PAGE 2 平成 29 年度林野庁関係予算概算要求前年度比 17.2% 増の 3436 億円に林業の成長産業化 森林吸収源対策の推進を前面に 平成 29 年度林野庁関係予算概算要求の概要 1. 総括表 区 分 平成 28 年度平成 29 年度当初予算額概算要求額 対前年度比 百万円 百万円 % 公

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第 1 部森林及び林業の動向 森林 林業の再生に向けた新たな取組 東日本大震災 で森林 林業 木材産業に甚大な被害 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律 の成立 生物多様性に関する新たな世界目標 ルールの採択 国際森林年 林業 木材産業関係者が天皇杯等を受賞 木材の需要拡大の背景 ( )

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

資料 1-4 平成 31 年度林野関係予算及び税制改正事項 1 林野庁予算 ( 一般会計 ) 1 2 林野庁関係税制改正 21 平成 31 年 2 月林野庁

様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

第 1. 基本的事項 1. 都道府県の森林整備及び林業 木材産業の現状と課題 1 森林整備の現状と課題本県の人工林面積の主な樹種別の構成割合は スギ 71% アテ 12% マツ 9% である 齢級構成は 10~11 齢級をピークとした偏った構成となっており 保育や間伐を必要とする 9 齢級以下のもの

森林法等の一部を改正する法律案の概要 国内の森林資源が本格的な利用期を迎えている中 住宅用など従来需要に加えて CLT( 直交集成板 ) や木質バイオマスなど国産材の需要の創出と拡大が進展 木材自給率は H14 年の19% を底に上昇傾向で推移し H26 年は31% まで回復 一方 木材価格の低迷

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H28秋_24地方税財源

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トヨタの森づくり 地域・社会の基盤である森づくりに取り組む

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第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

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激甚災害制度について

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Ⅲ 林業

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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

項目別目次 森林被害編 1 森林において土砂崩れが発生してお困りの方 1 2 所有林の立木が被災されている方へ 2 3 保安林内の木が倒れてお困りの方へ 3 林道 作業道被害編 4 林道が崩壊等により通行ができない方へ 4 5 所有林の作業道が被災されている方へ 5 施設被害編 6 木材加工流通施設

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資料3

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一太郎 10/9/8 文書

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寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

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( 会社及び個人 ) ( 適用日 : 平成 30 年 12 月 12 日 年利 :%) 一 般 貸 付 振 興 事 業 貸 付 設備資金 設備資金 運転資金 基準利率 1.16 ~ 2.85 % 特別利率 A 0.76 ~ 1.89 % 特別利率 B 0.51 ~ 1.90 % 特別利率 C 0.3

抜本的な鳥獣捕獲強化対策 平成 25 年 12 月 26 日環境省農林水産省

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このため 政府においては 地方への人の流れの創出等による地方 東京圏の転出入の均衡をはじめとする地方創生の実現に向け 新たな5 年間のまち ひと しごと創生総合戦略を策定するとともに 以下の6 点について 別紙のとおり総合的かつきめ細かな施策を早急に実施するよう強く求める 1. 移住定住 UIJター

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宮城の将来ビジョン 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 認知度集計表 ( 回答者属性別 ) 内容について知っている 言葉は聞いたことがある 効知らない ( はじめて聞く言葉である ) 県全体 度数 ,172

整理番号 10 便益集計表 ( 森林整備事業 ) 事業名 : 森林居住環境整備事業 都道府県名 : 奈良県 地域 ( 地区 ) 名 : 上北山村地区 ( 単位 : 千円 ) 大区分 中区分 評価額 備考 木材生産等便益 森林整備経費縮減等便益 災害等軽減便益 木材生産等経費縮減便益木材利用増進便益木

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唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地


病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

Transcription:

第 8 巻第 5 号 平成 28 年 9 月 6 日発行 (8 月号として ) 発行 : 一般社団法人日本林業協会 編集 発行人 前田直登 平成 28 年度第 2 次補正予算林野庁関係で 1,022 億円計上 協会からの情報提供を一段と充実ー 一般向け情報誌と して 森林と林業 会員向け情報誌と して 協会報日本 林業 を発行 目次 : 林野庁平成 28 年度 2 次補正予算 ( 単位 : 百万円 ) 補正追加額 項 目 公共 非公共 計 森林整備事業 治山事業森林整備事業資産事業災害復旧事業のうち 41,000 31,000 10,000 41,000 31,000 10,000 山林施設災害復旧事当事業 25,286 25,286 CLT 利用促進総合対策合板 製材生産性強化対策 クリーンウッド 利用推進事業鳥獣被害防止対策のうちシカによる森林被害緊急対策事業地域材利用拡大緊急対策事業熊本地震木材加工流通施設復旧対策事業 ( 国研 ) 森林総合研究所災害復旧事業 1,000 33,000 150 100 500 160 1,050 1,000 33,000 150 100 500 160 1,050 計 66,286 35,960 102,246 平成 28 年度林野庁関係第 2 次補正 平成 29 年度林野庁関係予算概算要求 行事日程 農林水産関係予算団体要望 1 2 ー 3 3 4-5 平成 28 年度 2 次補正予算が 8 月 24 日に成立し 発表された 2 次補正の内容を見ると 公共事業に関しては 森林吸収量 3.5% の確保に向けた森林整備の実施を目的として 国産材の安定供給体制の構築や間伐やこれと一体となった路網整備も推進するためとして森林整備事業 ( 公共 ) に 310 億円が計上されたほか 熊本地震や各地での集中豪雨被害の発生にかんがみ 荒廃産地の復旧や予防治山対策として治山事業 ( 公共 ) に 100 億円が計上された 一方 非公共に関しては 〇 TPP 関連政策大綱 の着実な実施に関しては 1 合板 製材生産性強化対策として 330 億円 2CLT 利用促進総合対策として 10 億円 3 クリーンウッド 利用推進事業として 2 億円が計上された 〇また 農林水産業 地域の活力創造プラン に基づく施策の着実な実施として 鳥獣被害防止対策として 10 億円が計上されたほか 林業の成長産業化として間伐の推進と路網整備がこれ位置付けられ 加えて地域材利用拡大緊急対策事業 5 億円が計上された 〇熊本地震からの復旧 復興関連では 1 災害復旧事業 ( 公共 ) として 713 億円の内数として計上されたほか 熊本地震木材加工流通施設復旧対策事業として 2 億円 国立研究開発法人森林総合研究所災害復旧事業として 11 億円のはか 治山事業も措置されている 発行日変更のお断り : 補正予算及び予算概算要求等の関係から発行日を 9 月 6 日といたしました

PAGE 2 平成 29 年度林野庁関係予算概算要求前年度比 17.2% 増の 3436 億円に林業の成長産業化 森林吸収源対策の推進を前面に 平成 29 年度林野庁関係予算概算要求の概要 1. 総括表 区 分 平成 28 年度平成 29 年度当初予算額概算要求額 対前年度比 百万円 百万円 % 公共事業費 189,983 225,984 118.9 一般公共事業費 180,009 216,010 120.0 治山事業費 59,723 71,667 120.0 森林整備事業費 120,286 144,343 120.0 災害復旧事業費 9,974 9,974 100.0 非公共事業費 103,314 117,654 113.9 合計 293,297 343,638 117.2 注 1 上記のほか 農山漁村地域整備交付金及農山漁村振興交付金に 林野関係事業を設置している 2 復旧 復興対策は 下記 2 に整理 2. 東日本大震災からの復旧 復興対策 ( 東日本大震災復興特別会計計上 ) 区 分 平成 28 年度平成 29 年度当初予算額概算要求額 対前年度比 百万円 百万円 % 公共事業費 30352 32018 105.5 非公共事業費 6254 6254 100.0 合計 36,606 38,272 104.6 林業の成長産業化 森林吸収 ; 対策の推進 1 次世代林業基盤づくり交付金需要に応じた低コストで効率的な木材の生産 供給を実現するため CLT( 直交集成板 ) 等を製造する木材加工流通施設 木質バイオマス関連施設 苗木生産施設等を整備するとともに 間伐 路網整備を行い 地域の実情に応じた川上から川下までの取組を総合的に支援 2 林業成長産業イヒ地域創出モデル事業川上から川下までの事業者がバリューチェーンでつながり収益性の高い経営を実現する 林業成長産業化地域 をモデル的に選定し 地域のビジョンの実現に向けて地域が独自に提案する対策を重点的に支援 3 施業集約化の加速化森林所有者 境界の明確化や関係者の合意形成に向けて森林整備地域活動支援交付金を交付するほか 市町村が森林の所有者情報を一元的に取りまとめた林地台帳の整備にも資する森林 GIS 等のシステム整備を支援 4 森林 林業人材育成対策林業への就業前の青年に対する給付金の給付や 緑の雇用 事業による人材の育成を支援 150 億円 ( 次世代林業基盤づくり交付金で実施 ) 20 億円 11 億円 70 億円

