<4D F736F F D20819C B E937888CF91F58E8E8CB190AC90D18F91288C51946E945F8B5A835A BA E646F63>

Similar documents
圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

委託試験成績 ( 平成 25 年度 ) 担当機関名 部 室名 実施期間 大課題名 課題名 目的 担当者名 山口県農林総合技術センター 農業技術部土地利用作物研究室 資源循環研究室 平成 24~26 年度 Ⅰ 大規模水田営農を支える省力 低コスト技術の確立 うね立て同時条施肥機を利用した被覆尿素の深層

<82BD82A294EC82C697CE94EC82CC B835796DA>

コシヒカリの上手な施肥

平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

<4D F736F F D CA48B8690AC89CA8FEE95F E496D882CC8EED97DE82AA817582CD82E982DD817682CC90B688E781418EFB97CA814189CA8EC095698EBF82C98B7982DA82B789658BBF2E646F63>

(\225\\\216\206color.xdw)

山形県における 水稲直播栽培の実施状況 平成 28 年 8 月 26 日 ( 金 ) 山形県農業総合研究センター 1 1 山形県における水稲直播栽培の現状 1 (ha) 2,500 2,000 1,500 1, 乾田直播 湛水 ( 点播 ) 湛水 ( 条播 ) 湛水 ( 散播 )

目 的 大豆は他作物と比較して カドミウムを吸収しやすい作物であることから 米のカドミウム濃度が相対的に高いと判断される地域では 大豆のカドミウム濃度も高くなることが予想されます 現在 大豆中のカドミウムに関する食品衛生法の規格基準は設定されていませんが 食品を経由したカドミウムの摂取量を可能な限り

<4D F736F F F696E74202D E593A482CC95738D6B8B4E94648EED8DCD947C8B5A8F7082CC837D836A B20959C8CB38DCF82DD>

1. 取組の背景射水市大門地域は 10a 区画の未整備な湿田が多く 営農上の大きな障害となっていた 昭和 62 年に下条地区で県内初の大区画圃場整備が実施されたのを皮切りに 順次圃場整備が進んでいる 大区画圃場整備事業が現在の 経営体育成基盤整備事業 になってからは 農地集積に加えて法人化等の担い手

附則この要領は 平成 4 年 1 月 16 日より施行する この要領は 平成 12 年 4 月 3 日より施行する この要領は 平成 30 年 4 月 1 日より施行する 2

1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

(Microsoft Word -

<4D F736F F D C8B9E945F91E58EAE90B682B282DD94EC97BF89BB2E646F63>

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農シス

untitled

a

資料 2 農業データ連携基盤の構築について 農業データ連携基盤 (WAGRI) WAGRI とは 農業データプラットフォームが 様々なデータやサービスを連環させる 輪 となり 様々なコミュニティのさらなる調和を促す 和 となることで 農業分野にイノベーションを引き起こすことへの期待から生まれた造語

<532D3790B68E598D7392F68AC7979D8B4C985E E786C7378>

リン酸過剰の施設キュウリほ場(灰色低地土)における基肥リン酸無施肥が収量に及ぼす影響

untitled

機関名 ( 地独 ) 北海道立総合研究機構農業研究本部 部署名 企画調整部企画課 記入者氏名 山崎敬之 電話番号 レーザー式生育センサを活用した秋まき小麦に対する可変追肥技術 レーザー式の生育センサを使って秋まき小

スマート農業はもうはじまっている!

) km 200 m ) ) ) ) ) ) ) kg kg ) 017 x y x 2 y 5x 5 y )

画面遷移

<955C8E86899C95742E786C73>

                         2009,3,1

cm H.11.3 P

委託試験成績 ( 平成 29 年度 ) 担当機関名部 室名 実施期間 大課題名 課題名 目的 群馬県畜産試験場飼料環境係 平成 29 年度 ~ 平成 30 年度 新規 Ⅲ 水田を活用した資源作物の効率的生産 供給技術の確立 汎用コンバインを利用した子実用トウモロコシとオオムギ二毛作体系における自給濃

 

