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2 Use of Electromagnetic Energy and Resultant Noises SUGIURA Akira Recently, the advent of RF-ID systems and PLC systems have raised a new problem of electromagnetic interference (EMI) between newly developed systems and other various systems including radio stations using the shortwave band. In this connection, EMI limits for a variety of equipment are reviewed and compared in terms of the radiated field strength. Investigations are extended to cover the environmental noises, indicating the necessity for surveying recent noise environments in a large scale. Electromagnetic environment, Electromagnetic disturbance, EMI limit, Man-made noise, PLC 5

特集 EMC 特集 た このため 1960 年代になって人工衛星を用 10 GHz では 35μV/m 以下としている 3 なお いる衛星通信が登場するとともに 短波帯通信の 短波帯以下では 距離 3 m の位置は電磁界が複雑 利用は衰退してきた しかしながら現在でも 短 な近傍界であるため 測定距離は 10 m が妥当と 波帯の電波は 航空通信 遭難通信等を含む 海 思われる 上通信 遭難通信等を含む 短波放送 アマチュ さらに 無線局の受信設備も一般にヘテロダイ ア無線 3.5 3.8 7 10 14 18 21 24 28 ン検波を使用しているため 不要電磁波を放射し MHz 電波天文のほか 固定通信 移動通信 ている このため電波法では 受信設備の副次発 27 MHz 帯の市民ラジオ ラジオマイク ラジコ 射を 4 nw 以下に制限している 4 ン等の各種業務に使用されている これらの無線局は おのおの定められた電力の 2.2 高周波利用設備 電磁波を発射して通信を行っているが 図 1 に示 無線局の外に電磁エネルギーを利用するものと すように 変調に伴って発生する帯域外発射や して 電線路に 10 khz 以上の信号電流を流し 不必要なスプリアス波を発射し これが他の無線 これに送受信器を電磁結合させた通信設備や 遮 局等を妨害することがある 蔽空間内で電磁エネルギーを利用する設備などが このため我が国では 例えば 基本周波数 30 あり 我が国では 高周波利用設備 と総称してい MHz 以下の無線局のスプリアス発射を 原則と る 5 なお 前者は通信設備と呼んでおり 図 3 して 50 mw 以下 かつ基本周波数の平均電力 に具体例を示す 昨今話題になっている PLC も より 40 db 以上低い値に制限している 2 また 図 3 a の範疇に入る また後者には電磁調理器 各国とも 微弱電波を利用する無線局を免許不要 や電子レンジが含まれ 我が国では医療 工業用 とし その電磁波の電界強度の許容値をパソコン 加熱 各種設備に分類されているが 国際的には 等の不要電磁波と同程度に設定している 例えば ISM Industrial, Scientific and Medical 設備と総称 我が国では 図 2 のように 322 MHz 以下では されている 距離 3 m において 500 μv/m 以下 322 MHz 我が国の電波法では 高周波利用設備を無線局 に対する妨害源として扱い 漏えいする電磁波を 制限している 例えば 許可不要の誘導通信設備 図1 無線局から発射される電磁波 図2 微弱電波無線局の許容値 B は測定器の 6dB 帯域幅 6 情報通信研究機構季報Vol.52 No.1 2006 図3 高周波利用設備 通信設備

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特 集 電 磁 波 利 用 と 電 磁 環 境 図7 様々な機器 設備の不要電磁放射に関する許容値の比較 距離 10m における電界強度に換算した値 JP/low 我が国の微弱無線局 JP/Rv 受信機の副次発射 JP/IC 誘導通信設備 JP/ISM ISM 設備 50 500W CIS/QP CISPR 22 の準尖頭値 CIS/Av CISPR 22 の平均値 CIS/Peak CISPR 22 の尖頭値 30 MHz 1 GHz では 120 khz 1 GHz 3 GHz で は約 1 MHz である したがって 機器が 3 MHz 3 GHz の全域にわたって距離 10 m において 40 dbμv/m の電磁波を放射すると仮定すると そ の機器の不要電磁波に関する全放射電力は 0. 4 mw 程度になる ただし このような全周波数に わたる放射は起こり得ないため 実際には上記の 値より数桁小さく μw 程度と想定される 2.5 環境雑音 前節では個々の無線設備や電気 電子機器から 図8 人工雑音源による環境雑音の周波数特性 ITU-R P.372-8 放射される不要電磁波 電波雑音 のレベルについ て述べたが 本節では それらの集積結果である Fa は以下で定義される雑音指数である 環境雑音のレベルについて簡単に述べる 5 環境雑音には 空電等による自然雑音と 人間 の活動に伴う人工雑音が存在するが HF UHF なお 測定にモノポールアンテナを用いれば 受 の周波数帯では 人工雑音が継続的かつ顕著であ 信電力はダイポールアンテナに比べて半分になる る この人工雑音環境に関しては 1966 1971 年 ので に米国で膨大な調査が行われており その結果を 図 8 にまとめて示す この図は 米国の様々な環 6 境 103 か所で 250 khz 250 MHz のうちの 8 10 周波数を同時に受信し 日中に主として測定車 したがって T 290K 及び Boltzmann 定数κを を移動させながら あるいは固定点で雑音電力を 式 5 に代入すれば 式 6 より電界強度 中央値 測定し 統計処理した結果である 13 ここで と雑音指数に関する次式が得られる ただし B 9

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特 集 うち 磁界強度に関する水平方向の距離減衰特性 を図 10 に示す ただし 単線上の電流最大値が 1mA の場合の磁界強度を表した 同様に 大地面の状態が Medium dry ground の場合についても計算したが Medium dry ground 上における磁界強度は Wet ground 上に 比べて大地反射の影響が少ないため周波数依存性 電 磁 波 利 用 と 電 磁 環 境 も少なく そのレベルは Wet ground に関する計 算結果とほぼ重なった また 電界強度も同時に 計算したが 電界強度と磁界強度の比は特性イン 図10 水平線路の電流によって生じる磁界の 距離特性 Wet ground Ht 2m 図11 水平線路の電流によって生じる磁界の 地上高特性 Wet ground Ht 2m 図12 垂直線路の電流によって生じる電磁界 図13 垂直線路の電流によって生じる電界の 距離特性 Wet ground Hr 6m ピーダンス 377Ωに近かった なお 図 9 では線 路が水平に配置されており 水平偏波の大地面反 射波が逆位相になるため 線路から 10 m 以上離 れれば 電磁界強度は距離 2 乗に反比例して減衰 することが分かる 水平線路から発生する電磁界の高さ方向の減衰 特性は 一般に 受信点の高さが Hr λ/2πで かつアンテナの長さ L よりも十分高ければ Hr L 高さ Hr の 1 乗に反比例して減衰する それ より近傍では 2 乗に反比例して減衰する なお 周波数 f MHz 75/Ht MHz 近傍では 大地面反 射によって放射波の強度が 2 倍近くになることが ある また 図 11 から 電磁界のレベルは周波 数によって相当変化することが分かる また 図 10 と比較すると 水平方向よりも垂直方向の電磁 界の減衰が少ないことが分かる b 垂直線路の電流によって生じる電磁界 図 12 に示すように垂直に張られた線路に高周 波電流が流れた場合の電磁界も計算した ただし 線路は長さ L 5.6 m の単一導線で その中心を 高さ 3.2 m に設置し 中心から給電して線路上の 最大電流が Imax 1mA になるようにした なお アンテナ長 5.6 m は 2 階建て家屋を想定して選 んだものである また 大地面の条件としては Wet ground Medium dry ground について モ ーメント法による数値計算を行った その結果を図 13 に示す この結果と水平線路 に関する図 10 を比べると 遠距離になれば垂直 線路の電磁界は減衰が少ないため 相対的に顕著 になることが分かる ただし 遠距離になれば 垂直偏波に関する大地の反射係数が 1 に近づく ため 水平偏波と同様に 電磁界強度は距離の 2 乗に反比例して減衰することが図 13 からも理解 できる 11

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CISPR 22, 2006. CISPR 16-1-1, 2003. CISPR 16-1-4, 2003. T. Shinozuka, A. Sugiura, and A. Nishikata, Rigorous analysis of a loop antenna system for magnetic interference measurement, IEICE Trans. Commun., E76-B, No.1, pp.20-28, 1993. 14 52 1 2006