1. 消費税の仕組みについて 1 1. 消費税とは 消費税は 消費に広く公平に負担を求める間接税 消費税の課税対象は 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡 貸付け及び役務の提供と外国貨物の輸入 < 導入 引上げの経緯 > 平成元年 4 月 1 日消費税導入 ( 税率 3%) 平成

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○○○の課題と検討

平成 28 年度介護保険事業状況報告 ( 年報 ) のポイント 1 第 1 号被保険者数 (28 年 3 月末現在 ) (29 年 3 月末現在 ) 3,382 万人 3,440 万人 ( 対前年度 +59 万人 +1.7% 増 ) ( 単位 : 万人 ) 3,500 3,000 2,500 2,0

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免

1102 請求誤りによる実績取り下げ 1109 時効による保険者申立ての取り下げ 1112 請求誤りによる実績取り下げ ( 同月 ) 1129 時効による公費負担者申立ての取り下げ 1142 適正化 ( その他 ) による保険者申立の取り下げ 1143 適正化 ( ケアプラン点検 ) による保険者申

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

福祉用具貸与 介護予防福祉用具貸与 心身機能が低下した高齢者に 日常生活の自立を助ける用具をレンタルします 自 宅 に 住 ん で 自 宅 で 受 け る サ ー ビ ス ( 生活環境を整える ) 貸与品目 福祉用具購入費の支給 住宅改修費の支給 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 車いす ( 付

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スライド 1

Taro 社福軽減(新旧)

介護保険事業状況報告 ( 全国計 ) 第 1 表第 1 号被保険者のいる世帯数 ( 単位 : 世帯 ) 前年度末現在当年度中増当年度中減当年度末現在 23,856,459 1,319, ,241 24,261,177 第 2 表第 1 号被保険者数 ( 単位 : 人 ) 年齢区分 前年度

平成29 年度介護報酬改定による介護職員処遇改善加算の拡充について【介護保険最新情報Vol.580】(厚生労働省老健局振興課、老人保健課:H )

通常の届出に係る加算等のサービス種類算定の開始時期 定期巡回 随時対応型訪問介護 届出が毎月 15 日以前になされた場合には看護翌月から 複合型サービス( 看護小規模多 16 日以降になされた場合には翌々月から機能型居宅介護 ) 夜間対応型訪問介護 ( 介護予防 ) 認知症対応型通所介護 ( 介護予

2 居宅サービス事業所の状況

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

Microsoft Word - Ⅰ-7_(資料7)_留意事項_

= 掲載済 12 短期入所生活介護 (P107~P121) 13 短期入所療養介護 (P122~P131) 16 福祉用具貸与 (P153~P158) 17 (P159~P170) 18 入居者生活介護 地域密着型入居者生活介護 (P171~P183) 20 介護老人福祉施設 地域密着型介護老人福祉

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

平成18年4月制度改正にかかる請求明細書・給付管理票の記載例について

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Microsoft Word - 第10回消費税分科会資料税1-1(1月6日段階暫定)④

王子高齢者あんしんセンター ( 高齢福祉課高齢相談係 ) 名称住所電話番号 王子本町 区役所第一庁舎 1 階 十条台高齢者あんしんセンター中十条 障害者福祉センター 3 階 王子光照苑高齢者あんしんセンター王子

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負担割合の引き上げ 一定以上所得者の利用者負担の見直し 保険料の上昇を可能な限り抑えつつ 制度の持続可能性を高めるため これまで一律 1 割に据え置いている利用者負担について 相対的に負担能力のある一定以上の所得の方の自己負担割合を 2 割とする ただし 月額上限があるため 見直し対象者の負担が必ず

様式第九(附則第二条関係)

6. 介護給付費等の過誤処理について

小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能 区分変更 ( 要介護 1~ 要介護 5 の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 型居宅介護く ) 区分変更 ( 要介護 要支援 ) サービス提供日 サービス事業所の変更 ( 同一サービス種類のみ ) ( 通い 訪問又は宿泊 ) 事業 ( 指定有効期間 ) 受給資

