第 2 版 広島県立福山特別支援学校
はじめに 本県では, 平成 26 年度より 学びの変革 アクションプランに取り組んでおり, 児童生徒の主体的な学びを促進することが重要な課題となっています 肢体不自由特別支援学校である本校において, 児童生徒の主体的な学びを促進するためには, 学習姿勢, 環境設定, 教材教具等についてきめ細やかな支援や配慮が必要となります しかし, 本校においては学習姿勢の支援に関する実践が十分蓄積していないという状況がありました そこで, 平成 28 年度より, 広島大学大学院教育学研究科特別支援教育学講座船橋篤彦先生を招聘し, 学習姿勢の支援に関する研究を行いました 船橋先生には, 児童生徒の学習姿勢の支援について, 的確な御助言をいただきました また, 姿勢に関する内容のみでなく, 身体発達と認知発達の関連等, 多岐に渡る内容を御教授いただき, 児童生徒の主体的な学びを目指す道標を示していただきました 本手引は, 船橋先生に御指導いただいた内容をもとに発刊しました 実際の指導や文献から得た情報から, 様々な指導場面における学習姿勢の支援例を示しています そして, この度, 平成 29 年度は, 内容の拡充と加筆修正を行った姿勢支援の手引き第 2 版を発刊するに至りました 本校で姿勢支援の手引を活用し, 児童生徒の主体的な学びを促進するとともに, 本手引の充実を図るよう, 努めていく所存です 本手引は完成された物ではなく, 今後も版を重ねる中で, 更なる研究の充実や効果的な指導の実践を進めていく所存です 皆様から忌憚のない御意見や御指導を賜りますようお願いいたします 平成 30 年 3 月 広島県立福山特別支援学校 校長我妻享
目 次 目的 説明 1 健康 1 休息 リラックス 2 2 呼吸 排痰 4 3 食事 6 見る, 聴く 4 音を聴く 8 5 物を見る 10 触る 6 感触を味わう 13 7 物に手を伸ばす ( 筋緊張が高い場合 ) 15 8 物に手を伸ばす ( 筋緊張が低い場合 ) 18
目的 説明 本手引は, 目的に応じた姿勢支援の方法の例を示したものです 適切な姿勢支援を行い, 学習をより効率的なものにすることを目的としています 日頃の授業に生かせるよう, 授業場面を想定し, 次のようなテーマ, 目的を設定しました 休息 リラックス健康呼吸 排痰食事音を聴く見る, 聴く物を見る感触を味わう触る物に手を伸ばす ( 筋緊張が高い場合 ) 物に手を伸ばす ( 筋緊張が低い場合 ) 本手引には, ひとつの目的に対し,3~4 の例を掲載しています 掲載されている姿勢支援は, あくまで一例に過ぎません 指導を行う際の参考として, 児童生徒の実態や学習場面等に応じて 活用を図ってみてください 欄の説明 1 目的 2 ポイント全体に関わる支援のポイント, 考え方等を示しています 3 支援のポイント目的に応じた支援の例を示しています 4 コラム姿勢支援に関連した内容を紹介しています 1
1 休息 リラックス ポイント リラックスするためには, 姿勢の安定, 心理的な安定が大切になる 身体が床や背もたれ等に触れている面積が広ければ, 姿勢が安定しやすくなる 心理的な安定のために, 周囲の音等の環境整備も大切になる 力を抜かせるために, 子供の股関節や膝を曲げること, 軽い揺れや圧迫の刺激が有効なことがある 腹臥位 腰を丸めるようにすると, 力が抜けやすい 股関節, 膝を曲げると, 力が抜けやすい 呼吸が苦しくならないよう, 空気の通り道を確保する 首やお腹を圧迫しないよう, 支援者の脚の位置を調整する 胸の下にクッションを置いても良い 抱きかかえ 首を少し曲げると, 力が抜けやすい 一定のリズムで軽く揺らすと, 力が抜けやすい 支援者の脚で子供の背中を支えると, 姿勢が安定しやすい また, 支援者の負担が少ない 股関節, 膝を曲げると, 力が抜けやすい 2
