目 次 第 1 章計画の策定に当たって 計画策定の背景と趣旨 計画の期間 国の動き 第 2 章就学前子どもの状況 就学前子どもの数の推移 教育 保育のニーズ 第 3 章公立の

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流山市子ども・子育て会議

子ども・子育て支援新制度の解説資料 1.制度概要 その1

私立幼稚園の新制度への円滑移行について


2. 子ども人口の推計について 人口推計は 今後の教育 保育の量の見込みを算出する上で非常に重要であるため 改めて平成 30 年度及び平成 31 年度の人口推計値を算出しました 当初計画値と実績値を比較すると 人口は計画値ほど減少しないことから平成 30 年度以降も人口減少は緩やかなものとして見直し

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第2節 茨木市の現況

幼児期の教育 保育の需給計画 ( 平成 28 年度実績 ) の点検 評価結果について 資料 2 1 需給計画の策定 かながわ子どもみらいプラン においては 待機児童の解消を図り 子育て家庭のニーズにあった就学前児童の教育 保育の提供体制の充実を計画的に進めるため 各年度 ( 平成 27 年度 ~ 平

1 計画改訂の趣旨 (1) 趣旨 1 (2) 見直しのための考え方 2 (3) 対象期間 2 (4) 対象事業 2 2 教育 保育の 量の見込み 及び 確保方策 について (1) 就学前の推計児童数 3 (2) 教育 保育の 量の見込み 3 (3) 量の見込み に対する 確保方策 4 (4) 見直し

目次 第 1 章再編計画策定の趣旨 2 第 2 章就学前の子育てを取り巻く状況の変化 3 第 3 章再編計画の基本的な考え方 7 第 4 章公立幼稚園再編 ( 認定こども園整備 ) 計画 9 2

 

目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

(2) 施設の状況 幼稚園施設は 昭和 50 年前後に建築され 築 30 年以上が経過しています ( 表 2) ( 表 2) 公立幼稚園施設一覧 施設名称 竣工年月 構造 階数 酒匂幼稚園 昭和 48 年 2 月 鉄筋コンクリート造 ( 一部鉄骨造 ) 地上 2 階 東富水幼稚園 昭和 46 年 3


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茨木市待機児童解消保育所等整備計画 ( 平成 30~32(2020) 年度 ) 平成 30 年 12 月 茨木市

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

1 計画見直しの趣旨 中央区では 平成 27 年 4 月の子ども 子育て支援新制度実施に伴い 幼児期の教育 保育および地域子ども 子育て支援事業の提供体制の確保を円滑に行うため 子ども 子育て支援施策を中心に 母子保健 教育 ワーク ライフ バランス等の取組を総合的に推進する ( 以下 本計画 とい

教育 保育の量の見込み及びその提供体制 1 号認定及び 2 号認定 (3~5 歳児 ) について 利用児童数は 1 号及び 2 号認定の利用児童数と私学助成を受ける私立幼稚園の園児数より算出 1 号認定の利用児童数は 施設型給付費等の基礎資料に関する調査 による ( 時点は各年 4 月 1 日 )

地域子育て支援拠点事業について

Taro-平成27年度の取り組み(資料:1)

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教育 保育提供体制 平成 27 年度 見込量 確 ( 提保供方量策 ) 子ども 子育て支援事業の確保方策について 市全域 認定こども園 保育所 地域型保育 1 号認定 2 号認定 3 号認定 3 歳以上教育希望 3 歳以上教育希望 3 歳以上保育必要 1~2 歳保育必要 0 歳保育必要

趣旨 : すべての子どもに良質な成育環境を保障する等のため 子ども及び子育ての支援のための給付の創設並びにこれに必要な財源に関する包括的かつ一元的な制度の構築等の所要の措置を講ずる (1) 総則 子ども 子育て支援法の目的 基本理念 責務規定 ( 市町村 都道府県 国 事業主 国民の責務 ) 定義規

1 子ども 子育て支援新制度がはじまります 子ども 子育て支援法 等の成立により すべての子どもと子育て家庭を総合的に支援していく 子ども 子育て支援新制度 が平成 27 年 4 月から全国的にスタートします 子ども 子育て支援新制度 では 幼稚園や保育所 地域の子育て支援の充実を図るとともに 認定

平成 27 年 3 月 田川市

1 幼稚園教育の意義と成果幼稚園教育は 生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児期における重要な教育であり 小学校以後の発達に少なからぬ影響を及ぼすものである 特にも よりよい教育環境の中で 教師との信頼関係に基づき 幼児期の特性を踏まえて展開される活動や指導が その後の学力や意欲 勤勉性や協調性などに

意見聴取の目的 教育 保育施設 地域型保育事業 の運営開始の申請がなされた場合 佐賀市は 佐賀市子ども 子育て会議 で意見を聴取し を設定しなければなりません 新規設定のみ意見聴取 定員の変更については 会議の意見聴取は不要 事業開始までの流れ 1 都道府県 市町村による施設の認可 2 市町村による

