税理士法人チェスター【紹介】

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第 1 基本的事項 1 業務内容についての順守事項本業務を行う不動産鑑定士又は不動産鑑定士補 ( 以下 不動産鑑定士等 という ) は 本業務が単に個別地点について行う鑑定評価と異なり 同一価格時点で大量に行う鑑定評価であり 特に面的な価格の均衡が求められる固定資産税評価のための基礎資料を作成するも

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第 5 章 N

第 6 回令和元年度固定資産評価実務者勉強会 第 3 部 税理士による最近の各種課税評価に関するお話 講師 : 税理士 不動産鑑定士 赤川明彦 ( 株式会社土地評価センター取締役 ) copyright 2019 KOTOBUKI PROPERTY ASSESSMENT all rights res

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

計算式 1 1 建物の価額 ( 固定資産税評価額 ) =2 長期居住権付所有権の価額 +3 長期居住権の価額 2 長期居住権付所有権の価額 ( 注 1) =1 固定資産税評価額 法定耐用年数 ( 経過年数 + 存続年数 ( 注 3)) 法定耐用年数 ( 注 2) 経過年数 ライプニッツ係数 ( 注

宅地造成費の金額表

目 次 1 固定資産税と固定資産税評価 1 1 固定資産税とは 1 2 固定資産税の課税のしくみ 2 (1) 固定資産税を納める人 ( 納税義務者 ) 2 (2) 税額の計算 2 2 固定資産税評価のあらまし 1 固定資産税評価の意義 2 固定資産税評価によって求める価格とは 3 固定資産の価格を求

ており 土地の個別的要因に係る補正が全て考慮されたものとなっていることから 土地の形状 道路との位置関係等に基づく個別的要因に係る補正 すなわち評価通達 15(( 奥行価格補正 )) から 20(( 不整形地の評価 )) まで及び 20-3(( 無道路地の評価 )) から 20-6(( 容積率の異な

相続財産の評価P64~75

す ) 5 地区 地域内の各筆の評価 ( 一画地の宅地ごとに評価額を算出します < 土地に対する課税 > (1) 評価のしくみ固定資産評価基準によって 地目別に定められた評価方法により評価します 平成 6 年度の評価替えから 宅地の評価は 地価公示価格の 7 割を目途に均衡化 適正化が図られています

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11総法不審第120号

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

所得税確定申告セミナー

3-3 新旧対照表(条例の審査基準).rtf

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不動産鑑定士からみた広大地評価の留意点 (1) 広大地かどうかを判断するには 1 チェック項目 大規模工業用地ではない? または 1,000 m2以上? はい 1,000 m2以上あります 最寄の駅から徒歩 15 分以上? はい 15 分以上かかります周辺は住宅地でマンションが建っていない? はい

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例会レジュメ

12. 地価公示は 土地鑑定委員会が 毎年 1 回 2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め その結果を審 査し 必要な調整を行って 標準地の正常な価格を判定し これを公示するものである 13. 不動産鑑定士は 土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては 近傍類地の取 引価格から

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

3 騒音に関する規制 (1) 騒音規制法 ア特定工場に関する規制 ( ア ) 規制地域の種別 a 規制区域の種別 第 1 種区域第 2 種区域第 3 種区域第 4 種区域 良好な住居の環境を保全するため 特に静穏の保持を必要とする区域 住居の用に供されているため 静穏の保持を必要とする区域 住居の用

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1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

144 第 2 章宅地等の評価第 3 個別事情のある宅地の評価 このような過小宅地を評価する場合 財産評価基本通達における原則評価 ( 奥行価格補正率や奥行長大補正率等 ) のみでは上記の要因が十分に考慮されているとは言い難く 市場価値である時価と大きく乖離しているケースが見受けられます よって 本

(8) 住民等住宅等の居住者又は管理者をいう 説明 このガイドラインで使われている用語のうち 明確にしておかなければならない用語について定義づけしたものです (1) 風力発電設備 とは 風が持つ運動エネルギーを電気エネルギーに変換するための装置の総体をいいます (2) このガイドラインの対象となる発

定にかかわらず 当該都市計画税額とする 5 住宅用地のうち当該住宅用地の当該年度の負担水準が 0.8 以上のものに係る平成 21 年度から平成 23 年度までの各年度分の都市計画税の額は 第 2 項の規定にかかわらず 当該住宅用地に係る当該年度分の都市計画税額が 当該住宅用地の当該年度分の都市計画税

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

固定資産税の課税のしくみ < 評価額と課税標準額と税額の推移 > ( 土地編 ) 課税標準額 評価額 税 額 なぜ, 地価が下落しているのに, 土地の固定資産税が上昇するの!? 2 なぜ, 平成 6 年評価額が急激に上昇したの!? 3 < 公的土地評価相互の均衡と適正化 > < 地価公示価格の一定割

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別紙 40 東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種類面積建築物の高さの最高限度又は最低限度備考 第 1 種 約 ha 建築物の各部分の高さ ( 地盤面からの高さによる 以下同じ ) は 当該部分から前面道路の反対側の境界線 高度地区