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介護報酬体系見直しの概要

8_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用について

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定

請求事業者保険者付費明者細)給欄象地特例対請求額集計欄様式第二 ( 附則第二条関係 ) 居宅サービス 地域密着型サービス介護給付費明細書 ( 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハ 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハ 福祉用具貸与 定期巡回 随時対応型訪問介護看護 夜間対応型訪問介護 地域密着

予定 地域密着型通所介護 に関する Q&A 通所介護事業所のうち 小規模な通所介護事業 ( 利用定員が 18 人以下の予定 ) については 平成 28 年 4 月 1 日から 地域密着型通所介護 として地域密着型サービスに移行することになりました つきましては その取扱いについてまとめましたので参考

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定

別紙2

Microsoft PowerPoint - 資料3 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に.pptx

Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

スライド 1

06 参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

4 小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能型居宅介護 通い を中心として 利用者の様態や希望などに応じ 随時 訪問 や 泊まり を組み合わせてサービスを提供することにより 在宅生活の継続を支援するサービスです 介護予防小規模対機能型居宅介護は 介護予防を目的とした小規模多機能型居宅介護で 要支

Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

Microsoft Word 厚生労働省事務連絡(システム変更に係る参考資料その9)送付版

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PowerPoint プレゼンテーション

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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請求事業者保険者別付費明者細)給欄象地特例対請求額集計欄様式第二の二 ( 附則第二条関係 ) 公費受給者番号保険者番号被介護予防サービス 地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 ( 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護 介護予防訪問リハ 介護予防居宅療養管理指導 介護予防通所リハ 介護予防福祉

消費税申告資料

みんなではぐくむ介護保険

01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

Microsoft Word - Ⅳ-3_(資料3)介護給付費請求書・明細書及び給付管理票様式

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 発出版QA

Microsoft PowerPoint - ①総-1 税-1 251110課税経費率等の計算について

( 参考 ) 身体拘束廃止未実施減算の適用について 1 身体拘束禁止規定について サービスの提供にあたっては 当該入所者 ( 利用者 ) 又は他の入所者 ( 利用者 ) 等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き 身体的拘束その他入所者 ( 利用者 ) の行動を制限する行為を行ってはな

わくわく青色申告3-消費税申告及び資料

正誤表

消費税申告資料

小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援変更日 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定有効期間 ) 事業所指定効力停止の

Microsoft PowerPoint - H27県集団指導(宮古島市)


平成19年度分から

法人等が当該都道府県内で実施する介護サービス 介護サービスの種類 か所数 主な事業所等の名称 所在地 < 居宅サービス> 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション か所数 法人等が道内で実施している介護サービス事業所の数を記載 ( 当該報告事業所分を含む )

< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

~~~ * ~~~ * ~~~ * ~~~ * ~~~ 介護保険サービス利用料のご本人負担額が軽減されます ~~~ * ~~~ * ~~~ * ~~~ * ~~~ 世田谷区では 所得の低い方を対象に 生計困難者等に対する利用者負担額軽減確認証 ( さくら証 ) を発行し 対象となる介護サービスをご利

表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

高齢者サービスのしおり


た世帯に引き続き属するとみなす ( 対象サービス及び軽減内容 ) 第 3 条軽減対象者が利用者負担の一部軽減を受けることができる介護保険サービスは 当該サービスを提供する事業所及び施設の所在地の都道府県知事及び豊中市長に対して利用者負担の軽減を行う旨の申出を行った社会福祉法人が実施する次のサービスと

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

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目次 1. 概要 2. 報告手続について 3.Q&A 参考資料 補助事業に係る仕入税額控除について 報告判定フローチャート 1

法人等が当該都道府県内で実施する介護サービス 介護サービスの種類か所数主な事業所等の名称 所在地 < 居宅サービス > 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護 特定施設入居者生活介護 福祉用具貸

表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

平成 27 年度介護保険制度改正について ( 保険料 ) 第 1 号保険料の多段階化 軽減強化 (から ) 第 6 期保険料については 国の標準段階が 6 段階から 9 段階 ( 第 1 段階 第 2 段階の統合 ) に見直されますが 横浜市においては 第 5 期同様に第 1 段階 第 2 段階を区

ウ医療保健業の総収入金額とは 原則として次に掲げる金額以外の収入金額をいいます ( ア ) 各種引当金の戻入額及び準備金の取崩しによる益金算入額 ( イ ) 土地等の譲渡に係る益金算入額 ( ウ ) 従業員の社宅等の使用料収入及び従業員の食事代収入 ( エ ) 税金の還付額 ( 充当された額を含み

サービスガイド(カラー表紙,目次)2018.8月

01 表紙 老人保健課 - コピー

12. 短期入所生活介護 107

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「介護報酬等に係るQ&A Vol.2」(平成12年4月28 日)等の一部改正について(厚生労働省老健局振興課、老人保健課:H26.4.4)【介護保険最新情報Vol.369】

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

01 表紙 老人保健課

スライド 1

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Microsoft Word - (0907案)平成30年北海道胆振東部地震における介護報酬等の取扱いについて - コピー

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 介護保険は社会保険を構成する 1 つです 介護保険制度の仕組みや給付について説明していきます 介護保険制度 介護保険制度は 高齢者の介護を社会全体で支えるための制度

3 介護サービス自己負担助成制度について (1) 対象サービスと助成対象要件 助成対象要件 対象サ - ビス 基準 収入基準 資産基準 訪問介護 ( 介護予防 ) 訪問入浴介護 ( 介護予防 ) 訪問看護 ( 介護予防 ) 訪問リハビリテーション 通所介護 3 ( 介護予防 ) 通所リハビリテーショ

Microsoft PowerPoint - (HP掲載用)270820定期巡回.pptx

6 転嫁カルテル 表示カルテルの独占禁止法適用除外 今般の消費税率の引上げに伴い 消費税を円滑かつ適正に転嫁できる環境を整備するため 消費税転嫁対策特別措置法では 事業者又は事業者団体は 公正取引委員会に事前に届け出ることにより 消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為 ( 転嫁カルテル 表示

意見を表示したものの全文 有料老人ホーム等の入居者が利用する訪問介護に係る介護給付費の算定について ( 平成 29 年 10 月 19 日付け厚生労働大臣宛て ) 標記について 会計検査院法第 36 条の規定により 下記のとおり意見を表示する 1 制度の概要 (1) 有料老人ホーム等の概要 記 貴省

