報告書の主な内容 2012 年度冬季の電力需給の結果分析 2012 年度冬季電力需給の事前想定と実績とを比較 検証 2013 年度夏季の電力需給の見通し 需要面と供給面の精査を行い 各電力会社の需給バランスについて安定供給が可能であるかを検証 電力需給検証小委員会としての要請 2013 年度夏季の電

Similar documents
資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

スライド 1

2 空 白

目次 はじめに 第 1 章 2012 年度冬季の電力需給の結果分析 各電力会社管内における電力需給の状況 供給 ~ 事前の想定から 437 万 kw 需要 ~ 事前の想定から 830 万 kw

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

参考 :SWITCH モデルの概要 SW ITCH モデル は既存の発電所 系統 需要データを基にして 各地域における将来の自然エネルギーの普及 ( 設備容量 ) をシミュレーションし 発電コストや CO 排出量などを計算するモデルです このモデルでは さらに需要と気象の時間変動データから 自然エネ

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

1. 調整力公募について 本年 4 月に施行された第 2 弾の改正電事法により 新しいライセンス制度が導入されたことを受け 一般送配電事業者が電力供給区域の周波数制御 需給バランス調整を行うこととなっている そのために必要な調整力を調達するにあたって 一般送配電事業者は原則として公募の方法で調達する

Microsoft Word - 報告書.doc

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達

はじめに 1 電源 Ⅱ 事前予約の検証について 四国エリアにおいては 太陽光発電の計画差 ( 下振れ ) により十分な予備力が確保できなくなるおそれがある場合に電源 Ⅱ 事前予約を実施しています 今回 2018 年 8 月 9 月における電源 Ⅱ 事前予約の実績について事後検証を実施しました

本日の内容 2 一般送配電事業者が電源 Ⅰ の公募調達を行うに当たり 広域機関は 一般送配電事業者が募集量を設定する際の基本となる考え方を示す必要がある 217 年度の調整力公募における電源 Ⅰ 必要量の基本的な考え方について改めて整理したので 電源 Ⅰ Ⅰ 必要量の考え方等についてご議論いただきた

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

untitled

Microsoft PowerPoint - 22_容量市場(松久保)

電気事業分科会資料

RIETI Highlight Vol.66

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

<4D F736F F F696E74202D A C5817A81798E9197BF A C838B834D815B C68C6F8DCF89658BBF82C982C282A282C481798DC58F498BA68B A E >

2017(平成29)年度第1四半期 決算説明資料

ご迷惑をおかけしますが 今夏 節電にご協力をお願いします 今夏 電力不足が懸念されます 政府 電力会社においては 引き続き供給力の確保に最大限の努力をして参りますが それでもなお電力需要と供給力にはギャップが発生することが懸念されます 大変なご迷惑をおかけしますが 需給ギャップによる停電の発生を回避


新電力のシェアの推移 全販売電力量に占める新電力のシェアは 216 年 4 月の全面自由化直後は約 5% だったが 217 年 5 月に 1% を超え 218 年 1 月時点では約 12% となっている 電圧別では 特別高圧 高圧分野 ( 大口需要家向け ) は時期により変動しつつも 全体的には上昇

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

) まとめ シート 複数の電源に共通する条件等を設定します 設定する条件は 以下の 6 つです. 割引率 - 0% % % 5% から選択. 為替レート - 任意の円 / ドルの為替レートを入力. 燃料価格上昇率 ( シナリオ ) - 現行政策シナリオ 新政策シナリオを選択 4. CO 価格見通し

<4D F736F F F696E74202D F8D7793FC94CC E F181408E9197BF31312D32816A2E B8CDD8AB B83685D>

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

UIプロジェクトX

平成22年3月期 決算概要

表 1 小売電気事業者( 新電力とみなし小売電気事業者の総計 ) の平成 29 年 3 月分 販売電力量 ( エリア別 ) 販売電力量合計 ( 単位 :MWh) その他需要 合計 北海道 260,709 1,129,470 1,028, ,749 8,428 2,730,690 東北 1