座位保持椅子 首が反り返らないよう, ヘッドレストの位置を調整する 腕が後ろに引けないようにする 必要があれば, アームレスト等を使う 座位保持椅子を倒すと, 姿勢が安定しやすい 深く座らせる 腰ベルトをきつめに締めると, 腰がずれにくい 座位保持椅子 背中にクッション等を入れると, 前傾姿勢をとりやすい また, 姿勢が安定しやすい 身体が前傾するよう, 座位保持椅子を起こす 深く座らせる 腰ベルトをきつめに締めると, 腰がずれにくい アームレスト, クッション等に顎を乗せられるようにすると, 姿勢が安定しやすい コラム1 姿勢支援の目的姿勢支援の目的には, 次のようなものがあります 視覚, 固有覚等の感覚を十分に活用する 変形を予防する 呼吸を安定させる 身体を動かしやすくする 誤嚥を防ぐ 心理的な安定をはかるこれらの目的に応じ, 適切な姿勢支援を行うことで, 学習がより効果的なものとなります 3
2 呼吸 排痰 ポイント 気道を確保し, 胸部が動きやすい姿勢, 安定した姿勢をとらせる 深い呼吸のためには, 身体を起こした姿勢が望ましい 子供の表情や呼吸状態を細かく観察しながら姿勢をとらせる 排痰のためには, 深い呼吸ができる姿勢, 排痰した物を誤嚥しにくい前傾した姿勢が望ましい 背臥位 クッションやタオルで高さを調節し, 頭 首を安定させる 股関節, 膝を曲げると, 力が抜け, 深い呼吸をしやすい 三角マットを使う場合は, 脊柱がまっすぐになるように, 腰の下まで入れる 背臥位は, 呼吸 排痰に適した姿勢ではない 腹臥位 腰を丸めるようにすると, 力が抜けやすい 股関節, 膝を曲げると, 力が抜けやすい 首やお腹を圧迫しないよう, 足の位置を調整する 胸の下にクッションを置いても良い 首から背骨にかけて, まっすぐからやや曲がる程度に高さを調節し, 呼吸しやすく, また, 排痰したものを誤嚥しにくくする 4
側臥位 ( 横向き ) 誤嚥や力が入ることを防ぐため, 首が反り返らないようにする 姿勢が安定するよう, 身体の前後にクッショ ンを置く 背骨と頭の高さが一直線上になるよう, 枕の高さを調整する 足の間にクッションを挟むと, 姿勢が安定しやすい 前傾した座位 ( ベンチ椅子 ) 前傾した姿勢をとらせることで, 排痰しやすくなる 首が座っていなければ, あごを支える 支える手が首に触れないよう注意する 胸を押さえつけないよう, 軽く支える 支援者の足で子供の骨盤を はさみ, 姿勢を安定させる 5
3 食事 ポイント 首が反り返ると誤嚥しやすくなるため, 首を少し曲げることが望ましい 筋緊張が高いと, 食物を取り込むことや奥に送り込むこと, 噛むこと等が難しくなる 筋緊張が高い場合は, 抑制する姿勢をとらせる 同じ姿勢を続けると, 痛みや疲れにより食べることが難しくなる場合がある 食事の途中にティルトの角度を変えることが望ましい 後傾した座位 ( 抱きかかえ ) 緊張が入って体を硬くしたり, 突っ張り気味になったりするのを防ぐために抱きかかえをする 二の腕で首, 頭を支え, 首が反り返って顎が上がり過ぎるのを防ぐ 子供の足は, あぐら座位, または支援者の腿の上へ置かせ, 膝が曲がった状態にし, 伸びきるのを防ぐ 抱き抱えて体を曲げることによって, 力が抜けやすい 胃を圧迫させないため, 背中が曲がり過ぎないようにする 6
後傾した座位 ( 座位保持椅子 ) 腕を前に出すと, 身体が反り返りにくくなる 誤嚥を防ぐため, 頭の後ろにクッションを入れたりヘッドレストの位置を調整したりし, 首が少し曲がるようにする 摂食に集中できるように足ベルトをつける等して下肢の動きを抑制する 子供の体幹機能によって, 能動的な摂食姿勢や疲労度は変わってくるため, ティルトで身体の角度を調整する 座位 ( 座位保持椅子 ) 前提となる条件 首が座っている 座位姿勢を自分で保つことができる 舌で食塊を喉の奥へ送り込むことができる 肘をついても肩が上がらないように机の高さを調整する 自分から食物を迎えられ るよう, 胸ベルトは余裕 を持たせる 足をフットレストに着け, 体重移動や姿勢保持をしやすくする 場合によっては, 足ベルトで付随運動を抑える 7