<4D F736F F D2091E593A48DCD947C82CC837C E646F63>


<82D282A982C1746F95F18D908F57967B95B E696E6464>

秋植え花壇の楽しみ方


1 作物名     2 作付圃場 3 実施年度   4 担当

土地改良523号.indd


0.45m1.00m 1.00m 1.00m 0.33m 0.33m 0.33m 0.45m 1.00m 2

農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

1 試験分類  効率的農業生産技術確立対策試験

仙台稲作情報令和元年 7 月 22 日 管内でいもち病の発生が確認されています低温 日照不足によりいもち病の発生が懸念されます 水面施用剤による予防と病斑発見時の茎葉散布による防除を行いましょう 1. 気象概況 仙台稲作情報 2019( 第 5 号 ) 宮城県仙台農業改良普及センター TEL:022

緑化計画作成の手引き 26年4月版


みどりノートユーザマニュアル(Web版)

Microsoft PowerPoint - ●麦・大豆の耕うん同時畝立て播種栽培マニュアル(完成)

メラレウカ苗生産技術の検討 供試品種は レッドジェム, レボリューションゴールド を用い, 挿し木を行う前日に枝を採取し, 直ちに水につけ持ち帰り, 挿し穂の基部径を 0.8~1.2mm,1.8~2.2mm,2.8~3.3mm で切り分けた後, 長さ約 8cm, 基部から 3cm の葉を除いた状態に

2 作物ごとの取組方針 (1) 主食用米本県産米は 県産 ヒノヒカリ が 平成 22 年から平成 27 年まで 米の食味ランキングで6 年連続特 Aの評価を獲得するなど 高品質米をアピールするブランド化を図りながら 生産数量目標に沿った作付けの推進を図る また 平成 30 年からの米政策改革の着実な

1 試験分類  効率的農業生産技術確立対策試験

地図情報の差分更新・自動図化 概要版

<4D F736F F D D947A957A8E9197BF8AAE90AC81698CF6955C816A2E727466>


Microsoft Word - ⑦内容C【完成版】生物育成に関する技術.doc

<4D F736F F F696E74202D A957A A81798CBB8FEA8C9F8FD8826F A DB91B6817A2E505054>

P01

20 石川県農業総合研究センター研究報告第 28 号 (2008) Ⅰ はじめに家畜ふん尿処理施設では 収集 運搬された家畜ふん尿は固液分離機に搬入され 固形分は堆肥化処理後 農耕地へ還元利用されている 液状分は好気発酵処理 さらに生物処理等の工程の順に適切な浄化処理が行われ その後 放流されている

様式集

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

排水対策の実施例 暗渠がある場合排水がよいほ場 排水が悪いほ場 周囲明渠 弾丸暗渠 心土破砕は 2 ~5m おきに行う 周囲明渠は深さ 30 cmを確保する 周囲明渠は排水口に確実に接続する 弾丸暗渠本暗渠 暗渠がない場合排水がよいほ場 排水がよく 長辺が長いほ場 100m 以 ほ場内排水溝は4 ~

GR-1000N-1_簡易版スペックシート改訂

07.報文_及川ら-二校目.indd

プレスリリース

2t3 転ダンプ 2t3 転ダンプサイドテール 輌ダンプカートラック規制車 その他22tダンプ ダFンゲプー ト2t3転ダンプサイドテールRENTAL t 3 転12 車 2t3 転ダンプ 排土性の高い リヤサイド 50 度のダンプ角度 ( 最大積載量 2t 積車 ) 操作力を軽減した吊り下げ式方向

<4D F736F F D20819B8DD882CC89D48DCD947C837D836A B2E646F63>

目次 1. 本書の利用方法 p.1 2. 著作権 p.1 3. 免責事項 p.1 4. 用語の定義と説明 p.1 A. 団体の管理体制 1. 団体の基本情報と責任の明確化 p.3 2. 契約の管理 p.4 3. 団体 農場管理マニュアル p.5 B. 団体 農場管理マニュアルに基づく管理の実践とその

