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(資料3) 奄美大島・徳之島におけるスギ人工林の広葉樹林復元の検討

第 198 号 平成 28 年 1 月号 北海道水産林務部 森林施業プランナーと連携した普及指導活動の展開 総括普及指導員兼主幹菅崎治宏 平成 21 年 12 月に策定された 森林 林業再生プラン では 10 年後の国内の木材自給率を50 % 以上に向上させることを政策目標としました 北海道の木材自

欄の記載方法について 原則として 都道府県毎の天然更新完了基準に定められた更新調査 ( 標準地調査 ) の結果を元に造林本数欄に更新本数を記載する ただし 調査せずとも天然更新完了基準を明らかに満たしていると判断できる場合 ( 例えば 小面積の伐採等 ) には 造林地の写真その他の更新状況のわかる資

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資料3-5  モニタリング方法ガイドライン(森林管理プロジェクト用)(案)

豪雨・地震による土砂災害の危険度予測と 被害軽減技術の開発に向けて

Taro-H27 課題2 繰上完了報告(任意様式)

地区名 所在地 表 4.1 天然力を活用した森林施業の事例調査地の概要 調査地番号 植栽木 林齢 整備面積 (ha) 所管 宮崎宮崎県宮崎市 J1 スギ 40 年生 2.2 宮崎森林管理署 長崎長崎県大村市 J2 スギ 53 年生 14.9 長崎森林管理署 佐賀佐賀県武雄市 J3 ヒノキ 53 年生

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(11) 主要機器 計測及びデータ作成に使用した機器は下表のとおりである 表 Ⅱ-5-(11)-1 主要機器一覧 作業工程 名称 数量 計測 撮影用固定翼機レーザ測距装置 GPS/IMU 装置 セスナ社製 208 型 LeicaGeosystems 社 ALS70 LeicaGeosystems 社

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平成 28 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

民間企業の活動による二酸化炭素吸収・固定量の「見える化」実証事業 CO2吸収・固定量計算シート  操作方法

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オーストリア林業から学ぶ 長野県林業大学校 いとう 2 学年伊藤 ひらさわ平沢 ほりべ堀部 けいすけ圭介 きみひこ公彦 たいせい 泰正 要旨私たち長野県林業大学校では 昨年の 7 月にオーストリアで 8 日間 森林 林業の研修を行なって来ました オーストリアは日本よりも狭い国土面積 低い森林率であり

国有林における生物多様性の定量化について 林野庁国有林野部経営企画課国有林野生態系保全室兼光修平 1 はじめに生物多様性保全に対する関心や期待の高まりの中 林野庁は平成 21 年 7 月に 森林における生物多様性の保全及び持続可能な利用の推進方策 をまとめ 森林計画策定プロセスの一層の透明化等の観点

モバイルマッパー 6 の測位方法は 各頂点において GPS が安定するまで 30 秒待ち そ の後 30 秒間データの記録を行うという操作説明書で推奨されている方法で行いました ガ ーミン GPS についても GPS が安定するまで 30 秒待ち測点を行いました 面積測量結果は以下の表のとおりです

Taro-H28 地域別変更計画(一斉変更)_281115

表 を基本として 渓床勾配の区分に応じて 流木災害対策を中心とする配置計画の目安を示したものが図 である 治山事業においては 発生区域から堆積区域に至るまで 多様な渓流生態系の保全に留意しながら 森林整備と治山施設整備を可能な限り一体として実施していくよう留意する 図 6.1

皆伐と更新に関する指針(案)


モニタリングのガイドライン 交付金の効果の調査 確認方策について 目次 1 なぜ調査を行うのか 1 2 調査の流れ 2 3 目標設定の進め方 4 4 調査場所の決め方について 8 5 初回調査 11 地域環境保全タイプ 里山林保全活動 11 地域環境保全タイプ 侵入竹除去 竹林整備 16 森林資源利

目 次 平成 27 年度九州森林管理局重点取組事項 1 公益重視の管理経営の一層の推進 1 森林資源の循環利用による多面的機能の維持増進 ページ 1 2 国民生活の安全 安心の確保に向けた取組 (1) 民国連携した治山事業 (2) 海岸防災林の整備に向けた検討 (3) 木材の利用推進及び生物多様性保