平成 24 年度国民健康保険税税率改定案 1 医療保険分 ( 基礎課税額 ) 現行 改定 増減 伸率 所得割額 4.30 % 4.63 % % 資産割額 % 9.80 % % 税率等 均等割額 17,100 円 18,000 円 900 円 5.3%

Transcription:

社保審 - 介護給付費分科会 第 124 回 (H27.9.18) 資料 6 介護給付費分科会 - 介護事業経営調査委員会 第 13 回 (H27.9.14) 資料 2 介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について

1. 消費税の仕組みについて 1 1. 消費税とは 消費税は 消費に広く公平に負担を求める間接税 消費税の課税対象は 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡 貸付け及び役務の提供と外国貨物の輸入 < 導入 引上げの経緯 > 平成元年 4 月 1 日消費税導入 ( 税率 3%) 平成 9 年 4 月 1 日 平成 26 年 4 月 1 日 消費税率の引上げ ( 税率 3% 5%) 消費税率の引上げ ( 税率 5% 8%) 平成 29 年 4 月 1 日 ( 予定 ) 消費税率の引上げ ( 税率 8% 10%) 2. 多段階課税の仕組み 製造 卸 小売りといった取引の各段階ごとに 各事業者の売上に課税する一方 課税の重複を回避するため 前段階で負担した税額を控除 ( 仕入税額控除 ) する多段階課税の仕組みが採用されている このため 各段階において各事業者が納税者となるが 実質的な負担者は最終の消費者となる

1. 消費税の仕組みについて 2 3. 非課税となる取引 消費税の性格から 課税対象になじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当ではない取引については 非課税取引とされている 1 課税対象になじまないもの 土地の譲渡及び貸付け 有価証券 有価証券に類するもの及び支払手段の譲渡 2 社会政策的な配慮から課税することが適当でないもの 公的な医療保険制度に係る療養 医療 施設療養又はこれらに類する資産の譲渡等 介護保険法の規定に基づく居宅介護 施設介護 地域密着型介護サービス費の支給に係る居宅 施設 地域密着型サービス等等 福祉用具貸与 購入 住宅改修は課税対象 等 非課税取引である介護保険サービスについては 介護事業者は納税義務者と ならない このため 当該介護保険サービスについて 仕入れ分に係る仕入税 額控除を行えないため その税負担は介護報酬で手当されている

平成 27 年 8 月 7 日第 11 回中医協診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会資料より 消費税の基本的な仕組み ( イメージ ) 納税義務者 納税義務者 税率 8% の場合 製造業者 小売店 消費者 課税取引 課税取引 取引 売り上げ ( 税抜 ) 1000 消費税 1 80 売り上げ ( 税抜 ) 3000 消費税 2 240 仕入れ ( 税抜 ) 1000 仕入れに係る消費税 1 80 支払総額 3240 消費税 納付税額 A 1 80 納付税額 B 2-1 160 消費者が負担した消費税 240 (= 納付税額 A+B) 税務署への申告 納付 仕入税額控除 税務署への申告 納付 納税義務者は 製造業者や小売店 最終的な負担者は 消費者 3

平成 27 年 8 月 7 日第 11 回中医協診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会資料より 社会保険診療における消費税の取扱い ( 現状 非課税 ) ( イメージ ) 納税義務者 税率 8% の場合 ( 診療報酬による売り上げ 3000 は仮定 ) 卸 医療機関等 患者 保険者等 社会保険診療 課税取引 課税取引 非課税取引 取引 消費税 仕入税額控除 売り上げ ( 税抜 ) 消費税 2 仕入れ ( 税抜 ) 仕入れに係る消費税 1 納付税額 2-1 1000 80 900 72 8 税務署への申告 納付 診療報酬による売り上げ 消費税非課税 仕入れ ( 税抜 ) 1000 仕入れに係る消費税 2 80 社会保険診療は非課税のため 当該仕入分に係る仕入税額控除を行えない 納税はしない 3000 支払総額 診療報酬 3000 ( ) 対応分含む 患者の自己負担割合 支払総額 診療報酬 3000 ( ) 対応分含む 1- 患者の自己負担割合 卸は納税義務者となるが 医療機関等は納税義務者とはならない 非課税取引である社会保険診療においては 当該仕入分に係る仕入税額控除を行えないため 仕入に係る税負担 ( 本図では80) は診療報酬で手当てされている 4