材料および方法

<4D F736F F D B F4390B CF91F58E8E8CB18EC090D18C9F93A289EF90AC90D18F B7B8DE8918D945F8E8E816A2E646F6378>

Taro-H30(32-37).本çfl°æŒ½è‡¥.jtd

有機JAS認定 申請書

Microsoft Word - 作成中.doc

図 Ⅳ-1 コマドリ調査ルート 100m 100m 100m コマドリ調査ルート 図 Ⅳ-2 スズタケ調査メッシュ設定イメージ 17

AI IoTを活用したスマート農業の加速化 人手不足への対応や生産性の向上を進めるためには ICTを活用したスマート農業の推進が重要 今後人工知能やIoT等の先進技術により 生産現場のみならずサプライチェーン全体にイノ ベーションを起こし 生産性向上や新たな価値創出を推進 1

失敗しない堆肥の使い方と施用効果

調査研究課題:○○▽▽の調査研究

H26 中予地方局産業振興課普及だより 新技術情報 -1 いちご新品種 紅い雫 ( あかいしずく ) 1. 紅い雫 の来歴県農林水産研究所が育成したいちご新品種 紅い雫 は あまおとめ ( 母親 ) 紅ほっぺ ( 父親 ) の交配により誕生し 平成 26 年 6 月 25 日に品種登録出願されました

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

温度 平成 23 年平均平成 23 年最高平成 23 年最低平均気温 ( 平年値 ) 最高気温 ( 平年値 ) 最低気温 ( 平年値 ) 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 図 1 生育期間中の気温推移 ( 淡路農技内 ) 降水 3 量

2014年SW氏講習会資料

麦 類 生 育 情 報

Taro-3_大下

ホイールローダ 仕様 モデル ホイールローダ メーカー カワサキ 型式 25ZA 35ZA 40ZA 43ZA 45ZA バケット容量 (m 3 ) 最大堀起力 (kn{kgf}) 22.4{2280} 6.4{650} 8.3{850} 9.3{950}

Ⅲ-2-(1)施設野菜

毒 2 全面土壌散布 ( 注 : 対象雑草のはシバムギ レッドトップを示す ) 8 カイタック乳剤 [PL-10] -H7 9 カイタック細粒剤 F [PL-10] -H8 ヘ ンテ ィメタリン 15% リニュロン 10% ヘ ンテ ィメタリン 1.5% リニュロン 1.0% は種直後 ~ は種後


窒素吸収量 (kg/10a) 目標窒素吸収量 土壌由来窒素吸収量 肥料由来 0 5/15 5/30 6/14 6/29 7/14 7/29 8/13 8/28 9/12 9/ 生育時期 ( 月日 ) 図 -1 あきたこまちの目標収量確保するための理想的窒素吸収パターン (

1 地域の概要 紫波町は岩手県のほぼ中央にあり 北は矢巾町 を挟んで盛岡市になり 南は花巻市に接しています ( 図 1) 町域は北上盆地を挟んで東の北上山地と西の奥羽山系にまたがって細長く広がり 町域の中央を東北の大河北上川が南流しています 北上川は北上盆地の東寄りを流れているため 平野は北上川の西

<4D F736F F D B F4390B E937888CF91F58E8E8CB D90FC8B7A8EFB B838094ED95A282C982E682E CC88C092E890B68E598B5A8F7082CC8A6D97A B78DE88CA781418FBC967B816A2E646

Corporation Co., Ltd.

Ⅱ 枝物類

日本作物学会紀事 第77巻 第1号

( 別記 ) 大玉村地域農業再生協議会水田フル活用ビジョン ( 案 ) 1 地域の作物作付の現状 地域が抱える課題 当該地域は 水田面積に占める主食用水稲の割合が 69% で 転作作物に占める割合としては飼料作物が多く 次にそば 野菜がある しかしながら 主食用米の需要が減少する中で さらに他の転作

- 18 -

PC農法研究会

月中旬以降の天候によって塊茎腐敗による被害が増加する事例も多い 平成 28 年度は疫病の発生面積率は19.9% と例年に比べてやや少なかったものの 塊茎腐敗の発生面積率は 14.8% と例年に比べてやや多かったとされる ( 平成 現在 北海道病害虫防除所調べ ) かつては 疫病には