1 節電のお願い 2014 年度夏季の節電へのご協力のお願い 2014 年度夏季の電力需給は 中部及び西日本全体の予備率は電力の安定供給に最低限必要とされる予備率 3% を下回る見込みであり 電力需給は非常に厳しい見通しです 東日本から電力融通を行うことにより 中部及び西日本においても電力の安定供給

本日の議論 2 本日は 6 月に実施する以下の業務における需給バランスの評価における供給予備力の基準について ご議論いただく 供給計画とりまとめ (STEP0, 対象 : 第 1 年度 ~ 第 10 年度 ) 電源入札等の検討開始の要否判断のための需給バランス評価 (STEP1, 対象 : 第 1

資料 1 申込代行事業者さまにご確認 ご対応いただく内容 1. 同封資料の内容について ご確認をお願いいたします 1 今回 当社からご確認させていただく対象は ( 資料 2) 今回確認の対象となる発電所一覧 に記載している発電所です 複数の発電所を申込みいただいた申込代行事業者さまについては ダイレ

第 1 四半期の売上収益は 1,677 億円となり 前年からプラス 6.5% 102 億円の増収となりました 売上収益における為替の影響は 前年 で約マイナス 9 億円でしたので ほぼ影響はありませんでした 事業セグメント利益は 175 億円となり 前年から 26 億円の減益となりました 在庫未実現

申込代行事業者さまへのお知らせについて

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

安定供給の確保に係る事業者等の役割 1 第 2 段階においてライセンス制が導入された以降も安定供給を維持するためには 各事業者等がそれぞれに課された責務をしっかりと果たしていくことが求められます 特に 小売事業者が果たすべき役割は重要であり 自社顧客の需要に応じた供給力を確保するためのインセンティブ

説明 年間断面におけるマージンの値 2 間接オークション導入が 2018 年 10 月 1 日からとなったことを踏まえ 10 月以降分のマージンについて間接オークション導入後に適用される送配電等業務指針に基づき設定する 変更後の送配電等業務指針では 実需給断面におけるマージンが必要な場合を除き 原則

2018年度第1四半期 決算説明資料

説明 年間断面におけるマージンの値 2 間接オークション導入が 2018 年 10 月 1 日からとなったことを踏まえ 10 月以降分のマージンについて間接オークション導入後に適用される送配電等業務指針に基づき設定する 変更後の送配電等業務指針では 実需給断面におけるマージンが必要な場合を除き 原則

第1章

□120714システム選択(伴さん).ppt

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

Microsoft PowerPoint - 00.表紙.ppt [互換モード]

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

1. 調査の目的 物価モニター調査の概要 原油価格や為替レートなどの動向が生活関連物資等の価格に及ぼす影響 物価動向についての意識等を正確 迅速に把握し 消費者等へタイムリーな情報提供を行う ( 参考 )URL:

<4D F736F F D A A92B78AFA C838B834D815B8EF98B8B8CA992CA82B E82AF8D9E82DC82B581468C6F8E598FC8834E838C A2E646F6378>

種類以上 再生可能エネルギー 100% のメニューだけでも 5~60 種類あり 新規参入が低調になりやすい家庭部 門においても 豊富な選択肢が確保されている 表 1: 米国の全面自由化実施州における新規参入状況 自由化中断 廃止州 : 7 州 ( カリフォルニア ネバダ アリゾナ ニューメキシコ モ

注 1: 要件の判断に係る算定に当たっては 複数の発電用の電気工作物が同一の接続地点に接続している場合は 一つの発電用の電気工作物とみなす 注 2: 特定発電用電気工作物に該当しない電気工作物は 発電事業の要件 ( 小売電気事業用等接続最大電力の合計が 1 万 kw 又は 10 万 kw を超えるも

MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

Microsoft PowerPoint - ä¹šå·žéł»å−łï¼ıㅊㅬㇼㅳè³⁄挎+报本語; [äº™æ‘łã…¢ã…¼ã…›]

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

. 石垣島における電力系統の概要 Copyright The Okinawa Electric Power Company, Incorporated. All Rights Reserved.

