資産運用として考える アパート・マンション経営

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相続対策としての土地有効活用

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

Ⅰ ワンルームマンション経営と節税 税務署 確定申告 税金還付 20 万 ~30 万円 ワンルーム家賃収入ローン元利返済サラリーマンマンション A 氏 1 戸所有月 70,000 円月 60,000 円 銀行 年 30,000 円 月 8,000 円 固定資産税 管理会社 1 ワンルームマンション投

貸家建付地 貸家建付地とは 自分名義の土地に自分名義の建物を建設してその建物を他人に貸しているものです ( 財基通 26) 借家人には法律上の借家権が発生し 地主は立退料を支払わないと自由に土地建物を処分できません( 借地借家法 28) 貸家建付地の典型例は アパート マンションです このため 相続

自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人のデータ 自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人の 法定相続人の数と相続財産および債務のデータから相続税を試算します 賃貸マンションについては全室が賃貸用かどうか 駐車場については舗装がしてあるかどうかで評価額が違ってくることがあります また

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舟子さん 先生 娘の笹江は明るいところはいいのですが お財布を忘れて買い物に行ってしまうようなおっちょこちょいで でも私もこれから歳を取っていくし 今のうちにアパート経営を笹江に任せて 身軽になりたいと思っているのです 笹江さん お母さんったら お財布忘れては余計よ 先生 わが家の相続税がいくらかか

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

第 5 章 N

元金据置返済額計算 例 2,000 万円 ( 内ボーナス分 1,000 万円 ) を年利率 3.1% で 20 年間 ( 当初 6 ヶ月元金据置 ) 借りる場合の 元金据置時月間支払利息と据置後の返済額を計算します 画面表示 キー操作 備考 12 1F32 メニュー呼出 Menu No.(15~20

金融商品と資金運用

例えば毎年 子供 2 人に対し110 万円づつ贈与し続けるのであれば 10 年間で2,200 万円の財産を無税で子供に移すことができます 贈与税の基礎控除額を上手く活用する方法だけでも 計画的に行うことがどれだけ大切なのかご理解いただけると思います とにかく財産を所有している人が高齢になればなるほど

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なぜ法人化するのか? 所得税 住民税 事業税 社会保険 医療費が高い! それは 所得 (= 収入 - 経費 ) が高いからです すべてにかかわります 特に所得税は超過累進税率です 住民税 :10% 事業税 ( 不動産 ):5% どういう場合に法人化するのか? 相続税対策が終わった場合 相続税が発生し

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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相続財産の評価P64~75

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(3) 可処分所得の計算 可処分所得とは 家計で自由に使える手取収入のことである 給与所得者 の可処分所得は 次の計算式から求められる 給与所得者の可処分所得は 年収 ( 勤務先の給料 賞与 ) から 社会保険料と所得税 住民税を差し引いた額である なお 生命保険や火災保険などの民間保険の保険料およ

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

一発合格!FP 技能士 3 級完全攻略実戦問題集 年版 別冊 FP 技能士 3 級 2018 年 9 月実施試験 解答 & 解説 実技試験個人資産相談業務 ( 金融財政事情研究会 ) 問題 解答 解説 第 1 問問 1 1 1) 適切 医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超える場合

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

住宅ローンアドバイザー会報 12 月号 住宅購入後にかかる税金にはどんなものがある? 質問住宅を購入しようと思っていますが 負担しきれないほどの税金を負担することにならないか心配です 住宅購入後に必要となる税金を教えてください 回答住宅購入後にかかる税金には 固定資産税 都市計画税があります 固定資

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

144 第 2 章宅地等の評価第 3 個別事情のある宅地の評価 このような過小宅地を評価する場合 財産評価基本通達における原則評価 ( 奥行価格補正率や奥行長大補正率等 ) のみでは上記の要因が十分に考慮されているとは言い難く 市場価値である時価と大きく乖離しているケースが見受けられます よって 本

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

「経済政策論(後期)」運営方法と予定表(1997、三井)

講演など 2007 年 12 月サラリーマン流不動産投資道場主催サラリーマン大家に語る! 不動産投資にまつわる 税金 と 節税 の話 2008 年 2 月 不動産投資でお金を残す税金塾 Vol.1 青色申告 2008 年 3 月 不動産投資でお金を残す税金塾 Vol.2 消費税還付 2008 年 5

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A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