Ⅲ-3-(1)施設花き

2018/4/19 JA いなば大豆栽培講習会自己紹介 30 年産大豆の収量 品質向上に向けて平成 27 年度大豆栽培講習会 平成 30 年 4 月 20 日 ( 金 ) JA いなば農業創造センター会議室高岡農林振興センター小矢部班 高岡農林振興センター伊山幸秀 2 富山県農林水産総合技術センター

無印良品 2012 自転車 カタログ

Transcription:

委託試験成績 ( 平成 28 年度 ) 担当機関名部 室名実施期間大課題名課題名 群馬県農業技術センター企画部 機械施設係平成 28 年度 ~29 年度 Ⅳ 環境保全を配慮した生産技術の評価 確立肥料を効率的に利用できるコンニャク培土同時複合作業技術の確立 目的 担当者名 群馬県西部地区のコンニャク施肥体系は 従来植え付け前と培土時に分けて施肥する方法であったが 経営規模拡大に伴い培土時施肥を省略し植え付け前の全量基肥体系が増加しつつある 加えて 晩生である みやままさり への品種更新が進んでいることと豪雨などによる肥料の流亡から 全量基肥では減産となる事が多い そこで 大規模農家でも作業が可能となる乗用トラクタを利用した培土 施肥 およびその他作業を同時に行える省力的な作業機を開発する 培土時施肥により肥料を効率的に利用することで 従来の植え付け前と培土時の分施体系と同等の収量を確保できる作業技術を確立する 企画部機械施設係 主任 田村晃一 1. 試験場所 (1) 群馬県農業技術センター内ほ場 本所 ( 伊勢崎市西小保方町 493) 土性砂壌土 土壌区分黒ボク土 こんにゃく特産研究センター ( 渋川市渋川 3092-1) 土性砂壌土 土壌区分火山放出物未熟土 (2) 現地農家ほ場 ( 安中市鷺宮及び中野谷 ) 土性壌質砂土 土壌区分黒ボク土 2. 試験方法 (1) コンニャクの培土時作業に適合した試作機の製作コンニャクの栽植様式は 2 条寄せ畦が多く ( 畦幅 105~120cm 程度 条間 40~50cm 程度 ) 植え付け後の畦間に乗り入れて作業するため 細幅の車輪で出芽した芽を傷つけない最低地上高が必要である そのため 本体は畑作管理用のハイクリアランストラクタを 培土機は以下を選定した 肥料および農薬は 粒剤に対応する以下の散布機を選定し 取り付け方法などの改良を行った トラクタ本体ヤンマー畑作管理用 GK16,NH71(16.5 馬力 ) 全長 2450mm 全幅 1325mm 全高 1860mm 最低地上高 300mm 重量 605kg 輪距 980mm~1320mm まで 50mm 単位で調整可能タイヤ幅 130mm 培土機松山 RM212V ロータリ 2 連 畦幅 60~150cm の間で無段階調整可能 肥料散布機ジョーニシ V-F05 ホッパ容量 50 リットル散布口 6 農薬散布機ジョーニシ VL-2 ホッパ容量 15 リットル散布口 2 麦播種機ジョーニシ VL-2 同上 1 行程で 2 畦分の作業を行うため 作業幅は 2.2m 程度となる 肥料および農薬は 4 ヵ所に散布するため 農薬散布機は 1 薬剤に付き 2 機設置した ( 図 1) (2) 試作機の適応性検討調査 1( 農業技術センター本所 ) 1) 散布機の繰り出し量調査 5 月 30 日 6 月 13 日 7 月 7 日 2) 畦形適応調査 6 月 8 日調査 2( こんにゃく特産研究センター )