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Q5 A5 不動産を多く所有しています ( 自宅 山林 農地 崖地など ) 遺産分割でもめそうです 今から何かいい対策法を教えてください 遺言書を書きましょう でも その前にそれぞれの不動産の適正な価値を知っておきましょう ( 相続税評価額と市場価格 収益価格は違います ) それに基づき 誰にどの不

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b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か

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することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

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持及び修繕が図られるよう 必要な措置を講ずること を定めるとともに 上記のほか 都市公園の維持及び修繕に関する技術的基準は 国土交通省令で定めるものとする 5 認定公募設置等計画に基づき公募対象公園施設を設ける場合における第 6 条第 項の規定の適用について 現行において 一の都市公

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

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利用価値が著しく低下している宅地の評価 ~10% 減できるか否かの実務的判断基準 ~ 税理士法人チェスター名古屋事務所代表 税理士不動産鑑定士 山岡通長

目次 1 利用価値が著しく低下している宅地の評価 2 高低差のある土地 3 騒音のある土地 4 所要の補正 5 その他 1

利用価値が著しく低下している宅地の評価 相続税法 22 条 相続 遺贈又は贈与により取得した財産の価額は 当該財産の取得の時における時価により 財産評価基本通達 実務上の評価指針 1 法令ではない 2 全ての価格形成要因を考慮していない ex. 方位格差すら考慮されていない 財産評価基本通達 6 この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は 国税庁長官の指示を受けて評価する 2

利用価値が著しく低下している宅地の評価 必ずしも財産評価基本通達に拠る必要はない 宅地評価における具体例 1 不動産鑑定評価 2 タックスアンサー ( 利用価値の著しく低下している宅地の評価 ) 3

利用価値が著しく低下している宅地の評価 タックスアンサー ( 国税庁 HP より ) 次のようにその利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて 著しく低下していると認められるものの価額は その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から 利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に 10% を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することができます 1 道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの 2 地盤に甚だしい凹凸のある宅地 3 震動の甚だしい宅地 4 1 から 3 までの宅地以外の宅地で 騒音 日照阻害 ( 建築基準法第 56 条の 2 に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるものとします ) 臭気 忌み等により その取引金額に影響を受けると認められるものまた 宅地比準方式によって評価する農地又は山林について その農地又は山林を宅地に転用する場合において 造成費用を投下してもなお宅地としての利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて著しく低下していると認められる部分を有するものについても同様です ただし 路線価又は固定資産税評価額又は倍率が 利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されている場合にはしんしゃくしません 4

高低差のある土地 採決事例から見た判定ポイント < 参照採決事例 > 平成 19 年 4 月 23 日採決事例 平成 25 年 3 月 11 日採決事例 < 判定ポイント > 1 評価対象地だけが近隣地域の中で 1m 以上の高低差がある 適用可能 (?) 2 そもそも高低差による減価が路線価に反映されている 適用不可 3 高低差があったとしても 通常の利用に際して支障がない 適用不可 5

高低差のある土地 路線価 ( 財産評価基本通達 14) 前項の 路線価 は 宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線 ( 不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう 以下同じ ) ごとに設定する 路線価は 路線に接する宅地で次に掲げるすべての事項に該当するものについて 売買実例価額 公示価格 ( 地価公示法 ( 昭和 44 年法律第 49 号 ) 第 6 条 標準地の価格等の公示 の規定により公示された標準地の価格をいう 以下同じ ) 不動産鑑定士等による鑑定評価額 ( 不動産鑑定士又は不動産鑑定士補が国税局長の委嘱により鑑定評価した価額をいう 以下同じ ) 精通者意見価格等を基として国税局長がその路線ごとに評定した 1 平方メートル当たりの価額とする (1) その路線のほぼ中央部にあること (2) その一連の宅地に共通している地勢にあること (3) その路線だけに接していること (4) その路線に面している宅地の標準的な間口距離及び奥行距離を有する長方形又は正方形のものであること 6

高低差のある土地 理論的アプローチ 路線価には 地勢が反映されている ( 財産評価基本通達 14) 価格に影響を与える土地の高低差は考慮済 土地の高低差を個別にしんしゃくする必要はない A: 評価対象地の接面道路との高低差 B: 同一路線の標準的な接面道路との高低差 A と B に著しい差がある場合には 10% 評価減可能 著しい差の 客観的な判断基準 が必要となる 地価公示等の比準表 7

高低差のある土地 参考 名古屋市 ( 一部 ) 住宅地 < 地価公示分科会資料 > 項目 高低差 格差率 等高 1.00-0.5m 未満 0.98 低い -0.5m~-1.0m 未満 0.97-1.0m~-2.0m 未満 0.95-2.0m~-3.0m 未満 0.90-3.0m 以下 適宜判定 等高 1.00 1.0m 未満 1.00 高い 1.0m~1.5m 未満 0.98 1.5m~2.0m 未満 0.97 2.0m 以上 適宜判定 8

