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別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

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平成 20 年 12 いばらきの港の概要 茨城港 (Ibaraki Port) 港 常陸那珂港 洗港を統合し 港区 (HitachiDistrict) 茨城港がスタート 茨城港 完成 動 バラ貨物等の多様な物流 需要に対応する港 常陸那珂港区 (Hitachinaka District) 島港 北関

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(3) 技術開発項目 長周期波の解明と対策 沿岸 漁場の高度利用 ライフサイクルコストに基づく施設整備と診断技術 自然災害( 流氷 地震 津波など ) に強いみなとづくり 等 30 項目 技術開発項目として 30 項目の中から 今後 特に重点的 積極的に取り組んでいく必要のある技術開発項目として 1

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秋田県内の重要港湾 秋田港 船川港 能代港の整備につきましては 平素よりご配慮を賜り厚く御礼申しあげます 秋田では 経済発展著しい日本海対岸や東南アジア諸国の成長を取り込み地方創生を実現するため 環日本海の経済交流を推進し 諸外国との貿易拡大に地元企業と行政が一体となって取り組んでおります これを支

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(3) 事業を巡る社会経済情勢等の変化 伯方港木浦地区に係留する小型船の隻数について 漁船の数は若干減少しているものの 小型船係留施設の充足率は低水準で変わらず 係留施設が不足している状況に変わりはない 4. 事業の進捗状況及び進捗の見込み ( うち用地費 ) 23 末投資事業費 (1) 事業の進捗

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道路災害復旧事業 区分 H24 H25 H26 H27 H 災害復旧事業 道路事業 ( 通常事業 ) 橋りょう 26 箇所延長 1,219m 道 路 602 箇所延長 299,089m 流留垂水地区 実施設

日本海側拠点港の対象 < 対象港湾 > 日本海側に存在する国際拠点港湾及び重要港湾 26 港 < 対象機能 > 1. 輸送モード 国際海上コンテナ 国際フェリー 国際 RORO 船 外航クルーズ( 定点クルーズ 背後観光地クルーズ ) 国際定期旅客 2. 貨物 原木 その他の貨物 資料 : 国土交通

11 月 01 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局( 準備室 ) を大阪港埠頭 公社内に設置 平成 23 年 03 月 31 日 改正港湾法の公布 平成 23 年 04 月 1 日大阪港埠頭株式会社及び神戸港埠頭株式会社が新外貿法の指定を受 け 本格的に業務開始 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進

プレゼンテーションタイトル

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

名古屋港の利用状況 凡 例 : 高速道路 : 一般道路 : 臨港道路 コンテナターミナル ( 飛島ふ頭 ) ガーデンふ頭 クルーズ 賑わい ( ガーデンふ頭 ) 新宝ふ頭 飛島 IC 名港中央 IC 金城ふ頭 名港潮見 IC 東海 IC 自動車積出基地 ( 新宝ふ頭 金城ふ頭 弥富ふ頭 ) 湾岸弥富

目 次 1 はじめに (1) 策定の趣旨 1 (2) 計画の位置づけ 2 2 計画の範囲 (1) 対象施設 3 (2) 計画期間 3 3 施設等の現状及び今後の見通し (1) 四日市港の現状 4 (2) 施設の現状 6 (3) 維持管理 修繕 更新等に係る中期的な経費の見込み 7 4 施設の総合的か

茨城港 ( 日立港区 ) の全景 ひ たち 日立港区 茨城港日立港区 茨城県 水戸 常陸那珂港区 大洗港区 計画変更箇所 がいこう 外港地区 第 5 ふ頭地区 ひたちなか 常陸那珂港区 第 3 ふ頭地区 久慈漁港 第 1 ふ頭地区 第 2 ふ頭地区 久慈川 第 4 ふ頭地区 JR 常磐線 H26.3

H  会議招集

資料 4 H24 北陸地域国際物流戦略チーム幹事会 日本海側拠点港における取り組み状況 金沢港 七尾港 平成 25 年 3 月 8 日 石川県

東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

で 四国南西部の 防災拠点港 に位置づけられており 災害時の復旧活動や復興活動において 海上輸送による十分な機能が発揮できるよう求められている 大島漁港においても 離島における基地港としての施設整備が必要不可欠である このような背景から地域再生計画においては 八幡浜港と大島漁港を安全 安心な港に整備

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千葉港が担う役割 ( エネルギー供給拠点 地域産業の物流拠点 ) リレーションシップ ID rid4 のイメージパーツがファイルにありませんでした 京葉工業地帯に立地する火力発電所の燃料となる LNG の輸入 製油所のガソリン原料等となる原油の輸入がなされており 首都圏へのエネルギー供給拠点となって

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3月内部評価 見直し(案)

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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課題と対応