幼児教育概要版案 xbd

第 1 章 札幌市幼児教育振興計画の策定 本計画は 主に幼稚園教育を対象とする 本計画は 平成 18 年度から概ね10 年間を計画期間とし 今後はこの方向性に基づいて早期に具体的な施策 ( アクションプログラム ) を打ち出していく 本計画は 社会情勢の変化などに対応し 必要に応じて計画の見直しを行


1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

広域利用の実態が異なる場合の考え方 保育整備計画との関係項目内容 6) 広域利用の実態が異なる場地域型保育事業の認可の際に行われる需給調整の判合の考え方断基準となること等から 学校就学前子どもの区分 ( 認定区分 ) ごと 地域子ども 子育て支援事業の事業ごとに教育 保育施設等及び地域子ども 子育て

平成28年度企業主導型保育事業の助成決定について(第1回)

資料 1 子ども 子育て支援新制度における利用者負担について 1 設定が必要な利用者負担額 1 号認定 認定区分対象該当施設 事業 3 歳以上保育が必要ない 2 号認定 ( 標準時間 ) 3 歳以上 2 号認定 ( 短時間 ) 保育が必要 3 号認定 ( 標準時間 ) 0~2 歳 3 号認定 ( 短

子ども・子育て支援新制度における教育委員会の役割について 3

3歳未満児3歳以上児教育標準時間 2 保育の必要量の認定 の導入 新制度では パートタイマーなど短時間就労の保護者のお子さんも 公的保育が利用できるように 保育の必要量の認定 が導入されます 保護者の就労状況等に応じて 保育標準時間 保育短時間 の認定がされます 保育短時間 保育標準時間 3 号認定

1 需給計画策定に関する基本方針等 教育 保育提供区域の設定 教育 保育提供区域 とは 地域の実情に応じて 保護者や子どもが居宅より容易に移動することが可能な区域として市町村が定める区域のことですが 札幌市においては原則として 行政区単位の設定 とし 一部の事業についてのみ 札幌市全域 とします 量

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

Microsoft Word - 【第4章】無償化実施計画 修正.docx

2 就学前の教育 保育施設の認可について旧制度では 保育所 幼稚園等の設置について 各根拠法令に基づき 県知事による認可等の手続きがありましたが 新制度においては 地域型保育事業 ( 小規模保育事業 家庭的保育事業等 ) について 新たに認可制度が設けられ 市が定める設備および運営の基準 ( 彦根市

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第3章 指導・監査等の実施


3 保育の必要性の認定の対象とはならない場合 ( 例 : 専業主婦家庭等 ) どのような施設の利用が無償化の対象になりますか 3 歳から5 歳までの子供について 幼稚園 認定こども園 (4 時間相当分 ) は無償化の対象となります なお この場合 預かり保育は無償化の対象となりません このほか 就学

目 次 Ⅰ 方針の策定にあたって 1. 趣旨 1 Ⅱ 保育園の現状と課題 1. 保育園の現状 1) 認可保育園の設置状況 2 2) 保育需要 2 3) 町立保育園の児童数 4 4) 保育施設の状況 4 5) 保育園の運営費 4 6) 保育サービス 5 2. 保育園の課題 1) 保育 子育て支援サービ

資料2:修正一覧

希望をかなえるまちづくり 結婚 出産 子育て 結婚 出産 子育ての希望実現 1 結婚や出産に対する支援の充実 一人ひとりが結婚や出産について諦めることなく取 り組める環境をつくることによって まちに家族を持つこ との幸せをもたらします 結婚を希望する人の未婚率の改善 結婚や妊娠 出産に関するライフプ

子育て支援事業要件事業例就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行規則(内閣府 文部科学省 厚生労働省令)第2条第1号に掲げる事業第2号に掲げる事業第3号に掲げる事業第4号に掲げる事業第5号に掲げる事業取扱基準別表 ( 第 7 条関係 ) 地域の子ども及びその保護者が相互

 

幼児教育 保育の無償化の実施について 1 子ども 子育て支援新制度の趣旨に沿った無償化の実施を! 子ども 子育て支援新制度 では 一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会 子どもの最善の利益が実現される社会を目指しています まずこの目指すべき姿に沿った幼児教育 保育の無償化を図るべきです

(2) 設備について 認可基準 ( 下線 : 必須 ) 幼保連携型 建物及び附属施設の設置場所 同一敷地内又は隣接する敷地内 ( 公道を挟む程度 ) 既存幼稚園 保育所からの移行の場合の特例 1~3 をすべて満たせば 同一敷地内にない場合も設置可 1 教育 保育の適切な提供が可能 2 子どもの移動時

年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言

3. 量の見込み 算出の手順 (1) 量の見込みの算出方法量の見込みの算出にあたっては 利用希望把握調査の結果を基礎データとして用います 算出方法は 国が平成 26 年 1 月に提示した 市町村子ども 子育て支援事業計画における 量の見込み の算出等のための手引き を基本としつつ 子育て安心プラン

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

【資料2-2】公定価格単価表(案)

本計画は 江田島保育園 小用保育園 切串保育園 宮ノ原保育園 鹿 川保育園 中町保育園 高田保育園 三高保育園 大古保育園 柿浦保育 園 飛渡瀬保育園の市内 11 の公立保育所へ 江田島学校給食共同調理 場, 西能美学校給及び大柿学校給で調理した給 食を区域別に外部搬入するものである 近年の少子化に