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⑷ 納税猶予の打ち切り P. 49 Q. 納税猶予の対象の農地を売却する場合 納税猶予が打ち切られてしまうのですか ⑸ 市町村合併と納税猶予 P. 54 Q.B 町が平成 3 年 1 月 1 日現在特定市であるA 市に合併される場合 旧 B 町の農地等は生産緑地の指定を受けていないと納税猶予の特例は


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おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

営業報告書

土地建物等の譲渡(マイホームの売却による譲渡損)編

Aさん : 何ですか 課税の繰り延べ課税の繰り延べって? 減税とは違うのですか? 税理士 : はい 買換特例には 根本的には税金は減らす効果はなく あくまで納税時期を遅らせることしかできないのです 課税の繰り延べの意味 税理士 : 今お持ちの駅前にある不動産を 2 億円で売却し 郊外の賃貸用マンショ

やさしい税金教室

第4期電子公告(東京)

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所得税確定申告セミナー

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

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問 3 1 〇 2 〇 3 問 4 18,244( 万円 ) 2 3,356 ( 万円 ) 3 4,620 ( 万円 ) 金基金に加入する場合は 国民年金の付加保険料の納付をやめる手続が必要となります ⅲ) 小規模企業共済制度 小規模企業共済制度は 個人事業主が廃業等した場合に必要となる生活資金を準

第28期貸借対照表

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

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相続税の改正 -平成23年度税制改正大綱

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

第6期決算公告

上級相続診断士練習問題 < 注意事項 > 1 試験問題用紙は 問題用紙と解答用紙からなっています 解答はすべて解答用紙に記入してください 2 試験問題用紙は 問題用紙と解答からなっています 解答はすべて解答用紙に記入してください 3 問題数 (= 解答数 ) は合計 45 問です 本試験は試験時間

一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が

( 図表 1-2) 課税割合 ( 課税対象被相続人数 / 被相続人全体 100(%) ( 注 ) 財務省公表資料による こうした中で 多くの相続税納税者にとって評価額が高額で相続税納税上の負担増が大きい一定の小 規模宅地については 課税強化への影響を緩和するため 相続税強化が行われた 2015 年に

相続税対応策と土地活用 ~ これだけは押さえておきたい ~ ラジオ NIKKEI 公開録音土地活用セミナー 2014 年 7 月 26 日 税理士奥村眞吾

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

第 1 問次の関連業法とコンプライアンスに関する各文章 ( 問 1~ 問 10) を読んで 正しいもの または適切なものには〇を 誤っているものまたは不適切なものには を 解答用紙に 記入しなさい ( 各 1 点 ) ( 問 1) 弁護士資格を有しない相続診断士が 事件性のある法律相談を無償で行うこ

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

1 増税時代の相続対策と資産承継 平成 26 年 4 月 27 日 ( 日 ) 浦和相続サポートセンター ヤマト税理士法人税理士 CFP 北村喜久則

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平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

相続税を計算してみましょう!

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

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1.修正申告書を作成する場合の共通の手順編

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

(訂正・数値データ訂正)「平成25年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

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計算式 1 1 建物の価額 ( 固定資産税評価額 ) =2 長期居住権付所有権の価額 +3 長期居住権の価額 2 長期居住権付所有権の価額 ( 注 1) =1 固定資産税評価額 法定耐用年数 ( 経過年数 + 存続年数 ( 注 3)) 法定耐用年数 ( 注 2) 経過年数 ライプニッツ係数 ( 注

< D AC48DB C88B BE2836C C888E5A8F B835E2E786C73>

Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度


の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

新しい地方公会計制度 これまで南阿蘇村では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 南阿蘇村がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなか

相続税 贈与税の基本がよくわかる! 誰が相続人になるの? 税額はどのようにして求めるの? 土地 建物の評価はどうするの? 住宅取得資金の贈与は最大 3,000 万円が非課税に? 教育資金や結婚 子育て資金の贈与は非課税に? 新しくできる配偶者居住権ってどんなもの? etc.