1) ほ場条件 G ほ場 ( 系統増殖ほ場 ) 58m( 畦方向 ) 15.4m(14 畦 ) 畦幅 1.1m 片側 3m は作付けなし ( 枕地 ) 2) 試験期日 6 月 10 日 3) 作業方法 1 方向作業 ( 片側旋回 バック ) 培土同時施肥施薬 ( 肥料 : コンニャク大賞 農薬 : アドマイヤー 1 粒剤 ) 3) 機械設定トラクタエンジン回転 2500rpm 変速機 2- 低 PTO 2 培土機 正転 4) 調査項目ア ) 作業精度 : 培土の状況 ( 畦形 ) 散布量( 肥料 農薬 ) イ ) 作業能率 : 作業時間 作業速度 調査 3( 現地農家ほ場 [ 安中市鷺宮 ]) 1) ほ場条件 50m( 畦方向 ) 27m 14 畦おきにトラクタブーム道あり 畦幅 1.1m 片側 2m は作付けなし ( 枕地 ) 2) 試験期日 6 月 29 日 2) 作業条件 1 方向作業 ( 片側旋回 バック ) 培土同時施肥施薬 ( 肥料 : コンニャク美人 農薬 : アドマイヤー 1 粒剤 ユニフォーム粒剤 ) 3) 機械設定トラクタエンジン回転 2500rpm 変速機 2- 低 PTO 2 培土機 正転 4) 調査項目ア ) 作業精度 : 培土の状況 ( 畦形 ) 散布量( 肥料 農薬 ) イ ) 作業能率 : 作業速度 調査 4( 現地農家ほ場 [ 安中市中野谷 ]) 1) 実証農家に貸し出し 以下の期間使用した 2) 貸出期間 :6 月 14 日 ~7 月 7 日 3) 使用面積 : 約 5ha (3) 現地慣行作業調査調査 1( こんにゃく特産研究センター ) 1) ほ場条件 G ほ場長辺 58m( 片側のみ枕地 3m) 2) 作業条件往復作業 ( 両側旋回 ) 3) 供試機械一輪管理機 4) 調査項目作業速度 調査 2( 現地農家圃場 [ 安中市中野谷 ]) 1) 圃場条件 51m( 畦方向 ) 42m 枕地なし 2) 作業条件往復作業 ( 両側旋回 ) 施肥 : 肥料桶施薬 : ペットボトル 3) 供試機械一輪管理機ヤンマー MK8DX 4) 調査項目作業速度 (4) 施肥方法の違いが生育 収量に及ぼす影響試験 1 1) 試験場所こんにゃく特産研究センター B ほ場 2) 試験区 No 区名基肥追肥 1 基肥全量 植え付け前 100 % なし 2 基肥 追肥分施 植え付け前 50% 培土時 50% 3 培土時全量 なし 培土時 100%

