Microsoft PowerPoint _140316褥瘡のケア_講義.pptx

Similar documents
離島研修での褥瘡処置について

DESIGN-Rについて DESIGNとは 褥瘡の状態を その深さ (D) 滲出液 (E) 大きさ (S) 炎症 / 感染 (I) 肉芽組織 (G) 壊死組織 (N) ポケット (P) の7 項目で評価する判定スケールであり その重度 軽度を大文字 小文字で表した褥瘡重症度分類用と 治癒過程をモニタ

当院療養病棟における 褥瘡患者の割合とその傾向

<4D F736F F D208E9197BF E63489F18AB38ED B28DB897708E866E65772E646F63>

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 ( 短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分 ) 及び指定施設サービス等に要する費用の額の 別紙 2 算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について ( 抄 )( 老企第 40 号平成 12 年 3 月 8 厚生省老人保健福祉局企

当院における 体圧分散マットレスの選択と 運用方法の実際

PowerPoint プレゼンテーション

2011 年 12 月 1 日放送 日本皮膚科学会褥瘡ガイドラインについて ~ 日本褥瘡学会ガイドラインとの相違点 大阪赤十字病院 皮膚科部長立花隆夫 はじめにガイドラインは 特定の臨床状況において 適切な判断を行うために 医療者と患者さんを支援する目的で系統的に作成された文書 であり 褥瘡において

動脈閉塞のある足褥創 創傷足に動脈閉塞があり壊死を伴う潰瘍を認める場合 多くは乾燥ミイラ化を目指されます 乾燥させることで細菌の接着 増殖を抑制しようという意図からです しかし 創面の乾燥は いかなる場合でも壊死部に接した細胞を乾燥から死なせ 壊死部の拡大につながります さらに 乾燥化によって壊死部

Microsoft PowerPoint - 森様資料送信する

地震防災ハンドブック 第2章

KangoGakkai.indb

序 創傷治療は皮膚科医にとって最も重要な診療行為の一つである. 皮膚科診療において創傷は頻度が高い疾患の一つであり, 実際に日本皮膚科学会が全国の大学病院, 基幹病院, 診療所の患者数を調査したところ, 創傷 熱傷の患者数は皮膚科受診患者数の第 8 位を占めるほどであった. 皮膚科医は自他ともに認め

PowerPoint プレゼンテーション

算出することとし 他の医療機関等で既に発生していた褥瘡と当該医療機関の入院中に新たに発生した褥瘡を合わせて持っている患者の場合には 当該病棟内 ( 診療所では施設内 ) で発生したものとして取り扱うこと 3 その他 1 病棟単位 ( 診療所では施設単位 ) で別紙 11 の 治療 ケアの内容の評価表

1)表紙14年v0

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

種の評価基準により分類示の包括侵襲性指行為の看護師が行う医行為の範囲に関する基本的な考え方 ( たたき台 ) 指示のレベル : 指示の包括性 (1) 実施する医行為の内容 実施時期について多少の判断は伴うが 指示内容と医行為が1 対 1で対応するもの 指示内容 実施時期ともに個別具体的であるもの 例

まず 適応となる褥創はステージ III IV と呼ぶ褥創であり ステージ I II 褥創には使わないとのことでした また 閉塞性動脈硬化症例ではラップ療法は禁忌とのことでした そしてポケット内部に壊死のある褥創にはラップ療法を安易に使わず まずはポケットの切開開放が前提であるとのことでした これはラ

頭頚部がん1部[ ].indd

Line up クレイド P.24 オスカー グランデ 中等 高度 P.24 ステージア アドバン アルファプラ L P.26 エアマスタービッグセル インフィニティ P.26 エアマスターネクサスRプラス P.26 エアマスターネクサス リスクなし 中等度 P.24 アルファプラ ビオ アルファプ

HPM_381_C_0112

「             」  説明および同意書

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

アコルくらぶvol.19

はじめに 緩和ケア期には四肢や顔面 体幹部に浮腫を発症することがあります また発症していたリンパ浮腫ががんの進行で悪化することもあります がんの進行を抑える抗癌剤の一部には 副作 用で重症の浮腫を来すことがあります 緩和ケア期の浮腫の要因 病態は複雑で 癌性疼痛や神経麻痺 しびれなど 浮腫を治療する

ヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤 特定使用成績調査

Microsoft PowerPoint - 指導者全国会議Nagai( ).ppt

在宅ケアにおける創傷ケアと創感染に関する研究

Microsoft Word 栄マネ加算.doc

000-はじめに.indd

床ずれ防止用具選定の目安 Q1. エアマットレスで床ずれは治りますか? A. エアマットレスだけで床ずれが治るとは断言できません Q2. とは どんなマットレスですか? A. エアマットレス の厚みではなく 要求される機能 によってと定義されます Q3. ペースメーカーをつけていてもエアマットレスは

褥瘡の発症とその予防

2009年8月17日

豊川市民病院 バースセンターのご案内 バースセンターとは 豊川市民病院にあるバースセンターとは 医療設備のある病院内でのお産と 助産所のような自然なお産という 両方の良さを兼ね備えたお産のシステムです 部屋は バストイレ付きの畳敷きの部屋で 産後はご家族で過ごすことができます 正常経過の妊婦さんを対

痂皮の下を遊走する上皮細胞 1962 年 モイストウンドヒーリング Healing of skin wounds and the influence of dressings on the repair process 1 痂皮 新生細胞 創面が湿潤していれば創は早く治癒する Dr. George

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

ステロイド療法薬物療法としてはステロイド薬の全身療法が基本になります 発症早期すなわち発症後 7 日前後までに開始することが治療効果 副作用抑制の観点から望ましいと考えられす 表皮剥離が全身に及んだ段階でのステロイド薬開始は敗血症等感染症を引き起こす可能性が高まります プレドニゾロンまたはベタメタゾ

腹腔鏡下前立腺全摘除術について

- 福祉用具プランナーが作成する - 福祉用具サービス計画 ( 床ずれ防止編 ) C O N T E N T S まえがき 3 第 1 部 OH スケール によるマットレス選択法 褥瘡の基礎知識 4 OH スケールの判定法 11 第 2 部床ずれリスクによるマットレス選択 マットレス選択のためのフロ

「看護部だより」 第185号 2006年(平成18年)9月1日(金) 毎月1日発行 <1>

平成24年度診療報酬改定の概要

相続支払い対策ポイント

150423HC相続資産圧縮対策のポイント

ハピタス のコピー.pages

Copyright 2008 All Rights Reserved 2

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

無断使用および転載禁止 傷が治るためには培養液が必要 創面は乾かしてはいけない 傷を乾かすと治らない! 傷のジュクジュクは何? 細胞成長因子 (Growth Factor, サイトカイン ) さまざまな細胞が産生している 種々の細胞の分裂を促進し, 活性化する 最強の組織培養液! 創面を閉鎖 創面

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

PowerPoint プレゼンテーション

介護老人保健施設 契約書

序文 2002 年度診療報酬改定において施行された 褥瘡対策未実施減算 はわが国初のペナルティ システムで 医療界に大きなインパクトを与えた 2004 年度には 褥瘡患者管理加算 が始まり 2006 年度には褥瘡対策未実施減算が廃止されて 褥瘡ハイリスク患者ケア加算 が新設された そして2012 年

WEBガイドライン予防.indd

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

外来在宅化学療法の実際

70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法


Microsoft Word - シラバス.doc

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

130724放射線治療説明書.pptx

1


1000 Copyright(C)2009 All Rights Reserved - 2 -

研究成果報告書

表紙69-5,6_v10.eps

NEWS37-p1.eps

患者学講座第1講「医療と社会」

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復


saisyuu2-1

Microsoft PowerPoint - komatsu 2

花粉症患者実態調査(平成28年度) 概要版

untitled

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

サービス担当者会議で検討し 介護支援専門員が判断 決定するものとする 通所系サービス 栄養改善加算について問 31 対象となる 栄養ケア ステーション の範囲はどのようなものか 公益社団法人日本栄養士会又は都道府県栄養士会が設置 運営する 栄養士会栄養ケア ステーション に限るものとする 通所介護

関節リウマチ関節症関節炎 ( 肘機能スコア参考 参照 ) カルテNo. I. 疼痛 (3 ) 患者名 : 男女 歳 疾患名 ( 右左 ) 3 25 合併症 : 軽度 2 術 名 : 中等度 高度 手術年月日 年 月 日 利き手 : 右左 II. 機能 (2 ) [A]+[B] 日常作に

初心者にもできるアメブロカスタマイズ新2016.pages

皮膚欠損用創傷被覆材に関するQ&A

- 2 Copyright (C) All Rights Reserved.