2. 介護給付費分科会において確認された検討の進め方 今後の介護給付費分科会における検討について ( 抄 ) ( 平成 27 年 4 月 23 日第 121 回介護給付費分科会 ) (3) 平成 29 年度に予定される消費税 10% 引き上げに向けた対応については 消費税 8% 引き上げ時の考え方及びその後の事業所等の実態等を踏まえ 必要な対応を検討し 平成 28 年 12 月までに方針を策定 なお その際には 医療保険における議論の動向も踏まえて検討する必要がある 当面の検討課題及びスケジュールについて ( 抄 ) ( 平成 27 年 5 月 20 日第 122 回介護給付費分科会 ) (3) 消費税 10% に向けた対応について 前回引き上げ時 (8% 引き上げ時 ) の対応方針の確認等を行うとともに 医療保険における議論の動向等も踏まえて適宜検討する 5

3. 消費税率 8% への引上げ時における対応 1 消費税率の引上げに伴う影響分の補填について 消費税率の引上げにより 介護サービス施設 事業所の仕入れ等にかかる消費税負担が増大することから 引上げに伴う影響分を補填するため 介護報酬への上乗せ対応を実施した 対応の検討に当たり 医療において 特に高額な投資を行っている個々の医療機関等にとって負担感があるとの指摘を踏まえ 医療機関等が行う高額な投資に係る負担の状況について調査を行うこととされたことから 介護についても 高額な投資に係る消費税負担の実態を把握するため 関係団体のヒアリングを行うとともに 介護サービス施設 事業所の設備投資に関する調査 を実施した この設備投資に関する調査により 介護サービス施設 事業所の高額な投資は 建物が太宗を占めており 医療と比べて 総額 件数ともに小さい傾向にあること 投資総額 収入に対する投資額比率ともに 年度による変動が大きいと考えられることが明らかとなり 本調査結果や対応に伴うメリット デメリットを踏まえ 介護報酬とは別建ての高額投資対応は行わないこととした 改定率については 平成 25 年度介護事業経営概況調査により 各サービスの人件費割合 非課税品目等のデータを取得し 算出 6

3. 消費税率 8% への引上げ時における対応 ( 参考 ) 介護サービス施設 事業所の設備投資に関する調査結果の概要 ( 平成 25 年 8 月 21 日第 95 回介護給付費分科会報告 ) 1. 各年度の投資総額の状況 調査に回答した 873 施設 事業所の投資総額は 平成 21 年度 58.8 億円 平成 22 年度 163.1 億円 平成 23 年度 100.1 億円であり 年度による変動が大きい 2.1 件当たり取得価額が高額な資産に対する投資の状況 資産 1 件当たりの投資実績をみると 件数ベースでは いずれのサービスにおいても 1 件当たり 500 万円未満の資産に対する投資が全体の 8 割以上を占めている 1 件当たり 1 億円以上の資産に対する投資の状況をみると 介護老人福祉施設を始め 6 サービスで総額ベースの構成比が全体の 5 割を超えているが 件数ベースの構成比では いずれのサービスも 0~2% 台となっている 1 件当たり 1 億円以上の資産に対する投資については 施設サービスに若干の介護用機器があるほかは ほぼすべてが建物となっている 3. 総収入に対する投資額比率の状況 各年度の投資総額をみると いずれのサービスにおいても 年度間の変動が大きくなっている 総収入に対する投資総額の比率は概ね数 %~1 割程度であり ( 地域密着型サービスなど一部のサービスを除く ) いずれのサービスにおいても 年度間の変動が大きくなっている 4. 資産種類別の投資の状況 投資実績を資産種類別にみると いずれのサービスにおいても 建物 介護用機器に対する投資が多く 合計で総額 件数ベースともに概ね 8 割以上を占めている 5. 介護用機器に対する投資の状況 機器分類別に資産の状況をみると 件数ベースでは 車両 を除き ほぼすべての機器分類で 1 件当たり 100 万円未満の資産の占める割合が高くなっている 一方 総額ベースでみると 住宅環境設備 で 1 件当たり 500 万円以上の資産に対する投資の占める割合が高くなっており 特に施設サービス 地域密着型サービスにおいて同様の傾向となっている 介護サービス施設 事業所の高額な投資は 建物が太宗を占めており 医療と比べて 総額 件数ともに小さい傾向にある 投資総額 収入に対する投資額比率ともに 年度による変動が大きいと考えられる 調査概要目的 : 今後 消費税率の引上げが行われることを踏まえ 介護サービス施設 事業所における設備投資の状況を把握し 介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について検討を行うための基礎資料を得ることを目的とする 調査対象期間 : 原則として平成 24 年 3 月までの直近 5 事業年 ( 度 ) 調査項目 :1. サービス別 資産 1 件当たり取得価額別の投資総額や投資件数の傾向 2. 資産種類 ( 建物 構築物 介護用機器 医療機器 ) 別の投資総額や投資件数の傾向 3. 年度別の総収入に対する投資総額の比率 4. 介護用機器の分類別の投資総額や投資件数の傾向等 7

