東日本大震災を踏まえた課題と現状 コンビナート港湾における地震 津波対策検討会議 ( 国土交通省 経済産業省共同開催 ) コンビナート港湾における地震 津波対策について ( 抜粋 ) 2. コンビナート港湾における地震 津波対策に関する基本的考え方 ( 消防庁 経済産業省部分抜粋 ) コンビナート港

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(2) 異常現象と認識しているにもかかわらず 情報収集を行った後に通報することとなっている場合には 異常現象と認識した時点で通報する体制とすること (3) 従業員 ( 協力会社等の従業員を含む ) が異常現象の判断に迷うことにより通報が遅れるおそれのある場合には 異常現象の通報に関する教育 訓練の内

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油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

時間災害状況等の推移関係機関関係機関の活動内容道府県 ( 防災本部 ) の留意事項 ( 評価の視点 ) 1 日目 3.1 地震に基因する標準災害シナリオ 9:00 (0:00) 地震発生 ( 震度 6 強 ) 特定事業所 施設等の緊急停止措置 災害拡大防止上必要な施設の手動停止操作 地震発生後 速や

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(2) 消火用屋外給水施設の点検の方法 別添点検基準 ( 案 ) のとおり (3) 経年劣化及び詳細な点検を行う消火用屋外給水施設の把握 設置から 40 年を経過した消火用屋外給水施設の把握は 消火用屋外給水施設とし て完成した日 ( 完成検査の日 ) とする (4) 留意事項本点検の考え方は 消火

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防災業務計画 株式会社ローソン

( 平成 6 年自治省令第 30 号 ) 平成 6 年省令危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令 ( 平成 17 年総務省令第 3 号 ) 平成 17 年省令危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示 ( 昭和 49 年自治省告示第 99 号 ) 告示 記 第 1 危険物施設の地震対策

準処理期間 経由機関での協議機関での処分機関での処理期間処理期間処理期間内訳設置許可 14 日 - - 変更許可 10 日設定年月日平成 26 年 4 月 1 日最終変更日年月日 備考

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5.危険物・保安・防災分野

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H28秋_24地方税財源

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

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うるま市消防本部は 事業所の事務所内に指揮本部を設置 出動部隊は当該指揮本部にて待機中 ( 発災タンクから約 800m の位置に消防活動上の警戒区域を設定 発災タンクから約 1km の事務所内に指揮本部を設置 また 発災タンクから約 150m の位置に現場指揮本部を設置 ) 2 大容量泡放射システム

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

仮貯蔵 仮取扱い実施計画書 ( ドラム缶等による燃料の貯蔵及び取扱い ) 保有空地の周囲にロープを張り ( バリケードを立て ) 空地を確保する 第 5 種消火設備を 3 本設置する 保有空地 確保する 高温になることを避けるため 通気性を確保した日除けを設置 工場東側空地約 360 m2 通風 換

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平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

果 資料 2-3 特定防災施設及び防災資機材等の地震 津波対策に関する基本的な考え方 ( 案 ) 資料 2-4 地震に係る対応策( 案 ) 資料 2-5 津波に係る対応策 ( 案 ) 及び参考資料 2-2 宮城県沿岸における海岸堤防高さの設定について平成 23 年 9 月 9 日宮城県沿岸域現地連絡

危険物施設簡易タンク移動タンク給油取扱所屋内貯蔵所屋外タンク屋内タンク屋外貯蔵所地下タンク販売取扱所一般取扱所合小小造計計計所 第 Ⅱ 編一般災害予防計画 第 3 章第 7 節二次災害の防止体制整備計画 4) 車両火災の予防 5) 危険物施設における自主防災組織の育成 現況 本市における危険物 高圧

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

国土技術政策総合研究所 研究資料

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防災業務計画(第3編 東海地震防災強化計画)

ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

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「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

参考資料 三郷市火災予防条例の一部を改正する条例案の素案 平成 26 年 9 月 三郷市消防本部 大規模な屋外催しにおける防火管理体制の構築について 1 改正の背景 1 京都府福知山市花火大会火災平成 25 年 8 月 15 日 京都府福知山市で行われた花火大会において 死者 3 名 負傷者 56

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中部電力グループ アニュアルレポート2012

別添 別添 地下貯蔵タンクの砕石基礎による施工方法に関する指針 地下貯蔵タンクの砕石基礎による施工方法に関する指針 本指針は 危険物の規制に関する政令 ( 以下 政令 という ) 第 13 条に掲げる地下タンク貯蔵所の位置 構造及び設備の技術上の基準のうち 当該二重殻タンクが堅固な基礎の上に固定され

ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

高圧ガス(第576号),P48-53

高圧ガス(第580号),P50-56

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

石油コンビナート地域での 災害対応について 平成 30 年 2 月 15 日 神奈川県安全防災局安全防災部 工業保安課コンビナート G

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病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

スライド 1

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

- 1 - 参照条文建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令案建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令(平成七年政令第四百二十九号)(抄) (通行障害建築物の要件)第四条法第五条第三項第二号の政令で定める建築物は そのいずれかの部分の高さが 当該部分から前面道路の境界線までの水平

7 制御不能な二次災害を発生させない 7-1) 市街地での大規模火災の発生 7-2) 海上 臨海部の広域複合災害の発生 7-3) 沿線 沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺 7-4) ため池 ダム 防災施設 天然ダム等の損壊 機能不全による二次災害の発生 7-5) 有害物質の大規模拡散 流出

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

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2006年度日本経団連規制改革要望

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

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2007年度日本経団連規制改革要望

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

める製品でトリブチルスズ化合物が使用されているものの環境汚染防止措置に関し公表する技術上の指針本指針は 第二種特定化学物質であるトリブチルスズ=メタクリラート ビス ( トリブチルスズ ) =フマラート トリブチルスズ=フルオリド ビス ( トリブチルスズ )=2,3 ジブロモスクシナート トリブチ

官庁施設の総合耐震 対津波計画基準 第 1 編総 則 第 1 章目的及び適用範囲 目的この基準は 国家機関の建築物及びその附帯施設の位置 規模及び構造に関する基準 ( 平成 6 年 12 月 15 日建設省告示第 2379 号 )( 以下 位置 規模 構造の基準 という ) 及び 国家機

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2)

2011 年 12 月 15 日発行 東日本大震災リスク レポート ( 第 5 号 ) 次の大地震 大津波への対応 : 防災計画の見直しと企業に求められる対応 発行 : 三菱商事インシュアランス株式会社リスクコンサルティング室 はじめに 1 本年 3 月 11 日 ( 金 ) の東日本大震災の発生か

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浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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はじめに 昭和 30 年代より エネルギー源が石炭から石油へと転換されるに従い 石油化学工業は急成長を遂げたが 昭和 40 年頃から石油コンビナート等に係る事故が相次いだ 昭和 49 年に岡山県倉敷市水島で発生した重油流出事故では 総合的な防災対策を早急に構ずる必要性が認識され 石油コンビナート等災

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特定個人情報の取扱いの対応について

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

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3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

項目ご意見等の概要部会の考え方 ( 案 ) 1 操業中及び猶予中の工場等における土壌汚染状況調査 有害物質使用届出施設等の廃止後の土壌汚染状況調査が実施されておらず かつ 調査の猶予を受けていない土地についても 土地の利用履歴等の報告や土壌汚染状況調査の対象とする規定を設けるべきである 有害物質使用

ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

つとしてあり得るのかなと思う そのあたりは今後の議論していただく項目になろうかと思う (2) 石油コンビナートに係る検討課題について 資料 1-6 石油コンビナートに係る検討課題 に基づき事務局から説明 委員 資料 1-5の消火用屋外給水施設の配管のところで消火栓 ( 地上配管 ) と消火栓 ( 埋

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第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

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津波に対する水門 陸閘等の操作指針について 1. 目的 本指針は, 水門 陸閘等に関して, 海岸, 河川, 港湾, 漁港等の管理者 ( 以下 施設管理者 という ) と現場操作員が平常時及び津波発生時に実施すべき事項や, 施設に関する閉鎖基準等及び配備体制などの基本的な方針を定め, 本県沿岸に襲来す

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

表紙 NRA 新規制基準概要

中央区建築物の解体工事の事前周知に関する指導要綱

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石油コンビナート等の防災対策 中央防災会議防災対策推進検討会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 説明資料 ( 平成 24 年 12 月 12 日 ( 水 )) 総務省消防庁予防課危険物保安室特殊災害室経済産業省保安課高圧ガス保安室

東日本大震災を踏まえた課題と現状 コンビナート港湾における地震 津波対策検討会議 ( 国土交通省 経済産業省共同開催 ) コンビナート港湾における地震 津波対策について ( 抜粋 ) 2. コンビナート港湾における地震 津波対策に関する基本的考え方 ( 消防庁 経済産業省部分抜粋 ) コンビナート港湾における大規模な石油タンク等については 液状化対策も含めた耐震対策は概ね完了しており 既知の地震動による石油等の大規模な流出の危険性は極めて低い 一方 耐震対策が未了の施設も残ることから 早期改修を進めるとともに 予防規程等の充実など津波対策を推進していく必要がある また 高圧ガス施設等については 東日本大震災において 球形貯槽の脚部の筋交いに損傷を受けたため 球形貯槽の脚部の筋交いについて耐震設計基準を見直す必要がある それ以外に新たな義務づけを必要とする事故 損傷はなかった また 事業者における既存設備の耐震設計基準等への適合状況の確認を進める必要がある 津波対策としては高圧ガス設備を安全に維持できる状態にするための機能を義務づける必要がある また 事業者は設備の破損等の想定を行い 被害低減策の実施のほか 自治体に提示し 地域の津波対策に反映する必要がある 3. 今後取り組むべきコンビナート港湾における主な地震 津波対策 ( 消防庁 経済産業省部分抜粋 ) 事業者による危険物タンク 高圧ガス施設等の耐震性 耐津波性向上 従業員の避難対策や復旧のためのコンビナート周辺の道路や避難施設の確保 ( 出典 ) 国土交通省ホームページ掲載 第 3 回コンビナート港湾における地震 津波対策検討会議の概要について の資料 -1 より抜粋 http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk7_000012.html 1

コンビナート港湾における地震 津波対策の課題と取り組み状況 ( 消防庁 経済産業省部分抜粋 ) 課題これまでの対策の実施状況震災を踏まえた教訓及び今後の取組実施上の課題 1. 地震対策 1) 貯蔵施設 配管等の耐震性 護岸の変位による影響 3) 防油堤 流出油等防止堤の耐震性 4) 構内の敷地 道路の液状化対策 1 一定規模以上の貯蔵施設 製造施設 配管 ( 以下 高圧ガス設備 という ) について 耐震設計基準 ( 貯槽については長周期地震動も考慮 ) を適用 ( 貯蔵施設 製造施設は昭和 57 年 4 月以降設置 配管については平成 10 年 4 月以降設置のもの ) 平成 12 年 4 月以降に設置された貯蔵施設 製造施設 配管のうち 保安物件に近接している等特に保安上重要な施設については 地盤変位の影響も考慮した耐震設計基準を適用 2 屋外タンク貯蔵所では タンク本体 基礎 地盤等に関する耐震基準が策定されており 既存タンクにあっても新基準に適合させる必要があり 1 万 Kl 以上の大型タンクは平成 21 年末までに対策が完了し 1 万 Kl~1,000Kl のタンクについても平成 2 5 年末までに対策が完了する計画で進められている また タンク付属配管は 地震 地盤沈下 温度変化による伸縮等に対し安全な構造の支持物で支持する必要がある なお 東日本大震災を踏まえた検討会においても これらの耐震基準は適切であると評価された ( 経済産業省 消防庁 ) 1 屋外タンクから石油が流出した場合に備えて設ける防油堤は 地震時も含めた地盤支持力 滑動 転倒に対する安全性の確認 止液板を設けた目地の設置等の措置が講じられている また 流出油等防止堤では 地震動に留意し 強度計算を行うこととされている ( 消防庁 ) 1 各事業所において 優先順位の高いものから順次対策を講じている 1 高圧ガス設備につき 今回の震災では 耐震設計基準が適用されていない設備であっても重大な被害は発生していない 一方 これら設備のうち 塔類では約 1 割 貯槽類では約 3 割 配管では約 9 割が耐震設計基準等に適合性について確認がなされていないことが判明 事業所自ら耐震性能について評価し 事業リスクとして有価証券報告書等で公表するほか 自治体 国は適合状況をフォローアップして公表する 2 耐震基準に適合していない屋外タンクの浮き屋根等にあっては 出来る限り早期に耐震基準に適合するよう工事計画の見直しを求めているところ ( 経済産業省 消防庁 ) 1 既に左記の耐震対策は講じられているが 地震時における液状化の可能性を確認し 地盤沈下等が発生するおそれがある場合は 被害を最小限に抑えるための対策の検討を求めているところ また 特定事業者における流出油等防止堤の機能維持 機能回復のための応急措置用資機材の準備や計画の策定について通知したところ ( 消防庁 ) 1 引き続き 各事業所において 各地の実情に応じた安全対策を講じていく ( 出典 ) 国土交通省ホームページ掲載 第 3 回コンビナート港湾における地震 津波対策検討会議の概要について の資料 -2 より抜粋 http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk7_000012.html 2

課題これまでの対策の実施状況震災を踏まえた教訓及び今後の取組実施上の課題 2. 津波対策 2) 津波に対する貯蔵施設等の防災 減災対策 及び貯蔵施設 配管等の津波による浸水 浮上 流出対策 漂流物対策 1 高圧ガス設備については 津波の波力を想定した構造計算等は求めていない ただし 液化ガス貯槽の配管が破損した場合の漏洩を止めるための緊急遮断弁の設置を義務づけている 2 屋外タンクについては 消防法令上 津波の波力を想定した構造計算は求めていないが 地震及び風圧を設計外力として これらの外力に耐える構造が求められている ( 経済産業省 消防庁 ) 1 高圧ガス設備の津波の波力等の影響について評価する手法の開発 (24 年度から検討 ) 事業者は 高圧ガス施設等の津波による被害想定を策定し自治体に提供することを危害予防規程に基づき規定 ( 平成 24 年度から検討 ) 高圧ガス設備の安全な停止等及び配管が破損した場合のガスの漏洩防止のため地震防災遮断弁の技術基準の制定 ( 平成 24 年度から検討 ) 2 屋外タンクについては 東日本大震災においてタンク下端からの津波浸水深が 3m 以上となる場合は タンク付属配管が破損するおそれがあることがわかったことから 津波浸水深さ 3m 以上となることが想定される特定屋外タンク貯蔵所では 津波警報が発令された場合等における従業員への情報伝達方法 避難方法に加え 配管からの危険物流出防止措置 ( 例えば緊急遮断弁の確実な閉止体制等 ) について予め予防規程に記されることになる なお 津波によるタンク本体の滑動は 津波浸水深が 5 m~7m 以上で生ずる可能性があるが タンクの大きさ タンク内の危険物液量等によって滑動可能性が変わることから 消防庁が提供している津波被害シミュレーションを活用した被害想定等を踏まえ 各事業所の実態に応じた津波対策を講じていくことが必要となる また 石油コンビナートの周辺の住民や施設への防災 減災対策について災害情報伝達 住民避難等の観点から検討を行うこととしている 高圧ガス容器 ローリーの流出を完全に防止することは困難 高圧ガス設備の被害想定の提供を受けた自治体が 当該想定を加味した地域の津波対策に反映させる必要がある また 仮に コンビナート港湾を襲うと想定される津波高さが タンクの大きさ タンク内の危険物液量等によって定まる滑動可能性のある津波高さ以上となった場合 タンクの滑動を防止する有効な方策は現時点では存在しないため 当該地区を含む広域的な津波防災対策の検討の一環として検討すべき課題となる 注 ) 滑動可能性のある津波とは タンク条件によって異なるが 概ね 10m( 津波浸水深で概ね 5m~7m)) を越えるような大きな津波が想定される ( 経済産業省 消防庁 ) ( 経済産業省 消防庁 ) 3) 防油堤の洗掘 滑動等の津波対策 1 屋外タンクから石油が流出した場合に備えて設ける防油堤は 津波高さが防油堤より低い場合に 洗掘や滑動等が起こらないことが必要である 消防法令上 防油堤の洗掘 滑動等を想定した構造計算は求めていないが 耐震性を有していることから 東日本大震災において 津波高さが防油堤より低い際に洗掘や滑動等が起きたという報告は受けていない なお 津波高さが防油堤より高かった事例の一部で防油堤の洗掘事例もあったが ほとんどの事業所では津波による防油堤の洗掘は起きておらず また 洗掘によって防油堤の貯油機能が著しく損なわれた事例も確認されていない ( 消防庁 ) 東日本大震災において 防油堤で講じられている地震対策は津波に対しても有効であることが確認された ( 消防庁 ) 3

課題これまでの対策の実施状況震災を踏まえた教訓及び今後の取組実施上の課題 3. 防災体制 従業員等の避難対策 復旧対策 1) 津波来襲時の従業員 港湾関係者等の避難対策 2) 防災体制の確立 早期復旧対策 1 東海 東南海 南海地震 日本海溝 千島海溝周辺海溝型地震の対策推進地域内の高圧ガス施設を設置している事業所において 津波からの円滑な避難の確保に関することを危害予防規程に定めることを義務づけ 2 避難や早期復旧に必要となる港湾へのアクセス道路について 整備 多重化を進めてきたところであり 地域防災計画に基づき 避難施設等の整備も進めてきたが 港湾に特化した避難対策については特段講じられていなかった 3 東日本大震災の教訓を踏まえ 一定の危険物施設の管理者等が策定すべき予防規程の中に 地震に伴う津波が発生し 又は発生するおそれがある場合における施設及び設備に対する点検 応急措置等に関すること を平成 24 年 11 月 30 日までに定めることとされた また 石油コンビナート等防災計画では 災害時における避難に関することについて定めることとしている なお 東海 東南海 南海地震等の大規模地震に対して特に地震防災対策を推進する必要のある地域にあっては 従前から 津波からの円滑な避難の確保 について予防規程及び防災規程で定めることとされている ( 経済産業省 国土交通省 消防庁 ) 1 自衛防災組織の防災活動に関することは 防災規程に定めることとされている 2 避難や早期復旧に必要となる港湾へのアクセス道路について 整備 多重化を進めてきたところであり 地域防災計画に基づき避難施設等の整備も進めてきたが 港湾に特化した避難対策については特段講じられていなかった ( 国土交通省 消防庁 ) 1 津波の浸水のおそれのある事業所に対して 施設の安全な停止等の措置と従業員の円滑な避難を両立させるための方策を検討 定期的な訓練を行うことを危害予防規程に基づき制定することを義務化 ( 平成 24 年度中 ) 2 今回の震災において アクセス道路の液状化等により復旧に際しての重機搬入に時間を要したこと等を踏まえ 必要に応じてアクセス道路の耐震化 多重化を進めていく 併せて 港湾内で働く従業員や港湾利用者 来訪者を対象とした 港湾における避難ガイドライン ( 仮称 ) を本年度内に策定するとともに 避難施設の確保等を図る 3 人命を最優先とした上で 従業員等の避難方法の確認 周知徹底等を図るとともに 危険物施設の緊急停止方法等について確認することなど 予防規程を定める際に留意すべき事項について通知しているところ 石油コンビナート等防災計画は 毎年見直しを行い必要があれば修正することとされている また 石油コンビナートの周辺の住民や施設への防災 減災対策について災害情報伝達 住民避難等の観点から検討を行うこととしている ( 経済産業省 国土交通省 消防庁 ) 1 特定事業者における特定通路等の防災活動上重要な通路の機能維持 機能回復のための応急措置用資機材の準備や計画の策定について通知したところ 2 今回の震災において アクセス道路の液状化等により復旧に際しての重機搬入に時間を要したこと等を踏まえ 必要に応じてアクセス道路の耐震化 多重化を進めていく ( 国土交通省 消防庁 ) 4

大規模な石油タンクの地震 津波対策等 東日本大震災における被害状況 東日本大震災では 右表のとおり調査対象危険物施設 211,877 の約 1.6%(3,341 施設 ) で何らかの被害が発生した ( 被害の 93% は 火災 及び 流出 を伴わない破損等 ) なお 屋外タンク貯蔵所では 調査対象施設 26,572 の約 3.2%(841 施設 ) で何らかの被害が発生した ( 被害の 85% は 火災 及び 流出 を伴わない破損等 ) 地震対策 ( 既知の地震動に対し現行基準は概ね妥当と評価 ) 津波対策 全て宮城県内の同一事業所で発生 液面低下による溢流防止対策 タンク タンク本体の耐震対策 タンク被害有 津波浸水深 5~7m タンク 津波浸水深 =5~7m 津波高が概ね 10m 以上 津波浸水深 =3m 津波高が概ね 6m 以上 地盤 タンク防油堤 護岸満潮位 津波高タンク基礎 津波高 10m 配管被害有 津波浸水深 3m 津波高 6m GL 防油堤の設置による危険物流出防止対策 地盤の液状化対策 20 m 津波被害無 概ね 2m 概ね 2m 約 6m 未満では被害無 石油タンクの耐震基準が策定された昭和 52 年以降に設置された屋外タンク貯蔵所のみならず それ以前に設置された屋外タンク貯蔵所にも次の対策を要求 屋外貯蔵タンクの地盤条件やタンク特性に応じたタンク本体の 耐震設計 液状化対策を講じた屋外貯蔵タンクの堅固な基礎地盤の設計 施工 屋外貯蔵タンクからの万が一の危険物流出に備えた防油堤の設置 スロッシングの影響による溢流防止を考慮した液面高さ制限の設定 今後の課題 1 引き続き屋外タンク貯蔵所の地震対策に取り組むことが必要 2 津波対策を推進することが必要 津波高と津波浸水深との関係は タンク設置位置の標高や基礎高さで変わることに留意する必要がある 東日本大震災における屋外貯蔵タンクの津波被害分析結果を踏まえ 津波に対して危険物施設で講ずべき応急措置を予防規程に定めることを要求 ( 詳細は津波被害シミュレーションで検証 ) 津波浸水深が 3m 未満 ( 津波高が約 6m 未満 ) タンク本体 付属配管ともに被害は無いと想定 津波浸水深が 3m 以上 ( 津波高が約 6m~10m) タンク付属配管が被災する可能性があることから 危険物の流出防止措置を要求 津波浸水深が 5~7m 以上 ( 津波高が約 10m 以上 ) タンク本体 配管に被害が発生する可能性有 5

地震対策 高圧ガス施設等の地震対策 津波対策 地震対策として 球形貯槽の脚部の筋交いの耐震設計基準の見直しや補強の方法を検討する 既存設備の耐震設計基準等の適合状況について 事業者は確認及び有価証券報告書等による公表を行う 液状化によるリスク調査 対策も実施する 津波対策として 高圧ガス設備の安全な停止等により設備を安全に維持できる状態にするための機能を持たせることを義務づける 事業者は設備の破損 流出による被害を想定し 被害低減策を実施するほか 自治体に提示すること等を危害予防規程に基づき規定する 自治体は 想定を地域の津波対策に反映させる 東日本大震災では 球形貯槽の脚部の筋交いに損傷を受けた それ以外に 新たな義務づけを必要とする事故 損傷は無かったことから以下の対策を行う 球形貯槽の脚部の筋交いの耐震設計基準の見直し 補強の方法の検討 既存設備の耐震設計基準等への適合状況について 事業者は 確認及び有価証券報告書等による公表 自治体及び国によるフォローアップ 事業者による液状化のリスク調査と対策実施の推進 地震調査研究推進本部等の地震動予測地図の改訂に併せ 地域係数等の見直しを検討等 ( 例 ) 貯槽の筋交いの耐震基準の見直し 津波対策 東日本大震災では 浸水深に応じ 貯槽等の倒壊 転倒及び高圧ガス設備の流出など重大な事象の発生件数が多くなる傾向があり 1m 未満の浸水深でも緊急遮断装置 計装設備等の破損 不具合により想定される被害のリスクが大きい事象が発生したことから以下の対策を行う 高圧ガス設備の安全な停止 高圧ガスの封じ込め ガスの廃棄などにより 津波到達までの間に高圧ガス設備を安全に維持できる状態にするための機能を持たせることを義務づけ 事業者は 設備の破損 流出による被害を想定し 被害低減策の実施のほか 自治体に提示し 地域の津波対策に反映 事業者は 事業所内の人命を保護するための対策( 情報伝達 避難方法等のルール化 定期的な訓練 ) を実施 設備が波力 浮力及び漂流物により受ける影響を評価するための手法を新たに検討等 6

石油コンビナート等災害防止法の概要 (1) ~ 石油コンビナート等の防災対策 ~ 石油コンビナートなど 大量の石油や高圧ガスが取り扱われている区域は 石油コンビナート等災害防止法により 都道府県 市町村 特定事業者が相互に協力 連携する総合的な防災体制が確立されている 石油コンビナート等特別防災区域 ( 法 2 条 ) 大量の石油や高圧ガスが取り扱われている区域を政令で指定 (33 道府県 85 区域 ) ( 区域の主な考え方 ) 石油の貯蔵 取扱量 10 万 kl 高圧ガスの処理量 2,000 万 3 1 特定事業所 石油の貯蔵 取扱量高圧ガスの処理量 1 万 kl 200 万 3 1 第 1 種事業所 (380 事業所 ) 大量の石油又は高圧ガスを取り扱う事業所 レイアウト事業所 (184 事業所 ) 第 1 種事業所のうち石油と高圧ガスを取り扱う事業所 石油の貯蔵 取扱量高圧ガスの処理量 1,000kl 20 万 3 1 第 2 種事業所 (328 事業所 ) 一定量以上の石油又は高圧ガス等を取り扱う事業所 石油コンビナート等災害防止法 消防法など他の法律による規制 義務のほか 本法律による規制 義務が課せられる 消防法 高圧ガス保安法 総合的な防災体制 石油コンビナート等防災本部 ( 法 27 条 ) 防災対策に関する石油コンビナート等防災計画を作成 ( 法 31 条 ) 本部長 : 都道府県知事 本部員 : 特定地方行政機関の長 市町村長 消防機関の長 特定事業所の代表者等 < 石油コンビナート等防災計画の内容 > 関係機関等の防災に関する組織の整備及び防災に関する事務 特定事業所及びその他の関係機関等の職員への防災教育及び防災訓練に関する事項 防災のための施設 設備 機械器具 資材の設置 維持 備蓄 輸送等に関する事項 災害の想定に関する事項 災害が発生した場合等における情報の収集及び伝達並びに広報に関する事項 災害に対する応急措置の実施に関する事項 災害時における避難 交通の規制 警戒区域の設定等に関する事項等 特定事業所 石油コンビナート等現地防災本部 ( 法 29 条 ) 災害時に緊急に統一的な防災活動を実施する必要があるときに設置 現地本部長 : 本部長が指名する者 現地本部員 : 本部長が指名する者 都道府県数 区域数 事業所数は 平成 24 年 4 月 1 日現在である 7

石油コンビナート等災害防止法の概要 (2) ~ 特別防災区域内の特定事業者の義務 ~ 特定事業者は 特定事業所における災害の発生及び拡大の防止に関し万全の措置を講ずるとともに 特別防災区域内の災害の拡大の防止に関し 他の事業者と協力し 相互に一体となって必要な措置を講ずる責務を有する 特定事業者の義務 自衛防災組織の設置 ( 法 16 条 ) 災害の発生又は拡大を防止するために必要な業務を実施 防災管理者の選任 自衛防災組織の統括 防災規程の策定 防災業務に関する事項 防災要員の配置 配備する防災資機材に必要な人数を配置 防災資機材の配備 取り扱う石油類の種類 量に応じた化学車等の配備 特定防災施設等の設置 ( 法 15 条 ) 災害の拡大防止のために設置 流出油等防止堤 消火用屋外給水施設 非常通報設備 < 共同防災組織 >( 法 19 条 ) 一の特別防災区域内に所在する特定事業所は 業務の一部を行わせるため共同防災組織を設置することができる 特定事業所毎に行う 異常現象の通報 ( 法 23 条 ) 災害応急措置 ( 法 24 条 ) レイアウト規制 大量の石油と高圧ガスを取り扱う第 1 種事業所に対する災害の拡大を防止するための規制 ( 法 5 条 7 条 ) < 主な内容 > 用途に応じた施設の配置及び面積の制限 基準に応じた通路の幅員の確保 通路を横断する配管の高さ制限 消防隊が活動するための空地の確保等 ( レイアウトのイメージ ) < 広域共同防災組織 >( 法 19 条の 2) 二つ以上の特別防災区域にわたる区域であって 政令で定めるもの ( 1) においては 特定事業所の自衛防災組織の業務のうち政令で定めるもの ( 2) を行わせるための広域的な共同防災組織を設置することができる ( 1) 現在 12 地区が指定 ( 2) 大容量泡放射システムに関する業務 8

石油コンビナート等災害防止法の概要 (3) ~ 特定事業者における防災対策のイメージ ~ 自衛防災組織に備えなければならない防災資機材 ( 法 16 条 ) 1 化学消防車等 < 大容量泡放射システム > 運搬 ホース展開 ポンプ 混合装置 放水 泡原液 泡原液搬送材 貯蔵施設地区 遠距離送水システム 直径 34m 以上の浮き屋根式屋外貯蔵タンクがある特定事業所 ( 政令 13 条 ) 広域共同防災組織 ( 政令 22 条 2 項 ) 用水池又は海 大容量泡放射砲 左の車両から泡原液搬送車 大型化学消防車 大型高所放水車 屋外給水設備に消防車のホースを接続 自衛防災組織に備えなければならない防災資機材 ( 法 16 条 ) 2 オイルフェンス オイルフェンス ( 政令 17 条 ) ( 石油の貯蔵 取扱量 ) 百万 KL 以上長さ2160m 十万 KL 以上百万 KL 未満長さ1620m 一万 KL 以上十万 KL 未満長さ1080m 油回収船 ( 政令 18 条 ) 百万 KL 以上の場合は備え付けが必要 その他施設地区 < 流出油等防止堤の断面イメージ > 消火用屋外給水施設 ( 特定防災施設等法 15 条 ) (A+B) 120 分継続放水できる量の水の供給能力 A: 自衛防災組織の大型化学消防車等の放水能力の合計 B: 当該大型化学消防車等のうち最大のものの放水能力 流出油等防止堤 ( 容量 1 万 KL 以上 ) ( 特定防災施設等法 15 条 ) 仕切堤 は容量 1 万 KL 以上のタンクの周囲に設置 防油堤 はタンク区画ごとに設置 防止堤 は防油堤のすべてを囲むように設置 9

石油コンビナート等特別防災区域 平成 24 年 4 月 1 日現在 石油コンビナート等災害防止法に基づき 33 道府県 104 市町村において 一定量以上の石油又は高圧ガスを大量に集積している 85 地区が特別防災区域に指定されている 表の番号は 石油コンビナート等特別防災区域を指定する政令 ( 昭和 51 年政令第 192 号 ) 別表による 10

石油コンビナート等特別防災区域 首都圏部分 13 14 19 番号 特別防災区域名 15 20 21 16 13 鹿島臨海 14 京葉臨海北部 15 京葉臨海中部 16 京葉臨海南部 19 京浜臨海 20 根岸臨海 21 久里浜 番号は 石油コンビナート等特別防災区域を指定する政令 昭和51年政令第192号 別表による 11