卒業論文 ヒノキ人工林の林分構造と立木価格評価, および小面積調査法の検討 岐阜大学応用生物科学部生産環境科学課程環境生態科学コース附属岐阜フィールド科学教育研究センター山地管理学研究室 二村真美

0.45m1.00m 1.00m 1.00m 0.33m 0.33m 0.33m 0.45m 1.00m 2


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様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県


リサーチ ダイジェスト KR-051 自然斜面崩壊に及ぼす樹木根系の抑止効果と降雨時の危険度評価に関する研究 京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻特定教授杉山友康 1. はじめに 鉄道や道路などの交通インフラ設備の土工施設は これまでの防災対策工事の進捗で降雨に対する耐性が向上しつつある一方で

しかし, 間伐から1 年経った 23 年の開花雄花量の割合は, 間伐率の高い区の方が多くなった ( 図 -1) 間伐によって開花雄花量が増加したと言える結果である この調査からは, 一般的な間伐は, その後の雄花形成を促進し, 間伐を行わなかった場合と比較して, 花粉飛散量を増加させる効果があると考

(4) 横断面形調査要領では メッシュの中心点と 中心点を通る等高線が内接円に交わる 2 点を結んだ 2 直線の山麓側の角度 ( メッシュの中心点を通る等高線がない場合は 中心点に最も近接している等高線から類推する角度 ) を計測し 10 度括約で求める とされている 横断面形の概念図を図 4.4


平成 30 年度造林補助事業 (1- 四半期 ) の標準単価適用にあたっての留意事項 ( 共通事項等 ) 1 (1) ア イ ウ (2) アイウ エ (3) ア イ (4) 単価は 請負施行 請負施行以外 及び 消費税抜き の 3 通りとし その適用については次による 請負施行市町村 おかやまの森整

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萩地域森林計画書

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北海道立総合研究機構林業試験場年報平成 26 年度 (2014 年 ) 道産桜における芳香成分等の新たな利用方法の開発担当 G: 緑化樹センター緑化 G 道東支場 協力機関 : 東京農業大学 北海道大学 共働学舎新得農場 寒地土木研究所研究期間 : 平成 23 年度 ~26 年度区分 : 経常研究

1. 労務単価 平成 30 年度 2 省協定単価 普通作業員 20,100 円 特殊作業員 22,300 円 特殊運転手 22,800 円 軽作業員 13,900 円 交通誘導警備員 11,300 円 2. 間接費間接費のうち現場監督費については 事業の実行に直接必要な作業が現場労働者により実施され

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1 森林の多面的機能 かんよう 森林は 国土の保全 地球温暖化の防止 水源の涵養 生物多様性の保全 木材等の生産など 多面的 な機能を発揮 これらの多面的機能は 森林が適正に整備 保全されることにより発揮 国民の森林に期待する働きは 災害防止 温暖化防止などが上位 森林の多面的機能 国民の森林に期待

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平成 25 年度農林水産省委託業務報告書 平成 25 年度 水資源循環の見える化 調査 検討事業 報告書 平成 26 年 3 月 みずほ情報総研株式会社

(2) 対象齢級の範囲 1 上限 : 標準伐期齢の2 倍以下 2 下限 :6 齢級 (26 年生 ) 以上 本数調整が終了した森林は除外することができます 1,2 以外であっても 樹冠疎密度が8/10 以上の場合は間伐対象森林に含めることができます (3) 森林経営計画の間伐対象森林の設定 間伐の実

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利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

備えあれば 憂いなし 国立研究開発法人森林総合研究所監事鈴木直子 森林は社会的資本である と聞いたことがあります 資源が少ない日本では林業 ( 森林資源 ) 木材産業を営むことで生活 経済発展を遂げてきました 現在でもそうです 資源として守り 育ててきました 皆様ご承知のように林業は一代限りではなく

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(2)里山の整備

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1 森林の立木竹の伐採 造林並びに間伐及び保育に関する事項 植林する樹木は 杉 桧に限らず広葉樹も計画的に取り入れた方が良いと思う 1 Ⅱ-1-(3)- アに示しているとおり 人工造林に当たっては 適地適木を旨としており 針葉樹に限らず広葉樹も含め 自然条件等に適合した樹種を選定することとしていると