4 音を聴く ポイント 音を聴くためには, リラックスし音刺激を受容できる状態であることが重要である リラックスするためには, 姿勢の安定, 心理的な安定が大切である (1 休息 リラックスを参照 ) 音刺激を受容するためには, 周囲に聴かせたい音以外の刺激をなくし, 音を聴く余裕のある負荷の少ない姿勢である必要がある 音源の方向に顔を向ける, 音源に向かって手を伸ばす等の指導につなげていく場合は, その動かしたい部位以外を固定する等, 指導によって姿勢を変える 背臥位 音源の方向に頭を動かすことができるように, タオルや硬めのクッションを使用する 側彎等により, 背中が浮いている場合は, クッション等をはさみ, 床と接する面積を広くすることで姿勢を安定させる 首が反り返らないように, クッション等で頭の位置を調整する 股関節, 膝を曲げると, 力が抜けやすい 力が抜けることで, 音に注意を向けやすくなる 側臥位 ( 横向き ) 音源の方向に手を動かすことを指導する場合は, 動かす手を上側に持ってくる 呼吸を圧迫しないよう, 上側の腕の下にクッションを置き, 胸をできるだけ広げる 頭, 背中, 足の間等にクッションを置き, 安定した姿勢になるようにする 浅めの側臥位 ( 背臥位に近い ), 深めの側臥位 ( 腹臥位に近い ) 等, 子供がリラックスしやすい安定した側臥位になるようにする 8
後傾した座位 ( 座位保持椅子 ) 音源の方に顔を向けさせたい場合は, 頭を左右に動かしやすいようにヘッド レストのくぼみが浅いことが望ましい 子供の頭が前に倒れないようにティルト, リクライニングの角度を調整する 姿勢を安定させるため, 深く座らせて骨盤が ずれないようにする コラム2 適切な姿勢支援とは姿勢支援をする際, 適切な支援を行わなければ, 効果が十分に発揮できないばかりか, 学習を妨げてしまう場合があります それでは, 適切な姿勢支援とはどのようなものでしょうか 次にいくつか例を挙げます 目的に合った姿勢をとらせている( 例 : 休息 後傾した座位, 臥位 ) 子供にとって無理のない姿勢をとらせている 同じ姿勢を長時間続けない 変形や拘縮が進みやすい姿勢をとらせない( 悪い例 : 同じ方向に身体が曲がった姿勢を続ける ) 9
5 物を見る ポイント 物を見るためには, 姿勢が安定していることが大切 頭を動かして追視させたい場合は, 枕やヘッドレスト等頭を支える部分は硬めの素材が良い 視覚認知 ( 主に方向, 空間 ) の向上のためには, 視線が地面と水平であることが望ましい 背臥位 背中が床面にしっかりつくと体幹が安定し, 手を対象に向かって伸ばしやすい 頭を安定させるために, 枕やクッション等を置く 頭を動かして追視させたい場合は, 硬めの枕が良い 脚が横倒れする場合は, 膝の下にクッションを置くと姿勢が安定しやすい 側彎等の身体のゆがみで床と身体の間に空間ができる場合は, タオル等をつめる 側臥位 頭を安定させるために, 枕やクッション等を置く 背骨と首, 頭がまっすぐになる高さがよい 体幹を安定させ, 身体が 前後に倒れない様に クッション等で支援する リーチングも併せて 指導する場合, 動かし たい手を上側にする 片膝を床につけると安定する 膝の間にクッションを挟むと膝どうしがあたらない 10