3. 消費税率 8% への引上げ時における対応 ( 参考 ) 介護保険サービスにおける費用構造推計の結果について ( 平成 26 年 1 月 15 日第 98 回介護給付費分科会報告 ) 1 給与費等非課税費用 ( 収支差額を含む ) 2 委託費等課税費用 3 減価償却費 2 3 の合計 1 介護老人福祉施設 80.3 12.9 6.8 19.7 2 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 83.7 12.8 3.5 16.3 3 介護老人保健施設 74.8 19.9 5.2 25.2 4 介護療養型医療施設 71.5 25.0 3.5 28.5 5 認知症対応型共同生活介護 ( 介護予防を含む ) 86.5 12.6 0.9 13.5 6 訪問介護 ( 介護予防を含む ) 82.5 16.4 1.1 17.5 7 訪問入浴介護 ( 介護予防を含む ) 76.0 21.9 2.1 24.0 8 訪問看護 ( 介護予防を含む ) 83.6 15.3 1.1 16.4 9 訪問リハビリテーション ( 介護予防を含む ) 72.9 23.6 3.5 27.1 10 通所介護 ( 介護予防を含む ) 75.5 20.3 4.2 24.5 11 認知症対応型通所介護 ( 介護予防を含む ) 79.0 16.8 4.1 21.0 12 通所リハビリテーション ( 介護予防を含む ) 71.3 23.1 5.5 28.7 13 短期入所生活介護 ( 介護予防を含む ) 82.6 11.9 5.5 17.4 14 居宅介護支援 85.4 13.2 1.5 14.6 15 福祉用具貸与 ( 介護予防を含む ) 50.6 41.7 7.7 49.4 16 小規模多機能型居宅介護 ( 介護予防を含む ) 78.1 16.7 5.1 21.9 17 特定施設入居者生活介護 ( 介護予防を含む ) 77.4 21.3 1.3 22.6 18 地域密着型特定施設入居者生活介護 84.6 13.9 1.5 15.4 全体 77.9 18.0 4.1 22.1 ( 注 1) 平成 25 年度介護事業経営概況調査 ( 以下 調査 という ) の結果数値等を用いて推計 ( 注 2) 表に記載のないサービスについて 有効回答数が少ないこと等から類似のサービスの結果数値を用いて全体の費用割合を推計 ( 注 3) を付したサービスについては 保険給付対象外の費用 ( 建物及び建物付属設備減価償却費 給食材料費等 ) を除いて算出しているため 調査結果の数値と異なる ( 参考 ) 平成 26 年度介護報酬改定における改定率 22.1%( 介護サービス全体の課税割合 ) (108/105-1) = 0.63% 8

3. 消費税率 8% への引上げ時における対応 2 介護報酬による上乗せについて 介護報酬全体として見た場合に 基本単位数のみならず 加算分への影響分も含め適切に手当されることが必要であるとの考え方から 基本単位数への上乗せを基本としつつ 消費税負担が相当程度見込まれる加算があれば それらにも上乗せを実施 < 消費税率 8% への引上げ時における介護報酬による上乗せの具体的な対応 > 1. 基本単位数への上乗せ 基本単位数への上乗せ率については 人件費 その他の非課税品目を除いた課税割合を算出し これに税率引上げ分を乗ずることにより基本単位上乗せ率を算出 2. 加算の取扱い 各加算の取扱いについては 以下のとおり 基本単位数の割合で設定されている加算については 基本単位数への上乗せで手当されること 福祉用具貸与に係る加算については 交通費相当額と設定されていることから これらの加算については 上乗せ対応を行わない 上記以外の加算のうち 課税費用の割合が大きいと考えられるものについては 基本単位数への上乗せ率と同様に課税費用に係る上乗せ対応を実施 一方 課税費用の割合が小さいものや もとの単位数の設定が小さく 上乗せ分が 1 単位に満たないものなど 個別に上乗せ分を算出して対応することが困難なものについては 基本単位数への上乗せに際し これらの加算に係る消費税相当分も含めて上乗せ対応を行う 9