1-1 林地台帳の記載事項 1 林地台帳には 法改正案に規定されているものに加え 市町村の行政事務の円滑化や の施業集約化の効率化に資する情報を記載 ( 省令 通知で規定 ) 追加的な情報としては 経営計画の認定状況 保安林等法指定状況等を想定 ( これらはすでに市町村や 都道府県が有している情報

用語用語育成単層林 ( 単層林 ) 育成複層林 ( 複層林 ) 天然生林目標林型針広混交林広葉樹林天然更新目的樹種 ( 目的木 ) 前生稚樹散布種子埋土種子更新完了順応的管理散光 ( 散乱光 ) 直達光相対照度 GLI rppfd 本マニュアルにおける意味単一の樹冠層を構成する森林 主として人為によ


本計画書は 富士地域森林計画書の大綱及び計画数量をまとめたもので 各計 画区の共通事項をまとめた共通編と併せて構成されています

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7/ /4 7/30 18:00 19:00 7/31 10:00 15:00 7/31 10:00 15:00 8/20 12:30 15:00 8/21 13:00 15:00 ( 49ha) JA () TEL

森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の運用のガイドライン 平成 20 年 6 月 13 日 20 林整整第 328 号林野庁長官より各都道府県知事 ( 独 ) 森林総合研究所あて最終改正 : 平成 29 年 3 月 24 日 28 林政企第 416 号 第 1 基本方針 1 基本方針の策定森林

調査地 ( 千葉 403 号 ) 図 4.10 位置図 ( 千葉 403 号 )(1/25,000) 調査地 ( 千葉 403 号 ) a 畑雑草群落 b 水田雑草群落 12 シイ カシ二次林 16 クリ コナラ群集 34 スギ ヒノキ サワラ植林 38 竹林 図 4.11 植生区分図 ( 千葉 4

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本計画書は 静岡地域森林計画書の大綱及び計画数量をまとめたもので 各計 画区の共通事項をまとめた共通編と併せて構成されています

財団法人山梨県林業公社改革プランの概要 山梨県

1_ 背景 1. 林業の現状 林業作業員の高齢化 立木価格低迷による採算性悪化 長期の資本回収期間 (50 年以上 ) 経営意欲減退 2. 木材加工業の現状 国内広葉樹資源の枯渇 環境保護により輸入広葉樹の確保が困難 違法伐採木材を排除する クリーンウッド法 の施行 天然広葉樹の代替材を模索 上記課

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2 兵庫県神戸市北区 キーナの森 平成 28 年度開園予定の自然公園である. 放置された里山に手を入れることで, 希少種の保護を含めた豊かな生物多様性の保全 再生を行うともに, 環境学習や市民活動の拠点として活用することを目指している ( 神戸市建設局 HP). 写真 1. キーナの森での炭焼き実習

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なぜ今 早生樹 か? 1. 林業の現状と課題 スギ ヒノキなど針葉樹中心 材価は低位安定 齢級配置のピークが主伐期 (50-60 年生 ) 主伐 再造林の増加 長い投資回収期間 (50 年以上 ) 低い利回り 経営意欲低下 造林を確実に行うためには 収益性向上が必須 2. 広葉樹に依存する木材加工業

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2015 3

11 2326 4 23 24 25 26

2006 45 ID GPS ID 2014 286 142 86 36 19 25-80~90 100 47 -DBH- - 1 -

DBH30~40cm DBH50cm 30 286 285 H 50m H25~30m - 200~400 /ha 1,000 /ha - 0.2~0.3-20 006 - - -DB BH - - - - 2 -

4050 70 11 18 70 31 2007 30m30m VERTEX 0.1m 1.2m 1 60 62340 30780m537 20.148.8m28.9134.1cm 456.61992.6 m3 ヘクタールあたりの立木本数は 791216 123 43125 10850m3 45 16.830.2m20.146.2cm 285.31096.8 m3 ヘクタールあたりの立木本数は 3142050 140 2-3 -