95_財団ニュース.indd

Q1 訪問看護の導入時期は どのように判断すればよいでしょうか? A 医療処置や医療機器の管理などが必要な場合は比較的早期に訪問看護の依頼がありますが ADLの維持 向上などの予防的ケアや病気の悪化予防の目的での訪問看護についても できるだけ早期の導入が理想的です また ターミナル時期の利用者の場合

アセスメン EV( 即時性 ) EV( 遅延性 ) 静脈の炎症 フレア反応 ト 痛み 激しい痛みや灼熱感 通常 48 時間以 静脈に沿っ なし が数分から数時間以内に生じる 通常 薬剤投与中に刺入部周囲に起こる 内に発現する て硬結や痛みがある 発赤 針刺入部周囲に発赤が生じる 必ずしも EV が生

Microsoft Word - クリニカルインディケーター(臨床指標).doc

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

事例 1: 同一サービスのみを利用している事例 生活の拠点 : 自宅または有料老人ホーム居宅サービス計画書 利用者名生年月日住所要介護状態区分要支援 要介護 1 要介護 2 要介護 3 要介護 4 要介護 5 利用者及び家族の生活に対する意向 本人 : 知人から聞くとデイサービスは楽しいらしい 自分

介護支援専門員 ( 回答数 件 ) 介護支援専門員の基礎資格 介護支援専門員の基礎資格 n= 複数回答 0 基礎資格について 介護福祉士 が 件 ( 0.%) と最も多かった 介護支援専門員が担当する利用者 (H 年 月 ). 要介護別利用者の割合 要介護 0% 要介護

創傷

傷の正しい治し方


Microsoft PowerPoint - 【千葉講師】看護師の特定行為研修制度の実際

複数名訪問看護加算 (1 人以上の看護職員等と同 2 人以上による訪問看護を行う場合 行 ) 看護師等と訪問 看護師等と訪問 4,500 円 30 分未満 254 単位 准看護師と訪問 3,800 円 30 分以上 402 単位 看護補助者と訪問 ( 別に厚生労働省が定める場合 看護補助者と訪問 を


Microsoft PowerPoint - H290307【案】(最終稿)<別冊>看護関連施設基準等集団指導 (2).pptx[読み取り専用]

<4D F736F F D F90D290918D64968C93E08EEEE1872E646F63>

Transcription:

在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 褥瘡 ( じょくそう ) のケア 領域別セッション褥瘡 1

褥瘡ケアはおもしろい 褥瘡のイメージ 治らない 臭い 汚い 便まみれ よくわからない 看護師さん 皮膚科医まかせ きちんと手を加えれば治っていく 環境調整 褥瘡は全身の状態を表出したもの 医師の役割を果たす 評価を継続する 適切な治療介入 必要な医療材料 薬剤の処方 2

まずは褥瘡予防から 褥瘡ができてしまうと看護 介護の手間が増加 褥瘡予防の視点が重要 褥瘡ができやすい人に注意する 様々なスケール ( 下記以外にも ) 在宅 K 式スケール OHスケール 体動ができない 栄養状態が悪い 骨突出がある 介護環境が悪い 関節拘縮 3

在宅 K 式スケール 4

褥瘡危険度予測スコア (OH スケール ) 危険要因 点数 自力体位変換 できる 0 点 麻痺 安静度意識状態の低下 どちらでもない 1.5 点 ( 麻酔覚醒 薬剤 ) できない 3 点 病的骨突出 なし 0 点 ( 仙骨部 ) 軽度 中等度 1.5 点 高度 3 点 浮腫 なし 0 点 あり 3 点 関節拘縮 なし 0 点 あり 1 点 褥瘡リスクが 軽度 0~3 点 中等度 4~6 点 高度 7~10 点 5

リスクが高いケースには 適切な体圧分散寝具の利用 体圧をコントロールする ポジショニングの工夫 特定の場所に体圧や応力がかかることを予防 適度な体位変換 家族だけで行う場合は2 時間おきの体位変換が困難になることも 体圧分散寝具との組み合わせでできるだけ負担を減らす 6