物価指数研究会(第2回) 2015年基準 モデル式の検討「授業料」・「保育料」

平成24年度「全国自治体の子育て支援施策に関する調査」報告書

居宅介護支援費Ⅰの算定上限(40件)の範囲

2 時間外保育 ( 延長保育 ) 事業 < 幼保運営課 > 単位 : 人 実施年度 平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度平成 30 年度平成 31 年度 平成 27 年度 施設数 166 か所延利用児童数 55,983 人 ( 参考平成 26 年度 ) 施設数 129 か所延利用児童数

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

平成27年度税制改正要望結果について

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仙台市基礎データ

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

加須市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例の一部を改正する条例をここに公布する

(1) 家庭的保育事業 項目 国基準 区分 保育業者 家庭的保育者 市町村長が行う研修を修了した保育士 保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者 家庭的保育補助者 市町村長が行う研修を修了した者 数 0~2 歳児 3:1( 家庭的保育補助者を置く場合 5:2) 保育を行う専用居室

01 【北海道】

ることのできる環境の充域での包括的サポー画推進のための() 幼児教育 保育サービスの充実 幼児教育 保育施設等の充実 ア ) 幼児教育 保育施設等の整備 施策のねらい 幼児教育 保育サービスの充実 は 共働きや多様な就労形態に対応した 本市の小学校就学前児童数は平成 8 年度以降減少していますが 共

 

第2節 茨木市の現況

子ども・子育て支援新制度における教育委員会の役割について

スライド 1

公務員保育士に期待される役割

各委員提出資料

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

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第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが

第2節 茨木市の現況

子ども・子育て関連3法について8

多様な関係機関を巻き込んだ 包括的な質向上システムの構築が必要 長野県幼児教育振興基本方針 ( 仮称 ) の策定 幼児教育の質向上推進の中心的機能を担うセンターの立ち上げを視野に入れる センターの機能 ( 想定 ) 〇幼児教育関係課 団体 大学等をつなぐ 既存の枠組みを超え 幼児教育に関わる教育 行

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JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

Ⅰ. 子ども 子育て支援新制度について 1 子ども 子育て支援新制度の概要 子ども 子育てを取り巻く課題 急速な少子化の進行 結婚 出産 子育ての希望がかなわない現状 ( 独身男女の約 9 割が 結婚し 子ども 2 人以上 を希望 ) 親の働く状況の違いによる幼児期の教育や保育の提供体制の違い 子育

計画の今後の方向性

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

第 3 章 保護者との関わり 子育て支援 に来園する親子の平均組数は 国公立で 14.1 組 私立で 19.2 組だった ( 図 表 3-3-1) では どのようなことを親子は体験しているのだろうか 実施内容について複数回答で聞いたところ 私立幼稚園と国公立幼稚園で違いがみられた (

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防府市一時預かり事業実施要綱

第3節 重点的な取り組み

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明石市子ども・子育て支援事業計画

0-1表紙


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3 前項の規定にかかわらず 満 3 歳以上の子どもの教育及び保育時間相当利用児の保育に従事する職員は 保育士の資格を有する者でなければならない ただし 幼稚園型認定こども園又は地方裁量型認定こども園にあっては 保育士の資格を有する者を当該職員とすることが困難であると認められるときは 幼稚園の教員の免

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福山市公立就学前教育 保育施設の再整備計画 2015 ( 平成 27 )~2024 ( 平成 36 ) 福山市 福山市教育委員会

目 次 第 1 章計画の策定に当たって... - 1-1 計画策定の背景と趣旨... - 1-2 計画の期間... - 1-3 国の動き... - 1 - 第 2 章就学前子どもの状況... - 2-1 就学前子どもの数の推移... - 2-2 教育 保育のニーズ... - 3 - 第 3 章公立の就学前施設の現状と課題... - 5-1 幼稚園 保育所の設置状況... - 5-2 公立施設の課題... - 5 - 第 4 章就学前教育 保育の今後の方向性... - 5-1 基本的な考え方... - 5-2 公の担う役割... - 6-3 就学前教育 保育等の充実に向けた方策... - 7 - 第 5 章就学前施設の整備の在り方... - 9-1 基本的な考え方... - 9-2 再整備の手法... - 10-3 公立施設の法人移管... - 10 - 第 6 章就学前教育 保育の推進に向けて... - 11-1 関係機関との連携... - 11-2 人材育成... - 11-3 計画の見直し... - 11 -