-1 72 80 2 70 140 80 100-2 2007 31-4 -

1914 2014 101 408170190 120 0.2ha1977 1999 33178 /ha 37 1999 2000 4 7 2007 12 2012 5 12 27.5 14.8 49.5 3.3 5 12 r=0.616p<0.015 r=0.597p<0.0112 r=0.578p<0.01 12 1 5 12 0.2174-5 -

- 6 -

86 11 1914 2014 101 408140200 120 150250 /ha 6 104 1 2000 5 87 2001 5 88 1 14cm 2000 2011 11 1 1.5 1.8 4.3 3.5 3.3 2000 2011 11 0.63cm0.22cm 1.04cm 4.7 2 r0.464p<0.01r0.400p<0.01 r0.229p<0.05-7 -

1.5 1.0 0.5 0.0 1.5 1.0 0.5 1.5 1.5 r=0.464** r=0.400** r=0.229* 1.0 0.5 0.0 1.0 0.5 1.0 0.5 0.0 1.5 r=0.024 r=-0.081 0.0 0.0 ** 1* 5-8 -

- 9 -

- 10 -

- 11 -

a c a b b a b b a - 12 -

2011 395m 2 490m34 B D (d) 97 50 2006 12 14cm 5 5 2012 4 8 2014 8-1 20.4m 3 4 1320 /ha0.93 34.6% 40.7% 5 5 8-1 10-1 Wilcoxon p0.001-2steel-dwass p0.05-13 -

-3p 0.001p0.05 50-1 -1 Latham and Tappeiner 2002 2000-3 -2-3 200052101-102 LathamP. and TappeinerJ.2002Response of old-growth conifers to reduction in stand density in western Oregon forests. Tree Physiol. 22137-146 2011 9348-57 *** a a a m - 14 -

2012 4648 400mB D 28 4 24 3000 /ha 5 20 10 28 46 10 28 46 Kruskal-Wallis p0.01-1 Spearman p0.0110 28 28 p0.01-1 28 46-1 -1-1 - 15 -

-1-1 -1 2012 24411-17 - 16 -

421361012 27 40 40 20 JAS - 17 -

- 18 -

研究成果 群馬県内のスギ樹冠調査 群馬県林業試験場 林業試験場 石田敏之 1 はじめに 群馬県内の人工林は 伐期を迎え の人工林は 伐期を迎え柱材等への利用可能な林分が多くなっている しかし 実際に 林分が多くなっている しかし 実際に は皆伐再造林が敬遠され 結果的に多くの林分 が敬遠され 結果的に多くの林分が高齢になりつつある 短伐期林を大径林生産を目的とした 生産を目的とした長伐期林に移行させるためには 間伐の実施により の実施により樹冠を成 長させ 材積成長を確保する必要がある 確保する必要がある そこで 県内スギ人工林で最も面積が多い で最も面積が多い スギ 50 年生林分の樹冠と 長伐期林のモデルとなる 林分の樹冠と 長伐期林のモデルとなる 高齢林分 スギ 100 年生前後の高齢林 の樹冠を調査し 構造を明らかにした 年生前後の した 2 調査地と方法 調査地は県内のスギ 50 年生林分及び高齢林分とした 調査数は 50 年生林分 年生 23 林分 高齢林 年生が 分が 11 林分である 調査は である 調査は 平成 25 年度と 26 年度の2回に分け 成長停止期に行 成長停止期に行った 調査 項目は林分密度 樹高 胸高直径 枝下高 枝張りとした 樹高と枝下高はバーテックスによ 項目は林分密度 樹高 胸高直径 枝下高 枝張りとした 樹高と枝下高はバーテックスによ り 胸高直径は直径巻尺により 枝張りは巻尺で斜面上下 及びそれと直行する2方向の計4 方向を測定した 50 年生林分の調査では 調査プロットは設けず 植栽時の苗列間を基に5列 年生林分の調査では 調査プロットは設けず 植栽時の苗列間を基に5列 10 本分の面積に相当する区域を測定区とした 高齢林分の調査では 20m 本分の面積に相当する区域を測定区とした 高齢林分の調査では 20m 25mの区域を調 査区とした 写真-1 高齢林調査林分 写真-2 枝張り調査 3 結果と考察 全調査林分について 平均枝下高 平均樹冠長 平均樹冠長率を 平均枝下高 平均樹冠長 平均樹冠長率を 平均枝下高 枝下高を基準に並び 替えた結果を図-1に示す 高齢林 高齢林分では 平均枝下高は 8.0m から 16.6m 樹冠長率は 樹冠長率は 46 か ら 71 の範囲にあり 11 林分中2林分で 50 を下回ったものの 全般に樹冠長率は大きく を下回ったものの 全般に樹冠長率は大きく 大径材生産に適した施業が行われてきたと推測できる 一方 年生林分の平均枝下高は 7.6m 大径材生産に適した施業が行われてきたと推測できる 一方 50 から 17.2m 樹冠長率は 26 から から 68 の範囲にあり林分による差が大きかった 差が大きかった 藤森(2005)は 大径の良質材生産の目安は 少なくとも 大径の良質材生産の目安は 少なくとも樹冠長率が 50 以上ほしいと述べている 以上ほしいと述べている 今回の調査 で 50 年生林分は 全体の 2/33 がこの値を満たしていない これらの林分では 間伐により これらの林分では 間伐により枝の 枯れ上がりを防ぎ 枝下高を 枝下高を維持することにより樹冠長率を大きくする施業が必要となる 施業が必要となる - 19 -