体圧分散寝具 静脈圧 患者の状態に合わせて選択 エアマットレス ( 圧切換型 ) 静止型マットレス ( ウレタン ハイブリッド等 ) 現場ではケアマネージャーが選択 医師や看護師がアドバイスする必要 体圧分散マットレスはより厚いものが優れている 底付きに注意 体動が可能な場合は静止型の方がベター 体動が不可能な場合は圧切換型 フカフカのベッドでは体が埋まってしまう ギャッジアップ可能な場合はより厚いものを選択

ポジショニング クッションなどを利用して局部の体圧を分散 基本的にはホームヘルパーが行う 看護師の指導が必要 8

褥瘡ができてしまったとき よく観察してみてください 褥瘡の局所状態 全身の環境 栄養状態 看取りを意識する時期なのか 介護の環境や事情 9

褥瘡の局所アセスメント DESIGN: 褥瘡重症度分類用 Depth 深さ ( 創内のいちばん深いところで評価する ) d 真皮までの損傷 D 皮下組織から深部 Exudate 浸出液 ( ドレッシング交換の回数 ) e 1 日 1 回以下 E 1 日 2 回以上 Size 大きさ { 長径 (cm) 長径に直交する最大径 (cm) s 100 未満 S 100 以上 Inflamation/Infection 炎症 / 感染 i 局所の感染徴候なし I 局所の感染徴候あり Granulation tissue 肉芽組織 g 50% 以上 G 50% 未満 Necrotic tissue 壊死組織 n なし N あり Pocket Institute of Gerontology, ポケット the University of Tokyo All Rights Reserved. P あり 10

DESIGN R 褥瘡経過評価用その 1 Depth 深さ創内の一番深い部分で評価し 改善に伴い創底が浅くなった場合 これと相応の深さとして評価する d 0 皮膚損傷 発赤なし 3 皮下組織までの損傷 1 持続する発赤 4 皮下組織を超える損傷 D 5 関節腔 体腔に至る損傷 2 真皮までの損傷 U 深さ判定が不能の場合 Exudate 浸出液 ( ドレッシング交換の回数 ) e 0 なし 1 少量 : 毎日のドレッシング交換を要しない 2 中等量 :1 日 1 回のドレッシング交換を要する Size 大きさ { 長径 (cm) 長径に直交する最大径 (cm)} s 0 皮膚損傷なし 3 4 未満 6 4 以上 16 未満 8 16 以上 36 未満 9 36 以上 64 未満 12 64 以上 100 未満 Inflamation/Infection 炎症 / 感染 i 0 局所の炎症徴候なし 1 局所の炎症徴候あり ( 創周囲の発赤 腫脹 熱感 疼痛 ) E 3 S 15 100 以上 I 3 多量 :1 日 2 回以上のドレッシング交換を要する 局所の明らかな感染徴候あり ( 炎症徴候 膿 悪臭など ) 9 全身的影響あり ( 発熱など )

DESIGN R 褥瘡経過評価用その 2 Granulation tissue 肉芽組織 g 0 1 2 治癒あるいは創が浅いため肉芽形成の評価ができない 良性肉芽が創面の 90% 以上を占める 良性肉芽が創面の 50% 以上 90% 未満を占める G 4 5 良性肉芽が創面の 10% 以上 50% 未満を占める 良性肉芽が創面の 10% 未満を占める 6 良性肉芽が全く形成されていない Necrotic tissue 壊死組織混在している場合は全体的に多い病態をもって評価する n 0 壊死組織なし N 3 柔らかい壊死組織あり 6 硬く厚い密着した壊死組織あり Pocket ポケット毎回同じ体位で ポケット全周 ( 潰瘍面も含め ){ 長径 (cm) 短径 (cm)} から潰瘍の大きさを差し引いたもの p 0 ポケットなし P 6 4 未満 9 4 以上 16 未満 12 16 以上 36 未満 24 36 以上 部位 [ 仙骨部 坐骨部 大転子部 踵骨部 その他 ( )] 合計 12

DESIGN 分類 ( 深さ ) 毛孔が観察可能赤色 毛孔が観察できない黄色を呈している Depth 深さ創内の最も深い部分で評価 d2 真皮までの損傷 D3 皮下組織から深部 NPUAP 分類ステージ Ⅰ~Ⅱ に相当 ( 写真はステージ Ⅱ) NPUAP 分類ステージ Ⅲ~Ⅳ に相当 ( 写真はステージ Ⅲ) 13