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3 港湾施設の 管理者又は所有者その他当該港湾施設の概要を把握するために必要な事項 (1) 水域施設 ( イ ) 航路 管理者等 延幅水深 (m) 長 (m) 員 (m) 計 画 上 の 水 深 現 在 の 水 深 海底の地質 しゅんせつの有無 構造物に よる制限 構造物 制 限 (m) 防波堤等の

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市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

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港湾局運営方針の概要 平成 25 年度港湾局運営方針局運営の基本的な考え方 ( 抜粋 ) 埋立事業においては 限られた財源を有効に活用する必要があることから 事業の選択と集中により新島および夢洲地区を重点的に整備するとともに 23 年度 関西イノベーション国際総合特区 に指定された夢洲地区においては

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

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4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

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重点項目表紙

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

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外航コンテナの国内フィーダ輸送実績(20年度報告)

4. 地区計画の基本的な考え方 1. 市街化を抑制すべき区域 という市街化調整区域の基本理念は 地区計画の策定によってその性格が変わるものではないこと 2. 開発行為を伴う地区計画については いたずらに市街地を拡大しないよう その必要性 周辺の公共施設の整備状況 自然環境 景観や農林業との調和等の観

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工期 : 約 8 ヶ月 約 11 ヶ月 1-3 工事名 : 大阪港北港南地区岸壁 (-16m)(C12 延伸 ) 埋立工事 ( 第 2 工区 ) 2) 工事場所 : 大阪市此花区夢洲東 1 丁目地先 3) 工期 : 約 9ヶ月 4) 工事概要 : 埋立工 1 式 ( 工事発注規模 )2 億 5,00

港湾法施行令第 17 条の 9 の規定に基づく実地監査結果 ( 四国地方整備局 ) ( 平成 28 年 4 月 30 日現在 ) 平成 23 年度実地監査分 徳島小松島港 高松港 港湾名港湾管理者名施設名 徳島県 香川県 是正を要する事項 内容処理方針 津田地区防波堤 ( 内 ) 渡板が泊地分離堤に

令和元 (2019) 年 7 月 17 日発行 宮城県石巻港湾事務所 石巻港復興だより第 26 号 ( 石巻港湾ひばりの通信 49 号 ) - 港湾は人の心も結んでいます - 新年度に向けて ( 所長のごあいさつ ) 4 月の人事異動により着任した所長の熊谷です よろしくお願いします さて令和の新し


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第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

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スライド 1

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仙台塩釜港港湾計画改訂 ( 案 ) 概要版 仙台塩釜港港湾管理者 宮城県

目次 1. 仙台塩釜港の課題と対応 1 (1) 港の概要及び沿革 1 (2) 今回計画の方針 3 (3) 港の抱える課題と今回計画での対応 4 2. 利用 保全の考え方 14 (1) 防災対策 14 3. 環境への影響と評価の概要 16 4. 環境の総合評価 17

1. 仙台塩釜港の課題と対応 (1) 港の概要及び沿革仙台塩釜港は 仙台湾に位置し 仙台港区 塩釜港区 石巻港区及び松島港区からなる国際拠点港湾である 塩釜港区は 奈良時代にその歴史が始まると伝えられ 昭和 25 年の港湾法制定に伴い同 26 年重要港湾に指定され 同 30 年 2 月に承認を受けた港湾整備計画に基づき 同 44 年までに 主に貞山埠頭の岸壁 桟橋 上屋等の整備が進められた また 東宮地区においても港湾施設と臨海企業団地の整備が進められ 西埠頭での桟橋完成 平成元年には観光船用浮桟橋が完成し 松島観光の玄関口として多くの観光客が利用している さらに 港湾の再開発により賑わい空間の創出を図るため その先導的施設として 塩釜港旅客ターミナル マリンゲート塩釜 が平成 8 年 7 月にオープンするとともに 老朽化により使用停止となっていた貞山 2 号岸壁が同 19 年 3 月に水深 9m 岸壁に改修 増深され 供用開始している 仙台港区は 昭和 39 年 3 月に新産業都市 仙港湾位置図台湾地区 の指定を受けて臨海型工業の発展拠点として同年 8 月に計画決定された堀込み港湾である その後 流通港湾としての必要性の高まりを受けて 東北地方における流通拠点港湾として建設が進められ 昭和 46 年 7 月に開港された また 昭和 52 年 4 月にはフェリー埠頭が供用開始され 首都圏や北海道との国内貨物輸送拠点としての役割を果たしている 近年は 東北地方の成長に伴う物流需要の増大 船舶の大型化やコンテナ化の進展等に対応するため 平成 7 年 4 月に本格的な外貿コンテナ埠頭である水深 12mの高砂 1 号岸壁を供用開始し 平成 13 年 6 月には水深 14mの高砂 2 号耐震強化岸壁が供用開始された また 平成 22 年には 中野地区新モータープール 増深した雷神埠頭 2 号岸壁が供用を開始している このような両港区の整備により 平成 13 年 4 月には 東北の港では初めて 特定重要港湾 に指定された 石巻港区は 古くから石巻市を中心とする宮城県北部の物流拠点として発展し 昭和 39 年に重要港湾に指定されてからは 新産業都市仙台湾地区の地域開発の中核として重要な役割を果たしてきており 背後地域の産業活動を支える典型的な工業港となっている 昭和 56 年には増大する貨物量に対応するため 沖合埋立地 ( 雲雀野地区 ) 造成の港湾計 -1-