3) 区制 1 区 4 畦 3m(13.2 m2 ) 3 反復 掘り取り調査は 1 区あたり 1 畦 3m(3.3 m2 ) 4) 耕種概要品種名コンニャク みやままさり 2 年生 あかぎおおだま 2 年生種いも 1 個重 120g 栽植様式 2 条寄せ植え 株間 30cm 畦間 110cm 施肥量 ( 基肥と追肥合計 ) N=12kg/10a( こんにゃく大賞 N-P-K=10-10-12) 基肥 5 月 23 日 植え付け 5 月 26 日 培土 追肥 麦播種 6 月 10 日基肥 追肥は手散布 培土は一輪管理機 麦播種は手押し播種機で実施した掘り取り 10 月 25 日 5) 調査項目葉色 葉柄長 葉身長 収量 品質 土壌分析 試験 2 1) 試験場所安中市鷺宮現地農家ほ場 2) 試験区 No 区名 基肥 追肥 1 基肥全量 植え付け前 100% なし 2 基肥 追肥分施 植え付け前 50% 培土時 50% 3) 区制 1 区 7 畦 48m(370 m2 ) 反復なし 掘り取り調査は 1 ヵ所あたり 1 畦 1.5m(1.65 m2 ) 1 区につき 3 ヵ所実施 4) 耕種概要品種名コンニャク みやままさり 生子 (1 年生 ) 種いも 1 個重 15g 栽植様式 2 条千鳥植え寄せ植え (1 畦 4 条 ) 株間 15cm 畦間 110cm 施肥量 ( 基肥と追肥合計 ) N=10kg/10a( こんにゃく美人 N-P-K=10-5-10) 基肥 6 月 14 日 植え付け 6 月 18 日 培土 追肥 農薬散布 6 月 29 日基肥は手散布 培土 追肥 農薬散布は試作機を使用使用農薬アドマイヤー 1 粒剤 5kg/10a およびユニフォーム粒剤 9kg/10a 掘り取り 11 月 8 日 5) 調査項目葉色 葉柄長 葉身長 収量 品質 土壌分析 3. 試験結果 (1) 試作機の適応性検討選定したトラクタは培土時に支障なく畦間の走行が可能であった ただし 大きな種いもの場合 出芽後に新葉が出始める時期になるとトラクタ底部に接触することがあった 通常のコンニャクの作付けでは ほ場の両側にトラクタが旋回できる枕地をとることがないため 作業方法は 1 方向作業とバックの繰り返しで行った 培土機のローターの幅 ( 爪の外 - 外 ) が広いと培土時にこんにゃくの根を切ってしまうため 爪の外幅が 18cm となるローターを選択した 排土板と培土器の畦形の比較を行い 排土板とした ( 図 2) トラクタの走行変速が 2- 低 では作業速度 1.1km/h 程度であり 慣行の歩行型管理機と比べてもやや遅かった ほ場条件が良好な場合は 2- 高 でも作業が可能であったが 土壌水分が高い状態では過負荷となった 土壌水分が高い場合にはロータリカバー内に土がこびりつき 土挙げ能力が劣った 肥料散布機の散布量は調整ダイヤルと比例して増減し高精度であったが ダイヤル目盛 9 以上では繰り出し量は増加しなかった ( 図 4) 農薬散布機の散布量は調整ダイヤルと比例して増減し高精度であったが 肥料散布機

と同様にダイヤル目盛 9 以上では繰り出し量は増加しなかった 麦播種についても農薬散布機と同様の機械としたため 散布精度は高かった ( 図 5) ただし コンニャク畦間の麦は高精度の播種が必要ないため より簡易な機械が望まれた 肥料 農薬散布 麦播種に共通の問題として 散布口ごとに開閉ができないため 1 行程目または最終工程では外側の散布口から畦のないところへ散布してしまうため 試験では出口に袋を付けて回収した 試作機を 5ha 程度使用した農家の感想では 慣行の歩行型管理機よりも大幅な能率向上が可能であり また歩きにくい畦間をトラクタに乗ったまま作業ができるので疲労が極めて少なくなった 現状では ほ場の両側に枕地がなく 1 方向作業とバックの繰り返しとなるため 作業時間全体の約 3 割をバック作業が占めた ( 表 1) 効率的な機械利用には作付けの工夫が必要である (2) 現地慣行作業調査従来の現地農家の作業は 肥料散布を肥料桶や背負い手振り散布機または歩行型管理機タイプの散布機で行い 農薬散布を簡易な散布機で行う その後に歩行型管理機 (1 輪または 2 輪 ) による培土作業を行う 麦は手押し機械で播種するが 培土後の畦間が狭く歩きにくいため 麦播種を省略する場合も多い 歩行型管理機による培土作業は 機械との兼ね合いから前進またはバックで作業しており 作業速度も様々である 前進で作業速度が早い場合は 1.25km/h 程度 バックで遅い場合は 0.72 km/h 程度であった ( 表 2) (3) 施肥方法の違いが生育 収量に及ぼす影響試験 1 では 生育期の葉柄や葉身長に違いは見られなかったが ( 図 6) 生育終盤 (9/26) の葉色は培土時全量区で濃い傾向であった ( 図 7) 掘り取ったいもの肥大倍率は あがぎおおだま で 7.9~8.2 みやままさり で 7.1~7.2 となり 試験区による違いはみられなかった ( 表 3) 試験 2 では 肥大倍率は基肥全量が 7.5 基肥 追肥分施が 8.2 となった ( 表 4) 4. 主要成果の具体的データ 麦播種機 施薬機 施肥機 施薬機 マーカー麦 図 1 畦間 畦間 試作機の散布装置模式図 注 1) 農薬は 4 箇所に散布するため 1 薬剤につき 2 基設置した 2 薬剤の場合は 4 基設置する 種いも

