年収とフィンテックサービスの関係では 年収が高まるにつれて 何らかのフィンテックサービスを活用している傾向にある 一方で 保有資産については資産額が多いほどフィンテックサービスの利用も増える傾向もみられるが 年収の場合とは違う動きがみられた 3. 金融サービス利用状況について 金融リテラシーについて

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第3回「生活者1万人アンケート調査(金融編)」を実施

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主な調査結果 1 カードローン借入経験ごとの傾向と特徴直近のカードローン契約時における 過去のカードローンの借入経験 ( 既存カードローン契約者については新規契約の目的 ) によって 回答者を 新規契約者 追加借入者 借換者 の 3 セグメント ( 3) に分けて調査を実施した結果 それぞれのセグメ

2006年8月○日

約 7 割が はい と回答しており ポイントやマイルの利用について利便性を求めていることがわかっ た 若年層において特にその意識が高くなっており 0 代が 8.7% で最も高く その後年代が高くなる につれて数値は低くなり 60 代では 60.% と 0 代と 60 代で.5 ポイントの差が出る結果

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Press Release 2018 年 6 月 29 日 楽天リサーチ株式会社 現金以外を利用する理由は ポイントが貯まるから がトップ 出かける際に所持する現金の平均金額は 5 年前より 1,151 円低い結果に - キャッシュレス決済に関する調査 - URL:

平成 26 年 3 月 28 日 気象庁 特別警報の認知度等に関する調査結果 ( 概要 ) I 調査の概要 1 目的 国民の特別警報に対する認知度 理解度を把握し 今後の特別警報の運用や利活用の促進 当庁 の周知 広報活動に資するための資料の収集 2 調査内容 (1) 特別警報の認知状況 (2) 特

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調査レポート

1. クレジットカードの保有枚数 クレジットカード の保有枚数は平均 2.94 枚 鳥取県内の勤労者 ( 所謂サラリーマン ) のJCBや VISA イオンなどのクレジットカード の平均保有枚数は の平均で1 人当たり2.94 枚となった 年代別では 40 歳代 が最もクレジットカードの平均保有枚数

16211 インターネットバンキングの利用 ( 第 13 回 ) 性年代 性年代 男性 10 代男性 20 代男性 30 代男性 40 代男性 50 代以上女性 10 代女性 20 代女性 30 代女性 40 代女性 50 代以上合計 列 %

. 個人投資家の年齢層と年収 個人投資家 ( 回答者 ) の年齢層 8% 6% 28% 2~3 代 5% 2% 3% 4 代 5 代 6~64 歳 65~69 歳 7 代以上 個人投資家 ( 本調査の回答者 ) の過半数 (56%) は 6 歳以上のシニア層 昨年調査 6 歳以上の個人投資家 56%

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目次 P. 1 調査の概要 P 年を振り返って P 年の展望 P 備えが必要 ( 経済的に不安 ) と感じること P 今 一番買いたいもの P お金の支払いをする際の決済方法 P 資産運用について

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1 消費者庁に対する認知度 消費者庁 の認知度を性別でみると 男性の認知度が 80.1% に対し女性は 72.1% と 男性の認知度の方が女性よりも高くなっている 年代別では 40 代の認知度が 8% と他の年代の中ではもっとも高くなっている 一方 70 歳以上の認知度は 58.9% と他の年代の中

調査目的 : 近年 様々な場面で フィンテック (FinTech) が話題になっており その進展が FP 実務や生活者の資産形成活動に与える影響は大きいものと考えられる そこで特定非営利活動法人日本ファイナンシャル プランナーズ協会の資格認定会員を対象に フィンテック (FinTech) に関する認

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調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に

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報道関係者各位 2014 年 2 月 19 日 ソフトブレーン フィールド株式会社 ~ ポイントサービスに関する 5,300 人アンケート ~ 女性の 4 割以上が 4 枚以上のポイントカードを使い分けていることが判明アンケートやゲームへの参加でポイントを貯める工夫も フィールドマーケティング支援サ