第 1 章計画の策定に当たって 1 計画策定の背景と趣旨福山市は,1970 年代から1980 年代にかけて急激に高まった就学前教育 保育ニーズに応えるため, 施設整備を行い, 職員体制を整備してきましたが,2000 年代に入り, 施設の老朽化が一気に進み, 職員の大量退職の時期を迎えるという課題が生じました こうした状況を踏まえ, 教育 保育の公的責任の確保に留意するとともに, 地域バランスや就学前施設としての役割や機能, 公私の役割分担などを考慮しながら, 新たな社会ニーズに応えられる体制の整備のため,2005 ( 平成 17 ) に再整備計画を策定し, 取り組んできたところです 再整備を通して, 幼稚園では, 保育の複数年化やことばの相談室の増設などにより, 就学前教育や特別支援教育の充実を図るとともに, 集団保育の維持に努めてきました 保育所においては, 施設の改築や改修, 分園化, 法人移管など, 施設課題や保育ニーズなどを考慮した手法を選択して取り組んだことにより, 保育環境の改善や集団保育の維持,0 歳児を含む低年齢児保育や障がい児保育の充実, 地域子育て支援の充実などを進めることができました この度, 国が, 就学前の良質な教育 保育と, 子どもの家庭の状況に応じた子育て支援を提供することを目的に,2015 ( 平成 27 ) から子ども 子育て支援新制度を施行することを受け, これまでの再整備の成果と課題を踏まえたうえで, 保護者や地域のニーズに即した教育 保育環境の実現に資するために, 就学前の教育 保育施設 ( 以下 就学前施設 という ) の再整備と地域子育て支援を包括する新たな計画を策定し, 取り組むこととします 2 計画の期間 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 以後 計画見直し 計画見直し 現行計画 ( 幼稚園 ) ( 保育所 ) 福山市子ども 子育て支援事業計画 福山市公立就学前教育 保育施設の再整備計画 福山市子ども 子育て支援事業計画の見直しに併せて, 本計画も見直していきます 3 国の動き (1) 新制度の概要子ども 子育て支援新制度は, 子育てをめぐる現状と課題を踏まえて, 幼児期の学校教育 保育, 地域の子ども 子育て支援を総合的に推進するため, 市町村を実施主体として事業計画を策定し, 給付及び事業を実施するものです 新制度のポイントとしては, 認定こども園 幼稚園 保育所を通じた共通の給付である施設型給付と小規模保育等への給付である地域型保育給付を創設 認定こども園制度の改善 地域の実情に応じた子ども 子育て支援の充実 - 1 -

を中心とした制度です (2) 新制度推進のための財政的措置国は, 就学前の教育 保育や地域の子育て支援の量の拡大と質の改善を行うため, 社会全体による費用負担として, 段階的な消費税の引き上げによる恒久財源の確保を図ることとしました 第 2 章就学前子どもの状況 1 就学前子どもの数の推移本市の就学前子どもの数は, 神辺町と合併した2006 年 ( 平成 18 年 ) 以降, 横ばいで推移してきましたが,2012 年 ( 平成 24 年 ) をピークに, 減少傾向にあります 幼稚園や保育所への入園 入所 ( 以下 入園 ( 所 ) という ) 数は, 入園 ( 所 ) 率が上昇しているため, やや遅れて2016 年 ( 平成 28 年 ) 頃をピークに, その後減少していくことが予測されます 27,000 26,000 25,000 24,000 就学前子どもの数と入園 ( 所 ) 数 ( 単位 : 人 ) 入園 ( 所 ) 数 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 保育所等幼稚園等就学前子どもの数 今後は, 第 2 次ベビーブームの女性が40 歳を超え,15 歳 ~49 歳の女性人口が著しく減少することや, 第 1 子及び第 2 子の出産年齢が上昇し,3 人以上の多子家庭は減少することが見込まれるため, 出生数は, 減少し続けるものと推測されます 出産年齢人口と平均出産年齢 15 歳 ~49 歳の女性人口 ( 各年 4 月現在 ) ( 人 ) 97,000 96,500 96,000 95,500 95,000 94,500 94,000 ( 歳 ) 33.0 32.5 32.0 31.5 31.0 30.5 30.0 29.5 29.0 28.5 28.0 平均出産年齢 第 1 子第 2 子第 3 子 - 2 -

就学前子どもの数のブロック ( 子ども 子育て支援事業計画の教育 保育提供区域 ) ごとの 推計から, 減少率が著しいブロックは, 西南 南部地域であり, 減少数が多いブロックは, 中 部と東部地域の見込みです 就学前教育 保育提供区域 (2015 年 ( 平成 27 年 )4 月 1 日現在 ) 北部ブロック 幼稚園 :2 か所 ( 私立 2) 保育所 :22 か所 ( 公立 16, 私立 6) 神辺ブロック 幼稚園 :5 か所 ( 公立 2, 私立 3) 保育所 :11 か所 ( 公立 4, 私立 7) 西部ブロック 幼稚園 :1 か所 ( 私立 1) 保育所 :13 か所 ( 公立 11, 私立 2) 東部ブロック 認定こども園 :1 か所 ( 私立 1) 幼稚園 :8 か所 ( 公立 3, 私立 5) 保育所 :20 か所 ( 公立 4, 私立 16) 図は, 子ども 子育て支援事業計画の教育 保育提供区域 中部ブロック 西南 南部ブロック 幼稚園 :14 か所 ( 公立 6, 私立 8) 保育所 :27 か所 ( 公立 11, 私立 16) 認定こども園 :4 か所 ( 私立 4) 幼稚園 :5 か所 ( 公立 2, 私立 3) 保育所 :17 か所 ( 公立 9, 私立 8) ブロック別就学前子どもの推計 ( 単位 : 人 ) ブロック 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2019 年 2024 年対 2014 年 増減 総数 26,406 26,719 26,707 26,571 26,438 25,656 24,187 91.03% -2,384 東部 6,773 6,825 6,795 6,666 6,598 6,401 6,044 90.67% -622 中部 8,076 8,170 8,202 8,059 7,993 7,723 7,333 90.99% -726 北部 3,600 3,646 3,656 3,729 3,738 3,668 3,415 91.58% -314 神辺 2,532 2,548 2,478 2,558 2,569 2,565 2,470 96.56% -88 西南 南部 3,472 3,495 3,515 3,461 3,430 3,252 2,949 85.21% -512 西部 1,953 2,035 2,061 2,098 2,110 2,047 1,976 94.18% -122 2 教育 保育のニーズ 3 歳未満の子どもの入園 ( 所 ) 率は, 近年大きな伸びを見せており, 合併が終了した 2006 年 ( 平成 18 年 ) と2014 年 ( 平成 26 年 ) の4 月を比較すると,1 歳児と2 歳児については, それぞれ 25.4% から38.3% に12.9 ポイント,38.1% から46.6% に8.5 ポイント上昇しています また,0 歳児については,4 月当初の入園 ( 所 ) 数は毎年横ばいでありますが, 中途では, - 3 -