画が策定され 平成 10 年 7 月には中央埠頭 1 号岸壁 (-13m) が供用開始した その後 平成 17 年 10 月には中央埠頭 2 号岸壁 (-13m) 平成 18 年 10 月には北埠頭岸壁 (-10m) が竣工し 供用開始している 松島港区は 明治 20 年東北本線が開通すると観光港としての利用が進み 昭和 29 年 5 月地方港湾の指定以後 本格的な観光港整備が開始され 昭和 60 年からは 海岸前地区で小型観光船用ポンツーンの整備が実施され 観光機能の充実が図られている このような4 港区からなる仙台塩釜港は 平成 24 年 10 月に仙台塩釜港 石巻港 松島港の3 港の港湾区域の統合により誕生した港湾であり 東北地方の国際貿易 国内物流拠点として重要な役割を担っている 年号 塩釜港区 年号 仙台港区 明治 15 年 2 月 塩釜港修築工事起工 昭和 39 年 3 月 新産業都市 仙台湾地区 に指定 昭和 8 年 1 月 第一期修築工事完了 昭和 42 年 12 月 仙台港区建設に着手 昭和 26 年 1 月 重要港湾に指定 昭和 52 年 11 月 中野埠頭 ( 水深 10m) 岸壁完成 昭和 30 年 2 月 港湾計画の改定 昭和 54 年 11 月 雷神埠頭 ( 水深 7.5m) 岸壁完成 昭和 35 年 3 月 貞山埠頭 1 号岸壁完成 昭和 57 年 3 月 高松木材埠頭 ( 水深 12m) 岸壁完成 昭和 40 年 3 月 貞山埠頭 2 号岸壁完成 平成 2 年 6 月 仙台 ~ 東京間コンテナ フィーダー航路開設 昭和 41 年 3 月 西中埠頭桟橋完成 平成 6 年 3 月 高砂埠頭 ( 水深 12m) 岸壁完成 昭和 42 年 1 月 塩釜港湾区域変更 ( 仙台港区編入 ) 平成 7 年 3 月 仙台港 仙台空港周辺地域が輸入促進地域に指定 昭和 44 年 貞山埠頭 3 4 号岸壁完成 平成 8 年 2 月 向洋埠頭 ( 水深 12m) 岸壁完成 昭和 50 年 塩釜港区航路 ( 水深 8.5m) 浚渫完了 平成 9 年 4 月 日本 / 北米西岸コンテナ定期航路開設 平成 8 年 7 月 マリンゲート塩釜 オープン 平成 13 年 3 月 高砂埠頭 ( 水深 14m) 岸壁完成 平成 13 年 4 月 特定重要港湾へ昇格 仙台塩釜港 へ港名変更 平成 19 年 貞山埠頭 2 号岸壁 ( 水深 9m) 供用開始 平成 16 年 10 月 沖防波堤 1,300m 完成 平成 22 年 雷神埠頭 2 号岸壁 ( 水深 9m) 供用開始 年号 石巻港区 年号 松島港区 明治 44~ 河口埋没対策事業や港湾施設整備開始 昭和 29 年 地方港湾に指定 昭和 21 年 500トン級の貨物船の航行が可能 昭和 48 年 地方港湾改修事業 高潮対策事業着手 昭和 35 年 釜地区に工業港の建設開始 昭和 62 年 海岸環境整備事業着手 昭和 39 年 重要港湾に指定 平成 3 年 浪打浜 ( 人工海浜 ) 一部供用開始 ( 平成 6 年完成 ) 昭和 59 年 港湾区域の変更 ( 大曲地区編入 ) 平成 9 年 海岸通り浮桟橋完成 昭和 56 年 3 月 沖合埋立地造成の港湾計画策定 平成 20 年 仙随浮桟橋完成 平成 3 年 8 月 雲雀野地区公有水面埋立免許取得 平成 10 年 7 月 雲雀野中央 1 号岸壁 ( 水深 13m) 供用開始 平成 17 年 10 月 雲雀野中央 2 号岸壁 ( 水深 13m) 供用開始 平成 18 年 10 月 雲雀野北 1 号岸壁 ( 水深 10m) 供用開始 平成 20 年 11 月 国内コンテナ定期航路開設 -2-

