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1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

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港区マンション震災対策ハンドブック

西区05-CS5_小

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

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大津市避難所運営マニュアル

H25 港南区区民意識調査

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平常時の防災活動 家庭内対策 指導ポイント 家屋の耐震診断と補強 家具などの転倒 落下防止と避難経路の確保 市町においては耐 家具の転倒による被害を防ぐ 震診断や耐震補強の ため タンス 食器棚などの家 補助を行っていま 具は 動かないようあらかじめ す 固定しておきましょう 冷蔵庫 などキャスター

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

() 港南区の防災 箇条 港南区の防災 箇条は平成 年に定められましたが 初めて言葉を聞いた が% と最も多く 認知度は低くなっています 内容を知っており 箇条をもとに災害時の備えを実施している は% にとどまっています [ 性年代別防災五箇条認知度 ] 高齢者の方が認知度が高くなる傾向にあり 男女

職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

はじめに 近年は 日本各地で地震が起こり 台風 土砂災害で毎年のように被害がでています いざという時に被害に合わないためには 日ごろから備えておくことが大切です 個人 家庭でできる備え 隣近所や自主防災会でできる備えを 関市自主防災会防災訓練メニュー としてまとめました 定期的に個人 家庭の備えを確

2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

防災アンケート結果 2013/9/14 Q2: 東日本大震災で建物と室内に被害は? あった の内容 : クロスのひび割れ Q3: その時家族はどこにおられましたか? 番館 なかったあった 総計 番館 学校 仕事場 自宅 その他 総計

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

☆配布資料_熊本地震検証

首都圏で大地震が起きると 建物 が 倒 れ ま す! 揺れで建物が倒れます 窓ガラスが割れ 道路に飛び散ります 火災があちこちで起きます 特に木造の建物が集まっている 火災 が 起 き ま す! 地域では 大規模な火災が起きる場合があります 道路 が 通れ な く な り ま す! 建物が倒れて道路

要配慮者支援班の業務 1 配慮が必要な人の情報把握 (1) 情報把握 総務班名簿係と連携し 避難所利用者 ( 避難所以外の場所に滞在する人を含む ) のうち 配慮が必要な人を グループごとに把握する 避難支援のための個別計画がある場合は 内容を確認する (2) 聞き取り 避難所利用者でつくるグループ

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【Dig訓練とは】

スライド 1

港区マンション震災対策ハンドブック

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

2: 内容 ( 避難で Go ) アプリ 1 避難で Go( 仮称 ) 災害に遭遇してしまった被災者向けのアプリ 後述する 支える避難所運営 とデータ連携することで避難生活の負担軽減をはかる 1-1: 避難誘導支援機能 災害時に現在地からの最寄りの避難箇所を地図で教えてくれる 例えば地震ならば津波を

P1-20

【東日本大震災発生から7年】「災害への備えに関する調査」結果 ~あなたのご家庭の備えを点検しませんか~_損保ジャパン日本興亜


災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

本書の目的介護保険サービス事業所は, 高齢者の方が多く利用しており, 災害発生時には避難等の援助が必要となるため, 事業者は, 災害発生時に迅速かつ適切な行動をとれるように備えておく必要があります 本書は, 介護保険サービス事業所が災害対応マニュアルを作成する際に特に留意する点についてまとめています

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発災対応型防災訓練 皆さんが住むまちの中を訓練会場として 地震発生時に地域にある資器材を活用して 災害対応を行う防災訓練です 参加者は 煙 ( 発炎筒 ) などを見て初めて近所の火災を知り 近くの消火器などを利用して消火します 実施要領 1 事前に町会役員等と協議し 地域に数箇所の火災の発生場所を決

第8章 災害復旧計画

スライド 1

地震と地震保険に関するアンケート調査結果について

事例集-表紙

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

5 防災行動マニュアルの作成 自主防災会の防災行動マニュアルを具体的に作成していきましょう 次に掲げる項目について検討し, 実施する項目の にチェックをしていきます また, 災害図上訓練で検討した結果, 課題となった事項や実施すべき事項などで, 記載されていない項目があれば追記していきましょう Ⅰ

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調査概要 調査目的本調査は 今後の本市の防災施策の策定を進める上での基礎資料データの取得 震災後の自助 共助の取り組みの実態の把握を行い その結果を分析し 今後の防災施策に反映させることを目的とするものである また平成 22 年度の調査結果との比較を行い 東日本大震災前後での市民の災害 防災に関する

で何らかのガスを使用している方にお聞きします 居室内 ( 台所 洗面所以外の部屋 のガス栓 ( ガスコンセントを含む の設置状況について 次の中から一つ選んでください ガス栓を設置していて 一年間を通してガス機器を接続して使用している 6 ガス栓を設置していて ガス機器を使用