- 60cm - 3.9 200 ha 60cm 2005 44:4-8 - 20 -

35 100250 cm () 100 85 2013, 94. 182-187 - 21 -

(m) () (/ha) (/ha) 1) 6726 236 359 783360 7418 6413.8 ( 3 /ha) 3 /ha 0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000 ( 3 /ha 3 /ha) ( 3 /ha) 3 /ha 0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000 ( 3 /ha 3 /ha) 0 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 10 0 20 60 100 0 20 60 100 0254-72-1172-22 -

は林分材積 ( m3-23 -

- 24 -

研究成果 高齢林も対象とした山梨県版システム収穫表の作成 山梨県森林総合研究所田中格 1. はじめに長伐期施業については山梨県有林でも導入が開始されていて 県有林等の事業担当者 林業普及指導員等から高齢林の予測も可能な収穫表の作成が要望されている そこで 長伐期に対応した育林技術指針を提供することを目的として 100 年生を越える高齢林に対応したシステム収穫表の作成を試みた 2. 方法システム収穫表作成の対象樹種 スギ ヒノキ カラマツである ここで システム収穫表 LYCS をベースとした山梨版システム収穫表を作成することとし 以下の調査を行った 山梨適用版作成のデータ収集として 選定した高齢林 (100 年生上 ) の毎木調査を実施するとともに 山梨県有林が実施した 収穫予定林分の蓄積量調査データを収集した また 間伐効果のデータとして 県有林の間伐実施林分において 間伐前と直後のデータを収集し 同林分の間伐実施 3~5 年後の追跡調査を行った 以上の測定 収集データに基づき 林齢 - 樹高曲線の修正を行い 測定 収集データを組み込んだ山梨県版システム収穫表 (LYCS) を共同研究者で LYCS 開発者の1 人である東京大学大学院の中島徹助教に作成いただいた 3. 結果樹高曲線については スギおよびヒノキの樹高曲線は既存の林分収穫予想表の樹高曲線と異なる曲線を示した ここで スギ ヒノキともに高齢でも樹高が暫増するミッチャーリッヒ式で近似されたことから 高齢になっても樹高の成長が頭打ちにはならないことが明らかになった また カラマツは 既存の樹高曲線と概ね一致した線型対数式で近似される曲線となったため 既存の林分収穫予想表で採用されている式をそのまま当てはめても問題ないことが明らかになった 修正された樹高曲線を図 -1 修正前後の樹高曲線を図-2 図-3 に示す 以上の修正された樹高曲線式のパラメータおよび測定 収集されたデータを組み込んで LYCS をベースとするシステム収穫表が作成された 4. システム収穫表の活用 ( 試行 ) 作成したシステム収穫表は 試行段階ではあるが 山梨県有林の管理 経営の基本方針である 山梨県有林管理計画の立案のツールとして使用されている また 林業普及指導員による普及対象林分の間伐効果の試算のツールとして使用され 民有林の間伐推進に活用されている 5. 今後の課題 作成されたシステム収穫表については 実証試験に基づく精度の検証等が行われていない 今後は 県有林等の行政機関と連携して 精度向上のための実証試験を実施する必要がある - 25 -