20 金融資産目標残高 今後の金融商品の保有希望 元本割れを起こす可能性があるが 収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 ( 続き )

図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

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公共交通公共交通 についてのアンケート < 調査概要 > 調査方法 : インサーチモニターを対象としたインターネット調査 分析対象者 : 札幌圏内在住の15 歳以上の男女 調査実施期間 : 2013 年 3 月 7 日 ( 木 )~3 月 12 日 ( 火 ) 有効回答者数 : N=600 全体 6

1. 概要 目的 大学生におけるクレジットカードの所有の有無とクレジットカードに関する意識を調査するため 回答者 :709 名 1 日本大学商学部 特殊講義金融サービス ビジネス 受講生 (2~4 年生 ) 2 明治大学国際日本学部 金融サービス演習 受講生 (2 年生 ) 3 白鷗大学経営学部 銀

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

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調査概要 調査対象 : 東京都 愛知県 大阪府 福岡県の GF シニアデータベース 有効回答件数 :992 件 標本抽出法 :GF RTD( ランダム テレフォンナンバー ダイアリング ) 方式 調査方法 : アウトバウンド IVR による電話調査 調査時期 : 平成 23 年 8 月 4 日 (

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結婚しない理由は 結婚したいが相手がいない 経済的に十分な生活ができるか不安なため 未婚のに結婚しない理由について聞いたところ 結婚したいが相手がいない (39.7%) で最も高く 経済的に十分な生活ができるか不安なため (2.4%) 自分ひとりの時間が取れなくなるため (22.%) うまく付き合え

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「学び直し」のための教育訓練給付制度の活用状況|第一生命経済研究所|的場康子

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質問 1 企業 団体にお勤めの方への質問 あなたの職場では定年は何歳ですか?( 回答者数 :3,741 名 ) 定年は 60 歳 と回答した方が 63.9% と最も多かった 従業員数の少ない職場ほど 定年は 65 歳 70 歳 と回答した方の割合が多く シニア活用 が進んでいる 定年の年齢 < 従業

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目次 I. 調査概要... 1 II. 回答者属性... 5 III. 調査結果の概要... 9 IV. 調査結果の詳細 Q9. ライフプランニングソフト の認知 Q10. ライフプランニングソフト の利用状況 Q11. ライフプランニングソフト の FP 業務上

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スライド 1

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表 6.1 横浜市民の横浜ベイスターズに対する関心 (2011 年 ) % 特に何もしていない スポーツニュースで見る テレビで観戦する 新聞で結果を確認する 野球場に観戦に行く インターネットで結果を確認する 4.

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2005 年ファイル交換ソフト利用実態調査結果の概要 2005 年 5 月 31 日 目次 調査方法...2 ファイル交換ソフトの利用者数の実態 ファイル交換ソフトの利用率とその変化 ファイル交換ソフトの利用者数とその変化...5 ファイル交換の実態 利用されてい

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調査の概要 報告書 P. 調査対象 都内に在住する から 9 までの男女, 人 調査期間平成 5 年 月 日 ( 木 )~ 月 日 ( 月 ) 調査方法 WEB 調査 回収サンプル内訳 年 齢 合計 ,

性別 女性 48% 男性 52% 男性 女性 年齢 29 歳 5% 30 歳以上 16% 20 歳未満 21 歳 1% 1% 22 歳 7% 23 歳 10% 20 歳未満 21 歳 22 歳 23 歳 28 歳 8% 24 歳 14% 24 歳 25 歳 26 歳 27 歳 27 歳 12% 26

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2. 推奨度が高いほど資産運用残高が多く 継続利用意向も高い過去 1 年間の対象銀行での資産運用平均残高をみると 推奨度が高いほど平均残高が多い傾向がみられた 銀行業界全体の NPS セグメント ( 推奨者 中立者 批判者 ) の分類でみると 推奨者 は 批判者 の約 1.4 倍平均残高が多い結果と

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結果の要約 2 NRC レポート 全国 才男 1,200 名を対象に 2016 年 2 に パソコン スマートフォンなどの情報機器 の調査を実施しました 本調査はインターネット調査ではなく 調査員による訪問留置法で実施しており パソコンやインターネットを利 していない も対象に含まれてい