( ) 産後休暇 育児休暇明け後の入園 ( 所 ) ニーズが高く, 著しく増加しています 今後も,3 歳未満の子どもの入園 ( 所 ) 率は, 上昇するものと見込まれます 3 歳から 5 歳の子どもについては, 就学前施設への入園 ( 所 ) 率は, 近年, 変動は少なく, 既にほとんどの子ども ( 約 95%) が幼稚園又は保育所に入園し, 今後も入園率が大きく変動する要素が低いことから, 就学前の子どもの減少とともに次第に入園する子どもの数は減少していくことが予想されます 3 歳未満児の年齢別保育所入所児童数と保育率の推移 ( 各年 4 月 1 日 ) ( 単位 : 人 ) 児童数 入童所数児 入率所園 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 0 歳 4,123 4,394 4,321 4,357 4,340 4,495 4,460 4,217 4,299 1 歳 4,364 4,202 4,464 4,396 4,446 4,415 4,558 4,596 4,290 2 歳 4,459 4,359 4,185 4,487 4,394 4,446 4,398 4,549 4,565 0 歳 310 300 358 352 363 383 379 389 397 1 歳 1,110 1,070 1,190 1,337 1,357 1,403 1,594 1,602 1,647 2 歳 1,695 1,641 1,651 1,804 1,892 1,965 2,019 2,185 2,127 0 歳 7.5 6.8 8.3 8.1 8.4 8.5 8.5 9.2 9.2 1 歳 25.4 25.5 26.7 30.4 30.5 31.8 35.0 34.9 38.3 2 歳 38.1 37.6 39.5 40.2 43.1 44.2 45.9 48.0 46.6 年齢区分ごとの入園 ( 所 ) 実績と見込 就学前子どもの数 ( 単位 : 人 ) 区分 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 総数 26,707 26,571 26,438 26,312 26,057 25,730 25,656 3~5 歳 13,345 13,417 13,519 13,365 13,185 12,948 12,977 1 2 歳 9,145 8,855 8,650 8,707 8,647 8,603 8,542 0 歳 4,217 4,299 4,269 4,240 4,225 4,179 4,137 入園 ( 所 ) 数 ( 単位 : 人 ) 区分 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 総数 17,107 17,261 17,778 17,684 17,541 17,358 17,420 幼稚園に通う3~5 歳 4,677 4,628 4,827 4,614 4,541 4,473 4,502 保育所に通う3~5 歳 7,846 8,013 8,075 8,124 8,060 7,931 7,962 保育所に通う1 2 歳 3,787 3,774 3,842 3,910 3,899 3,916 3,922 保育所に通う0 歳 797 846 1,034 1,036 1,041 1,038 1,034 3 号 (0 歳 ) は, 子ども 子育て支援事業計画に合わせて,2014 年までは年平均,2015 年以降は最大見込み数の 120 分の 100 入園 ( 所 ) 率 区分 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 総数 64.1% 65.0% 67.2% 67.2% 67.3% 67.5% 67.9% 幼稚園に通う3~5 歳 35.0% 34.5% 35.7% 34.5% 34.4% 34.5% 34.7% 保育所に通う3~5 歳 58.8% 59.7% 59.7% 60.8% 61.1% 61.3% 61.4% 保育所に通う1 2 歳 41.4% 42.6% 44.4% 44.9% 45.1% 45.5% 45.9% 保育所に通う0 歳 18.9% 19.7% 24.2% 24.4% 24.6% 24.8% 25.0% - 4 -