(2) 今回計画の方針 1) 目標年次平成 30 年代後半を目標年次とする 既定計画仙台塩釜港 : 改訂時期平成 20 年 11 月 目標年次平成 30 年代前半石巻港 : 改訂時期平成 17 年 3 月 目標年次平成 20 年代後半松島港 : 港湾計画なし 2) 港湾計画改訂の方針 改訂の背景 要請 課題仙台港区塩釜港区 1 コンテナ貨物の増加に伴う航路 便数の増 1 物流空間の再編加への対応が急務 2 立地企業からの係留施設整備の要請への 2 増大する完成自動車及び自動車関連貨物対応等のユニット貨物の蔵置場所の確保 3 ユニット貨物に特化した利用再編石巻港区松島港区 1 船舶の大型化への対応 1 港湾計画としての位置付けが無い 2 RORO 貨物計画の見直し 3 災害危機への対応 4 立地企業の係留施設整備の要請への対応 今回の改訂のポイント仙台港区塩釜港区 1 既存の水深 12m 岸壁 ( コンテナ船用 ) を延 1 土地利用計画の見直し伸 2 危険物取扱施設 ( 企業ドルフィン ) を計画 2 既設の港湾関連用地を埠頭用地に変更するとともに 埠頭用地の造成を計画 3 RORO 貨物等のユニット貨物を集約し 岸壁利用の特化 高度利用を図る石巻港区松島港区 1 計画している水深 14m 岸壁を延伸 1 新たな計画として位置付け 2 大型バルク貨物の取扱拠点として機能を高めるため RORO 貨物等対応の岸壁を削除 3 耐震強化岸壁の配置計画見直し 4 専用ドルフィンを計画 -3-

3) 計画の基本方針仙台塩釜港は 従来の仙台塩釜港 石巻港 松島港の3 港が一体となり 東北の産業の競争力を高め 産業 雇用 暮らしを守り発展させることを目指して 東北をけん引する中核的国際拠点港湾 を実現するため 平成 30 年代後半を目標年次として 以下の方針のもと 港湾計画を改訂する 物流 産業 港湾機能の再編 集約化による物流機能の強化 1 外 内貿コンテナ貨物の増加及びコンテナ船の大型化に対応するため 外 内貿コンテナ貨物の取扱機能の強化及びターミナルの拡張を図る 2 増加する自動車関連貨物等の外 内貿ユニット貨物に対応するため 埠頭用地の拡張とともに 取扱貨物の利用再編によりバルク貨物との混在を解消し 外 内貿ユニット貨物の取扱機能の強化を図る 3 背後基幹産業の競争力を強化するため 港内の静穏度の向上を図り 安全で効率的な荷役を確保するとともに バルク船の大型化に対応した物流機能の強化を図る 4 既存埠頭の再編 集約化により バルク貨物の取扱機能の強化を図る 5 港湾と背後地域との連絡強化を図るとともに 港湾内の円滑な交通を確保するため 臨港交通体系の充実を図る 交流 観光 港湾観光拠点機能の強化 1 外 内航クルーズ船の受け入れを拡充するとともに 海上ネットワーク機能を強化し 広域観光拠点 日本三景松島 への海上輸送網の充実を図る 2 観光船及び離島生活航路の機能強化を図る 3 港湾利用の安全性の向上を図るため 港内に放置されているプレジャーボートの適切な収容を図る 環境 港湾空間の特色を活かしたアメニティ空間の充実 1 快適な港湾環境を創造するため 地域住民が海に親しむことのできる開放的な親水空間の創出を図る 2 浚渫土砂や災害廃棄物を適正に処分する海面処分場を確保し これらの適切な処 -4-

理 活用を図る 安全 安心 防災基盤の拡充と大規模地震発生時の支援機能の強化 1 大規模地震発生時における広域的な物資の緊急輸送 住民の避難及び企業の経済活動に供するため 大規模地震対策の強化を図る 2 海上防災基地機能の形成を図り 広域海上防災拠点としての機能強化を図る 3 ポートサービス船及び漁船等の安全かつ効率的な利用を図るため 小型船だまりの再配置による機能の強化を図る -5-