PAGE 3 5 新たな木材需要創出総合プロジェクト中高層建築等に活用できる CLT の利用促進 セルロースナノファイバーなど新たな製品 技術の開発 普及の加速化 地域材の利用拡大等を支援 6 木質バイオマスの利用拡大木質バイオマスの利用促進を図るため チネルギ一利用拡大に向けた全国的な調査 新たなマテリアル利用の促進に向けた技術開発等を支援 7 違法伐採対策の推進クリーンウッド法 ( 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律 ) の施行のための取組を実施 8 花粉発生源対策花粉の少ない品種等を対象とした採種園等の造成 改良 コンテナ苗の生産技術研修 花粉症対策苗木への植替え 花粉飛散防止剤の実証試験等を支援 9 森林 山村の多面的機能の発揮対策森林 山村の多面的機能の発揮を図るため 地域における活動組織が実施する森林の保全管理や森林資源の利用等の取組を市町村等と連携して支援 18 シカによる森林被害緊急対策事業シカによる森林被害が深刻な地域において 地方公共団体等と連携し 広域かつ緊急的に捕獲や捕獲強化のための行動把握を実施 11 森林整備事業 < 公共 > 国産材の安定供給体制を構築するとともに地球温暖化を防止するため 間伐等の森林施業や路網の整備を推進 12 治山事業 < 公共 > 地震 集中豪雨等に対する山地防災力の強化のため 荒廃山地の復旧 予防対策 津波に強い海岸防災林の保全等を推進 15 億円 ( 新たな木材需要創出総合プロジェクトで実施 ) 5 億円 ( 新たな木材需要創出総合プロジェクトで実施 ) 1 億円 5 億円 23 億円 3 億円 1,443 億円 717 億円 平成 28 年 7 月国会の動き 19 日 ( 火 ) 自民党 国土強靭化総合調査会 ( 新しい経済対策について ) 21 日 ( 木 ) 自民党 農林役員会 ( 新しい経済対策について ) 21 日 ( 木 ) 自民党 農林水産戦略調査会 農林部会合同会議 ( 新しい経済対策について ) 上記以外国会関連に関しては特記事項なし 平成 28 年 8 月業界の動き 9 日 ( 火 ) 森林募金運営委員会 ( 砂防会館 ) 10 日 ( 水 ) 平成 27 年特用林産生産量速報発表 11 日 ( 木 ) 第 1 回 山の日 記念全国大会 ( 長野県松本市 皇太子殿下御一家出席 このほかに全国各地で記念行事開催 ) 17 日 ( 水 ) 森林と林業 9 月号編集会議 26 日 ( 金 ) 自民党農政推進協議会による平成 29 年度農林関係予算に対する団体要望聴取 29 日 ( 月 ) 緑化推進協議会総会 30 日 ( 火 ) 国土緑化推進機構総会 ( 砂防会館 ) 31 日 ( 水 ) 林政審施策部会 31 日 ( 水 ) 聞き書き甲子園平成 28 年度 森の名手 名人 と高校生の組み合わせ発表

PAGE 4 平成 29 年度農林関係予算に対する団体要望を自民党が聴取自民党農政推進協議会 自民党の農政推進協議会 ( 座長 : 西川公也 ) は 8 月 26 日に自由民主党本部で農林水産戦略調査会 農林部会との合同会議を開催し 平成 29 年度農林関係予算概算要求と同年度の農林関係税制改正要望農水省重点事項について協議を行うとともに 平成 29 年度農林関係予算について 全国農業協同組合中央会 全国農業会議所 全国土地改良事業団体連合会 日本酪農政治連盟 日本養豚協会 日本林業協会の農林関連 6 団体から団体要請を聴取した 席上 日本林業協会は団体要望の聴取に対して 平成 29 年度森林 林業関係予算重点要望事項を取りまとめ要望した 日本林業協会が要望した内容は以下の通り 平成 29 年度 森林 林業関係予算重点要望事項 戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎える中 木材自給率の上昇 木質バイオマスのエネルギー利用や CLT 等の新たな利用の進展など 林業 木材産業には近年明るい兆しもみられている また 地球温暖化の進行や局地的な豪雨の頻発を背景に 二酸化炭素の吸収 固定や国土の保全などの公益的機能を有する森林の働きに対しても 国民の関心と期待がますます高まっており 森林整備の推進が強く望まれている しかしながら 林業 山村を取り巻く状況は 長期にわたる木材価格の低迷や担い手の減少などにより依然として厳しく 我が国全体が人口減少社会に移行していく中で山村は特に危機的な状況にある 森林は 我が国が自給できる数少ない資源であり 全国にあまねく広がっている資源でもあることから 政府が進める地方創生の核となり得る資源である 森林の公益的機能を確保しつつ それを支える林業を成長産業化させることで地方創生を推進していくためにも 山村地域において森林整備や担い手の育成を推進するとともに 都市部を中心とする木材需要の拡大を積極的に進めるなど 国民全体で森林 林業を支え その再生を図る必要がある また 東日本大震災被害の早期の復旧 復興を図るとともに 熊本地方における激甚な被害の対策を強力に進めることが緊要である 加えて 昨年 10 月 TPP 交渉が大筋合意となったところであるが 林業 木材産業が安定的に発展していけるよう特段の対策を講じていくことが必要である 以上の観点から 次の施策の実現を強く要請する 1 森林環境税等の早期実現と森林整備の推進地球温暖化防止対策を推進するため 地球温暖化対策のための税 について CO2 の排出抑制のための木質バイオマスのエネルギー利用などへの活用の充実を図るとともに 森林整備等の森林吸収源対策の推進のため 森林環境税 ( 仮称 ) 等の早期実現を図ること また 平成 28 年度から措置された森林吸収源対策の地方財政措置についてさらなる充実を図ること 2 木材利用促進のため法改正を含めた施策の強化と国産材の安定供給環境貢献等も踏まえた住宅 土木用資材及び建築物への木材利用の推進 特に 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会の関連施設をはじめとする公共建築物や都市部における中高層建築物への木材利用 CLT 建築の本格的普及 木質耐火部材など新たな技術の開発 木質バイオマス利用の推進などにより国産材需要の拡大を図る また これら木材利用の一層の促進のため 公共建築物等の木材利用促進に加え 民間建築物等への木材利用促進を図るため 新たな法制度等の創設を検討するこ