Transcription:

フィンテックサービスの利用動向調査 - フィンテックサービス利用に地域差はあるのか - ( 株 ) 情報通信総合研究所 2017 年 4 月 18 日 株式会社情報通信総合研究所 ( 東京都中央区 代表取締役社長 : 眞藤務 ) は NTT コムオンライン マーケティング ソリューション株式会社 ( 東京都品川区 代表取締役社長 : 塚本良江 ) が提供する NTT コムリサーチ 登録モニターを対象に このたび フィンテックサービスの利用動向調査 を実施しました フィンテックサービスは 金融分野のみならずさまざまな分野を巻き込みながら注目の度合いを高めています フィンテックサービスが話題になった当初はバズワードや一過性の熱狂と言われていましたが 昨今では フィンテックベンチャー企業の提供するサービスが消費者のニーズを的確に汲み取り 柔軟にアプローチすることで徐々に受け入れられてきています 一方で フィンテックサービスを利用する消費者の特徴を仮定すると 金融のみならず ICT のリテラシーも高く クレジットカードや電子マネーなどの非現金決済を普段から積極的に利用している消費者のイメージが想定されます そこで フィンテックサービスがどの程度受け入れられているのか 都市部と地域部に在住の消費者を抽出し それぞれに対し フィンテックサービスの利用状況や利用意向 利用している消費者の金融リテラシーの状況を把握するとともに フィンテックサービスの地域差の有無について観察をおこなうために 本調査を実施しました < 主な調査結果 > 1. フィンテックサービスの利用状況について 認知度の高いフィンテックサービスは パソコンバンキング や モバイルバンキング であり インターネット決済サービス は EC の普及を背景に認知されている割合が高い ビットコインに関するニュースの影響からか 仮想通貨の利用 についても認知度は高い フィンテックサービスの利用状況については パソコンバンキング は比較的高いが モバイルバンキング は認知度の高さに比べると低い インターネット決済サービス の利用状況は高く EC の拡大を背景に セキュリティ意識の高まりから今後もクレジットカード情報 ( 番号 ) を加盟店に渡したくない消費者も増えていく可能性がみえる 利用意向については 地方部で パソコンバンキング と モバイルバンキング での利用意向が高い結果となった 背景には 銀行口座の残高確認や振り込みをおこなう際に 保有口座の銀行本支店や ATM が近場に無いために ネットバンキングの利用意向が高いのではないかと推察される フィンテックサービスを利用しない理由としては セキュリティ に不安を感じる消費者が多く 個人情報を渡す ことへの不安も大きいことがうかがえる また 手続きの煩雑さや使い勝手の悪さなどについては今後 提供企業の工夫が期待される 2. 属性別のフィンテックサービス利用状況について フィンテックサービスは 女性に比べ 男性の方が利用頻度は高い傾向にある 年代別の利用状況では 30 代と 40 代は ICT リテラシーも高く 収入や資産が今後増えていくことを考慮すれば フィンテックサービスの利用が促進されると考えられる 1 http://www.icr.co.jp/ict/

年収とフィンテックサービスの関係では 年収が高まるにつれて 何らかのフィンテックサービスを活用している傾向にある 一方で 保有資産については資産額が多いほどフィンテックサービスの利用も増える傾向もみられるが 年収の場合とは違う動きがみられた 3. 金融サービス利用状況について 金融リテラシーについての地域差の存在について観察したが それほど大きな差異は無い 都市部 地方部に関係なくインターネット専業銀行の存在感は大きく 地域の銀行 ( 地銀 ) よりも口座保有割合は高い結果となった クレジットカードの利用状況については 都市部と地方部ではあまり違いが無い クレジットカードの保有については 2 割弱の消費者が 1~3 枚のクレジットカードを保有している 電子マネーについては 交通系電子マネーの保有状況に地域間の差があるが 地域の交通事情を鑑みれば地方部の保有は少ないことがうかがえる 2 http://www.icr.co.jp/ict/

目次 1. フィンテックサービスの状況について 5 1-1. 認知状況... 5 1-2. 利用状況... 5 1-3. 利用意向... 6 1-4. フィンテックサービス未利用理由... 6 2. 属性別のフィンテックサービス利用状況 8 2-1. 性別... 8 2-2. 年代別... 8 2-4. 保有資産別... 10 3. 金融サービス利用状況 11 3-1. 銀行口座の保有状況... 11 3-2. クレジットカードの保有状況... 11 3-3. 電子マネーの保有状況... 12 3-4. ポイントサービスの保有状況... 12 3 http://www.icr.co.jp/ict/

調査概要 1. 調査対象 :NTT コムリサーチクローズド調査 ( ) 2. 調査方法 : 非公開型インターネットアンケート 3. 調査期間 :2016 年 11 月 18 日 ~11 月 21 日 4. 有効回答者数 :1,052 人 5. 標本設計 : 地域分類を 政令指定都市 ( 都市部 ) と政令指定都市以外の市区町村 ( 地方部 ) に分けた それらの地域分類に 平成 27 年国勢調査人口等基本集計 の 2015 年人口を割り付けし 今回のサンプルを抽出した 6. 回答者の属性 : 性別 全体 1052 100% 男性 653 62.1% 女性 399 37.9% 補足 : NTT コムリサーチ http://research.nttcoms.com/ NTT コムオンライン マーケティング ソリューション株式会社 (http://www.nttcoms.com/) が提供する 高品質で 付加価値の高いインターネットリサーチ サービスである 自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤 (2016 年 1 月時点 217 万人 ) を擁し 消費者向け調査から 法人向け調査 グループインタビューまで さまざまな市場調査ニーズに 対応している 年齢 全体 1052 100% 10 代 20 代 (18 歳 ~29 歳 ) 30 2.9% 30 代 (30~39 歳 ) 145 13.8% 40 代 (40~49 歳 ) 288 27.4% 50 代 (50~59 歳 ) 314 29.8% 60 代 (60 歳以上 ) 275 26.1% 地域分類 全体 1052 100% 都市部 ( 政令指定都市 ) 309 29.4% 地方部 ( 上記以外の市区町村 ) 743 70.6% 本件に関するお問い合わせ先 報道関係のお問い合わせ先株式会社情報通信総合研究所情報サービス部広報担当 TEL:03-3663-7172 内容に関するお問い合わせ先株式会社情報通信総合研究所 ICT 創造研究部研究員佐藤泰基 TEL:03-3663-7153 4 http://www.icr.co.jp/ict/

1. フィンテックサービスの状況について 認知度の高いフィンテックサービスは パソコンバンキング や モバイルバンキング であり インターネット決済サービス は EC の普及を背景に認知されている割合が高い また 昨今では ビットコインに関するニュースが出回った影響からか 仮想通貨の利用 についても認知度は高い フィンテックサービスの利用状況については 認知と同じように パソコンバンキング の利用割合は比較的高いが モバイルバンキング の利用割合は認知度の高さから比べると低い傾向にある インターネット決済サービス の利用割合は高く セキュリティ意識の高まりからか クレジットカード番号を加盟店に渡したくない消費者が多いことがうかがえる 利用意向については パソコンバンキング と モバイルバンキング については 地方部の利用意向が高い結果となった 背景には 銀行口座の残高確認や振り込みをおこなう際に 保有口座の銀行本支店や ATM が近場に無いために ネットバンキングの利用意向が高いのではないかと推察される フィンテックサービスを利用しない理由としては セキュリティ に不安を感じる消費者も多く 個人情報を渡す ことに躊躇する消費者も一定規模存在しているため インターネット決済サービス の利用状況が高いことがうかがえる また 手続きの煩雑さや使い勝手の改善などについては今後 提供企業の企業努力が期待される 1-1. 認知状況フィンテックサービスの認知状況については 都市部と地方部で大きな差異は無く 各フィンテックサービスはほぼ同程度の認知状況となっている 図表 1-1 フィンテックサービスの認知状況 1-2. 利用状況フィンテックサービスの利用状況については いずれの地域でも パソコンバンキング インターネット決済サービス モバイルバンキング の利用が高い 特に 都市部では パソコンバンキング モバイルバンキング の利用割合が地方部より若干高い 一方 地方部では インターネット決済サービス の利用割合が都市部より高く EC ショップ側も インターネット決済サービス を利用したい消費者の決済ニーズに対応していることが背景にあると考えられる 図表 1-2 フィンテックサービスの利用状況 5 http://www.icr.co.jp/ict/