(3) 港の抱える課題と今回計画での対応 1) 外内貿コンテナ機能の強化 1 仙台港区 課題 水深 14m(330m) と水深 12m(270m) の2バースが供用されており 今後の貨物増に伴う航路 便数の増加への対応が求められている 北米西岸/ 東南アジア航路などの機能を強化していくためには コンテナ船の大型化への対応や使い勝手の良いターミナル形状および拡張が求められている 対応 船舶の大型化に対応するため 向洋地区の水深 15m~ 岸壁およびターミナル拡張を既定計画どおりとする 内航フィーダー船の増便に対応するため 既存岸壁を延伸する 施設水深 12m 岸壁 1 バース延長 310m( うち 270m 既設 )[ 既設の変更計画 ] (TEU) 仙台塩釜港コンテナ貨物取扱量の推移 (TEU ベース ) 実入り + 空コンの合計 内航フィータ ー航路 1 便 / 週開設 中国 / 韓国航路 3 開設 空コン込み 21.6 万 TEU 220,000 200,000 180,000 160,000 140,000 120,000 100,000 80,000 60,000 京浜トランシッフ 輸入 ( 空コン ) タ イレクト輸入 ( 空コン ) 京浜トランシッフ 輸出 ( 空コン ) タ イレクト輸出 ( 空コン ) 京浜トランシッフ 輸入 ( 実入り ) タ イレクト輸入 ( 実入り ) 京浜トランシッフ 輸出 ( 実入り ) タ イレクト輸出 ( 実入り ) 北米西岸 / 東南アジア航路開設 内航フィータ ー航路 2 便 / 週開設 内航フィータ ー航路 3 便 / 週開設 中国 / 韓国航路 1 開設 中国 / 韓国航路 2 開設 内航フィータ ー航路 2 便 / 週開設 内航フィータ ー航路 4 便 / 週開設 空コンテナ実入りコンテナ 外貿コンテナ航路 :5 便 / 週 北米西岸 東南アジア 1 便 / 週 東南アジア 1 便 / 週 中国 韓国 3 便 / 週 内航フィーダー :14 便 / 週 京浜港 ~ 仙台塩釜港 ~ 各港 40,000 20,000 内航フィータ ー航路 1 便 / 週開設 東南アシ ア航路開設 0 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 ( 年次 ) 1: 平成 8 年以前の空コンテナ貨物量は未集計のため不明資料 : 宮城県の港湾統計より 2: ダイレクトには外国港湾でのトランシップを含む 仙台港区 内航フィーダー船の増便に対応するため 既存岸壁を延伸する 高砂 1 号岸壁 (-12m)270m (-12m)310m( 今回計画 ) -6-

2) 外貿 内貿ユニット貨物取扱機能の拡充 強化 1 仙台港区 課題 自動車メーカーの増産に伴って増加する完成自動車やRORO 貨物の取扱に対し埠頭用地の拡張が求められている 完成自動車とバルク貨物の混在利用の解消が求められている 対応 完成自動車や RORO 貨物の急増に対応するため 背後港湾関連用地を埠頭用地への利用転換およびフェリー第 2 バース前面を埋立て野積場 荷捌地等の用地を確保する 完成自動車およびユニット貨物とバルク貨物の混在利用を解消し効率性を高める 施設 埠頭用地面積 4.8ha( 港湾関連用地を利用転換 フェリー第 2 バース前面の造成 ) 完成自動車とバルク貨物の混在利用 中野ふ頭 ( 千トン ) 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 完成自動車貨物量の推移 移入移出 4,580 4,584 3,867 フェリーふ頭 雷神ふ頭 5,000 4,3154,359 3,698 4,4634,951 4,150 4,299 3,570 4,000 4,095 4,175 3,7883,699 3,000 4,999 2,000 3,961 3,916 1,1951,5691,6171,8251,8661,7851,958 2,339 2,7482,789 3,162 2,407 1,000 0 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 完成自動車やシャーシで過密な状況の背後用地 野積場 荷捌地の拡張埠頭用地面積 8.6ha( 既定計画 ) 仙台港区 フェリー埠頭 2 号岸壁の廃止 フェリー埠頭 2 号岸壁前面の埋立埠頭用地面積 1.5ha( 今回計画 ) 野積場 荷捌地の拡張 港湾関連用地を埠頭用地に変更埠頭用地面積 3.3ha( 今回計画 ) 自動車専用船中心の利用 -7-

3) バルク貨物取扱機能の強化 1 塩釜港区 課題 施設の老朽化等により岸壁の使用停止や維持管理コストの増大 施設更新リスクが高まっている 仙台港区からの小型バルク貨物集約に対応した物流空間の再編が求められている 立地企業より係留施設の整備が要請されている 対応 既存埠頭の再編 集約化によりバルク貨物の取扱機能の強化を図る 施設危険物取扱施設水深 7.5m ドルフィン1バース 泊地水深 7.5m 面積 0.8ha 航路 泊地水深 7.5m 面積 1.1ha[ 新規計画 ] 港湾関連用地面積 6.1ha( 危険物取扱施設用地を利用転換 ) 塩釜港区 利用実態に合わせた土地利用計画の変更危険物取扱施設用地 港湾関連用地面積 6.1ha( 今回計画 ) 1 危険物取扱施設の確保水深 7.5m ドルフィン 1 バース ( 今回計画 ) 泊地水深 7.5ha 面積 0.8ha( 今回計画 ) 航路 泊地水深 7.5m 面積 1.1ha( 今回計画 ) -8-