経営指標の概要 ( 電気事業 ) 1. 経営の状況 ( 電気事業全体で算出 ) 算出式 ( 法適用事業 ) 算出式 ( 法非適用事業 ) 1 経常収支比率 (%) 1 収益的収支比率 (%) 指標の意味 経常収益 100 経常費用 総収益 100 総費用 + 地方債償還金 法適用企業に用いる経常収支

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52%

Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者

<4D F736F F D F CD94AD93648BA689EF938A8D65815E8C6E939D CC897E8A8A89BB814592E197F589BB82CC8EE691678

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

Q4. 出力制御を実施した場合 公平に制御されていることは どのように確認出来るのか A. 再エネの出力制御を実施した場合は 電力広域的運営推進機関による妥当性の検証を受けることになっています ( 月単位で 検証を実施 ) なお 九州エリアの離島 ( 壱岐 種子島 徳之島 ) では 既に出力制御を実

<4D F736F F F696E74202D C5817A936497CD8EA BB8CE382CC89CE97CD94AD A8E912E >

1 節電のお願い 2013 年度夏季の節電へのご協力のお願い 2013 年度夏季の電力需給は 2010 年度夏季並の猛暑となるリスクや直近の経済成長の伸び 企業や家庭における節電の定着などを織り込んだ上で いずれの電力管内でも安定供給に最低限必要とされる予備率 3% 以上を確保できる見通しです 他方


電気料金種別定義書 動力プラン 株式会社 Looop

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

21世紀に向けての 東京ガス・経営ビジョン -中期経営計画を中心として-

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A FEE95F192F18B9F82D682CC91CE899E2E >

まさしく先人から引き継いだ電力社員のスピリッツそのものであります 未だに余震も発生しておりますが 九州電力においては 引き続き 電力供給に最善を尽くすとともに 電事連といたしましても 必要な支援は速やかに実施してまいりたいと考えております 4 月から小売全面自由化が始まり 電力各社はお互いがライバル

発電単価 [JPY/kWh] 差が大きい ピークシフトによる経済的価値が大きい Time 0 時 23 時 30 分 発電単価 [JPY/kWh] 差が小さい ピークシフトしても経済的価値

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

スライド 1

平成 29 年 7 月 地域別木質チップ市場価格 ( 平成 29 年 4 月時点 ) 北東北 -2.7~ ~1.7 南東北 -0.8~ ~ ~1.0 変動なし 北関東 1.0~ ~ ~1.8 変化なし 中関東 6.5~ ~2.8

平成 28 年度エネルギー消費統計における製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) のエネルギー消費量を部門別にみると 製造部門で消費されるエネルギーは 1,234PJ ( 構成比 90.7%) で 残りの 127PJ( 構成比 9.3%) は管理部門で消費されています 平成 28 年度エ

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan

けいはんなエコシティ次世代エネルギー 社会システム実証プロジェクトにおける 電気のかしこい使い方プログラム の今夏の実施結果と今冬の実施概要について 平成 25 年 12 月 2 日関西電力株式会社三菱電機株式会社三菱重工業株式会社 関西電力株式会社 三菱電機株式会社 三菱重工業株式会社の 3 社は

今年度の算定項目 P2 今年度の算定項目は以下のとおり (1)2016 年度の需要実績等に基づく接続可能量 (2017 年度算定値 ) 風力の接続可能量 (2017 年度算定値 ) 太陽光の接続可能量 (2017 年度算定値 ) (2)2014 年度 ~2016 年度の需要実績等に基づく指定ルール事

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

スイッチングの状況 (2017 年 3 月時点 ) 本年 3 月末時点での新電力への契約先の切替え ( スイッチング ) 件数は約 4.7%( 約 295 万件 ) 大手電力 ( 旧一般電気事業者 ) の自社内の契約の切替件数 ( 規制 自由 ) は約 4.1% ( 約 258 万件 ) であり 合