280mm 850mm マーカー麦 550mm 220mm 培土器 ( 補助板あり ) 390mm 290mm 450mm 220mm 培土器 ( 補助板なし ) 680mm 110mm 160mm 400mm 270mm 種いも 400mm 培土前 750mm 培土量 60~80mm 培土前の畦形 160mm 排土板 図 2 畦形 ( 本所ほ場 ) 160mm 培土後図 3 培土前 培土後の畦形 ( こんにゃく特産研究センターほ場 ) 肥料 ( こんにゃく美人 ) (g) 1000 900 800 700 麦 ( 百万石 ) (g) 90 80 70 60 600 500 400 こんにゃく美人麦 4 5 6 7 8 9 10 調整ダイヤルメモリ 50 40 30 図 4 施肥機 施薬機繰り出し量 注 1)1 分あたりの繰り出し量で 施肥機は 4 口の平均 麦播種基は 2 口の平均 1.16 19.9 11.4 2.6 - - 34 注 1) ほ場長辺 58m 15.4m 片側のみ枕地 3m( 枕地旋回 ) 片道作業 2) 作業幅 2.2m(2 畦 ) 3) 培土作業同時施肥施薬 4) 作業者は乗用トラクタオペレータ 1 人 表 1 試作機の作業時間 ( こんにゃく特産研究センターほ場 ) 作業時間 ( 分 /8.5a) 作業速度旋回km/h 培土バック施肥施薬合計移動 表 2 現地農家の慣行作業時間 ( 安中市中野谷 ) 作業速度作業時間 ( 分 /21a) 一輪管理機旋回km/h 移動培土施肥施薬合計 161.5 12 174 0.72 43.7 44 30.4 30 注 1) ほ場長辺 51m 42m 枕地なし 往復作業 2) 作業幅 1.1m(1 畦 ) 3) 培土作業は一輪管理機によるバック作業 4) 作業者は歩行用一輪管理機オペレータ1 人と施肥 施薬作業者 1 人

(cm) 60 55 50 45 40 35 30 25 20 基肥全量基肥 追肥分施培土時全量 葉柄長葉身長葉柄長葉身長 あかぎおおだま みやままさり 注 1) 調査日 8/8 図 5 施肥時期の違いによる生育 (SPAD) 50 あかぎおおだま みやままさり 45 40 35 30 基肥全量基肥 追肥分施培土時全量 図 6 施肥時期の違いによる葉緑素 注 1) 調査日 9/26 表 3 収量調査こんにゃくセンターほ場 3.3m2あたり試験区健全球病害球合計肥大個数重量個数重量個数重量 No. 品種倍率 ( 個 ) (kg) ( 個 ) (kg) ( 個 ) (kg) 1 基肥全量 あかぎおおだま 19 18.9 1 0.7 20 19.6 8.2 2 基肥 追肥分施 あかぎおおだま 20 19.1 20 19.1 7.9 3 培土時全量 あかぎおおだま 20 19.7 20 19.7 8.2 分散分析 - - - - - - ns 4 基肥全量 みやままさり 18 15.7 2 1.3 20 17.0 7.1 5 基肥 追肥分施 みやままさり 19.3 16.8 0.7 0.6 20 17.4 7.2 6 培土時全量 みやままさり 19 16.7 1 0.5 20 17.2 7.2 分散分析 - - - - - - ns 注 1)* は5% 水準で有意差あり nsは有意差なし 2) 種いも1 個重 120g 表 4 収量調査現地農家圃場 ( 安中市鷺宮 ) 1.65m2あたり試験区健全球病害球合計肥大 No. 個数重量個数重量個数重量品種倍率 ( 個 ) (kg) ( 個 ) (kg) ( 個 ) (kg) 1 基肥全量 みやままさり 34.3 5.95 2.0 0.04 36.3 5.99 7.5 2 基肥 追肥分施 みやままさり 37.0 6.49 1.7 0.03 38.7 6.52 8.2 t 検定 - - - - - - ns 注 1)* は5% 水準で有意差あり nsは有意差なし 2) 種いも1 個重 15g