2 石巻港区 課題 雲雀野地区整備に伴い 大型貨物船の増加 平均積載量が増加している バルク取扱い港湾としての特色を活かし バルク貨物の集積を図っていく必要がある 船舶の大型化に伴い ポストパナマックス船への対応が求められている 立地企業より係留施設の整備が要請されている 対応 背後基幹産業の競争力を強化するため バルク船の大型化に対応した物流機能の強化を図る 港内静穏度の向上を図り 安全で効率的な荷役を確保する 施設水深 14m 岸壁 1バース延長 320m[ 既定計画の変更 ] 水深 12m 岸壁 1バース延長 240m 耐震強化岸壁 [ 既定計画の変更 ] 専用埠頭水深 6.0m ドルフィン 1 バース [ 新規計画 ] 石巻港区 貨物の増加に対応した岸壁の確保雲雀野北埠頭岸壁 (-12m)240m( 耐震強化岸壁 ) ( 既定計画の変更 ) 専用埠頭の確保水深 6m ドルフィン 1 バース ( 今回計画 ) ポストパナマックス船対応の機能確保雲雀野中央岸壁 (-14m)280m (-14m)320m ( 既定計画の変更 ) -9-

4) 工業用地の整備 利用促進 1 仙台港区 石巻港区 課題 仙台港区は 新規企業誘致に向けた用地が不足している 石巻港区の雲雀野地区において工業用地を整備中である 港湾利用促進に向けた企業誘致を図っていく必要がある 対応 石巻港区において 既存企業の拡張及び新規立地企業のニーズに対応できる用地を確保し 臨海型開発拠点としての機能強化を図る 施設工業用地面積 87.1ha( うち 48.2ha 既設 38.9ha 工事中 ) 石巻港区 新規立地企業等への対応工業用地面積 87.1ha うち 48.2ha( 既設 ) うち 38.9ha( 工事中 ) -10-

5) 日常的な憩いと安らぎの場の拡充 1 仙台港区 塩釜港区 石巻港区 松島港区 課題 市民が水際線を利用できる水辺空間が少ない みなとの憩いの場にふさわしい景観形成が求められている 港湾内に港湾就労者等が休憩 休息できる空間が少ない 対応 快適な港湾環境を創造するため 地域住民が海に親しむことのできる開放的な親水空間の創出を図る 施設 仙台港区 緑地 6.9ha( 工事中 ) 塩釜港区 緑地 3.1ha( 工事中 ) 石巻港区 緑地 24.0ha[ 既定計画 ] 仙台港区 塩釜港区 親水緑地の確保緑地面積 6.9ha( 工事中 ) 親水緑地の確保緑地面積 3.1ha( 工事中 ) 石巻港区 シンボル緑地の確保緑地面積 13.8ha( 既定計画 ) 親水緑地の確保緑地面積 10.2ha( 既定計画 ) -11-

6) 観光 交流機能の強化 1 外内航クルーズ船 課題 仙台港区は クルーズ船の受入のためにはRORO 船との利用調整が必要となっている 塩釜港区は 観光客増加に向け 各港区と連携したクルーズ船の受入体制の強化を図っていく必要がある 石巻港区は 年々増加するクルーズ船の寄港に対し ポートセールスの強化が必要である 対応 外内航クルーズ船の受け入れを拡充するとともに 海上ネットワーク機能を強化し 広域観光拠点 日本三景松島 への海上輸送網を拡充する 施設 塩釜港区 中型クルーズ船の受け入れ空間の確保 石巻港区 大型クルーズ船の受け入れ空間の確保 東北各港のクルーズ船寄港回数 H18 H19 H20 H21 H22 青森港 13 12 7 10 8 八戸港 1 1 1 2 久慈港宮古港 2 3 3 3 3 釜石港 2 3 大船渡港 2 2 2 5 3 仙台塩釜港 5 4 5 6 5 石巻港 2 1 能代港 2 2 1 船川港 1 1 2 1 3 秋田港 5 5 3 5 6 酒田港 3 2 2 3 2 相馬港小名浜港 1 2 1 東北計 31 35 29 37 37 仙台港区クルーズ船接岸状況 塩釜港区 既存岸壁を利用し受入空間を確保 中型クルーズ船の受入 石巻港区 既存岸壁を利用し受入空間を確保 大型クルーズ船の受入 -12-

2 観光船及び離島生活航路 課題 塩釜港区 石巻港区 松島港区 塩釜港区は 松島への海上輸送基地としての再整備 魅力ある観光拠点の形成及び観光資源との連携を図っていく必要がある 石巻港区は 南三陸観光や金華山観光の中継基地として受入体制の充実が必要である 松島港区は 各観光港とのネットワークを構築する必要がある 対応 魅力ある観光拠点の形成に向け 観光船機能の強化及び離島生活航路の機能強化を図る 施設 塩釜港区 旅客船埠頭: 小型桟橋 4 基 物揚場水深 4m 延長 140m 埠頭用地 0.1ha[ 既定計画 ] 石巻港区 旅客船埠頭: 小型桟橋 1 基 ( 既設 ) 松島港区 旅客船埠頭: 小型桟橋 2 基 ( 既設 ) 塩釜港区 石巻港区 き 旅客船埠頭の再配置小型桟橋 4 基 ( 既定計画 ) 離島連絡船用桟橋の機能強化物揚場水深 4m 延長 140m( 離島連絡船用地 ) 埠頭用地 0.1ha( 既定計画 ) 旅客船埠頭小型桟橋 1 基 ( 既設 ) 松島港区 旅客船埠頭小型桟橋 2 基 ( 既設 ) -13-