高低差のある土地 実務的判断基準 < 目安 ( 著者の個人的見解 )> [ 絶対的基準 ] 高い場合 :2.0m 以上 低い場合 :1.0m 以下 [ 相対的基準 ] A と B の差が 高い場合 :1.0m 以上 低い場合 :0.5m 以下 絶対的基準と相対的基準の両方の基準を満たせば該当する蓋然性が高いと思われる A A. 評価対象地の接面道路との高低差 B. その同一路線の標準的な接面道路との高低差 評価対象地 2.0m 差が 1.0m 以上 0.5m 標準宅地 B 9

高低差のある土地 参考 : 宅地造成等規制法施行令 第三条法第二条第二号の政令で定める土地の形質の変更は 次に掲げるものとする 一切土であって 当該切土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるもの二盛土であって 当該盛土をした土地の部分に高さが一メートルを超える崖を生ずることとなるもの三切土と盛土とを同時にする場合における盛土であって 当該盛土をした土地の部分に高さが一メートル以下の崖を生じ かつ 当該切土及び盛土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるもの 10

騒音のある土地 採決事例から見た判定ポイント < 参照採決事例 > 平成 15 年 11 月 4 日採決事例 平成 22 年 3 月 25 日採決事例 < 判定ポイント > 1 騒音測定を行い 一定限度を超えているか否か 環境基準等 2 騒音が取引価格に影響を与えているか否か 実際の取引価格と路線価との比較 3 騒音時間の単なる合計時間ではない 騒音時間の合計時間が短時間であっても影響は生じ得る 11

騒音のある土地 環境基準 地域の類型 基準値 昼間 (6 時 ~22 時 ) 夜間 (22 時 ~6 時 ) AA 50db 以下 40db 以下 A 及びB 55db 以下 45db 以下 C 60db 以下 50db 以下 AA: 療養施設 社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域 A : 専ら住居の用に供される地域 B : 主として住居の用に供される地域 C : 相当数の住居と併せて商業 工業等の用に供される地域 12

騒音のある土地 理論的アプローチ 1 その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて 著しく低下していると認められるか 騒音を測定し 環境基準を超過していることを確認する 2 路線価が 利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されているか 地価公示価格等 80% < 路線価 13

騒音のある土地 実務的判断基準 固定資産税評価を参考に判断する 1 騒音による影響が 固定資産税路線価に反映されていない場合 所要の補正 にて判断する ex. 鉄道騒音 5 騒音が考慮されている 10% 減の適用可能性あり 14

騒音のある土地 2 騒音による影響が 固定資産税路線価に反映されている場合 相続税路線価との価格バランスにて判断する A. 相続税路線価 : 固定資産税路線価 =8:7 のバランスが保たれている 相続税路線価にも固定資産税路線価にも騒音減価が反映されている 10% 減の適用不可 15

騒音のある土地 2 騒音による影響が 固定資産税路線価に反映されている場合 相続税路線価との価格バランスにて判断する B. 相続税路線価 : 固定資産税路線価 =8:7 のバランスが保たれていない ( 相続税路線価 : 固定資産税路線価 =8:7 より小さい ) 固定資産税路線価に騒音減価が反映されているが 相続税路線価には騒音減価が反映されていない 10% 減の適用可能性あり 16

所要の補正 所要の補正 ( 固定資産税評価基準 ) とは価格の低下等の原因が画地の個別的要因によるが その影響が局地的であることから その価格事情を ( 固定資産税の ) 路線価の付設によって評価に反映させることが困難 その価格事情が時に著しい影響があると認められる場合に限り 個々の画地ごとに特別の価格事情に見合った補正を行うことができる 土地課税台帳兼評価調書等に 所要の補正 として特別の減価を実施 < 記載例 > 補正率 鉄道騒音 0.98 横断歩道 0.95 17

所要の補正 財産評価基本通達では規定はないが 固定資産税評価においては考慮される 所要の補正 の具体例 A. 画地条件に関するもの 1 接面街路との高低差 2 横断歩道橋 B. 環境条件に関するもの 1 騒音 振動 2 いみ施設 3 悪臭 18

その他 その他論点 Ⅰ 10% 減の重複適用は可能か 適用可能性あり 1 重複適用を不可とする規定なし 2 採決事例 (ex.h13.6.15 採決 ) その他論点 Ⅱ 普通住宅地以外への準用は可能か 適用可能性あり 1 タックスアンサーには記載なし ( 平成 4.5.12 評価企画官情報第 2 号には記載 ) 2 制度趣旨 ( 評価企画官情報も例示列挙 ) 3 採決事例 (ex.h22.3.25 採決 ) 但し 評価しようとする宅地の価格形成要因でないもの ( 商業地の日照等 工業地の騒音 悪臭等 ) は適用不可 19

Chapter 1 Ch1 利用価値が著しく低下している宅地の評価 Ch2 高低差のある土地 採決事例のポイント Ch3 高低差のある土地 理論的アプローチ 2 Ch4 高低差のある土地 実務的判断基準 Ch5 騒音のある土地 採決事例のポイント Ch6 騒音のある土地 理論的アプローチ 3 Ch7 騒音のある土地 実務的判断基準 Ch8 所用の補正とは Ch9 その他 基本的にすべて無料対応 20