表 5 土壌分析 こんにゃくセンターほ場 No. 試験区 品種 アンモニア態窒素 硝酸態窒素 mg/100g mg/100g 1 基肥全量 あかぎおおだま 0.5 0.8 2 基肥 追肥分施あかぎおおだま 0.6 0.9 3 培土時全量 あかぎおおだま 0.5 0.9 4 基肥全量 みやままさり 0.5 0.9 5 基肥 追肥分施みやままさり 0.3 0.7 6 培土時全量 みやままさり 0.3 0.8 注 1) 土壌採取日 10/21 5. 経営評価来年度の試験に向けて機器構成について検討中であるが 施薬機を現在の 1 剤に対して 2 基必要とする構成から 1 基構成への見直しや 散布精度を必要としない麦播種機を安価なものへ変更するなど コストダウンを図る必要がある 培土と同時作業を行う施肥 施薬 (1 または 2 剤 ) 麦播種について 使用者が取捨選択できる構成とする必要がある 6. 利用機械評価慣行の培土作業や施肥 施薬作業は歩行による一輪管理機での作業であるが 試作機は乗用で作業が行えるため 作業者への負担軽減が図れる また 施肥 施薬等の作業を同時に行えるため 作業時間の短縮が図れる 7. 成果の普及普及組織に情報を提供するとともに 現地実証等に普及組織とともに取り組みたい 8. 考察コンニャクの培土時作業に適合する機械を選定し試作機を製作したところ 培土作業は土壌水分に影響されるもののおおよそ支障なく作業できた 肥料 農薬散布 麦播種では散布精度は高いものの 散布口の問題や機械コストなど改善を要した 慣行作業よりも能率向上と省力化が期待できるが ほ場内の枕地と作業工程の関係など より効率的な機械利用には 作業手順の工夫や枕地の設置 補足的に歩行型管理機を使用するなど 柔軟な作業計画が必要である 施肥時期を変えた栽培試験では 生育終盤の葉色は基肥全量区よりも培土時全量区が濃い傾向であった 掘り取ったいもの肥大倍率は 培土時追肥区が高い傾向であったが試験区による違いは判然としなかった 本年は基肥と培土時追肥の時期が比較的近かったことから 次年度は基肥を土壌消毒ガス抜き時などとして再検討を行う 9. 問題点と次年度の計画 1 行程の作業幅はトラクタがまたいだ畦とその両側の畦の半分までであるため 偶数畦では最後の畦半分の作業を行えない ほ場両端の畦の外側や ブームスプレイヤー用通路では施肥 施薬が不要である 今回の機器構成では施肥機 施薬機の出口 1 箇所を止める方法がないため 散布しないように袋で受けて回収したが 次年度の改良機では散布口ごとに開閉ができる構造にする必要がある 施薬機を現在の 1 剤に対して 2 基必要とする構成から 1 基で 4 口に対応できる機械への見直しや 散布精度を必要としない麦播種機を安価なものへ変更するなど コストダウンを図る必要がある 施肥時期を変えた栽培試験では 本年は基肥と培土時追肥の時期が比較的近かったことから 次年度は基肥を土壌消毒ガス抜き時などとして再検討を行う 次年度は試作機の活用場面拡大のため コンニャクの収穫時に重労働となっている人力による茎葉部の寄せ集めに試作機を応用し 作業の省力化技術を確立する

10. 参考写真 写真 1 試作機培土作業 写真 2 試作機散布状況 写真 3 試作機培土後畦形写真 4 施肥作業 ( 慣行 ) 写真 5 施薬作業 ( 慣行 ) 写真 6 培土作業 ( バック作業 慣行 ) 写真 7 培土作業 ( 前進作業 慣行 )