7) プレジャーボートの集約 拠点化 1 塩釜港区 石巻港区 課題 塩釜港区 石巻港区及び松島港区には多くのプレジャーボートが係留されており その多くが放置艇である 東日本大震災により 多くのプレジャーボートが流出し 現状及び今後の見通し等が不明であるが 今後の調査等による需要を踏まえた段階的な対応が必要である 対応 快適で適正なマリンレジャー活動の推進と 港湾利用の安全性の向上を図るため 港内に放置されているプレジャーボートの適切な収容を図る 施設 塩釜港区 中の島: 物揚場水深 4.5m 延長 538m[ 既定計画 ] 東宮 : 航路水深 3m 幅員 30m 泊地水深 3m 面積 5.6ha 防波堤 300m 小型桟橋 7 基 埠頭用地 1.8ha 臨港道路小友線 2 車線 [ 既定計画 ] 石巻港区 防波堤( 分離 )140m 防波堤( 分離 )30m 撤去 小型桟橋 4 基 [ 既定計画 ] 埠頭用地 0.3ha( 既設 ) 塩釜港区 プレジャーボート収容施設 ( 小規模 ) の確保物揚場水深 1.5m 延長 538m( 既定計画 ) 石巻港区 プレジャーボート等収容施設の確保航路水深 3m 幅員 30m( 既定計画 ) 泊地水深 3m 面積 5.6ha( 既定計画 ) 防波堤延長 300m( 既定計画 ) 小型桟橋 7 基 ( 既定計画 ) 埠頭用地 1.8ha( 既定計画 ) 臨港道路小友線 2 車線 ( 既定計画 ) プレジャーボート収容施設の確保 ( 水面貯木場の利用転換 ) 防波堤 ( 分離 ) 延長 140m( 既定計画 ) 防波堤 ( 分離 )30m 撤去 ( 既定計画 ) 小型桟橋 4 基 ( 既定計画 ) 埠頭用地 0.3ha( 既設 ) -14-

8) 大規模地震防災体制の強化 課題 大規模地震防災体制の強化 仙台港区は 大規模地震時の国際海上コンテナ機能の維持に向けた機能強化が求められている 塩釜港区及び石巻港区は 耐震強化岸壁の早期整備が求められている 対応 大規模地震発生時における広域的な緊急避難 緊急物資輸送及び企業の経済活動を支えるため 大規模地震対策の強化を図る 施設 仙台港区 水深 14m 岸壁 1 バース延長 330m( 国際物流機能維持用 )[ 既設 ] 水深 12m 岸壁 1 バース延長 240m( 緊急物資輸送用 )[ 既設 ] 水深 9m 岸壁 1 バース延長 220m( 緊急物資輸送用 )[ 既設 ] 塩釜港区 水深 9m 岸壁 1 バース延長 160m( 緊急物資輸送用 )[ 既定計画 ] 水深 4m 物揚場延長 140m( 緊急物資輸送用 )[ 既定計画 ] 石巻港区 水深 12m 岸壁 1 バース延長 240m( 緊急物資輸送用 )[ 既定計画の変更計画 ] 塩釜港区 緊急物資輸送用水深 9m 岸壁 1 バース延長 160m( 既定計画 ) 緊急物資輸送用 ( 離島用 ) 水深 4m 物揚場延長 140m( 既定計画 ) 石巻港区 緊急物資輸送用水深 12m 岸壁 1 バース延長 240m( 既定計画の変更 ) -15-

2. 利用 保全の考え方 (1) 防災対策 1) 地震対策 1 地震対策施設の必要性 平成 23 年の東日本大震災を踏まえ 震災時の緊急物資輸送等に対応するための施設整備 が急務となっている 2 必要な耐震強化岸壁及び関連施設の設定とその配置 震災時の緊急物資輸送岸壁については 臨海部防災拠点マニュアル ( 平成 9 年 3 月運 輸省港湾局 ( 現国土交通省港湾局 )) に基づき算定すると 耐震強化岸壁の必要バース数は 以下のとおりである 大規模地震対策施設計画 港区 緊急物資輸送用 国際物流機能維持用 仙台港区 水深 12m 1 バース延長 240m( 既設 ) 水深 14m 1 バース延長 330m( 既設 ) 水深 9m 2 バース延長 220m( 既設 ) 塩釜港区 水深 9m 1 バース延長 160m( 既定計画 ) 水深 4m 物揚場 延長 140m( 既定計画 ) 石巻港区 水深 12m 1 バース延長 240m( 今回計画 ) 緊急物資輸送道路臨港道路中央幹線 4 車線 ( 既設 ) 緊急物資輸送用水深 12m 岸壁延長 240m( 既設 ) 仙台港区 緊急物資輸送用水深 9m 岸壁延長 220m( 既設 ) 防災拠点緑地面積 9.1ha のうち 3.9ha( 既定計画 ) 国際物流機能維持用水深 14m 岸壁延長 330m( 既設 ) 塩釜港区 緊急物資輸送用 ( 離島用 ) 水深 4m 物揚場延長 140m( 既定計画 ) 緊急物資輸送用水深 9m 岸壁延長 160m( 既定計画 ) -16-