1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

( メモ余白 ) - 2 -

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

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Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

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科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

平成 28 年度試験問題より抜粋: 択一 式

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2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

問 ,088( 円 ) 21,084,995 ( 円 ) 3662( 円 ) 41,475,457 ( 円 ) 最長で2 年間 全国健康保険協会管掌健康保険に任意継続被保険者として加入することができる 任意継続被保険者の保険料は Aさんが全額負担することになる 1. 老齢基礎年金の年金額

20 金融資産目標残高 今後の金融商品の保有希望 元本割れを起こす可能性があるが 収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 ( 続き )

医療法人化のすすめ.xdw

Transcription:

税務 資産運用クラス 税金は払わないと財産は残らない ~ アパート マンション経営の収益性 ~ 経済ジャーナリスト 阪南大学講師 堀 浩司

1. なんのための 土地の有効活用ですか? 2. 税金対策の意味を誤解していませんか 3. 税金を払わないと財産は残りません 4. アパート マンション経営の収益性確保には

土地の有効活用土地を活用して財産を守り増やし 次の世代に承継すること アパート マンション経営による有効活用 税制の優遇策がある固定資産税の軽減 相続税の負担軽減効果がある建築価格の50%~60% の固定資産税評価額貸家評価 貸家建付地評価 税金を減らすことが目的ではない

たとえば 固定資産税 都市計画税では 土地活用前 ( 更地 ) 固定資産税 954,000 円都市計画税 174,000 円 1,128,000 円 家計からの支出 ( 財産の減少 ) アパート マンション経営後固定資産税 159,000 円都市計画税 58,000 円 217,000 円 賃貸収入からの支出

土地の有効活用土地を活用して財産を守り増やし 次の世代に承継すること アパート マンション経営による有効活用 税制の優遇策がある固定資産税の軽減 相続税の負担軽減効果がある建築価格の50%~60% の固定資産税評価額貸家評価 貸家建付地評価 税金を減らすことが目的ではない

相続税対策では 相続税額が少なくすることだけでいいのか 財産が減っても相続税額を少なくすることが目的なのか 相続税額が増えても 財産額を増やすことが有効活用 土地の有効活用 税金を支払った後の財産額を増やすことが目的

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 相続税基礎控除額 =5000 万円 +1000 万円 3 人 ( 法定相続人数 )=8000 万円 対策前アパート建設評価減対策後 土地自宅敷地 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000-21,000,000 79,000,000 建物自宅 5,000,000 5,000,000 アパート 70,000,000-40,600,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 10,000,000 ローン 0 60,000,000 60,000,000 純財産額 141,000,000 0-61,600,000 79,400,000 相続税額 3,837,000 0

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 相続税基礎控除額 =5000 万円 +1000 万円 3 人 ( 法定相続人数 )=8000 万円 対策前アパート建設評価減対策後 土地自宅敷地 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000-21,000,000 79,000,000 建物自宅 5,000,000 5,000,000 アパート 70,000,000-40,600,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 10,000,000 ローン 0 60,000,000 60,000,000 純財産額 141,000,000 0-61,600,000 79,400,000 相続税額 3,837,000 0

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 相続税基礎控除額 =5000 万円 +1000 万円 3 人 ( 法定相続人数 )=8000 万円 対策前アパート建設評価減対策後 土地自宅敷地 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000-21,000,000 79,000,000 建物自宅 5,000,000 5,000,000 アパート 70,000,000-40,600,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 10,000,000 ローン 0 60,000,000 60,000,000 純財産額 141,000,000 0-61,600,000 79,400,000 相続税額 3,837,000 0

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 相続税基礎控除額 =5000 万円 +1000 万円 3 人 ( 法定相続人数 )=8000 万円 対策前アパート建設評価減対策後 土地自宅敷地 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000-21,000,000 79,000,000 建物自宅 5,000,000 5,000,000 アパート 70,000,000-40,600,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 10,000,000 ローン 0 60,000,000 60,000,000 純財産額 141,000,000 0-61,600,000 79,400,000 相続税額 3,837,000 0

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 相続税基礎控除額 =5000 万円 +1000 万円 3 人 ( 法定相続人数 )=8000 万円 対策前アパート建設評価減対策後 土地自宅敷地 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000-21,000,000 79,000,000 建物自宅 5,000,000 5,000,000 アパート 70,000,000-40,600,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 10,000,000 ローン 0 60,000,000 60,000,000 純財産額 141,000,000 0-61,600,000 79,400,000 相続税額 3,837,000 0

X 年 X+5 年 X+10 年 10 年間累計 利益 2,000,000 2,200,000 2,450,000 借入返済 1,600,000 1,800,000 2,050,000 18,250,000 現金収支 2,600,000 2,570,000 2,530,000 25,660,000 ローン残高 58,400,000 51,500,000 41,750,000 減価償却費は 毎年 250 万円が定額で計上されています