座位 ( 座位保持椅子 )1 視線が地面と水平になるよう, 顔を起こす 首が座っていない場合は, 手で顎を支える等して頭を安定させる 胸ベルトと体の間に隙間がある場合は, クッションやタオルを詰め, 身体が左右に倒れないようにする 座位保持椅子を少し 後傾させると, 姿勢が 安定しやすい 11
座位 ( 座位保持椅子 )2 頭部が不安定な場合は, 視線が地面と水平になるようにクッションに顎を置いて頭部を安定させる 筋緊張が強い子供の場合, クッション等を脇にはさませて, ボールポジションをとらせる 上肢に緊張が入りやすい場合は, 肘を置いて前傾姿勢がとれるようにテーブル等をつける 子供の視野や見え方を把握し, 子供にとって見えやすい位置に 教材を提示する コラム3 見ることと姿勢見ることと姿勢は, 密接に関わっています 例えば, 背臥位では上方向が良く見え, 座位では横方向が良く見えます 普通, 上方向には天井や電気しかありませんが, 横方向を見ると様々な人や物が存在し, 多くの情報を取り入れることができます 見る力を発達させるためには, 身体を起こした姿勢 ( 座位, 立位等 ) が望ましいといえます 自分で座位を保持することが難しい場合でも, 座位保持椅子等を用いて身体を起こした姿勢を経験させ, 視野を広げ地面と水平に物を見ることで, 視覚認知を高めることができます 12
6 感触を味わう ポイント 感触に意識を向けられるように, リラックスした状態 ( 姿勢 環境 ) で活動を始めることが好ましい ( 例 : 音刺激を減らすためにできるだけ静かな環境で行う等 ) 手 ( 特に肘から手指まで ) が動かしやすく, 触れている物を見ることができる姿勢で行う 刺激を受容するために, 身体的に負荷のかからない姿勢であることが必要である 腹臥位 首が座っていない場合は, 頸部に負荷がかからないようにタオル等で頭部を安定させる 足首の下にクッションを置き, 姿勢を安定させる 肘を床に着け, 手 ( 手指から肘 ) が動かしやすくなるようにする 三角マットやバスタオル等を脇の下に敷き, 手を前に出す 子供の体格によって. 三角マットの大きさを選ぶ 側臥位 物を触れさせる手が, 上側になるように側臥位にする 腕の下にクッションを置くと, 手 ( 手指から肘 ) が動かしやすくなる 深い呼吸になるようにクッション等をはさみ, 胸を広げ, 肩の位置を下げる クッションやタオル等で支えをつくり, 姿勢を安定させる 13
座位 ( 座位保持椅子 ) 手と目の発達を促すために, 正中線の位置で物に触れるようにする 首が座っている場合は, 肩が引けないように, やや前傾姿勢にする 背中にクッション等を入れて背もたれの角度を調節する 首が座っていない場合は, やや後傾姿勢で手が前に行くように肩周辺部にタオル等を挟む 机を付けたり, 肘置きを使ったりして, 肘を置く場所をつくる 肘の支えができることで肘が曲がり, 手 ( 手指から肘 ) が動かしやすくなる コラム4 感覚の活用と姿勢姿勢は感覚の活用や思考とも密接に関わっています 姿勢を保持することに集中すると, 他の感覚は使いにくくなり, 思考することも難しくなります 一方, 姿勢を意識する必要のない安定した姿勢をとると, 様々な感覚を意識して思考することができます このように, 感覚を活用することに集中させたい場合は, 安定かつリラックスした姿勢をとらせることが重要となります 本手引でも, 姿勢の安定とリラックスということに重点を置いて姿勢支援のポイントが書かれています 14
