橋梁設計研修 ~ 橋梁の計画 ~ 平成 23 年 8 月 30 日 株式会社 四電技術コンサルタント山崎方道 本日の話題 1. 橋梁の概要 a) 用途からみた橋梁 b) 使用材料からみた橋梁 c) 構造形式からみた橋梁 d) 橋梁計画と地質調査 e) 橋梁と道路設計 ( 架橋位置 ) 1
本日の話題 2. 橋梁の基本計画 a) 計画条件の設定 b) 橋長の決定 c) 径間割りの決定 ( 径間数, 連続数 ) d) 斜角の決定 e) 縦断計画 f) 下部工 基礎工形式 g) 上部工形式 h) 支承形式, 落橋防止システム 1. 橋梁の概要 a) 用途からみた橋梁 道路橋, 鉄道橋, 人道橋, 側道橋 横断歩道橋,OV 橋, 水管橋 本日は, 主に道路橋について 2
道路橋 笠の川橋 日本橋梁建設協会より 道路橋 曽我部川橋 日本橋梁建設協会より 3
道路橋 日本橋梁建設協会より 鉄道橋 日本橋梁建設協会より 4
鉄道橋 奈半利川橋梁 日本橋梁建設協会より 人道橋 日本橋梁建設協会より 5
人道橋 日本橋梁建設協会より 側道橋 6
側道橋 横断歩道橋 7
横断歩道橋 O V 橋 日本橋梁建設協会より 8
O V 橋 日本橋梁建設協会より 水管橋 松田川水管橋 日本橋梁建設協会より 9
水管橋 1. 橋梁の概要 b) 使用材料からみた橋梁 鋼橋鋼板桁, 鋼箱桁, トラス橋, アーチ橋 PC 橋プレテン桁橋, ポステン桁橋, コンポ橋,PC 中空床版橋,PC 箱桁橋 RC 橋 RC 中空床版橋,RCT 桁橋, 床版橋 複合橋梁, 木橋, 新素材による橋梁 10
鋼 橋 日本橋梁建設協会より P C 橋 P C 建協より 11
P C 橋 P C 建協より P C 橋 PC コンポ橋 P C 建協より 12
P C 橋 PC 中空床版橋 P C 建協より P C 橋 青雲橋 PC 複合トラス橋 P C 建協より 13
P C 橋 P C 建協より P C 橋 3 径間連続エクストラドーズド箱桁橋 P C 建協より 14
R C 橋 木橋 猿橋 ( 山梨県 ) 15
石橋 眼鏡橋 ( 長崎県 ) 木橋 錦帯橋 ( 山口県 ) 16
木橋 (?) かずら橋 ( 徳島県 ) 木橋 17
複合橋梁 新素材橋梁 ダクタル橋梁 FRP 橋梁 18
1. 橋梁の概要 c) 構造形式からみた橋梁 単純梁形式, 連続梁形式, ゲルバー梁形式 版構造, 桁構造, 箱桁構造, トラス構造, アーチ構造, 吊り橋構造, 斜張橋, ラーメン構造 19
日本橋梁建設協会より 日本橋梁建設協会より 20
日本橋梁建設協会より 日本橋梁建設協会より 21
日本橋梁建設協会より 日本橋梁建設協会より 22
1. 橋梁の概要 d) 橋梁計画と地質調査 基礎構造の検討項目 支持層はどれか, どこか? 中間層は? 横方向 K 値や C Φ は? 液状化を考慮すべき層か? 低減値は? 圧密は大丈夫か?( ネガティブフリクション ) 側方流動は大丈夫か 耐震地盤面はどこか? 1. 橋梁の概要 d) 橋梁計画と地質調査 必要な地質調査 支持層位置等 標準貫入試験 横方向 K 値,C,Φ 標準貫入試験,LLT, 一軸圧縮試験等 液状化は 粒度試験, 液性 塑性試験 圧密 圧密試験 側方流動, 耐震地盤面 一軸圧縮試験, 三軸圧縮 試験など 23
