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2009年8月17日



( 参考文献 2 より引用 ) 注意点であるが 参考文献 1 によると 測定の時期 マイコプラズマの既往が重要のようだ enzyme immunoassay (ELISA) tests for M. pneumoniae-specific IgM positive in up to 80% afte

2.7.3(5 群 ) 呼吸器感染症臨床的有効性グレースビット 錠 細粒 表 (5 群 )-3 疾患別陰性化率 疾患名 陰性化被験者数 / 陰性化率 (%) (95%CI)(%) a) 肺炎 全体 91/ (89.0, 98.6) 細菌性肺炎 73/ (86

耐性菌届出基準

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

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割合が10% 前後となっています 新生児期以降は 4-5ヶ月頃から頻度が増加します ( 図 1) 原因菌に関しては 本邦ではインフルエンザ菌が原因となる頻度がもっとも高く 50% 以上を占めています 次いで肺炎球菌が20~30% と多く インフルエンザ菌と肺炎球菌で 原因菌の80% 近くを占めていま

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2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

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2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好


スライド 1

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2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

48小児感染_一般演題リスト160909

通常の市中肺炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて 誤嚥を考慮して口腔内連鎖球菌 嫌気性菌や腸管内のグラム陰性桿菌を考慮する必要があります また 緑膿菌や MRSA などの耐性菌も高齢者肺炎の患者ではしばしば検出されるため これらの菌をカバーするために広域の抗菌薬による治療が選択されるこ

57巻S‐A(総会号)/NKRP‐02(会長あいさつ)

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎

第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア

浜松地区における耐性菌調査の報告

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

562 当院におけるプロカルシトニンとプレセプシンの比較検討 東恭加 1) 加藤淳子 1) 井元明美 1) 上霜剛 1) 秋篠範子 1) 兵庫県立柏原病院 1) はじめに プロカルシトニン (PCT) は 細菌性敗血症のマーカーとして日常診療に用いられており 当院でもイムノクロマト法 (PCT-Q:

日産婦誌58巻9号研修コーナー


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第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

改訂の理由及び調査の結果直近 3 年度の国内副作用症例の集積状況 転帰死亡症例 国内症例が集積したことから専門委員の意見も踏まえた調査の結果 改訂することが適切と判断した 低カルニチン血症関連症例 16 例 死亡 0 例

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

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2012 年 7 月 18 日放送 嫌気性菌感染症 愛知医科大学大学院感染制御学教授 三鴨廣繁 嫌気性菌とは嫌気性菌とは 酸素分子のない環境で生活をしている細菌です 偏性嫌気性菌と通性嫌気性菌があります 偏性嫌気性菌とは 酸素分子 20% を含む環境 すなわち大気中では全く発育しない細菌のことで 通

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

与するプロトコールで抗菌薬使用は全体の 31%(Siegel et al. 2003) あるいは 34% (McCormick et al. 2005) にとどまったと報告している Rovers ら (2004) も 抗菌薬非投与で軽快する例があるが 発症 2~3 日の観察が重要であるとしている 1

2012 年 11 月 21 日放送 変貌する侵襲性溶血性レンサ球菌感染症 北里大学北里生命科学研究所特任教授生方公子はじめに b 溶血性レンサ球菌は 咽頭 / 扁桃炎や膿痂疹などの局所感染症から 髄膜炎や劇症型感染症などの全身性感染症まで 幅広い感染症を引き起こす細菌です わが国では 急速な少子

入した場合には 経気道的な散布巣として臓側胸膜から 2-3mm 離れた内側に小葉中心性粒状影や tree-in-bud といわれる小葉中心性病変を呈しますが この所見をみた場合には呼吸器感染症を強く疑います 汎小葉性病変は 小葉間隔壁に囲まれた ほぼ 1, 2cm 四方の小葉内が細胞浸潤や滲出物ある

微生物学的検査 >> 6B. 培養同定検査 >> 6B615. 検体採取 患者の検査前準備検体採取のタイミング記号添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料採取量測定材料リグアニジン塩酸塩尿 5 ml 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 ク

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別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

の 肺 外 発 症 が 起 こり さらにサイトカイン 補 体 などの 活 性 化 により 血 管 閉 塞 型 の 肺 外 発 症 が 起 こります いずれにせよマイコプラズマ 感 染 症 は 肺 炎 も 肺 外 発 症 も 免 疫 発 症 で ある という 点 をご 理 解 戴 けましたら 幸 いで

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2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

IRB記録概要

平成 25 年 ₄ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 564 号付録 ) 3. マイコプラズマ肺炎の疫学的背景 国立感染症研究所の感染症発生動向調査等から見えてくる疫学的背景を以下にお示しい たします 1 罹患率 2 罹患年齢 3 流行時期 4 患者数の推移 欧米において実施された罹患率調

クラビット点滴静注 5 mg / 2 ml (5 群 ) 疾患別臨床効果 (5 群 ) 原因菌別臨床効果 (5 群 ) 非定型病原体 (5 群 ) 微生物学的効果 (5 群 ) 日本の臨

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(別添様式)

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検査項目情報 抗アクアポリン 4 抗体 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G821. 抗アクアポリン4 抗体 Ve

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2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

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小児感染免疫第29巻第4号

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血 清 気 管 ク ロ ア カ ス ワ ブ : 各 10 検 体 細 菌 検 査 心 肺 肝 脾 全 血 顔 面 腫 脹 部 皮 下 ス ワ ブ を 血 液 寒 天 DHL 寒 天 チ ョ コ レ ー ト 寒 天 に ス タ ン プ ~ 48 時 間 好 気 微 好 気 培 養 ウ イ

診療のガイドライン産科編2014(A4)/fujgs2014‐114(大扉)

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01-02(先-1)(別紙1-1)血清TARC迅速測定法を用いた重症薬疹の早期診断

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抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

2011 年 11 月 2 日放送 NHCAP の概念 長崎大学病院院長 河野茂 はじめに NHCAP という言葉を 初めて聴いたかたもいらっしゃると思いますが これは Nursing and HealthCare Associated Pneumonia の略で 日本語では 医療 介護関連肺炎 と

1 MRSA が増加する原因としては皮膚 科 小児科 耳鼻科などでの抗生剤の乱用 があげられます 特にセフェム系抗生剤の 使用頻度が高くなると MRSA の発生率が 高くなります 最近ではこれらの科では抗 生剤の乱用が減少してきており MRSA の発生率が低下することが期待できます アトピー性皮膚炎

法が確立され 5 年生存率が 42% から 91% へと飛躍的に向上しています (Kudoh S et al. Am. J. Respir. Critic. Care Med, 1996) また気管支拡張症などの慢性下気道感染症に対してもマクロライド療法は用いられ COPD の増悪に対する予防効果も

抗MRSA薬の新規使用患者のまとめ

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PowerPoint プレゼンテーション

インフルエンザ(成人)

別記様式 7-2 感染症発生動向調査 ( インフルエンザ定点 ) 調査期間平成年月日 月日医療機関名 : 性別 歳 歳以上 合計 ( 注 ) *

平成 30 年度栄養サポートチーム専門療法士臨床実地修練研修プログラム 大阪国際がんセンター 栄養サポートチーム

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市中肺炎に血液培養は必要か?

中医協総会の資料にも上記の 抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス から一部が抜粋されていることからも ガイダンスの発表は時機を得たものであり 関連した8 学会が共同でまとめたという点も行政から高評価されたものと考えられます 抗菌薬の適正使用は 院内 と 外来 のいずれの抗菌薬処方におい

2 経験から科学する老年医療 上記 12 カ月間に検出された病原細菌総計 56 株中 Escherichia coli は 24 株 うち ESBL 産生菌 14 株 それ以外のレボフロキサシン (LVFX) 耐性菌 2 株であった E. coli 以外の合計は 32 株で 内訳は Enteroco

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Transcription:

仙台市立病院医誌 索引用語 小児 27 45 50 2007 肺炎マイコプラズマ クラミジア ニューモニエ 肺炎マイコプラズマIgM抗体およびクラミジア ニューモニエ IgM抗体の年齢別陽性頻度について ロ 恭 鈴 木 エ フ 近 力秀克 フ 谷 野 柳 武 岡本 恵 木 部 山 理 直 フ 阿 裕 生 二 哉 リ 谷 エ 俊 ウ 彦 正 司子勝 邦 竹 村 ウ 谷 大 中高 森 憲 佳 ラ 美 ウ 藤 圓熊 佐 部X線像で明らかな浸潤陰影のあるものを急性 はじめに 小児診療において 感染症の中でも特に呼吸器 肺炎とした 入院治療は小児呼吸器感染症診療ガ イドライン20042 に則り アンピシリン ABPC Pneumoniaeの重要性が指摘されている1 2005 を主要抗菌薬とし 入院時にMpn IgM抗体陽性 ないし非定型肺炎が強く疑われる場合は ABPC にマクロライド系抗菌薬 クラリスロマイシ CAM ないしロキタマイシン RKM の経口 年1月にクラミジア ニューモニエIgM抗体が保 投与あるいはミノサイクリン MINO ないしク 険適応となったのを契機に 下気道感染症患者を リンダマイシン CLDM の点滴静注を併用した 対象にマイコプラズマIgM抗体 以下Mpn IgM 抗体 ならびにクラミジア ニューモニエIgM抗 尚 有意差検定はt検定で行った 感染症の占める割合は高く 迅速かつ正確な診断 が期待される その中で非定型肺炎の原因となる MycoPlasma PneblmoniaeとChlamydia 結 体 以下Cpn lgm抗体 を測定し それぞれの年 齢別陽性頻度について検討した 又 併せて抗菌 薬選択に関しての検討を行ったので報告する 果 対象患者は 年齢2カ月から15歳 中央値2歳 10カ月 であり 男女比は1 4であった 外来患 者の平均年齢は入院患者に比較し有意に高年齢で 対象および方法 あり 急性気管支炎 急性肺炎比は外来患者で明ら 2006年3月1日より7月31日の5カ月間に当 科にて下気道感染症として外来ないし入院治療を かに高値であった 一方 白血球数およびCRP値 は入院患者が外来患者に比較し有意に高値であっ 行った448例 外来193例 入院255例 を対象 とした Mpn IgM抗体はイムノカードマイコプ 施行された212例で分離された菌種は ナイセリ た 表1 入院患者のうち鼻咽頭ぬぐい液培養が ラズマ抗体キットを用い院内で至急検査として検 ア属28 3 肺炎球菌16 5 インフルエンザ菌 査を行い 一方 Cpn IgM抗体はEIA法により外 注検査センターにて検査を行った Cpn lgm抗体 15 6 緑色連鎖球菌15 6 その他8 9 菌陰 性15 1 であった 肺炎球菌の内訳では ペニシ は小児呼吸器感染症診療ガイドライン20042 に リン中間耐性肺炎球菌 PISP 42 8 ペニシリン 準じて抗体指数1 0以上を陽性とした 胸部X線 耐性肺炎球菌 PRSP 28 6 ペニシリン感受性 像 白血球数 CRP値を合わせて検査し 入院症 例については鼻咽頭ぬぐい液細菌培養 感受性試 肺炎球菌 PSSP 28 6 であり インフルエンザ 験を行った 急性気管支炎と急性肺炎の鑑別は胸 耐性インフルエンザ菌 BLNAR 63 6 β一ラク 菌の内訳はβ一ラクタマーゼ非産生アンピシリン タマーゼ非産生アンピシリン感受性インフルエン 仙台市立病院小児科 ザ菌 BLNAS 27 3 β一ラクタマーゼ産生アン