PAGE 5 と 更に 需要に対応できる国産材の安定供給体制の構築を図ること TPP については 林業 木材産業の安定的な発展に資するよう TPP 関連政策 等の推進を図ること 3 持続的な森林経営の確立と人材の育成確保森林所有者の施業意欲を喚起し 地域の実情に即した効率的 安定的な森林経営を実現するため 意欲ある担い手への森林経営の集約化や境界の明確化 現場技能者等の人材育成確保対策を推進すること また コンテナ苗等の低コスト技術の普及 定着や深刻度が増しているシカ等の鳥獣被害対策の強化などにより確実な再造林対策を推進すること さらに 花粉症対策苗木の供給拡大を図ることにより 花粉発生源対策を推進すること 4 地域が主体となった森林整備から木材の流通加工に亘る一体的取り組みの推進我が国の豊富な森林資源の循環利用を通じて林業の成長産業化を実現するため 次世代林業基盤づくり交付金の充実 強化など 現場の実情に合わせて森林整備から木材の加工 流通 利用までの一体的な対策を地域が主体となって計画的に取り組むことのできる支援措置を充実すること また 林業専用道などの路網整備の充実を図ること 5 情報通信技術の活用等林業の技術革新と多様な森林管理活動など魅力ある林業の創出木材生産を効率化する林業機械の開発 改良や情報通信技術 (ICT) ロボット技術の活用等により林業の技術革新を図り 若者 女性 高齢者等にも働きやすく安全で魅力ある林業の創出を図ること また 地域住民や NPO 自伐林家等の多様な主体による森林管理活動への支援等により 山村振興対策を充実すること 6 国民の安全 安心を確保する治山対策の拡充等緑の国土強靭化の推進頻発している集中豪雨や地震等による激甚な山地災害から 国民の生活と暮らしを守るため 治山ダム等による荒廃地の早期復旧や予防治山 津波の被害を軽減する海岸防災林の整備など 災害に強い健全な森林づくりを進め 緑の国土強靱化を推進すること 7 水源林整備の計画的実施と森林病害虫対策の推進水源林整備の計画的な実施 森林整備法人 ( 都道府県林業公社等 ) による森林整備の円滑化 松くい虫及びナラ枯れ被害を防止するための森林病害虫対策のより一層の推進など 公的主体の関与による公益的機能の確保策を推進すること 8 新たに制度化された共有林の裁定制度や林地台帳の整備等の着実な運用共有林の裁定制度や市町村による林地台帳の整備等の所有者特定困難な森林施業を進めるための新たな制度について 適切な森林施業を通じた林業の成長産業化の実現に資するものとなるよう的確な運用を図るとともに 予算等の必要な財政措置を講じること 9 国有林の先導的取り組みと民有林との一体的施策展開国有林の森林資源や組織 技術力を活用して 木材の安定供給や様々な技術的課題への先導的取組等を展開し 民有林との一体的な施策展開を図ること 10 東日本大震災からの復旧 復興の推進と熊本地震災害の早急な復旧東日本大震災からの復旧 復興のため 海岸防災林の再生 原子力発電施設の事故で放出された放射性物質による森林の汚染に対応するための森林 林業や林産物への影響等についての調査研究と林業再生に向けた対策の実施に加え 被災住宅の復興をはじめとした全国的な木材の安定供給に必要な予算を確保すること 更に 木材と同様に山村地域の貴重な収入源でもある特用林産物について 放射性物質の影響による風評被害等に対する円滑な賠償に向けた支援と対策を実施すること また 熊本地震に対し 山腹崩壊地等の早急な復旧と災害対策の一層の強化 被災した製材 プレカット工場などの木材加工流通施設等の早期再建に必要な予算を確保すること