<4D F736F F D A6D92E894C5817A8E9197BF CF6955C8E9197BF88C CF88F589EF8CE38F4390B3817A2E646F6378>

untitled

<4D F736F F F696E74202D203033A28AC28BAB96E291E882C6B4C8D9B7DEB05F89FC92E894C55F88F38DFC B8CDD8AB B83685D>

変更履歴 年月日内容 作成 第 6 章適用時期およびアクセス案件の取り扱い (2) 電源接続案件募集プロセスへの対応について当面の適用方法 ( 補足 ) を追記 章構成を変更 第 2 章前提条件 適用する系統分類を明確化 適用系統に応じた潮流

第 21 回系統 WG プレゼン資料資料 1 九州本土における再エネ出力制御の実施状況について 年 4 月 2 6 日 九州電力株式会社

力率 1.0(100%) の場合 100% の定格出力まで有効電力として発電し 出力できます 力率 0.95(95%) の場合は 定格出力の 95% 以上は有効電力として出力できません 太陽光発電所への影響 パワコンの最大出力が 95% になるので 最大出力付近ではピークカットされます パワコンの出

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

公表内容 2 本機関は業務規程第 22 条に基づき 需要想定の前提となる経済指標として 以下の項目の見通しを策定し 公表します ( 全国の経済見通しの策定 ) 第 22 条本機関は 需要想定の前提となる人口 国内総生産 (GDP) 鉱工業生産指数 (IIP) その他の経済指標について 当年度を含む

今回の調査の背景と狙いについて当社では国のエネルギー基本計画の中で ZEH 普及に関する方針が明記された 200 年より 実 邸のエネルギー収支を調査し 結果から見えてくる課題を解決することが ZEH の拡大につなが ると考え PV 搭載住宅のエネルギー収支実邸調査 を実施してきました 205 年

再生可能エネルギーの自立に向けた取組の加速化 1 FIT 制度の創設当初は 量 の拡大を重視し 固定価格と買取義務に依拠した売電モデルの下で 高コストで大量 多様なプレーヤーが再生可能エネルギー発電事業に参入 世界的に脱炭素化へのモメンタムが高まり 再生可能エネルギーがコスト競争力のある主力電源とな

Microsoft Word 後藤佑介.doc

海外における電力自由化動向

再生可能エネルギーの全量買取に 関するプロジェクトチームについて

マージンバランス給運用容量4 周波数維持用容量空容量その他需現状と課題 1 現状の北海道本州間連系設備 ( 以下 北本 という ) の運用容量 マージンの考え方 交流連系線における運用容量の考え方と異なり 北本は設備容量を運用容量としている 北本 ( 両方向 : 以下 記載省略 ) では 交流連系線

バイオ燃料

Transcription:

電力需給検証小委員会報告書について ( 概要 ) 平成 25 年 4 月 資源エネルギー庁

報告書の主な内容 2012 年度冬季の電力需給の結果分析 2012 年度冬季電力需給の事前想定と実績とを比較 検証 2013 年度夏季の電力需給の見通し 需要面と供給面の精査を行い 各電力会社の需給バランスについて安定供給が可能であるかを検証 電力需給検証小委員会としての要請 2013 年度夏季の電力需給の安定化のために取り組むべき需給対策の検討を政府に要請 1

2012 年度冬季の需給検証 全体 いずれの電力会社管内においても 最大需要日において 瞬間的な需要変動に対応するために必要とされる予備率 3% を超えており 需給ひっ迫に至ることはなかった 事前の想定と比較すると 供給は 437 万 kw 需要は 830 万 kw であった 気温の影響により需要が想定よりも少なかったこと ( 参考 1) や これにより 調整火力発電を停止したことによる供給減 ( 参考 2) 等が事前の想定と実績との差の要因と考えられるが 事前の想定は概ね適切であったと評価できる ( 万 kw) 北海道東北東京中部関西北陸中国四国九州 9 社合計 事前の見通し 差分 供給 606 1,516 5,074 2,380 2,683 555 1,162 524 1,623 16,123 16,551 428 需要 552 1,372 4,743 2,258 2,432 505 995 477 1,423 14,757 15,587 830 予備率 +9.9% +10.5% +7.0% +5.4% +10.3% +10.0% +16.7% +9.8% +14.1% +9.3% +6.2% 2