1-3. 利用意向各フィンテックサービス未利用者に対して 今後の利用意向を聞いた パソコンバンキング と モバイルバンキング については 地方部の利用意向が高い結果となった 背景には 銀行口座の残高確認や振り込みをおこなう際に 保有口座の銀行本支店や ATM が近場に無いために ネットバンキングの利用意向が高いといえる 一方で 各フィンテックサービスの利用意向は高くても 3 割程度であることから フィンテックサービスの未利用者のうち 7 割以上は利用意向も無い ( 利用を考えていない ) ことがうかがえる 図表 1-3 フィンテックサービスの利用意向 1-4. フィンテックサービス未利用理由フィンテックサービスを利用しない理由を聞いたところ どのフィンテックサービスにおいてもセキュリティへの不安 ( 情報漏えい 詐欺 個人情報提供 ) が高い結果となった また 手続きの煩雑さや 使い勝手が悪そうであるというイメージを持っているサンプルも多く存在しており セキュリティ面の不安を払拭することに加えて 消費者の利便性を考慮した金融取引の UI 1 や UX 2 の拡充が求め 1 UI:User Interface( ユーザーインターフェイス ) 2 UX:User experience( ユーザーエクスペリエンス ) 6 http://www.icr.co.jp/ict/

られている結果となった 図表 1-4 フィンテックサービスの未利用理由 (MA %) 手続きが面倒 セキュリティ ( 情報漏えいや詐欺等 ) への不安 個人情報を提供したくない PC やスマートフォンを使いこなせないから ベンチャー企業使い勝手が悪そのサービスだかうだからら 近所に ATM や金融機関の窓口があるから 電子データとしてのみ保存されるのが不安 クレジットカードを保有していないから パソコンでのネットバンキング (n=262) 19.1 51.5 33.6 8.4 1.9 4.2 15.3 6.5 11.8 0.8 モバイルでのネットバンキング (n=553) クラウド家計簿サービス (n=790) 個人による融資サービス (n=854) インターネット決済サービス (n=866) SNS を利用した個人間送金サービス (n=488) 仮想通貨の利用 (n=861) 投資アドバイザリーサービス (n=856) 19.0 51.5 29.1 8.1 1.6 9.8 9.2 4.9 6.9 3.3 27.2 39.0 32.9 4.6 1.6 13.9 3.9 4.9 6.6 1.9 22.1 48.1 37.0 5.3 2.8 8.9 4.7 3.5 6.4 1.2 24.9 44.3 33.6 4.5 3.0 9.1 3.5 3.7 6.4 2.0 23.0 44.9 29.9 4.5 1.6 6.6 5.9 5.1 8.6 0.6 24.4 45.3 27.3 4.4 6.3 11.5 3.8 5.6 6.2 2.1 26.8 39.3 32.1 4.2 3.4 9.5 3.7 3.7 6.5 2.7 その他 7 http://www.icr.co.jp/ict/