49 してのマクロライド系抗菌薬 MINOないし 果から Mpn lgm抗体測定は院内で至急検査と CLDMを使用せずに改善が得られた 表5 することにより 外来 入院患者におけるマイコ 考 プラズマ感染症の診断に非常に有用と考えられ 察 た 肺炎マイコプラズマ感染症およびクラミジア 一方 Cpn IgM抗体検査は結果の入手までに最 されていない イムノカードマイコプラズマ抗体 短4日間かかることから 迅速診断にはならず 又 対応する抗生剤の投与なしでも治癒すること キットによる検査成績に関しては2004年に片寄 からMpn IgM検査に比較して重要性は落ちる ニューモニエ感染症の血清学的診断はいまだ確立 ら4 により詳細な報告がなされているが 保険点 と考えられた ただし クラミジア ニューモニ 数の関係で一般には普及していない またCpn エは小児下気道感染症の10 20 程度の起炎菌 IgM抗体検査は2005年1月に保険適応となった であることは間違いなく 慢性咳轍を呈する症例 ばかりで まだ十分なデータの蓄積はない 片寄 での検索には有用と考えられ カットオフ値の再 ら4 によれば入院治療を要する下気道感染症の 考により信頼度は増すと考えられた 21 が肺炎マイコプラズマに関連したとしてお 尚 今回の検討において1歳未満の乳児では Mpn IgMおよびCpn lgm抗体陽性者はほとん り 今回の結果もほぼ同様であった 一方 小児 下気道感染症におけるCpn lgm抗体に関しての どみられず 1歳未満児における下気道感染症の 詳細な報告はまだなく 学会抄録5 6 を見るのみで 原因検索としてのこれらの抗体測定は不要である ある これらの報告からは今回の結果と同様に と考えられた Cpn lgm抗体の高い陽性率が報告され診断上の 問題が提起されている 2006年11月に開催され た日本小児感染症学会において新妻ら7 はウェス タンブロット法を対照とした場合 Cpn IgM抗体 結 語 1 2006年3月より7月の5ヵ月間において 下気道感染症を呈した外来および入院患者448例 検査における抗体指数のカットオフ値はL5が妥 を対象にMpn lgm抗体およびcpn IgM抗体の 当であると報告した 今回の症例において 抗体 測定を行った 指数のカットオフ値を1 0 1 5 2 0としてCpn 2 Mpn lgm抗体およびcpn lgm抗体陽性 IgM抗体陽性率を検討してみた カットオフ値 者はともに1歳未満ではほとんどみられず 1歳 1 0 1 5 2 0におけるCpn IgM抗体陽性率は そ 時より漸増し5歳でプラトーとなった れぞれ31 5 15 2 および7 4 となった 図 3 対象患者全体としてのMpn lgm抗体お 3 尾内ら8 は micro IF法を用いて下気道感染 よびCpn IgM抗体の陽性率はそれぞれ16 7 お 症罹患児1 140人に検討した結果 クラミジア よび31 5 であり 両者いずれかが陽性者は ニューモニエ感染症は149例 13 5 であった報 40 6 であった 告している 今回の検査結果でカットオフ値を1 5 4 抗菌療法との関連ではMpn lgm抗体陽 とした場合の陽性率は152 で 妥当な数値と考 性例の14 3 Cpn lgm抗体陽性例の48 7 は えられた マクロライド系抗菌薬 MINOおよびCLDMの Mpn lgm抗体検査は発症後1週間以内では陰 性例が存在すること またIgM抗体陽性が6カ月 投与なしに臨床的改善が得られた この差の理由 まで持続することが診断上の問題となる しかし たが Cpn lgm抗体は外注検査のため結果の入手 これまで当院で使用してきたPA法では までに最短4日間かかり 治療に反映できなかっ IgM としてMpn lgm抗体は迅速検査が可能であっ IgGの両者を測定しているため診断基準もあいま たことと クラミジア ニューモニエ感染症の診 いであり 2回の採血を要することが多いことか 断の問題があげられた ら小児科領域では実際的ではなかった 今回の結