( 参考 1)2012 年度冬季の需給検証 需要面について 実績 見通し ( 万 kw) 差の主な要因検証から得られた示唆 合計 830 気温影響等 391 2012 年度冬季は平年より寒い冬だったが 2010 年度冬季と比べると 最大需要日の気温が上回ったエリアが多かった 引き続き 今後の需給見通しにおいても 平年並みではなく 猛暑や厳寒などのリスクサイドで評価する必要 経済影響等 271 2012 年度の実質 GDP の伸び率の鈍化 (+2.2% 想定から +1.2% に減少 ) 節電影響 168 照明 空調等による節電が幅広く実施された 節電意識の高まりにより 数値目表を伴わない節電要請においても一定の効果が見られた 9 電力の最大需要発生日における値を合計 3

電源 合計 ( 参考 2)2012 年度冬季の需給検証 供給面について 実績 見通し 1 ( 万 kw) 428 差の主な要因 検証から得られた示唆 原子力 +10 海水温度低下による出力増 火力 781 需給のひっ迫がなかったため 調整火力を停止したことによる減少 2 火力発電について 計画外停止は 前年度よりも増加 水力 +107 西日本では 降水量が多かったため増加 地域によっては 事前想定を下回ったが広域融通を前提として 概ね想定は妥当 揚水 +46 需要減少に伴う 増 地熱太陽光風力 融通調整 新電力への供給等 +100 +50 冬型の気圧配置の強まりによる風力の増 午前中にピーク需要が発生したことによる太陽光の増 ( 各社の最大需要日が異なっているため 全国ではゼロにならない ) +40 新電力への供給減 太陽光 風力ともに最大需要発生時に出力の実績がゼロとなる地域があった ( 確実な供給力としては見込めず ) 1 9 電力の最大需要発生日における値を合計 2 電力需給のひっ迫がない中で 最大需要日に稼働させなかった火力発電及び 火力発電の計画外停止も含む 4

2013 年度夏季の需給検証に当たっての基本的な考え方 (1 需要 ) 需要面 項目気温影響経済影響節電影響 想定の考え方 2010 年度夏季並の猛暑を想定 直近の経済見通しを反映し 地域実情を考慮 2012 年度夏季からの節電継続率を反映 需要想定にあたっては 猛暑となることを推定しつつ 節電の定着状況 直近の経済見通しを踏まえて想定 2013 年度夏季の需要想定にあたっては 各要因について 以下の前提で試算した 1 気温影響 :2010 年度夏季並みの猛暑を想定 2 経済影響 : 直近の経済見通し及び 工場 スーパー等の新規出店 撤退等の地域実情を考慮 3 節電影響 :2012 年度夏季の節電実績を踏まえ 直近 (2013 年 2 月 ) に実施したアンケート調査をもとに 定着する節電 を想定 < 変動要因 > 電力需要想定気温経済節電 算出の方法 2010 年度夏季需要 ( 実績 ) 気温 : 猛暑 経済 : 通常 節電 : なし ( ベース ) 定着節電分 経済影響等 気温影響 経済影響等 定着節電の減少分 2013 年度夏季需要の前提 気温 : 猛暑 経済 : 直近の経済見通し 節電 : 定着分あり 2012 年度夏季需要 ( 実績 ) 気温 : 猛暑 (2010 年度よりは低い ) 経済 : 低迷 節電 : あり ( 実績 ) 5

2013 年度夏季の需給検証に当たっての基本的な考え方 (2 供給 ) 供給面 項目原子力火力水力揚水 想定の考え方 現状と同じく 大飯原発 3 4 号機を供給力として計上 保安上 定期検査せざるを得ないものを除き 稼働させて供給力を確保 被災火力の再稼働等を折り込み 等 リスクサイドに立って渇水等を想定 夜間の余剰電力等を踏まえ可能な限り活用 再生可能エネルギー ( 太陽光 風力 ) 太陽光発電は 固定価格買取制度による導入増を考慮しつつ 確実に見込める出力を評価 風力発電は風況によりピーク時に出力がゼロになることがあり 供給力として計上しない 6

