できる 105. 前項の取扱いを適用する場合には 次の事項を注記する (1) その旨及び決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益の見積りが極めて困難と認められる理由 (2) 当連結会計年度及び当事業年度の決算月の翌月に実施した計量により確認した使用量に基づく収益の額 ( この収益の額が 決

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できる 105. 前項の取扱いを適用する場合には 次の事項を注記する (1) その旨及び決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益の見積りが極めて困難と認められる理由 (2) 当連結会計年度及び当事業年度の決算月の翌月に実施した計量により確認した使用量に基づく収益の額 ( この収益の額が 決算日の純資産や利益剰余金にどのように影響するかの記述を含む ) ( 案 2) 適用指針 - 結論の背景 (9) 代替的な取扱い等を設けなかった項目 ( 毎月の計量により確認した使用量に基づく収益認識 ) 191. 現在 毎月 月末以外の日に実施する計量により確認した顧客の使用量に基づき収益の計上が行われ 決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益が翌月に計上される実務が見られる 公開草案に対して 決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益を見積ることの困難性に関する意見が寄せられた 審議においては 当該見積りの困難性について代替的な取扱いを検討し 決算日における顧客による使用量を確認できない場合や 計量により確認した使用量に応じて複数の単価が適用される場合等 当該見積りが困難となり得る状況に対して検討を行ったが 当該見積りの困難性に伴う代替的な取扱いの必要性については十分な合意が形成されなかったため 代替的な取扱いを定めていない 当委員会においてさらなる検討を行うためには 財務諸表作成者や監査人の間での評価が相当程度収斂する必要があると考えられ そのような状況となった場合に 別途の対応の必要性を検討することが考えられる 4. 前回の親委員会では 前項の提案について 以下の意見が聞かれている (1) 検針日基準が実務における必要性に基づくものであると考えられることや 数量の見積りのみならず 単価の見積りにも困難さがあることから 見積りによるコストと便益を勘案し 検針日基準を代替的な取扱いとして設けるという案 1 に賛成する 2

(2) 収益の見積りが困難であることを踏まえると案 1 に賛成する 今後別途の対応の必要性を検討するという案 2 は 関係者の合意が得られる見込みが不透明な状況では 適切な対応とならない可能性があると考えられる (3) 専門委員会において 多くの専門委員から見積りの困難さに対する疑問が提起されていたことを考慮すると 今後別途の対応の必要性を検討するという案 2 がよいと考えられる 仮に 検針日基準を代替的な取扱いとして設けるという案 1 の場合には 公開草案を再度公表する必要がある (4) 案 2 に近い方法がよいと考えられる 今後の検討を行う際には 広く財務諸表作成者から対応の要望を募り かつ その内容を公開の場において市場関係者が評価する必要があると考えられる その上で 新基準における原則的な取扱いを一律に適用することによるデメリットについて広く市場関係者の共感が得られた場合は 別途の取扱いを設けることが考えられる ( 今回の提案 ) 5. 前項の親委員会の審議を踏まえると 見積りの困難性に係る評価が十分定まらず 代替的な取扱いを設けることについてのコンセンサスは得られていないと考えられ 本会計基準の最終化にあたっては代替的な取扱いを設けない ただし 以下の文案のとおり 今後 財務諸表作成者により 財務諸表監査への対応を含んだ見積りの困難性に対する評価が十分に行われ 会計基準の定めに従った処理を行うことが実務上著しく困難である旨 当委員会に提起された場合には 公開の審議により 別途の対応を図ることの要否を当委員会において判断することが考えられる 公表にあたって 重要性等に関する代替的な取扱い ( 収益認識適用指針第 92 項から第 104 項 ) ( 前略 ) また 今後 本会計基準等の実務への適用を検討する過程で 本会計基準等における定めが明確であるものの これに従った処理を行うことが実務上著しく困難な状況が市場関係者により識別され その旨当委員会に提起された場合には 公開の審議により 別途の対応を図ることの要否を当委員会において判断することとしている 具体的な手順等については 今後 当委員会より公表する予定である 3

適用指針 - 結論の背景 ( 毎月の計量により確認した使用量に基づく収益認識 ) 188. 現在 毎月 月末以外の日に実施する計量により確認した顧客の使用量に基づき収益の計上が行われ 決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益が翌月に計上される実務が見られる 公開草案に対して 決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益を見積ることの困難性に関する意見が 電気事業及びガス事業から寄せられた 審議においては 当該見積りの困難性について代替的な取扱いを検討し 決算日までの顧客による使用量を確認できない場合や 計量により確認した使用量に応じて複数の単価が適用される場合等 当該見積りが困難となり得る状況に対して検討を行ったが 当該見積りの困難性に係る評価が十分定まらず 代替的な取扱いの必要性について合意が形成されなかった 今後 財務諸表作成者により 財務諸表監査への対応を含んだ見積りの困難性に対する評価が十分に行われ 会計基準の定めに従った処理を行うことが実務上著しく困難である旨 当委員会に提起された場合には 公開の審議により 別途の対応を図ることの要否を当委員会において判断することが考えられる ( 会計基準第 96 項参照 ) 会計基準 - 結論の背景経緯 96. 本会計基準の実務への適用を検討する過程で 本会計基準における定めが明確であるものの これに従った処理を行うことが実務上著しく困難な状況が市場関係者により識別され その旨当委員会に提起された場合には 公開の審議により 別途の対応を図ることの要否を当委員会において判断することとした ライセンスの付与 ( 売上高又は使用量に基づくロイヤルティ ) ( 前回の親委員会における議論 ) 6. 売上高又は使用量に基づくロイヤルティについては 売上高又は使用量に基づくロイヤルティ ( 適用指針案第 67 項 ) について 海外からのロイヤルティ収入などのように 収益額を算定する際に発生時の計算基礎の入手が実務上困難な場合 また 継続してロイヤルティ収入を契約により受けることになっている場合には 現行実務で認められている現金主義での収益認識処理を認めていただくよう対応いただ 4

きたい との意見が寄せられている 7. これに対して 前回の親委員会では 以下の提案を行っている 現行において 現金主義は 通常は 重要性が乏しい場合に認められているが 重要性がある場合には 新基準に従い収益の額を見積ることが必要になると考えられる 基本的には 収益の額を現金主義で計上することは比較可能性を損なわせる可能性があること また これまでの審議で代替的な取扱いを設けるべきとの意見は聞かれていないことから 当該項目について現行実務を認める代替的な取扱いを設けないことが考えられる 8. 前回の親委員会で聞かれた意見は 以下のとおりである (1) 例えば 連結会社間で受払されるロイヤルティの場合には 連結財務諸表において消去されるにもかかわらず 個別財務諸表において見積り計上が求められることとなる コストと便益の観点から 連結会社間取引に対する個別財務諸表上の取扱いについて配慮することも考えられる (2) 個別財務諸表における利益は法人税法上の課税所得計算の基礎となるため 特定の関係者に想定外の影響が生じる可能性がある 関係者の意見を踏まえ慎重に検討するために 別途対応を検討する機会を作ることも考えられる (3) 現行実務を認める代替的な取扱いを設けないという提案に賛成するが 仮に検針日基準を代替的な取扱いとして設ける場合 対応が異なる理由を説明することが困難となると考えられる (4) 事後的な実績との比較による見積りの合理性の検証が可能となる点で ロイヤルティは検針日基準とは異なると考えられる また 連結会社間取引であっても セグメント情報に影響を与える可能性はあると考えられる ( 今回の提案 ) 9. 前項の意見のとおり 一定の配慮を行うべきケースがあるとの意見はあるものの 代替的な取扱いを設けるべきとするまでの意見は聞かれていない 一般論としては現金主義による会計処理は比較可能性を損なわせる可能性があると考えられるため 以下の記載を適用指針の結論の背景に記載することが考えられる なお 第 5 項の 公表にあたって の案に記載したとおり 特定のケースにおいて 今後 会計基準の定めに従った処理を行うことが実務上著しく困難である旨 当委員会に提起された場合には 公開の審議により 別途の対応を図ることの要否 5

を当委員会において判断することが考えられる (9) 代替的な取扱い等を設けなかった項目 ( 売上高又は使用量に基づくロイヤルティ ) 185. 本適用指針では 売上高又は使用量に基づくロイヤルティについて 当該ロイヤルティが知的財産のライセンスのみに関連している場合 又は当該ロイヤルティにおいて知的財産のライセンスが支配的な項目である場合には 次の (1) 又は (2) のいずれか遅い方で 当該売上高又は使用量に基づくロイヤルティについて収益を認識することとしている ( 第 67 項参照 ) (1) 知的財産のライセンスに関連して顧客が売上高を計上する時又は顧客が知的財産のライセンスを使用する時 (2) 売上高又は使用量に基づくロイヤルティの一部又は全部が配分されている履行義務が充足 ( あるいは部分的に充足 ) される時公開草案に対して 海外における売上高又は使用量に基づくロイヤルティ等 収益額を算定する際に発生時の計算基礎の入手が実務上困難であり 継続して契約によりロイヤルティ収入を受け取る場合には 現金を受け取る時点での収益認識を認める代替的な取扱いを要望する意見が寄せられた 審議の結果 現金を受け取る時点で収益を認識することは 一般的に比較可能性を損なわせる可能性があると考えられることを踏まえ 本適用指針において代替的な取扱いを定めないこととした 有償支給取引 ( 前回の親委員会における議論 ) 10. 公開草案の [ 設例 32] については 以下の懸念がコメント レターで寄せられている (1) どのような条件が実質的に買戻契約に該当するか否かの判断基準が示されておらず 有償支給取引を一律に買戻契約に該当すると判断することは 経済的実態から乖離する (2) 有償支給取引においては 支給先が支給品の管理を行い 他の企業に譲渡することもあるため 支給品に対する支配は実質的に支給先に移転している (3) 有償支給取引は 資金提供を受ける目的で行われるものではなく 在庫を担保として融資を受けるものでもないため 金融取引の性質を有していない (4) 有償支給取引の実態は 製造過程の一部を支給先に委託するものであり 支給 6