1. 橋梁の概要 e) 橋梁と道路設計 ( 架橋位置 ) 一連の道路の中にある橋梁 架橋位置は, 道路線形の決定時に決められている 橋梁だけで考えると, 下記のような箇所が望まれる できるだけ橋長を短く できれば直橋 できれば地質のいいところ etc 2. 橋梁の基本計画 a)-1 計画条件の設定 道路種別 幅員構成 線形計画 ( 平面線形, 縦 横断線形 ) 交差物件 ( 道路, 鉄道, 河川, その他 ) 交通量の決定 ( 大型車交通量 ) 橋梁の種別決定 (A 種 orb 種 ) 24
道路橋の場合は, 道路の基本計画に準じて, 幅員構成が定まる 道路の基本計画は, 道路を新設または改築する場合, 道路構造令 によって計画される 道路橋の幅員の検討は, 以下の図に示されるように, 車道部分, 歩道部分, および路肩の 3 部分に大別している 大型車交通量と RC 床版厚 25
橋の重要度は, 道路種別や橋の機能 構造などに応じ, A 種の橋 と B 種の橋 に区分される B 種の橋 高速自動車国道, 都市高速道路, 指定都市高速道路, 本州四国連絡道路, 一般国道の橋 都道府県道, 市町村道のうち, 複断面, 跨線橋, 跨道橋及び地域の防災計画上の位置つけや当該道路の利用状況から特に重要な橋 A 種の橋は, 上記以外の橋が該当する 設計地震動と目標とする橋の耐震性能 設計地震動 A 種の橋 B 種の橋 レベル 2 地震動 レベル 1 地震動 地震動によって橋としての健全性を損なわない性能 ( 耐震性能 1) タイプ1の地震動 ( プレート境界型の地震による損傷が大規模な地震 ) 橋として致命的とタイプ2の地震動ならない性能 ( 耐 ( 兵庫県南部地震の震性能 3) ような内陸直下型地震 ) 地震による損傷が限定的なものにとどまり 橋としての機能回復が速やかに行い得る性能 ( 耐震性能 2) 26
2. 橋梁の基本計画 a)-2 計画条件の設定 荷重条件 (A 活荷重 orb 活荷重 ) 添架物の有無, 遮音壁, 標識など 地質条件の確認, 地盤種別 環境条件 ( 塩害, 雪荷重, その他 ), 景観条件 搬入路, 大型重機の搬入 施工条件 ( ヤードの有無, 通行止の可否など ) 2. 橋梁の基本計画 a)-3 計画条件の設定時に必要な協議 河川橋梁の場合 ( 河川管理者との協議 ) 道路との交差 ( 道路管理者協議 ) 鉄道等の交差 (JR or 琴電 ) 交差点がある場合 ( 警察協議 ) 漁業権がある場合 ( 漁協との施工協議 ) 地元協議 27
2. 橋梁の基本計画 b) 橋長の決定 河川の橋梁か?( 河川条件で決まる ) 道路等の高架橋か?( 交差条件できまる ) 平地部の高架橋か?( 土工構造との経済性等 ) 山岳部の高架橋か?( 取り合い構造との経済性等 ) その他 ( 避えつ橋, 地元要望などで決定 ) 橋長の定義 土 土 土 土 28
2. 橋梁の基本計画 c) 径間割りの決定 河川の橋梁か?( 基準径間長以上で決まる ) 道路等の高架橋か?( 交差条件できまる ) 平地部の高架橋か?( 交差条件及び経済性等 ) 山岳部の高架橋か?( 経済性及び施工計画等 ) 29
河川橋梁の基準径間長 基準径間長 L=20+0.005Q (Q= 計画高水流量 ) たとえば計画高水流量が 2000m3/s の場合 基準径間長 L=20+0.005Q =20+0.005*2000 =30m したがって, 径間長は 30m 以上とらなければならない ( 特例もあるが, 基本的には採用は困難である ) 2. 橋梁の基本計画 d) 斜角の決定 河川橋梁の場合, 堤防法線と道路中心線の交角で決定される 高架橋の場合は, 交差物件と道路中心線の交角で決定される 山岳及び長大高架橋では, 直橋とする場合が多い ( 地形などによっても決定されるが ) 30