2013 年度夏季の電力需給見通しについて 2013 年度夏季の電力需給の見通しは 2010 年度夏季並の猛暑となるリスクや直近の経済成長の伸びなどを織り込んだ上で 定着節電が確実に実施されることを前提に いずれの電力会社管内でも瞬間的な需要変動に対応するために必要とされる予備率 3% 以上を確保できる見通し 他方 9 電力管内 において大規模な電源脱落等が発生した場合には電力需給がひっ迫する可能性 ( 参考 3) もあり 引き続き予断を許さない状況であることに留意が必要 北海道電力 東北電力 東京電力 中部電力 関西電力 北陸電力 中国電力 四国電力及び九州電力 2013 年度夏季の見通し 2010 年度並の猛暑を想定し 直近の経済見通し 2012 年度夏季の節電実績を踏まえた定着節電を織り込み 8 月 ( 万 kw) 東 3 社 北海道東北東京 中西 6 社 中部関西北陸中国四国九州 9 電力沖縄 供給力 7,857 524 1,520 5,813 9,827 2,817 2,932 574 1,250 595 1,659 17,684 238 最大電力需要 7,365 474 1,441 5,450 9,279 2,585 2,845 546 1,131 562 1,610 16,644 156 定着節電 ( ) は 2010 年度比 32 ( 6.3%) 56 ( 3.8%) 629 ( 10.5%) 109 ( 4.0%) 268 ( 8.7%) 23 ( 4.0%) 43 ( 3.6%) 31 ( 5.2%) 149 ( 8.5%) 供給 需要 492 50 79 363 548 232 87 28 119 33 49 1,040 83 ( 予備率 ) 6.7% 10.5% 5.5% 6.7% 5.9% 9.0% 3.0% 5.2% 10.5% 5.9% 3.1% 6.2% 53.1% 沖縄電力については 本州と連系しておらず単独系統であり また離島が多いため予備率が高くならざるを得ない面があることに留意する必要 7

( 参考 3) 需給ひっ迫リスクについて ( 感度分析 ) 過去 5 年間の夏季の中西日本各社同日の最大計画外停止は 2011 年 9 月 4 日に 644 万 kw これが発生した場合には 随時調整契約の発動や周波数変換設備 (FC) を通じた東日本からの融通を行っても 中西日本で予備率 2.1% となり 安定供給に最低限必要な 3% を下回る こうしたリスクへの備えとして 随時調整契約の積み増し アグリゲーターやネガワット取引等の需要面の対策や自家発電の購入増等の供給面の対策によって万全を期す必要 リスク要因 追加対策等 計画外停止リスク過去 5 年間の夏季の中西日本各社同日の最大実績 : 644 万 kw 644 東日本からの融通 ( 周波数変換設備 (FC) の能力により制約 ) +120 気温上昇に伴う需要増 猛暑想定を織り込み済み ただし 気温が更に 1 上昇の場合 252 万 KW 需要増 随時調整契約の発動による需要減 +165 景気の着実な回復による需要増 直近の経済見通し及び工場の出店等の地域実情を織り込み済み ただし G DP 成長率 ( 対前年度比 ) が 1.0% 増加の場合 93 万 kw 需要増 (GDP 弾性値を 1.0 と仮定 ) 2013 年度夏季 (8 月 ) の需給見通し ( 万 kw) 中西 6 社中部関西北陸中国四国九州 1 供給力 9,827 2,817 2,932 574 1,250 595 1,659 2 需要 9,279 2,585 2,845 546 1,131 562 1,610 1 供給 2 需要 548 232 87 28 119 33 49 予備率 5.9% 9.0% 3.0% 5.2% 10.5% 5.9% 3.1% 中西日本各社同日の計画外停止の最大実績 ( 夏季の過去 5 年間 ) 年度夏季最大発生日 2008 年度 231 万 kw 8 月 31 日 2009 年度 470 万 kw 7 月 31 日 2010 年度 308 万 kw 9 月 12 日 2011 年度 644 万 kw 9 月 4 日 2012 年度 444 万 kw 7 月 13 日 中西日本 +2.1%(+189 万 kw) 2013 年度夏季の中西日本の予備力 (+548 万 kw) 最大計画外停止 ( 644 万 kw) + 随調 (+165 万 kw) + 東日本からの融通 (+120 万 k W)=+189 万 kw この場合 予備率 3% を確保するには +84 万 kw の更なる追加対策等が必要 事前に用意 天候等の不確定要素あり 更なる追加対策等 需要随時調整契約の積み増し アグリゲーターやネガワット取引の活用等 供給 需要 供給 自家発電の購入増 卸取引市場の活用等 西日本の合計最大電力と合成最大電力の差分 試運転火力の調整が順調に進んだ場合や 日射量が想定以上の場合の太陽光発電の供給増 8