石巻港区 緊急物資輸送道路臨港道路雲雀野中央線 4 車線 ( 既設 ) 臨港道路雲雀野西線 2 車線 ( 既設 ) 臨港道路雲雀野西緑地線 2 車線 ( 既定計画 ) 防災拠点緑地面積 13.8ha( 既定計画 ) 緊急物資輸送用水深 (-12m) 岸壁延長 240m( 今回計画 ) 2) 津波防災対策 課題 津波防災対策( 避難体制 避難路 津波防災施設等 ) が求められている 対策 職住分離 津波による浸水被害の恐れが少ない区域に住宅地域を配置する 多重防護 海岸部の堤防だけでなく 内陸部の高盛土構造の道路等により多重的に防護する 海岸保全施設の復旧方針 すべての人命を守る という理念のもと 津波のレベル二つを設定 津波防護レベル( 津波レベル1) 数十年から百数十年に1 度の津波を対象とし 海岸保全施設により人命及び資産を守る 津波減災レベル( 津波レベル2) 津波防護レベルをはるかに上回り 構造物による対策の限界を超過する津波に対して 人命を守るために必要な最大限の処置を行う -17-

3. 環境への影響と評価の概要 評価項目 大気質 騒音 振動 予測及び評価 今回計画においては既定計画から取扱貨物量は減少の計画である また 今回計画で新たな工場等の立地計画はないことから 今回計画が周辺環境の大気質に与える影響は軽微であると考えられる 今回計画による道路交通騒音を予測した結果 全ての予測地点において 道路交通騒音の要請限度を下回った また 既定計画とほぼ同程度の騒音 振動レベルとなることから 今回計画が道路交通騒音 振動に与える影響は軽微であると考えられる 悪 臭 今回計画においては 新たな悪臭を発生させる施設の立地がないことから 今回計画が悪臭により与える影響はないものと考えられる 潮流 水質 底 質 今回計画においては 埋立計画地が防波堤及び岸壁により囲まれた水域の一部である このため 周辺海域の流況に変化を及ぼす施設計画がないことや COD T-N T-P の濃度分布の変化が想定されないことから 今回計画が潮流 水質に与える影響は軽微であると考えられる 今回計画においては 潮流や水質に与える影響が軽微であることや 現地調査結果より有害な物質等の溶出が無いことから 潮流や水質の変化並びに底質の攪乱等による底質への影響は軽微であると考えられる 地 形 今回計画による潮流の変化は軽微であると予測されることから 今回計画による地形に与える影響は軽微であると考えられる 生 物 今回計画は 埋立規模が既定計画に比べて減少すること また 干潟域を直接改変するものではないこと さらに 今回計画による大気質 潮流 水質及び地形に与える影響は軽微であると予測されることから 今回計画による生物に与える影響は軽微であると考えられる 生態系 今回計画による大気質 潮流 水質及び地形に与える影響は軽微であると予測されることから 今回計画による生物の生息生育環境に与える影響は軽微であり 生態系に与える影響は軽微であると考えられる 景 観 今回計画では 自然景観資源や都市景観への直接の改変はなく 今回計画が景観に与える影響は軽微であると考えられる 人と自然との触れ合い活動の場 漁 業 文化財 今回計画は 人と自然との触れ合い活動の場を直接改変するものではないこと また 今回計画による大気質 潮流 水質及び地形への影響は軽微であると予測されることから 今回計画が人と自然との触れ合い活動の場に与える影響は軽微であると考えられる 今回計画による潮流 水質 地形及び海生生物に与える影響は軽微であると予測されることから 今回計画が漁業に与える影響は軽微であると考えられる 今回計画は 文化財が分布している地域を直接改変するものではないこと また 今回計画による大気質 潮流 水質及び地形への影響は軽微であると予測されることから 今回計画が文化財に与える影響は軽微であると考えられる -18-

4. 環境の総合評価今回計画が周辺の環境に及ぼす影響について検討した結果 その影響は軽微なものであると考えられる 本計画の実施にあたっては 工法 工期等について十分検討し 十分な監視体制のもとに 環境に与える影響を少なくするよう慎重に行うものとする -19-