第 3 章公立の就学前施設の現状と課題 1 幼稚園 保育所の設置状況 2014 年 ( 平成 26 年 )5 月現在 区 分 施設数 定員 入園 ( 所 ) 数 入園 ( 所 ) 率 公立 幼稚園 14 1,825 人 833 人 45.6% 保育所 57 5,215 人 5,157 人 98.9% 私立 幼稚園 23 5,240 人 3,795 人 72.4% 保育所 59 6,725 人 7,215 人 107.3% 鞆こども園は, 保育所, 幼稚園 に分けて, それぞれに算入しています 幼稚園の入園 ( 所 ) 数は, 全体的に公私立ともに定員を大きく下回っています 途中に満 3 歳児を受け入れる幼稚園もありますが, 定員を充たす施設は少ない状況です 保育所は, 当初から定員を上回る施設が多く, 就業や職場復帰などに伴う途中の入園 ( 所 ) ニーズの高まりにより, 後半は受け入れが困難になる施設が多くあります 2 公立施設の課題 1970 年代から1980 年代にかけての高度経済成長期において, 就学前の教育 保育ニーズの高まりに対応するために設置してきた施設が, 幼稚園においては, 園児数の減少に伴い, 集団保育機能の維持を図るため, また, 保育所では, 老朽化が進行し, 建て替えの時期を迎えたため, 積極的に再整備に取り組んできたところです 今後も引き続き, 安心 安全な教育 保育環境の整備を推進していく必要があります 第 4 章就学前教育 保育の今後の方向性 1 基本的な考え方就学前子どもの数が2012 年 ( 平成 24 年 ) から減少傾向に転じたことにより,3 歳以上の子どもの入園 ( 所 ) 数は減少することが見込まれるため, 中長期的視点に立ち, 集団における教育 保育の提供を継続できる環境の整備が必要です また, 入園 ( 所 ) 数が多い地域の子どもやニーズが高まっている低年齢の子どもの保育施設への全員入園 ( 所 ) を保障するとともに, 市全域で質の高い幼児期の教育 保育を提供できる体制づくりや施設整備を行います 併せて, 地域子育て支援拠点施設を核として, 地域に根差した子育て支援の拠点施設の役割を果たします また, 就学前の子どもに対する教育 保育の提供は, 公立 私立双方がそれぞれの特色を活かし, 子どもや保護者の需要に対応する教育 保育サービスができる体制を構築する必要があります 公立施設にあっては, 市内の教育 保育サービス全体の質の向上に向け, 教育 保育の研究や実践, 情報発信を通して, その役割を果たしていきます - 5 -

2 公の担う役割 (1) 入園 ( 所 ) 希望者の全員入園 ( 所 ) 本市の就学前施設は, これまで, 保護者の希望に沿って, 入園 ( 所 ) 希望があった子どもを全て受け入れてきました 今後も, 私立施設の協力を得, 補完しながら, 行政の責務として, 良質な教育 保育の提供や保護者の就労等を保障するために, 入園 ( 所 ) の案内や利用調整等を丁寧に行いながら, 全員入園 ( 所 ) を堅持していきます (2) 市内全域の教育 保育の質的向上市民に良質な教育 保育サービスの提供を行うために, 健康や安全, 発達の確保を十分に図りながら, 特に3 歳以上の子どもについては, 集団の中での活動を通して主体性や社会性の発達を促すなど, 乳幼児期と学童期とのつながりを見通した教育 保育の充実を図る必要があります また, これまでの一人ひとりを大切にした教育 保育や地域との良好な関係づくりを通して取り組んできた教育 保育の実践や成果を, 公立間のみならず, 私立の就学前施設へも積極的に提供 還元し, 職員の資質を高めながら, 市内全域の教育 保育の質の向上を図るけん引役を務めます (3) 子育て家庭の総合的支援公立施設の責務として, 研究機関や療育機関, 医療施設などとのネットワークの軸となり, 全ての就学前の子どもやその保護者の状態に応じた適切な教育 保育の提供や子育ての支援を行います また, 延長保育や一時預かり保育, 子育て支援拠点事業, 利用者支援事業, 特別支援教育, 障がい児保育など多様なサービスの提供に取り組み, 安心して子育てができる環境を整備します (4) 就学前の教育 保育の総合的提供国は, 保護者の就労の状態にかかわらず, 就学前の子どもに一体的な教育 保育の提供ができる認定こども園の普及に取り組んでいます 本市においても, 公立施設の認定こども園については, 市内全域の教育 保育の質の向上を図る役割を果たすため, 組織 体制づくりや教育 保育内容の確立を行うなかで, 段階的に整備を進めていきます また, 認定こども園への移行を希望する私立幼稚園や保育所に対して, 適切な助言を行い, 円滑な移行を支援します (5) 支援が必要な子どもや家庭への対応障がいのある子どもや発達に課題のある子どもへの支援については, 教育, 保育, 保健, 医療, 福祉等の関係者との 横の連携 による体制づくりを拡充させるとともに, 小学校入学等, 子どものライフステージに応じた切れ目のない 縦の連携 により, 一貫した支援の充実に努めます また, 外国籍で日本語での会話が困難な家庭など, 特別な配慮が必要な子どもや家庭に対しては, 子どもやその保護者一人ひとりを大切にした丁寧な教育 保育の提供や保護者の支援に取り組みます - 6 -