深い褥瘡の治癒過程 褥瘡発生直後 炎症期 肉芽形成期 表皮形成期 治癒 14

褥瘡発生直後 黒色の皮膚壊死を伴うことが多い 壊死部は早期に除去することが望ましい デブリードマン 感染の予防 不整形の紫色の斑やびらんを呈することがある 経時的に深い褥瘡に移行することがある こまめな創の観察が必要 15

褥瘡発生直後の局所治療 壊死した皮膚の除去 感染の温床になりうる デブリードメン 外科的 : 境界がはっきりしたところで 非外科的 : ドレッシング材貼付 自己融解を促進させる薬剤を使用 デブリードメン後は創をドレッシング材で被覆 褥瘡がどこまで進行するのか 感染の合併の有無 発赤 腫脹 熱感 疼痛 ( 感染の四徴 ) 感染合併すれば抗生物質全身投与 できるだけ頻回に創を確認する必要性 家族だけに頼ることは危険 16

炎症期 最も炎症が盛んな時期 浸出液が多い 洗浄と浸出物の除去 ドレッシング材にて 感染を起こしやすい時期 感染の四徴 : 疼痛 発赤 腫脹 熱感 感染の対処 切開排膿 抗生物質全身投与 ( 局所投与には意味がないとの意見 ) 17

炎症期の局所治療 基本的には湿潤環境を保つこと ドレッシング材 薬剤を浸したガーゼをポリウレタンフィルムで被覆 浸出物の除去 感染の温床 デブリードメン ( 重要!) 洗浄 : 水道水微温湯で十分 浸出液が多量となる 浸出液への対処 一日何回もドレッシングを交換するのは不可能 吸水力の高いドレッシング材やオムツを利用 感染制御作用のある軟膏が浸出液を減少させる報告» カデックス 軟膏 イソジンシュガー ゲーベンクリーム 18

デブリードメン 褥瘡発生直後 あるいは炎症期において 黄色 あるいは黒色の壊死組織を取り除く 痛みや出血あれば無理をしない まずピンセットで除去できるやわらかいものから除去 その後ピンセットで除去できないものを鋏 時にはメスを使用して切除 出血があればそこで中止 止血にはアルギン酸塩被覆材を使用 カルトスタット ソーブサン アルゴダーム など 19

デブリードメンの効果 54 歳大腸がん末期脊椎転移下半身麻痺入院時 30cm 大の巨大褥瘡 ( 黒色壊死 ) 形成本人に苦痛のないレベルでデブリードメンを追加自動体位変換エアマットレス導入 モイスキンパッド ドレッシング使用 6 月 1 日壊死部デブリードメン直後 6 月 11 日デブリードメン継続中創中央部に壊死部 6 月 17 日デブリードメン継続中創右上に再壊死部 20

肉芽形成期 肉芽が創底を覆った時期 表皮形成への第一歩 浸出液は減少傾向 創の縮小が始まることも多い 21

肉芽形成期の局所治療 湿潤環境の維持 浸出液は減少することが多い ドレッシング材貼付期間を延長することも可能 肉芽形成を促進する薬剤の併用 アルキサ 軟膏 ( アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート ) オルセノン軟膏 ( トレチノイントコフェリル ) フィブラストスプレー ( トラフェルミン ) 22

表皮形成期 表皮が形成される時期 新たな表皮は白色調を呈する 創が縮小し やがて治癒する 23

表皮形成期の局所療法 湿潤療法 ドレッシングは吸水力が弱いものでも使用可能 吸水力の強すぎるドレッシングであると創が乾燥することもある 表皮形成を促進する薬剤 アクトシン軟膏 ( ブクラデシン ) 24

DESIGN 使用のポイント 深さ が最も重要 深さ 以外はそれほど厳密ではなくとも 重症なほど大文字が増える 1 回だけですべて判断しない 最初は浅く見えても後に重症化するものも DTI(Deep Tissue Injury) 疑い (NPUAP 分類 ) という考え方 25

NPUAP 分類 DTI 疑い ステージ Ⅰ ステージ Ⅱ ステージ Ⅲ ステージ Ⅳ 判定不能 26

浅い褥瘡と深い褥瘡 浅い褥瘡 : 真皮が残っている 深い褥瘡 : 真皮が残らない 表皮の支持組織としての真皮の存在 これが失われることで 新たな支持組織が必要となる 肉芽がその支持組織の役割を果たすが これが生じるまで数カ月を要する 27