X 年 X+5 年 X+10 年 10 年間累計 利益 2,000,000 2,200,000 2,450,000 借入返済 1,600,000 1,800,000 2,050,000 18,250,000 現金収支 2,600,000 2,570,000 2,530,000 25,660,000 ローン残高 58,400,000 51,500,000 41,750,000 減価償却費は 毎年 250 万円が定額で計上されています

X 年 X+5 年 X+10 年 10 年間累計 利益 2,000,000 2,200,000 2,450,000 借入返済 1,600,000 1,800,000 2,050,000 18,250,000 現金収支 2,600,000 2,570,000 2,530,000 25,660,000 ローン残高 58,400,000 51,500,000 41,750,000 減価償却費は 毎年 250 万円が定額で計上されています

X 年 X+5 年 X+10 年 10 年間累計 利益 2,000,000 2,200,000 2,450,000 借入返済 1,600,000 1,800,000 2,050,000 18,250,000 現金収支 2,600,000 2,570,000 2,530,000 25,660,000 ローン残高 58,400,000 51,500,000 41,750,000 減価償却費は 毎年 250 万円が定額で計上されています

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 対策前 対策初年 10 年増減 10 年後 土地 自宅敷地 16,000,000 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000 79,000,000 79,000,000 建物 自宅 5,000,000 5,000,000 5,000,000 アパート 29,400,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 +25,660,000 35,660,000 ローン 0 60,000,000-18,250,000 41,750,000 純財産額 141,000,000 79,400,000 123,310,000 相続税額 3,837,000 2,498,000

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 対策前 対策初年 10 年増減 10 年後 土地 自宅敷地 16,000,000 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000 79,000,000 79,000,000 建物 自宅 5,000,000 5,000,000 5,000,000 アパート 29,400,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 +25,660,000 35,660,000 ローン 0 60,000,000-18,250,000 41,750,000 純財産額 141,000,000 79,400,000 123,310,000 相続税額 3,837,000 2,498,000

順調な収益確保で 着実に借入返済 第 3 回 : アパート マンション経営の収益性 財産純増で余裕の納税資金 ( 妻と長男 長女が法定相続分で財産を相続する場合 ) X 年 X+10 年差額 財産額 139,400,000 165,060,000 25,660,000 ローン残高 60,000,000 41,750,000 18,250,000 純財産額 79,400,000 123,310,000 43,910,000 相続税額 0 2,498,000 2,498,000

順調な収益確保で 着実に借入返済 第 3 回 : アパート マンション経営の収益性 財産純増で余裕の納税資金 ( 妻と長男 長女が法定相続分で財産を相続する場合 ) X 年 X+10 年差額 財産額 139,400,000 165,060,000 25,660,000 ローン残高 60,000,000 41,750,000 18,250,000 純財産額 79,400,000 123,310,000 43,910,000 相続税額 0 2,498,000 2,498,000

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 対策前 対策初年 10 年増減 10 年後 土地 自宅敷地 16,000,000 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000 79,000,000 79,000,000 建物 自宅 5,000,000 5,000,000 5,000,000 アパート 29,400,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 +25,660,000 35,660,000 ローン 0 60,000,000-60,000,000 0 純財産額 141,000,000 79,400,000 165,060,000 相続税額 3,837,000 5,942,000

A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 対策前 対策初年 10 年増減 10 年後 土地 自宅敷地 16,000,000 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000 79,000,000 79,000,000 建物 自宅 5,000,000 5,000,000 5,000,000 アパート 29,400,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000 +25,660,000 35,660,000 ローン 0 60,000,000-60,000,000 0 純財産額 141,000,000 79,400,000 165,060,000 相続税額 3,837,000 0 5,942,000

これからは ローン返済もなくなり キャッシュフローはより潤沢に 第 3 回 : アパート マンション経営の収益性 ( ローンは団信が完済 ) X 年 X+10 年差額 財産額 139,400,000 165,060,000 25,660,000 ローン残高 60,000,000 0 60,000,000 純財産額 79,400,000 165,060,000 85,660,000 相続税額 0 5,942,000 5,942,000

