあり の 生きもののひみつカード を作ろう とめる すみれとあり で, 生きもののひみつカード を作る すみれとあり の感想を書く 生きもののひみつカード の作り方を理解している ひろげる (9) いろいろな 生きもののひみつ を見つけよう 読書活動推進補助教員から学校の図書室の利用の仕方を学んで本を探して読む いろいろな生き物の本を読み, 友達に紹介したい本を決める 生き物の不思議を発見し, 生きもののひみつカード を書いて 4 生きもののひみつカード を書く いる
生きもののひみつ をしょうかいしよう グループの中で, 自分が一番紹介したい本と 生きもののひみつ を発表し合う 自分の知りたい生きものの本をさがして読んでみよう 友達の発表を聞いて興味をもった本を読み, 生きもののひみつカード を書く 生き物の本を見せながら, 不思議や感想を交流している 自分の知りたい生き物の本を探して読み, 生きもののひみつカード を書いている 3 8 本時の学習 (4/5) 指導者 () 本時の目標 すみれが種をとばす様子に興味をもって読もうとする < 関心 意欲 態度 > すみれが種をとばす様子に気を付けて読み, 順序よく説明することができる < 読む> 文中における主語と述語の関係に注意して読むことができる < 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 > (2) 展開時配 学習活動と内容 支援 ( ) と評価 ( ) 3 本時の学習のめあてを確認する 課題文を掲示物で確認させる 文章構成図を示し, 本時のめあてを確認させる すみれがたねをとばすようすをじゅんじょよくせつめいしよう 3 2 第二段落を音読する 個人読み 2 一斉読み どんなことが書かれているのか, 考えながら音読 させる 2 3 すみれがたねをとばす様子を読み取る 写真を順序よく並び替える 2 書き表した文章と写真を対応させる 3 大事な言葉を確認する みをつけるみの中にたねができるみが三つにさけるたねがとび出す 4 枚の写真をランダムに提示し, 並び替えることによって順序を考えさせる 写真のことを書き表した文章の大事な言葉を板書し, 内容をとらえやすくする 種の様子を写真からとらえさせる とび出す は とぶ と 出す が合わさってできた言葉であることや様子を動作化でつかませる
5 4 とび出した種は, どうなるのか話し合う 書かれた文章を見つける とび出したたねは つぎつぎと近くの地めんにおちていきます 2 大事な言葉を確認する 地めんにおちる とび出した種はどうなるのか予想させる つぎつぎと近くの地面におちていく の文章の写真がないことから, 話し合う中で絵に表し, イメージ化を図る 種の絵にマグネットを貼り, 種を動かせるようにすることで, イメージしやすくする 7 5 すみれになって, 種がとぶ様子を吹き出しに書いて, 説明する 大事な言葉を使い, 吹き出しに書く わたしはすみれです まず, 花が咲いたあと実を付けるよ 実の中には小さな種がいっぱいできているんだよ つぎに, 実が三つにさけて開くよ 種がきれいにならんでいるよ そして, よく晴れた日, 勢いよくとび出していくんだ みんな元気にとんでほしいな とんだ種はつぎつぎと近くの地面に落ちていったよ がんばってとばしたのに残念だな 自分なりの思いも添えて説明できるようにするために, すみれになったつもりで, 吹き出しに書かせる 順序がよくわかるように, まず つぎに そして などの順序を表す言葉を入れさせる 板書した大事な言葉を使って書かせる なにが どうする に気をつけて書くようにさせる 大事な言葉を使って吹き出しに書いている 主語と述語の関係に注意して書いている 2 種をとばす様子を順序を表す言葉を使って説明する 友達とペアで説明する 全体の場で発表する 写真を指し示しながら説明させる 順序を表す言葉を使って説明している 3 6 すみれが種をとばす様子を思い浮かべ ながら音読する 写真を指し示し音読させる 2 7 次時の学習の確認をする 種は, 近くの地面に落ちたはずなのに, コンクリートの割れ目や高い石垣の隙間にどうしてすみれが咲いているのかという問いを投げかけ, 次時の学習につなげる
(3) 板書計画 ざんねんだな がんばってとばしたのに 近くの地面 つぎつぎと 地めんにおちる とび出す いきおいよく たねが とび出す そして よく晴れた日 みが三つにさける つぎに たくさん みの中にたねができる 花のあと みをつ ける まず じょよくせつめい しよう すみれがたねをとばすようすをじゅん すみれとあり やざま よしこ