35 スギ 30 25 20 15 10 5 0 図 -1 35 ヒノキ 30 25 20 15 10 5 0 35 カラマツ 30 25 20 15 10 5 0 0 20 40 60 80 100 林齢 ( 年 ) 高齢林テ ータを追加して作成された樹高曲線地位上地位中地位下 - 26 -

45 2014 2010 1 20062012 50 10 3 30 80 2 33 5ha 200/ha 4t 500 1 6 15,000 / 40km3,000 / 3 2013 12 3 20132 100-27 -

2013 724:18 2006. 2012 840:34-38 2014 4329-33 /ha cm 50 9 1,700 28.7 26.3 cm / 3 3 1618 12,300 4 1618 11,000 2022 12,000 2428 13,000 30 14,000 6 1618 16,000-28 -

21 25 2014 2 3 2014 27 2010 2005-1 2010 2011-2 - 29 -

間伐手法選定フロー 間伐方法を選択するためのフローチャート (4)冊子 木材生産のための過密林の間伐のしかた の作成 研究成果を取りまとめて 行政機関や現場に向けた普及用の冊子 指針書 を作成した 図 -3 この指針書では過密林を出発点とした目標林型設定の考えかたを示し 目標林型や林地条件に合わせて間伐手法を選択すること 林分構造の健全化をめざすため基本的には下層間伐を採用すること 林分構造が急激に変化するような間伐 強度間伐や列状間伐 をできるだけ避けること 列状間伐を採用する場合も繰り返し行わないこと を過密林の間伐指針 施業指針 とした 3 成果の普及 冊子は県の普及職員 現場職員を対象にした林業技術者研修 図-4 を通じて関係者に配布 しているほか 岐阜県森林研究所の web サイト http://www.forest.rd.pref.gifu.jp/ から入手でき る 公表以来 特に現場からの問い合わせを多くいただいている 図-1 相対幹距比早見カード 図-2 枝下高管理図 図-4 成果の普及 一例 図-3 普及用の冊子 指針書 引用文献 大洞智宏 2010 岐阜県版スギ ヒノキ細り表の作成 岐阜県森林研研報 39 1-18 大洞智宏 渡邉仁志 2014 ヒノキ人工林における個体の大きさと直径成長量の関係 日林学 術講(CD-ROM) 125 231 臼田寿生 古川邦明 2014 間伐手法の違いがスギ過密人工林の収穫に与える影響 岐阜県森 林研研報 43 29-33 渡邉仁志 2005 シルブの森 で予測するヒノキ林の成長過程 森林技術 764 26-27 渡邉仁志 2011 立木のまま末口径を推定 細り早見カード 林業新知識 686 8-9 横井秀一 2010 列状間伐を繰り返すことの問題点 列状間伐を考える 列状間伐研究会編 関東 中部林業試験研究機関連絡協議会 17-18 - 30 -

高齢林の林型および成立条件に関する研究会 参画機関 ( 独 ) 森林総合研究所茨城県林業技術センター群馬県林業試験場埼玉県農林総合研究センター森林 緑化研究所千葉県農林総合研究センター森林研究所新潟県森林研究所富山県農林水産総合技術センター森林研究所山梨県森林総合研究所長野県林業総合センター岐阜県森林研究所静岡県農林技術研究所森林 林業研究センター愛知県森林 林業技術センター 高齢林の林型および成立条件に関する研究会報告書 2015 年 3 月 関東 中部林業試験研究機関連絡協議会 高齢林の林型および成立条件に関する研究会 連絡先 関東 中部林業試験研究機関連絡協議会事務局 ( 独 ) 森林総合研究所企画部研究管理科 305-8687 茨城県つくば市松の里 1 電話 029-873-3211 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanchu/