環境に優しいエネルギーの安定供給に向けて -GTL 商業プラント開発へ向けた実証研究の取り組み - 2007 年 6 月 20 日 大澤伸行 opyright is vested in Nippon GTL 1
目次 (1) Ⅰ.GTL の概要 1.GTL の概要 (1) GTL(Gas to Liquids) とは (2) GTL プロセス (3) GTL の歴史 (4) GTL 製品の特徴 2. 世界の GTL プロジェクトの動向 (1) 各社の GTL 技術の比較 (2) 主な GTL プロジェクト (3) 今後の GTL 生産量の見通し Ⅱ. 実証研究の概要 1.GTL 技術開発の意義 (1) 背景 (2) 技術開発の意義 (3) GTL 技術の開発経緯 (4) Japan-GTL 技術の特徴 (5) 国産 GTL 技術の経済性 2. の概要 3.GTL 実証研究の内容 (1) 主な研究目的および研究範囲 (2) バックアップ研究 研究例 (3) 研究スケジュール (4) プラント建設予定地 (5) プラント完成予想図 4. まとめ opyright is vested in Nippon GTL 2
Ⅰ-1.GTL の概要 (1) GTL(Gas to Liquids) とは 1) 天然ガスから合成ガス ( 水素と一酸化炭素の混合ガス ) を作り 2) この合成ガスを FT 合成反応により液体燃料粗油とし 3) さらに目的とする最終製品 ( ナフサ 灯 軽油 潤滑油基油等 ) を製造する 製造技術および製品の総称 天然ガス合成ガス合成ガス液体燃料 FT 合成工程製造工程粗油メタンスチーム酸素二酸化炭素 アップグレーディング工程 最終製品 ナフサ灯油軽油潤滑油基油 opyright is vested in Nippon GTL 3
opyright is vested in Nippon GTL (2) GTL プロセスメタン O スチーム O O 二酸化炭素 水素合成ガス製造工程FT合成工程アップグレーディング工程 FT 合成油 (5~100) ナフサ (5~10) 灯油 (10~14) 軽油 (14~20) 4 O O 酸素 O 一酸化炭素
(2)1 合成ガス製造 o 系触媒を用いる FT 合成には 2/O=2 の組成が最適 スチーム + + 天然ガス ( メタン ) 酸素 水素 合成ガス (SynGas) 一酸化炭素 二酸化炭素 合成ガス製造 FT 合成 アップグレーディング opyright is vested in Nippon GTL 5
(2)2 合成ガス製造技術の比較 改質用 O2 製造 原料中の O2 除去 合成ガス比 (2/O) 水蒸気改質不要要 3 以上 (2 除去要 ) 部分酸化 (POX) 要要 2 自己熱改質 (ATR) 要要 2 炭酸ガス水蒸気改質不要不要 2 opyright is vested in Nippon GTL 6
(2)3FT 合成 水素 + 一酸化炭素 メタン エタン 5-10 ナフサ 11-20 灯軽油 合成ガス (SynGas) 合成ガス製造 FT 合成 アップグレーディング opyright is vested in Nippon GTL 7
(2)4FT 合成の連鎖成長機構 Step1: 連鎖の基本単位 = カルベン の生成過程 吸着 O 水素 カルベン O 水 メチル メタン 触媒 O + 22 [2]ad. + 2O Step2: カルベン 重合機構 カルベン 重合 O が直接挿入してから水素化される説もある ( 直鎖アルコール副生が根拠 ) 成長中のアルキル基 次のカルベン生成 連鎖へ opyright is vested in Nippon GTL 8
Step3: 連鎖の終了 α オレフィンとして脱離, 水素化されてパラフィン or パラフィンとして水素化脱離 F-T 合成の性能の指標 : 連鎖成長確率 (α) とは何か? O,22 2O O,22 2O O,22 2O O,22 2O n2n+1-37- 3-25- 49-26 38 410 n2n+2 連鎖反応 ( 右行き ) する確率 :α 終了反応 ( 下行き ) する確率 :1-α α が大きければ鎖の長いものができる α が小さければ鎖の短いものしかできない 炭素鎖長によらず,α は比較的一定となる opyright is vested in Nippon GTL 9
(2)5 連鎖成長確率 αと理論生成分布 100 重量 % 80 ガス 1,2 60 LPG 40 3,4 ナフサ 5~9 灯軽油 20 10~21 21 ワックス 22~ 0 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 連鎖成長確率 α αの目標値は? ナフサはパラフィンであり, オクタン価が低い灯軽油はパラフィンであり, 低温性能が悪い ( 冬場固化してしまう ) 一旦なるべくワックスにし, 水素化分解するのが良い F-Tのαは高いほど良い (α:0.90 以上が狙い ) opyright is vested in Nippon GTL 10
(2)6FT 合成技術の比較 スラリー床 生成油 O + 2 固定床 生成油 高温 FT 低温 FT 触媒 鉄系 コハ ルト系 反応温度 350 250 装置イメージ : : : : 主要生成物 ナフサオレフィン 灯油軽油 Wax : : : : : : : : :: : O + 2 拡散 除熱 大型化 opyright is vested in Nippon GTL 11
(2)7FT 合成プロセス ( 国産技術 ) 冷却管 冷却水 水 + スチーム 未反応 2, O 副生 4, O2, 2O 軽質生成油 気 固 液 3 相スラリー床 ( 固液懸濁相中を気泡が上昇 ) 触媒分離槽 重質生成油 合成ガス (2, O) 触媒 反応条件 :240, 2.2MPa opyright is vested in Nippon GTL 12
(2)8 アップグレーディング 5~10 ナフサ F-T 合成油 10~14 灯油 + 水素 水素化精製 14~20 軽油 水素化分解 ( 分解 異性化 ) 合成ガス製造 FT 合成 アップグレーディング opyright is vested in Nippon GTL 13
(2)9 アップグレーディングプロセスフロー 粗ナフサ 水素 蒸留塔 FT 生成油 水素 ナフサ 粗灯軽油 固定床触媒 ワックス 水素 灯油 製品軽油調合 軽油 固定床反応器 opyright is vested in Nippon GTL 14
(3) GTL の歴史 1923 年 ( ドイツ ) Franz Fischer と ans Tropsch が合成ガスからの液体燃料の製造に成功 第 2 次大戦中 ( ドイツ ) 石炭を原料に 日産 16,000 バーレルの合成燃料を製造 ( 日本 ) ドイツの技術を導入し 日産 1,500バーレル の合成燃料を製造 1955 年 ( 南ア ) アパルトヘイト政策下で 石油の禁輸措置への対応として石炭から日産 8,000バーレルの合成燃料の製造を開始 以後 同国のサソール社が技術改良を重ねながら 生産 規模を拡大 ( 注 : 1 ハ ーレル =159l) opyright is vested in Nippon GTL 15
(4) GTL 製品の特徴 < 燃料油 > 低硫黄 低芳香族 高煙点 ( 高燃焼性 ) 高セタン価 ( 高着火性 ) GTL ナフサ ナフサ ( ペトケミ ) GTL 灯油 灯油 ( 家庭用 ) GTL 軽油 軽油 (2 号軽油 ) 密度 (15 ) g/cm3 0.69 0.70 0.74 0.80 0.78 0.83 硫黄分 質量 ppm 1 未満 220 1 未満 8 1 未満 8 セタン価 - - - - 73 54 煙点 mm - - 50 25 - - 芳香族分 容量 % 1 未満 7 1 未満 18 1 未満 18 ノルマルハ ラフィン 容量 % 59 38 - - - - < 潤滑油基油 > ( 用途 ) 高粘度指数 エチレンクラッカー原料 アルキルベンゼン用原料燃料電池用燃料 GTL 基油一般基油 (GrⅡ) 一般基油 (GrⅢ) 硫黄分 質量 ppm 1 未満 5-300 30 未満 粘度指数 144 95-120 120-140 流動点 -17.5-17.5-17.5 高性能軽油 ( 用途 ) 高性能潤滑油基油 opyright is vested in Nippon GTL 16
目次 (1) Ⅰ.GTL の概要 1.GTL の概要 (1) GTL(Gas to Liquids) とは (2) GTL プロセス (3) GTL の歴史 (4) GTL 製品の特徴 2. 世界の GTL プロジェクトの動向 (1) 各社の GTL 技術の比較 (2) 主な GTL プロジェクト (3) 今後の GTL 生産量の見通し Ⅱ. 実証研究の概要 1.GTL 技術開発の意義 (1) 背景 (2) 技術開発の意義 (3) GTL 技術の開発経緯 (4) Japan-GTL 技術の特徴 (5) 国産 GTL 技術の経済性 2. の概要 3.GTL 実証研究の内容 (1) 主な研究目的および研究範囲 (2) バックアップ研究 研究例 (3) 研究スケジュール (4) プラント建設予定地 (5) プラント完成予想図 4. まとめ opyright is vested in Nippon GTL 17
Ⅰ-2. 世界の GTL プロジェクトの動向 (1) 各社の GTL 技術の比較 合成ガス製造 FT 合成水素化分解技術の完成度 Sasol Shell ExxonMobil Topsoe ( 自己熱改質 ) Shell ( 部分酸化 ) EM ( 自己熱改質 ) Sasol ( スラリー床 o 系 ) Shell ( 多管式固定床 o 系 ) EM ( スラリー床 o 系 ) hevron ( 異性化 / 水素化分解 ) Shell ( 水素化分解 ) EM ( 異性化 / 水素化分解 ) 商業段階 Oryx( カタール ) 34,000B/D( 稼動中 ) OryxⅡ( カタール ) 74,000B/D( 計画中 ) 商業段階 Bintulu( マレーシア ) 14,700B/D( 稼働中 ) Pearl( カタール ) 140,000B/D( 設計中 ) 実証段階 200B/D 商業 PJ( カタール ) 154,000B/D( 計画中止 ) onocophillips onoco ( 接触部分酸化 ) onoco ( 詳細不明 o 系 ) onoco ( 水素化分解 ) 実証段階 400B/D bp bp ( 水蒸気改質 ) bp ( 固定床 o 系 ) 不明 ( 水素化分解 ) 実証段階 300B/D Japan-GTL ( 国産 ) 千代田化工 ( 炭酸ガス 水蒸気改質 ) 新日鉄 ( スラリー床 o 系 ) 新日石 ( 異性化 / 水素化分解 ) パイロット段階 (7B/D) 500B/D ( 設計 建設中 ) opyright is vested in Nippon GTL 18
(2) 主な GTL プロジェクト コノコフィリップス : カタール 160,000B/D サソール : カタール 34,000 + 74,000B/D 130,000 B/D( 検討停止 ) bp: アラスカ州 300B/D コノコフィリップス : オクラホマ州 400B/D Marathon: カタール 120,000B/D ( 検討中止 ) エクソンモービル : カタール 154,000B/D( 計画中止 ) ( 検討中止 ) Sonatrach: アルシ ェリア 36,000B/D シェル : カタール 70,000 + 70,000B/D bp: コロンビア 34,000B/D サソールシェフ ロン : ナイジェリア 34,000B/D 稼動中 ペトロ SA: 南ア 30,200B/D サソール : 南ア 105,000B/D ( 原料 : 石炭 ) シェル : マレーシア 14,700B/D 計画 / 建設中 検討中 実験プラント opyright is vested in Nippon GTL 19
(3) 今後の GTL 生産量の見通し カタール その他 千バーレル / 日 年度 2006 2007 2008 2009 2010 2011 以降 1,000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 サソール 34 千 B/D サソールシェフ ロン 74 千 B/D シェル 70 千 B/D サソールシェフ ロン 34 千 B/D ナイジェリア シェル 70 千 B/D Sonatrach 36 千 B/D アルジェリア ( 最盛期の見通し 現在 各社見直し中 ) 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 bp 34 千 B/D コロンビア 赤字 : 稼動中 青字 : 計画 / 建設中 緑字 : 検討中 ( 注 ) サソールの南アフリカにおける生産量 ( 約 100 千バーレル / 日 ) は石炭を原料としているため含まず opyright is vested in Nippon GTL 20
目次 (1) Ⅰ.GTL の概要 1.GTL の概要 (1) GTL(Gas to Liquids) とは (2) GTL プロセス (3) GTL の歴史 (4) GTL 製品の特徴 2. 世界の GTL プロジェクトの動向 (1) 各社の GTL 技術の比較 (2) 主な GTL プロジェクト (3) 今後の GTL 生産量の見通し Ⅱ. 実証研究の概要 1.GTL 技術開発の意義 (1) 背景 (2) 技術開発の意義 (3) GTL 技術の開発経緯 (4) Japan-GTL 技術の特徴 (5) 国産 GTL 技術の経済性 2. の概要 3.GTL 実証研究の内容 (1) 主な研究目的および研究範囲 (2) バックアップ研究 研究例 (3) 研究スケジュール (4) プラント建設予定地 (5) プラント完成予想図 4. まとめ opyright is vested in Nippon GTL 21
Ⅱ ー 1.GTL 技術開発の意義 (1) 背景 アジアを中心とする世界的なエネルギー需要の増大に伴う石油価格の高騰 2030 年頃には石油生産量がピークを迎え 増大し続ける需要を賄えきれなくなると言う石油枯渇論の存在 化石燃料の燃焼を主要因とする大気中の二酸化炭素濃度上昇に伴う地球温暖化現象 opyright is vested in Nippon GTL 22
(2) 技術開発の意義 石油代替燃料ソースとしてのガス資源を確保するために 重要な戦略技術である 海外企業 ( サソール シェル EM) は GTL 技術の商業化を先行しているが 他社へ技術供与は行わない方針であるため 独自技術の開発が必要である GTL 製品 ( 燃料 ) は クリーン燃料としての用途が期待されている GTL 製品 ( 潤滑油 ) は 将来の高性能ベースオイルとしての用途が期待されている opyright is vested in Nippon GTL 23
(3) GTL 技術の開発経緯 (JOGME 研究 ) 装置能力 (B/D) 20,000~ 15,000 500 7 0.01 ベンチスケール (0.01-0.1B/D) JOGME(JNO) 石油資源開発 千代田化工建設 コスモ石油 新日本製鉄 国際石油開発 パイロットスケール (7B/D) 北海道 勇払 JOGME 日本 GTL 国際石油開発新日本石油石油資源開発コスモ石油新日鉄エンジ千代田化工建設 実証スケール (500B/D) 新潟県 新潟東港 15,000~20,000B/D 商業プラント 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2015 opyright is vested in Nippon GTL 24
(4)Japan-GTL 技術の特徴 従来プロセス ( トプソ自己熱改質プロセスの例 ) 天然ガス (O 2 20% 含有 ) Air O 2 除去硫黄除去 酸素製造 合成ガス製造 FT 合成 水素化分解 Japan-GTL プロセス 天然ガス (O 2 20% 含有 ) 主な特徴 天然ガス中の O 2 除去不要 酸素製造プラント不要 硫黄除去 O2 削減 合成ガス製造 FT 合成 水素化分解 O2 を含むため開発されずに放置されたガス田の有効活用に資する 合成ガス製造 炭酸ガス / 水蒸気改質 FT 合成 スラリー床 +o 触媒 アップグレード 固定床 +Pt 触媒 opyright is vested in Nippon GTL 25
(5) 国産 GTL 技術の経済性 < 前提 > 規模 : 15,000B/D 建設コスト : 488 百万ト ル 償却期間 : 15 年 製品製造コスト [ ト ル /Bbl] 50 40 30 20 10 0 19.0 ト ル /Bbl 運転費 4.6 設備費 6.1 原料費 8.3 27.4 ト ル /Bbl 運転費 4.6 設備費 6.1 原料費 16.7 35.7 ト ル /Bbl 運転費 4.6 設備費 6.1 原料費 25.0 44.1 ト ル /Bbl 運転費 4.6 設備費 6.1 原料費 33.4 1.0 2.0 3.0 4.0 ガス価格 [ ト ル / 百万 Btu] 出展 : Feasibility Study of Gas to liquid Technology (Pertamina & JOGME, 2003 年 ) opyright is vested in Nippon GTL 26
目次 (1) Ⅰ.GTL の概要 1.GTL の概要 (1) GTL(Gas to Liquids) とは (2) GTL プロセス (3) GTL の歴史 (4) GTL 製品の特徴 2. 世界の GTL プロジェクトの動向 (1) 各社の GTL 技術の比較 (2) 主な GTL プロジェクト (3) 今後の GTL 生産量の見通し Ⅱ. 実証研究の概要 1.GTL 技術開発の意義 (1) 背景 (2) 技術開発の意義 (3) GTL 技術の開発経緯 (4) Japan-GTL 技術の特徴 (5) 国産 GTL 技術の経済性 2. の概要 3.GTL 実証研究の内容 (1) 主な研究目的および研究範囲 (2) バックアップ研究 研究例 (3) 研究スケジュール (4) プラント建設予定地 (5) プラント完成予想図 4. まとめ opyright is vested in Nippon GTL 27
Ⅱ-2. の概要 (1) 名称 : (2006 年 10 月 25 日設立 ) ( 英文名 ) (2) 所在地 : 本部 : 新日本石油虎ノ門ビル実証センター : 新潟東港工業地帯 (3) 研究参加者 参加会社 ( 下線は幹事会社 ) 組合員 国際石油開発 新日本石油 石油資源開発 コスモ石油 新日鉄エンジ 千代田化工建設 非組合員 JOGME( 非組合員 ) (4) 研究費総額 :360 億円 ( 内補助金 240 億円 ) opyright is vested in Nippon GTL 28
(6) 設立時期 : 2006 年 10 月 25 日 (7) 設立目的 : GTL 商業プラント技術開発 (JOGME との共同研究 ) (8) 体制 (a) GTL 実証プラント (500B/D) の設計 建設 実証運転 (b) GTL 技術 ( プロセス 触媒 ) の研究開発 (c) GTL 商業プロジェクト (20,000B/D/ 系列 ) の検討 JOGME *1 共同研究契約 *1 ( 独 ) 石油天然ガス 金属鉱物資源機構 基本協定 設立 国際石油開発 ( 株 ) 新日本石油 ( 株 ) 石油資源開発 ( 株 ) コスモ石油 ( 株 ) 新日鉄エンジニアリング ( 株 ) 千代田化工建設 ( 株 ) opyright is vested in Nippon GTL 29
目次 (1) Ⅰ.GTL の概要 1.GTL の概要 (1) GTL(Gas to Liquids) とは (2) GTL プロセス (3) GTL の歴史 (4) GTL 製品の特徴 2. 世界の GTL プロジェクトの動向 (1) 各社の GTL 技術の比較 (2) 主な GTL プロジェクト (3) 今後の GTL 生産量の見通し Ⅱ. 実証研究の概要 1.GTL 技術開発の意義 (1) 背景 (2) 技術開発の意義 (3) GTL 技術の開発経緯 (4) Japan-GTL 技術の特徴 (5) 国産 GTL 技術の経済性 2. の概要 3.GTL 実証研究の内容 (1) 主な研究目的および研究範囲 (2) バックアップ研究 研究例 (3) 研究スケジュール (4) プラント建設予定地 (5) プラント完成予想図 4. まとめ opyright is vested in Nippon GTL 30
Ⅱ-3.GTL 実証研究の内容 (1) 主な研究目的および研究範囲 < 主な研究目的 > 実証規模 (500BD) での GTL 技術の確立 ( 技術競争力の強化含む ) 商業化へ向けたスケールアップ手法の検討等 商業規模で利用可能な GTL 技術を開発する < 研究範囲 > 500B/D 実証研究 7B/D パイロット研究 天然ガス合成ガス合成ガス液体燃料 FT 合成工程製造工程粗油メタンスチーム酸素二酸化炭素 アップグレーディング工程 最終製品 ナフサ灯油軽油潤滑油基油 opyright is vested in Nippon GTL 31
< 具体的な研究項目 > (i) 実証規模での GTL 技術の確立 - 実証研究設備の設計 / 製作 / 建設 - 実証研究設備の試験運転 / データ採取 -GTL 製品の市場適合性確認 - 競争力強化研究 (ⅱ) 商業規模で運転可能な運転操作技術の確立 (ⅲ) 商業規模へのスケールアップ手法の確立 (ⅳ) 商業プロジェクトの検討 opyright is vested in Nippon GTL 32
(2) バックアップ研究 研究例 (1 合成ガス製造 ) < 研究課題 > 炉効率の向上 ( 既存炉を上回る効率を目標に 開発シミュレータを活用した炉構造の最適化検討等を実施 ) 触媒層以外でのカーボン生成防止 Temperature, 2.0 Temperature (a.u.) 1.8 1.6 1.4 1.2 Tube Skin Temp. calc. Tube Skin Temp. obs. Process Temp. calc. Furnace Wall and Tube Skin Temperature Tube inside skin Temperature Gas Temperature in Furnace omputational Fluid Dynamics Process Temp. obs. 1.0 0 0.5 1.0 Reactor Length (a.u.) opyright is vested in Nippon GTL 33
(2) バックアップ研究 研究例 (2FT 反応器スケールアップ技術の確立 ) 試験運転データ蓄積 Feed Back Feed Back Feed Back (1) 7BPD Pilot Plant (2) old Flow Model (3) 500BPD Demonstration Plant (4) 15,000BPD ommercial Plant モデル検証 計算モデル精度検証 モデル検証 反応器設計モデル検証 スケールアップ技術の確立 シミュレーション検討 反応器設計 商業プラントへのスケールアップ技術確立 Gas Liquid Solid 槽列モテ ル概念図 opyright is vested in Nippon GTL 34
( 例 ) 流動状態の可視化 (FD と実験の比較 ) 径 :0.58m 高さ :3.0m ガス : 空気 液 : 水 圧力 : 大気圧 温度 : 常温 粒子 : 無 水槽模型実験 FD シミュレーション ( 気泡濃度分布 ) : 水 : 空気 opyright is vested in Nippon GTL 35
(2) バックアップ研究 研究例 (3 アップグレーディング ) < 研究課題 > アップグレード触媒の活性/ 選択性の更なる向上 プロセスシミュレータの構築 改良検討 ワックス分解率 [mass%] 100 80 60 40 20 0 (a) 50 開発触媒 他社触媒 反応温度 [ ] 灯軽油収率 [mass%] 100 80 60 40 20 0 10% 開発触媒 他社触媒 0 20 40 60 80 100 ワックス分解率 [mass%] opyright is vested in Nippon GTL 36
(2) バックアップ研究 (3 アップグレーディング 反応シミュレータの構築 ) 炭素数毎の組成についてリアクターの入口から出口までの濃度変化を反応速度論的に推算 リアクター入口組成 各微小反応器ごとに流体組成 温度を更新 反応条件 入口温度 圧力 2/Oil 比 etc. 実際のリアクターを多層の微小反応器を積層したものと見なして計算 di/dt = -kj i i : 組成 iの濃度 dt : 微小反応時間 kj : 反応 jの速度定数 リアクター出口組成 実リアクターでの諸因子変動 ( 触媒活性 原料変化等 ) のプロダクトに対する影響把握 1 運転管理 2 最適運転条件の探索 3 商業装置のデザイン などに有効活用 opyright is vested in Nippon GTL 37
( 例 ) 反応時間 (1/LSV) に対する各留分得率の変化 100 mass% 90 80 22+ 70 60 10~21 50 40 30 5~9 20 10 0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 リアクター入口 1/LSV, h -1 リアクター出口 長鎖炭化水素 (22+) が分解し 中間留分 (10-21) が生成するが 反応が過度に進行すると二次分解により ナフサ (5-9) が増加する この様子をシミュレータで再現 opyright is vested in Nippon GTL 38
(3) 研究スケジュール 2006 年度 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 プラント設計 建設 運転 設計 建設 試運転 実証運転 解体 バックアップ研究 開発触媒の改良反応シミュレータの開発 / 改良スケールアップ検討 商業化検討 天然ガス資源 投資環境調査 経済性調査 / 商業化検討 opyright is vested in Nippon GTL 39
(4) プラント建設予定地 GTL 実証プラント ( 新潟実証センター ) GTL パイロットプラント 合成ガス製造 FT 合成 アッフ ク レート 札幌 勇払 500B/D 新潟東港 7B/D 東京 東京本部 opyright is vested in Nippon GTL 40
< 新潟東港工業地帯 > 約 4 万 m2 新潟石油共同備蓄 ( 日本海 ) GTL 実証プラント カーボ旭 ン クラレ JPO ( 日本海洋石油資源開発 ) EM 東西オイルターミナル 出光興産 ジャパンエナジー 海洋運輸 opyright is vested in Nippon GTL 41
プラント建設予定地 opyright is vested in Nippon GTL 42
(5) プラント完成予想図 opyright is vested in Nippon GTL 43
目次 (1) Ⅰ.GTL の概要 1.GTL の概要 (1) GTL(Gas to Liquids) とは (2) GTL プロセス (3) GTL の歴史 (4) GTL 製品の特徴 2. 世界の GTL プロジェクトの動向 (1) 各社の GTL 技術の比較 (2) 主な GTL プロジェクト (3) 今後の GTL 生産量の見通し Ⅱ. 実証研究の概要 1.GTL 技術開発の意義 (1) 背景 (2) 技術開発の意義 (3) GTL 技術の開発経緯 (4) Japan-GTL 技術の特徴 (5) 国産 GTL 技術の経済性 2. の概要 3.GTL 実証研究の内容 (1) 主な研究目的および研究範囲 (2) バックアップ研究 研究例 (3) 研究スケジュール (4) プラント建設予定地 (5) プラント完成予想図 4. まとめ opyright is vested in Nippon GTL 44
Ⅱ-4. まとめ Japan-GTL プロセスは O2 を含む未開発ガス田を活用することができ これにより石油代替燃料ソースとしてガス資源の確保に有用な戦略技術である と JOGME は 実証プラント (500B/D) を建設し 実証規模での GTL 技術の確立を行うとともに スケールアップ手法の検討を行い 商業規模で利用可能な GTL 技術を 2010 年度までに開発する opyright is vested in Nippon GTL 45