これからは ローン返済もなくなり キャッシュフローはより潤沢に ( ローンは団信が完済 ) X 年 X+10 年差額 財産額 139,400,000 165,060,000 25,660,000 ローン残高 60,000,000 0 60,000,000 純財産額 79,400,000 165,060,000 85,660,000 相続税額 0 5,942,000 5,942,000

税金を払わないと財産は残らない X 年 X+5 年 X+10 年 10 年間累計 利益 900,000 700,000 450,000 借入返済 1,600,000 1,800,000 2,050,000 18,250,000 現金収支 2,500,000 2,500,000 2,500,000 25,000,000 ローン残高 58,400,000 51,500,000 41,750,000 赤字経営が続くと 減価償却費は 毎年 250 万円が定額で計上 毎年同額の不足額が生じている

税金を払わないと財産は残らない X 年 X+5 年 X+10 年 10 年間累計 利益 900,000 700,000 450,000 借入返済 1,600,000 1,800,000 2,050,000 18,250,000 現金収支 2,500,000 2,500,000 2,500,000 25,000,000 ローン残高 58,400,000 51,500,000 41,750,000 赤字経営が続くと 減価償却費は 毎年 250 万円が定額で計上 毎年同額の不足額が生じている

税金を払わないと財産は残らない X 年 X+5 年 X+10 年 10 年間累計 利益 900,000 700,000 450,000 借入返済 1,600,000 1,800,000 2,050,000 18,250,000 現金収支 2,500,000 2,500,000 2,500,000 25,000,000 ローン残高 58,400,000 51,500,000 41,750,000 赤字経営が続くと 減価償却費は 毎年 250 万円が定額で計上 毎年同額の不足額が生じている

税金を払わないと財産は残らない A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 対策前 対策初年 10 年増減 10 年後 土地 自宅敷地 16,000,000 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000 79,000,000 79,000,000 建物 自宅 5,000,000 5,000,000 5,000,000 アパート 29,400,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000-25,000,000 15,000,000 ローン 0 60,000,000-18,250,000 41,750,0o00 純財産額 141,000,000 79,400,000 72,650,000 相続税額 3,837,000 0

税金を払わないと財産は残らない A さんの財産と相続税額 ( 妻 + 子 2 人 自宅敷地特例後 法定相続取得 ) 対策前 対策初年 10 年増減 10 年後 土地 自宅敷地 16,000,000 16,000,000 16,000,000 有効活用地 100,000,000 79,000,000 79,000,000 建物 自宅 5,000,000 5,000,000 5,000,000 アパート 29,400,000 29,400,000 現金預金 20,000,000 10,000,000-25,000,000 15,000,000 ローン 0 60,000,000-18,250,000 41,750,0o00 純財産額 141,000,000 79,400,000 72,650,000 相続税額 3,837,000 0

税金を払わないと財産は残らない 土地活用の目的からはずれ 本来の財産を減らしてしまっている X 年 X+10 年差額 財産額 139,400,000 114,400,000 25,000,000 ローン残高 60,000,000 41,750,000 18,250,000 純財産額 79,400,000 72,650,000 6,750,000 相続税額 0 0 0

収益を確保するために 経営上の税金 所得税そして住民税の支払がゼロということは アパート マンションの収入額 経費額 減価償却費 ( 支出の伴わない経費?) 減価償却費の各年合計額 = 建設時支払額 アパート マンション経営収支からは ローン返済 生活費の捻出はできない

収益を確保するために 事前経営計画と経営進行中のチェック ご自身で経営の数理を実感 目標とする投資の利回りキャッシュフローの把握金利上昇リスクの検討損益分岐点平均予想入居率 辛口予想入居率による収支計画

参考 A さんの財産と相続税額 土地の評価減 ( 貸家建付地 ) 第 3 回 : アパート マンション経営の収益性 評価が下がる計算式 更地評価額 100,000,000 円 借地権割合 70% 借家権割合 30% 建物の評価減 ( 固定資産税評価額 + 貸家 ) 建物評価額 = 固定資産税評価額 1 固定資産税評価額 = 建築価格 ( 約 50%~60%) 固定資産税評価額への評価減 70,000,000 円 (1-60%) 貸家への評価減 70,000,000 円 60% 借家権割合 30% 建物の評価減合計額 ( 例. 借地権割 70% 借家権割合 30% 固定資産税評価額割合 60%) =21,000,000 円 =28,000,000 円 =12,600,000 円 40,600,000 円