(6) 小学校教育との連携と円滑な接続ア幼稚園 保育所の交流質の高い就学前の教育 保育の総合的な提供を行うために, 幼稚園と保育所が合同して研修 研究を行い, これまでの実践や成果を交流しながら, 教育 保育の一体的なカリキュラムを作成していきます イ小学校との連携子どもの発達や学びの連続性を確保し, 幼稚園 保育所から小学校への接続を見通した就学前教育 保育の質の向上を図るために, 福山市 福山市立大学連携事業で実施した保幼小連携研修会や報告会の成果と課題を踏まえて, 小学校との連携の在り方について検討していきます 3 就学前教育 保育等の充実に向けた方策 (1) 研究園, 実践拠点園の役割市内全域の就学前教育 保育の質の向上を図るため, 幼保連携型認定こども園による研究園や実践拠点園を整備して, これまでの実践に加えて, 保幼小連携など, 今後積み上げていく研究や実践の成果を公私立の就学前施設に提供することに努めます 就学前教育 保育の質の向上 ( イメージ ) イメージ 福山市立大学 附属認定こども園 こども発達支援センター 研究 実践に係る連携 小 学 認定こども園 認定こども園 認定こども園 校 市内の公私立の就学前施設 ア研究園福山市立大学附属幼稚園を幼保連携型認定こども園として整備し, 研究園とします 福山市立大学の附属機関として研究成果を, 実践拠点園と連携して, 公私立の就学前施設に提供 還元することにより, 市内全域の教育 保育の質的向上を図るけん引役を務めます また, 就学前の教育 保育の実習施設として, 人材育成を担っていきます - 7 -

イ実践拠点園研究園で培った研究成果を実践する拠点園として, 実践拠点園を整備します 研究園や拠点園相互に連携して実践を重ね, 実践成果を, 公開研究会などを通して公私立の就学前施設に広く公開し, 保育内容について互いに深め合い, 共有を図っていくことにより, 市内全域の就学前施設の教育力や保育力の向上に取り組みます (2) 地域子ども 子育て支援拠点施設の役割子ども 子育て支援に係るサービスの充実を図るため, 市内を子ども 子育て支援事業計画で定める教育 保育提供区域の6ブロックに分割し, ブロックの拠点となる就学前施設を地域子ども 子育て支援拠点施設に位置付けて, 子どもや保護者のより身近なところで, 子育て支援や, 障がいのある子どもや発達に課題がある子どもへの支援に取り組みます 事業の実施に当たっては, ふくやま子育て応援センターの研修や助言などの支援を受けながら, 関係機関と連携して, 展開します 地域子育て支援拠点事業ブロック内の在宅で保育を行う家庭の子育てを支援するために, 遊びの場の提供, 子育てに関する相談や情報提供, 子育て講座などを実施していきます また, ブロック内の公立の就学前施設が行う子育て支援事業の支援を行います 利用者支援事業福祉, 保健機関や関連施設等とのネットワークを構築し, 子育てに係る各種情報提供を行い, 様々な課題を抱える子育て家庭の相談に当たり, 関係機関への連携や事後フォローをするなど, 細やかな子育て支援に取り組みます 障がいのある子どもや発達に課題がある子どもへの支援ことばの相談室やこども発達支援センターなどと連携して, ブロック内の公立の就学前施設において, 障がいのある子どもや発達に課題がある子どもの状況を丁寧に把握し, ケース会議等を行う中で, 個々の実態に応じた支援となるよう取り組みます 地域子ども 子育て支援拠点施設のイメージ図 - 8 -

(3) 各種施設の役割アふくやま子育て応援センター子育て支援拠点事業や利用者支援事業, ファミリーサポートセンター事業等の実施施設として, また, 市内 8か所に設置していることばの相談室の拠点施設として, 福山市立大学やこども発達支援センター, 療育施設などとのネットワークを構築するなかで, 子育て家庭への重層的な支援を展開するとともに, 市内全域の子育て支援拠点事業等に従事する職員の研修 交流の場の設定や, ことばの相談室をはじめ, 発達支援に携わる職員の研修を実施するなど, 人材育成の役割を担います イことばの相談室拠点の役割を担うふくやま子育て応援センターや市内 8カ所の就学前施設にことばの相談室を設置する中で, 福山市立大学や地域子ども 子育て支援拠点施設等と連携して, ことばやコミュニケーションに課題のある就学前の子どもや保護者の相談 指導を行います ウ難聴学級聴覚に障がいのある子どものために, 小学校 中学校の義務教育 9 年間と就学前教育を繋ぐ難聴学級を市内一か所に開設しているところであり, 関係機関と連携した療育や, 集団生活に適応するための個別支援等に引き続き取り組みます 第 5 章就学前施設の整備の在り方 1 基本的な考え方 (1) 教育 保育と子育て支援サービスの提供就学前施設は, 就学前の子どもが長い時間を過ごす大切な空間であるとともに, 地域の子育ての拠点でもあります 就学前の子ども達が安全で安心して過ごすことができ, より良好な環境で良質な教育 保育の提供が受けられるように, 計画的に施設整備を進めます (2) 施設の適正規模と適正配置再整備する施設の設置位置や定員, 提供するサービス等については, 集団保育の確保を基本に就学前子どもの数の推計や保護者のニーズ, 地域の状況等を踏まえて, 検討を行う中で, 教育 保育提供区域ごとの教育 保育の提供体制の確保を図るため, 適正な地域に, 適正な規模の施設を配置します (3) 教育 保育機能の一体化共働き家庭の増加や核家族化の定着などにより, 仕事と子育ての両立を支援する施設の整備や幅広い保育サービスの提供が求められています また, 幼稚園においても長時間預けることができる保育機能の必要性が高まっています 就学前の子どもに, 保護者の就労形態にかかわらず, 教育 保育を総合的に提供でき, 在宅で子育てをする保護者のための支援事業を展開する認定こども園の整備に取り組みます - 9 -