7 物に手を伸ばす ( 筋緊張が高い場合 ) ポイント 姿勢が不安定になる, 身体の一部に力が入る, 首が反り返るといったことにより全身に力が入ってしまうことがある そのため, 安定し, 緊張が入りにくい姿勢の支援が大切になる 緊張が入りにくくするために, 上体をやや前傾させ, 股関節や膝を曲げた姿勢が基本となる 足を床に着き, 足に体重をかけることで, 姿勢が安定し力が抜けやすくなる 側臥位 首を少し曲げると力が抜けやすくなる 手を動かすことで力が入り, 姿勢が崩れることがある 姿勢が崩れたら再度整える 身体の前後にクッションを置き, 姿勢を安定させると力が入りにくい 股関節, 膝を曲げると力が抜けやすい 座位 ( あぐら座位 ) 上体が床と垂直, またはやや前傾すると, 力が入りにくい 子供のお尻に体重をかけるよう, 肩を下方向に軽く押さえると力が抜けやすい 骨盤を起こして座らせる その状態を維持できるよう, 支援者が骨盤の上部 ( 腰の横に出っ張った骨 ) を足ではさみ, 身体を子供に密着させる 子供の胸に手を当て, 胸で体重を受けるようにすると力が入りにくい 15
座位 ( 座位保持椅子 ) やや前傾姿勢になるように, チルトの角度やクッション等で背もたれの角度を調節する, 胸ベルトで体重を支えるようにすると, 手を動かしやすい 机に肘を着くようにすると, 手の動きをコントロールしやすい 座位 ( ベンチ椅子 ) 上体が床と垂直, またはやや前傾すると, 力が入りにくい 子供のお尻に体重をかけるよう, 肩を下方向に軽く押さえると力が抜けやすい 骨盤を起こして座らせる その状態を維持できるよう, 支援者が骨盤の上部 ( 腰の横に出っ張った骨 ) を足ではさみ, 身体を子供に密着させる 子供の胸に手を当て, 胸で体重を受けるようにすると力が入りにくい 16
座位 ( スパイダー ) 骨盤を起こして座らせる 座位の高さは, 足裏を床面につけられる程度 前傾した時に足で踏ん張れるようにする 子どもの体幹の強さに合わせて, 背部と側面から腰ベルトをコードでサポートし, 上体が後傾や前傾しないようにする 下肢が内旋する場合は, 太腿にベルトをつけ, 左右側面から引っ張り, 足を開かせる 17
8 物に手を伸ばす ( 筋緊張が低い場合 ) ポイント 自由に物に手を伸ばすためには, 体幹を固定し安定した姿勢を保持する必要がある 筋緊張が低い場合, 手を動かす力が弱いことが多い 肘を支える等の支援や, 重力に逆らって手をあげる必要のない姿勢をつくることが大切である 腹臥位 胸の下に三角マットを置く 三角マットが無ければタオル等を使う 肘から前腕が床に着く高さに調整する 三角マットが首を圧迫しないように注意する 肘から前腕を床に着けるようにすると, 手を動かしやすくなる 側臥位 姿勢が安定するよう, 身体の前後にクッションを置く 動かしやすい手が上になるようにする 股関節と膝を曲げ, 膝の間にクッションを入れると姿勢が安定する 上側の腕の下にクッションを置くと, 手を動かしやすい 18
座位 ( 座位保持椅子 ) 腕が上がりにくい場合は, 支援者が子供の肘を支える 身体が後傾すると, 重力の影響を受けやすく, 手が前に出にくくなる 身体が前傾するよう, 座位保持椅子を起こし, 背中にクッション等を入れて角度を調整する 深く座らせる 腰ベルトをきつめに締めると, 腰がずれにくい 必要があれば足ベルトを締める 座位 ( あぐら座 ) 出させたい腕の肩の後ろに支援者の手を当てると, 手を前に伸ばしやすい 身体を密着させ, 姿勢を安定させる 机が滑りにくいと手を動かしにくくなり, 滑りやすいと体を支えることが難しくなる 子供の実態に応じ, 滑り止めを使う, マットを敷く等して滑りやすさを変える 支援者の両足で子供の骨盤をはさみ, 姿勢を安定させる 19
姿勢支援の手引第 2 版 平成 29 年 3 月初版 平成 30 年 3 月第 2 版 発行 発行 720-0841 広島県福山市津之郷町津之郷 280-3 Tel 084-951-1513 Fax 084-951-3864 mail fukuyama-sh@hiroshima-c.ed.jp 広島県立福山特別支援学校 教育研究部編 20