燃料費増加の見通し 原子力発電の稼働停止に伴う火力発電の焚き増しによる 2012 2013 年度の燃料費の増加について試算したところ以下の通り 2013 年度は 2012 年度推計に用いた燃料価格を 直近の為替動向を踏まえ為替レートを 1 ドル 100 円に補正し 原子力の稼働を 2012 年度と同等と仮定して推計 電力 9 社計 2010 年度実績 2011 年度実績 2012 年度推計 2013 年度推計 総コスト約 14.6 兆円約 16.9 兆円約 18.1 兆円 燃料費 約 3.6 兆円 約 5.9 兆円 約 7.1 兆円 ( 第 3 四半期までの実績 に基づく試算 ) うち原発停止による燃料費増 +2.3 兆円 内訳 LNG +1.2 兆円石油 +1.2 兆円石炭 +0.1 兆円原子力 0.2 兆円 +3.1 兆円 内訳 LNG +1.4 兆円石油 +1.9 兆円石炭 +0.1 兆円原子力 0.3 兆円 +3.8 兆円 内訳 LNG +1.6 兆円石油 +2.4 兆円石炭 +0.1 兆円原子力 0.3 兆円 燃料増が総コストに占める割合 (%) 約 13.6% 約 17.1% 原子力利用率 66.8% 25% 3.8% 3.8% ( 備考 )2012 年度推計については 昨年 10 月に行った試算 (+3.2 兆円 ) から若干減少したが これは 石油価格が昨年後半に低下した影響である ( 参考 : 低硫黄 C 重油の事業者間指標価格 :2012 年 1~3 月 70,490 円 /kl 2012 年 4~6 月 75,440 円 /kl 2012 年 7~9 月 65,320 円 /kl 2012 年 10~12 月 67,720 円 /kl 2013 年 1 月 ~3 月 75,630 円 /kl ) 9

まとめ 1.2013 年度夏季の電力需給の見通しは 国民各層の節電の取組が継続されれば いずれの電力管内も 電力の安定供給に最低限必要な予備率 3% 以上を確保できる見通し 2. 但し 大規模な電源脱落等があれば電力需給がひっ迫する可能性があり また 本小委員会で見込んだ以上に景気が上昇し 需要が想定よりも大きくなる可能性もある 3. したがって 次の対策が必要と考えられる 1 国民の節電の取組が継続されるよう 無理のない形での節電が確実に行われるよう要請することを検討 2 価格メカニズムの活用を含め 費用対効果を考慮しつつ ディマンドリスポンス等の取組を拡大 3 需給ひっ迫する電力会社が 他の電力会社や自家発事業者から より広域的 機動的に電力融通を行う枠組みの整備等 4. 電力需給の量的なバランスのみならず コストについても 十分に留意する必要 原発の稼働停止に伴う火力発電の焚き増しによる燃料費のコスト増は 2013 年度には2010 年度比で3.8 兆増の予想 コスト低減の取組が必要 10