2 再整備の手法施設整備の実施に当たっては, 保護者や地域のニーズに基づき, 解決すべき課題を精査し, その内容と緊急性などを総合的に検討するとともに, 福山市公共施設サービス再構築基本方針を踏まえ, 次の手法を基本に, 課題解決に取り組みます (1) 認定こども園幼稚園と保育所の統合を基本に, 地域における需要と供給のバランスや就学前施設の公立 私立の設置状況, 児童数の推移などを総合的に判断する中で, 市内全域の就学前の教育 保育の質的向上を図るため, 研究 実践を行う幼保連携型認定こども園を設置します (2) 保育所の統合施設の状況や将来的な児童数の推移, 生活圏域などを総合的に判断する中で, 統合することにより, 環境の改善を図るとともに, 集団保育の継続, 新たな教育 保育機能の充実など, より良質な教育 保育の提供に努めていきます (3) 保育所の分園化 入所児童数が 30 人未満で将来的にも増加が見込めず, 混合保育が恒常化している場合は, 本園となる保育所との交流保育を行い, 年齢別の集団保育を確保するために分園化します (4) 施設の休廃園 ( 所 ) 地域の需給状況を踏まえて, 近隣に子どもの受け入れ可能な施設がある場合においては, 在園 ( 所 ) 児に配慮しながら, 休園 ( 所 ) 又は全て廃園 ( 所 ) の方向で検討します 休廃園 ( 所 ) した施設については, 他用途への転用など有効活用を検討していきます (5) 改修による延命化地域のニーズに対して, 既存施設で対応可能であり, 施設を長く存続させる必要がある場合は, 計画的にまた効率的に維持修繕を行うとともに, 大規模改修等の実施に努め, 施設の延命化と保育環境の改善を行います (6) 法人移管による改築 改修 子どもを取り巻く環境の改善を早期に実現するために, 保育所の一部を運営実績のある法 人に移管し, 民間資金や国 県の公的資金を活用します 3 公立施設の法人移管 (1) 法人移管の在り方ア対象施設法人移管の対象施設は, 今後も長く, 安定した需要が見込まれる地域にあって, 建物の改築や機能強化等が必要と認められる保育所とし, 保育の引継ぎや移管後の円滑な運営を確保するため, 適正な規模の施設とします イ取組手順 - 10 -

施設の整備は, 民設民営を基本とします 将来にわたって安定した入園( 所 ) 数が確保できる見込みのある施設について検討します 移管する法人は, 保育所又は認定こども園の運営実績のある市内の社会福祉法人又は学校法人とします 移管する施設の建物や物品は, 残存価格等に応じて有償又は無償で譲渡し, 用地は,1 0 年間無償貸与します 市は必要に応じて, 施設整備資金の一部を補助します (2) 法人移管審査会ア目的保育所の移管に応募してきた法人の書類審査やヒアリングを実施するために, 審査会を設置し, 多方面から専門的意見を聴取します イ審査委員審査会は, 教育及び児童福祉, 社会福祉に関係する者, 保護者代表, 会計の専門家など, 幅広い機関の学識経験者や市民で構成します 第 6 章就学前教育 保育の推進に向けて 1 関係機関との連携質の高い就学前教育 保育の提供や子ども 子育て支援事業の実施においては, 福祉や保健, 医療, 教育など幅広い分野に関わっていることから, 庁内関係部署のみならず, 県や医療機関や民間施設などとのネットワーク基盤を構築し, 円滑な事業推進に努めます 特に, 私立の就学前施設は, 法人設立の精神や理念にのっとり, 本市の教育 保育水準の向上や多様なサービスの提供に努めています 現在では, 幼稚園 保育所ともに, 施設数及び入園 ( 所 ) 数は公立を上回り, 本市の就学前教育 保育を支える大きな役割を担うことから, 私立施設とより一層密に連携を行っていきます また, 指導 監査を通して, 運営法人が自ら公益性や透明性を高め, 適正に運営を行い, 持続可能な体制を維持できるよう支援していきます 2 人材育成全ての子どもや子育て家庭に質の高い教育 保育や充実した子ども 子育て支援を提供していくためには, 教育 保育の提供施設や子ども 子育て支援事業の実施施設の職員の資質向上は不可欠であることから, 幼稚園と保育所における職員研修の体系化を図り, 研修会や交流会の実施や情報提供に努め, 教育 保育内容を充実していくとともに, 地域子育て支援拠点事業所や利用者支援事業所, ファミリーサポートセンター, ことばの相談室, 地域型保育事業所などの職員に対しても, 多様な研修や情報提供を重層的に展開していきます 3 計画の見直し 本計画は, 子ども 子育て支援事業計画との整合性を図るため, 子ども 子育て支援事業計 画の見直しと併せて, 取組の成果と課題を検証しながら見直しを行います - 11 -