3. 消費税率 8% への引上げ時における対応 10 3 基準費用額 負担限度額 区分支給限度基準額の取扱いについて 基準費用額については 平成 25 年度介護事業経営概況調査により 食費 居住費の実態を調査した結果 現行の基準費用額を設定した際の費用額と 消費税引上げの影響を加味した費用額に一定の変動が認められるものの 第 5 期介護保険事業計画期間の中途において見直しを要するほどの変動幅ではないことから 据え置くこととした 負担限度額については 入所者の所得状況等を勘案して決めていることを踏まえ 見直しは行わないこととした 区分支給限度基準額については 介護給付費実態調査に基づき 要介護度別の支給限度額と平均的な利用率を把握した上で 従前と同量のサービスを利用しているにもかかわらず 区分支給限度基準額を超える利用者が新たに生じること等から 引き上げることとした なお 特定福祉用具販売と住宅改修に係る支給限度基準額については 当該サービス費は介護保険制度創設時から公定価格ではないこと等から 引き上げないこととした

11 3. 消費税率 8% への引上げ時における対応 ( 参考 ) 食費 居住費の平均的費用額について ( 平成 25 年 12 月 10 日第 97 回介護給付費分科会資料より ) ( 注 ) 調理委託している場合は 調理員等に含まれる 減価償却費 光熱水費には食事サービス部門が含まれている 基準費用額 1 (108/105) ( 消費税率引上げの影響を考慮 ) H25.7 介護事業経営概況調査 (1) H16.10 介護事業経営概況調査 食費 42,000 計 41,434 (41,268 1) 調理員等 24,204 (24,038 1) 材料費等 17,230 計 40,283 調理員等 23,532 材料費等 16,751 計 42,229 調理員等 25,339 材料費等 16,891 多床室居住費 10,000 H24 家計調査 10,057 H24 家計調査 9,778 H15 家計調査 9,490 ( 光熱水費のみ ) 従来型個室 特養 ユニット型準個室 ユニット型個室 ( 特養 ) 35,000 国庫補助金等相当額を勘案して設定 老健 50,000 療養 50,000 50,000 60,000 計 52,551 減価償却費 32,896 2 光熱水費 19,655 計 47,246 減価償却費 28,705 2 光熱水費 18,541 計 39,835 減価償却費 26,795 2 光熱水費 13,040 計 62,188 減価償却費 42,710 2 光熱水費 19,478 1 給与費 ( 通勤手当を除く ) を除いて消費税率引上げの影響を考慮した額 2 消費税率 8% 引上げの影響を受ける投資として推計 計 51,091 減価償却費 31,982 光熱水費 19,109 計 45,934 減価償却費 27,908 光熱水費 18,026 計 38,729 減価償却費 26,051 光熱水費 12,678 計 60,460 減価償却費 41,524 光熱水費 18,937 計 53,931 減価償却費 37,688 光熱水費 16,243 計 60,509 減価償却費 44,428 光熱水費 16,081 計 63,936 減価償却費 50,827 光熱水費 13,109 計 67,794 減価償却費 49,071 光熱水費 18,723

3. 消費税率 8% への引上げ時における対応 12 ( 参考 ) 区分支給限度基準額について ( 平成 25 年 12 月 10 日第 97 回介護給付費分科会資料より ) 在宅サービスについて 利用者の状況に応じた適正なサービスを提供する観点から 必要な居宅介護サービスのモデルを用いて 要介護度毎に区分支給限度基準額を設定 支給限度額を超えるサービスを受けた場合 超える分の費用は全額利用者負担 介護保険給付の対象 (1 割自己負担 ) 対象外 ( 全額自己負担 ) 支給限度額 要介護度別の支給限度額と平均的な利用率 支給限度額 ( 円 ) 受給者 1 人当たり平均費用額 ( 円 ) 支給限度額に占める割合 (%) 支給限度額を超えている者 ( 人 ) 利用者に占める支給限度額を超えている者の割合 (%) 要支援 1 49,700 22,750 45.8 2,861 0.7 要支援 2 104,000 41,530 39.9 1,141 0.2 要介護 1 165,800 73,280 44.2 12,008 1.6 要介護 2 194,800 100,850 51.8 23,865 3.3 要介護 3 267,500 150,480 56.3 13,314 3.1 要介護 4 306,000 183,050 59.8 11,629 3.9 要介護 5 358,300 225,050 62.8 8,793 4.4 合計 73,611 2.2 平成 25 年介護給付費実態調査 (5 月審査分 ) を基に作成 ( 注 ) 額は介護報酬の 1 単位を 10 円として計算

4. 消費税率 10% への引上げ時における対応に関する論点 ( 案 ) 論点案 消費税率 8% への引上げ時における対応を踏まえ 現時点において どのような対応が考えられるか < 参考 > 平成 26 年度消費税 8% 引上げ時における論点 1 消費税率の引上げに伴う影響分の補填 2 介護報酬への上乗せ 3 基準費用額 負担限度額 区分支給限度基準額の取扱い 13