2. 橋梁の基本計画 e) 縦断計画 道路の縦断計画が優先され, 一般的な橋種では橋梁の桁下空間 ( 建築限界 ) が, 確保できない場合がある この際は, 経済性では不利となるが桁高を絞れる橋種を選定する必要がある 代表的な橋種は, プレビーム桁, バイプレ桁, 鋼コンクリート合成床版橋, 鋼床版形式など プレビーム桁橋 31
鋼コンクリート合成床版橋 バイプレ桁橋 通常の PC 桁 バイプレ工法 32
2. 橋梁の基本計画 f) 下部工 基礎工形式 架橋場所の地質条件を把握の上, 適切な基礎工形式を選定する必要がある 施工条件も把握して決定する必要有り ( 施工重機, 施工時期, 地域の環境条件など ) 基礎工 下部工の工費が高い場合は, 比較的スパンの長い上部工が有利 橋台の種類 33
橋脚の種類と特徴 基礎工の種類と施工深さ 34
2. 橋梁の基本計画 g) 上部工形式 河川条件や交差条件などから, 適用可能なスパン割を決定し, さらに, そのスパンに適合できる橋種を網羅する 上下部工, 基礎工を含めた総工費及びその他の条件 ( 景観, 周辺環境など ) より,3 案程度に絞り込む ( 概算工事費レベル ) 上記 3 案に対して, 設計計算を伴う検討を加えて, 最適案を選定する 2. 橋梁の基本計画 h) 支承形式 1 径間の橋梁であると, 一般的には固定 可動支承となる 多径間の橋梁では, 基本的に連続構造とするため, 以下の中から比較を行う 固定 可動支承 多点固定構造, ラーメン構造 分散支承, 免震支承, 機能分離支承 35
道路橋示方書の支承の考え方 支承は, タイプ A とタイプ B に大別される タイプ B 支承とは, レベル 2 地震動に対して支承部の性能を満足させる構造である タイプ A 支承とは, レベル 1 地震動に対しては, 支承部の機能を確保できるが, レベル 2 地震動に対しては, 変位制限構造と補完しあって抵抗する構造である 支承選定フロー 36
分散支承 免震支承 37
機能分離支承 h) 落橋防止システム 落橋防止システムは, 桁かかり長, 落橋防止構造, 変位制限構造及び段差防止構造からなる 落橋防止システムは, 下部工の構造と支承のタイプにより必要な構造が決定される 38
落橋防止システムの選定フロー 既設橋の耐震補強設計 既設橋の耐震補強設計は, 橋脚の補強と落橋防止システムの構築が行われている 3 箇年プログラム では, 橋脚の軸方向鉄筋の段落とし部にのみ, 着目して補強が行われた フルスペック対応としては, 現行の示方書に見合う橋脚補強と落橋防止システムを構築している ただし, 基礎工については, 補強を見合わしている際が多い 39
落橋防止システムの例 PC ケーブル チェーン方式 40
アンカーバー方式 ブラケット方式 41
RC 壁 ( 鋼製壁 ) 沓座拡幅 42
繊維材ベルト方式 桁下ブラケット方式 43
おわりに 橋梁の計画は, 設計条件をまず確定する必要がある 条件が変われば橋種も変わってくる可能性大 上記のためには, 関係機関等々の協議を完了させる 条件確定後, 考えられる橋種の中から 3 案程度に絞り込む 最終案は, 詳細検討を加えて決定する ( 予備設計 ) ただし, 小橋梁では予備設計は省略されることも 44