先は顧客には該当しないと考えられる (5) 仮に支給品が在庫として引き続き計上される場合 実務上 当該在庫の管理が非常に困難である 11. これらを踏まえ 前回の親委員会では [ 設例 32] を削除するとともに 第 13 項に記載する代替的な取扱いを設ける提案を行っている 12. これに対し 前回の親委員会では以下の意見が聞かれている (1) 支給元が在庫管理を行うことが実務上困難である場合に 支給元により形式的な在庫管理が行われているかのような処理となる状況は避けるべきであると考えられるため 事務局の提案に賛成する (2) 事務局の提案は 個別財務諸表における判断が不要となる点で 実務上の負担を軽減することになり また代替的な取扱いによっても収益への影響がないため 財務諸表利用者の意思決定に影響を与えるものではないと考えられる (3) 個別財務諸表に対する取扱いを設けることで連単で異なる会計処理となるとしても 今後の基準開発において 基本的には連単で同一の会計処理を定める方針が変更されるものではないと理解している ( 今回の提案 ) 13. 前項の意見を踏まえ 文案を以下のとおりとしている 適用指針 - 本文 (8) その他の個別事項 ( 有償支給取引 ) 104. 企業が 対価と交換に原材料等 ( 以下 支給品 という ) を外部 ( 以下 支給先 という ) に譲渡し 支給先における加工後 当該支給先から当該支給品 ( 加工された製品に組み込まれている場合を含む 以下同じ ) を購入する場合がある ( これら一連の取引は 一般的に有償支給取引と呼ばれている ) 有償支給取引に係る処理にあたっては 企業が当該支給品を買い戻す義務を負っているか否かを判断する必要がある 有償支給取引において 企業が支給品を買い戻す義務を負っていない場合 企業は当該支給品の消滅を認識することとなるが 当該支給品の譲渡に係る収益は認識し 7

ない 一方 有償支給取引において 企業が支給品を買い戻す義務を負っている場合 企業は支給品の譲渡に係る収益を認識せず 当該支給品の消滅も認識しないこととなるが 個別財務諸表においては 支給品の譲渡時に当該支給品の消滅を認識することができる なお その場合であっても 当該支給品の譲渡に係る収益は認識しない 適用指針 - 結論の背景 177. 企業が 対価と交換に原材料等 ( 以下 支給品 という ) を外部 ( 以下 支給先 という ) に譲渡し 支給先における加工後 当該支給先から当該支給品 ( 加工された製品に組み込まれている場合を含む 以下同じ ) を購入する場合がある ( これら一連の取引は 一般的に有償支給取引と呼ばれている ) このような有償支給取引では 企業から支給先へ支給品が譲渡された後の取引や契約の形態は さまざまであり 会計上 企業が当該支給品を買い戻す義務を有しているか否かを判断する必要がある ( 第 69 項参照 ) 178. 例えば 有償支給取引において 支給先によって加工された製品の全量を買い戻すことを支給品の譲渡時に約束している場合には 企業は当該支給品を買い戻す義務を負っていると考えられるが その他の場合には 企業が支給品を買い戻す義務を負っているか否かの判断を取引の実態に応じて行う必要がある 179. 有償支給取引において 企業が支給品を買い戻す義務を負っていない場合には 企業は当該支給品の消滅を認識することとなるが 支給品の譲渡に係る収益と最終製品の販売に係る収益が二重に計上されることを避けるために 当該支給品の譲渡に係る収益は認識しないことが適切と考えられる 180. 一方 有償支給取引において 企業が支給品を買い戻す義務を負っている場合には 支給先が当該支給品を指図する能力や当該支給品からの残りの便益のほとんどすべてを享受する能力が制限されているため 支給先は当該支給品に対する支配を獲得していないこととなる ( 第 154 項参照 ) この場合 企業は支給品の譲渡に係る収益を認識せず 当該支給品の消滅も認識しないこととなる ( 第 69 項参照 ) 181. しかしながら 譲渡された支給品は 物理的には支給先において在庫管理が行われているため 企業による在庫管理に関して実務上の困難さがある点が指摘されており この点を踏まえ 個別財務諸表においては 支給品の譲渡時に当該支給品の消滅を認識することができることとした ( 第 104 項参照 ) なお その場合 第 179 項に記載したとおり 支給品の譲渡に係る収益と最終製品の販売に係る収益が二重に計上されることを避けるために 当該支給品の譲渡に係る収益は認識しないことが適切と考えられる 8

ディスカッション ポイント 代替的な取扱いに関する事務局の提案について ご意見を頂きたい 以上 9