2. 属性別のフィンテックサービス利用状況 フィンテックサービスの属性別の利用状況をみると 女性に比べ 男性の方が利用頻度は高い傾向にある また 年代別の利用状況では 今の 30 代と 40 代は ICT リテラシーも高く 収入や資産が今後増えていくことを考慮すれば 更なるフィンテックサービス利用が促進されると考えられる 年収とフィンテックサービスの関係では 年収が高まるにつれて 何らかのフィンテックサービスを活用している傾向にある 保有資産については資産額が多いほどフィンテックサービスの利用も増えるのではなく 年収の場合とは違う動きといえる 2-1. 性別 性別によるフィンテックサービスの利用状況をみると 多くのフィンテックサービスにおいて 男性の利用割合が高い傾向にある 図表 2-1 年齢別フィンテックサービスの利用状況 2-2. 年代別年代別によるフィンテックサービスの利用状況をみると 30 代以下および 40 代のフィンテックサービスの利用状況は比較的高い 一方で 30 代以下の年代では パソコンでのネットバンキング の利用状況が他の年代に比べ低く モバイルでのネットバンキング は60 代以上の年代での利用率が低い これは 若い世代ほどパソコンではなく スマートフォンを活用したフィンテックサービスの利用が進んでいる可能性も示唆でき 60 代以上のサンプルに関してはスマートフォンの小さい画面より パソコンの大きな画面でフィンテックサービスを活用している状況がうかがえる 図表 2-2 年代別フィンテックサービスの利用状況 8 http://www.icr.co.jp/ict/

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2-3. 年収別フィンテックサービス の利用状況と年収の関係について考察すると 年収 300 万円未満の属性においては フィンテックサービス未利用層の割合がいずれかのフィンテックサービスを利用している層より高い 一方で 年収が高くなるにつれて いずれかのフィンテックサービスを利用している層の割合が高くなっている 年収が高まるほど フィンテックサービスを利用している傾向にあり 特に年収が高い層では積極的にフィンテックサービスを活用している可能性が高い 図表 2-3 年収別フィンテックサービスの利用状況 2-4. 保有資産別フィンテックサービス の利用状況と保有資産の関係について考察すると 保有資産が 1,000 万円以上を超えると積極的にいずれかのフィンテックサービスを利用している傾向がみえる 図表 2-4 保有資産別フィンテックサービスの利用状況 : 今回の調査で設定したフィンテックサービスを一つでも利用しているサンプルを抽出し それぞれのサンプルの年収について集計 10 http://www.icr.co.jp/ict/

3. 金融サービス利用状況フィンテックサービスを利用しない理由の結果でも触れたように 金融リテラシーについての地域差の存在について観察したが 大きな差異は無い また 都市部 地方部に関係なくインターネット専業銀行の存在感は大きい クレジットカードの利用状況については 都市部と地方部ではあまり違いが無い結果となった クレジットカードについては 2 割弱が 1~3 枚のクレジットカードを保有しており 電子マネーについては 交通系の保有状況に地域間の差があるのは 地方部における交通機関の IC 化が進展していない地域もあることから 地方部においては交通系電子マネーの保有が低いといえる ポイント提供企業は大手のポイントサービスの普及が進んでおり 新規参入したポイントサービスは苦戦していることがうかがえる 3-1. 銀行口座の保有状況保有する金融機関の口座についてみると 都市部におけるメガバンクの利用状況は地方部に比べ高い 一方 地方部では 地方銀行や信用金庫 農協等の利用が都市部より上回る結果となった また インターネット専業銀行については 都市部と地方部の保有割合が同程度であり 4 割が保有する結果となった 図表 3-1 銀行口座の保有状況 3-2. クレジットカードの保有状況保有するクレジットカードの枚数についてみると 都市部と地方部ともに 2 割弱が 1~3 枚のクレジットカードを保有している 5 枚以上の保有割合については都市部が高くなる傾向にある また 未保有の割合も都市部が低い結果となっている 図表 3-2 クレジットカードの保有状況 11 http://www.icr.co.jp/ict/

3-3. 電子マネーの保有状況保有する電子マネーの状況についてみると 都市部における交通系電子マネーの保有割合は地方部を上回っている 地方部では WAON カードの保有割合が高い傾向にあり 未保有の割合も高い 図表 3-3 電子マネーの保有状況 3-4. ポイントサービスの保有状況保有するポイントサービスの状況についてみると T ポイントの保有率が都市部 地方部ともに高い 地方部においては WAON ポイントの保有割合が都市部より高く 電子マネーと同じ傾向にある 図表 3-4 ポイントサービスの保有状況 12 http://www.icr.co.jp/ict/

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