~ はじめに ~ - 目次 - 1 非常持ち出し品 非常備蓄品の準備 2 2 地区の被害想定 3 3 地区防災地図 4 4 淀川区災害対策本部 5 5 地区自主防災組織について 6 6 災害時避難所 一時避難場所について 8 7 災害時避難所の配置図 9 8 避難所における共通ルール 10 9 地震

防災マニュアル 戸室 2 丁目自治会自主防災隊 自主防災隊組織図 任務と各役割 厚木市災害時要援護者支援制度実施要綱 要援護者支援体制について 戸室地区災害時における要援護者支援の活動プラン 要援護者への支援活動内容 災害時の要援護者支援に係る戸別訪問調査表 支援者連絡表 神奈川県立厚木高校避難所運

ファシリテータ用ガイド

町田市セミナー塩見.pptx

指定避難所運営マニュアル.indb

学校の危機管理マニュアル作成の手引


マンション管理士 平成 28 年度マンション管理士全国公開模試総合成績表 VU16122

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地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

(3) 事前対策リスト ( 自助 ) 家の中の安全 避難救護 水や食料 避難生活用品 家具が転倒しないように固定する 耐震診断 耐震補強をする 寝室には家具を置かないか 寝床に向かって転倒しないようにする 玄関などの出入り口までは物を置かずに避難できるようにする ベランダの避難用の隔壁 避難ハッチ周

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戸田市災害に強いまちづくり推進ワークショップ 住民版地域防災計画作成の手引き 緊急一時避難場所を決めましょう 避難を支援する方法を考えましょう 緊急時の連絡体制をつくりましょう リーフレットを作成し 町会員に周知しましょう 参照 : 戸田市洪水ハザードマップ


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の課題フェイズごとの食に関する問題 大規模な水害や地震が起きると ライフラインが寸断されたり家屋が倒壊 損傷したりして自宅で食事を摂ることができなくなります しばらくすると支援物資が運ばれてきますが 道路の寸断により時間がかかり食料が手に入りにくい状況も想定されます また 避難所や野外へ避難する人が

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平成 30 年度第 9 回ネット モニターアンケート防災意識及び大規模地震発生時の行動について アンケートの趣旨名古屋市は 今後発生が危惧されている南海トラフ巨大地震などの大災害に備え 平成 27 年度 新たに防災危機管理局を設立し 市全体の防災対策を総合的かつ計画的に推進していくとともに 地域防災

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作成例 ( 共同住宅用 ) 消防計画 この計画で定めたことは 居住者が守らなければなりません 1 防火管理者等の業務について 年月日作成 防火管理者は 次に掲げる業務を行う 1 消防署への報告及び連絡 2 居住者への火災予防対策 火災発生時及び地震発生時に近隣者が行うべき行動の呼び掛け 3 建物 屋

3 熊野地区 被災 共助 第 3 回ワークショップの議論をもとに わが地区における地震による時系列での と それへの 共助 をまとめました 1 建物倒壊 注 1 の は活動内容を示し は活動準備を示す 老朽木造住宅面的被害木造密集市街地激しい揺れブロック塀 電柱の倒壊建物倒壊家具の転倒ガラスの飛散生

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南海トラフ地震発生時の不安 南海トラフ地震が発生した場合 不安や危険に思うことは何ですか?( は 3 つまで ) 66.7% の人が 自宅の倒壊や損壊 49.2% の人が 家族等の安否やその確認手段 と答えています 自宅の

4 被災生活の環境整備主な修正概要 避難所毎に運営マニュアルを作成し 避難所の良好な生活環境を確保するための運営基準等を明確にしておく 避難所運営マニュアルの作成 訓練等を通じて 住民の避難所の運営管理に必要な知識の普及に努める 県 DMAT( 災害時派遣医療チーム ) の活動終了以降の医療提供体制


PowerPoint プレゼンテーション

東宮防災2017.indd

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3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

38 災害緊急時における聴覚障害者の情報伝達保障支援の状況分析 表2 生の協力のおかげで遂行することができた 避難訓練の年間実施回数 回 回 2回 3回 4回 5回以上 4 6 35 9 図 避難所担当者との連携 図2 避難訓練の年間実施回数 Ⅳ 調査研究の経過および結果 なかでも年2 3回実施して

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

自主防災組織をつくろう

国土技術政策総合研究所 研究資料


PowerPoint プレゼンテーション

Taro-参考資料:災害用伝言サービ

Microsoft Word - 町内会非常時連絡の手引【完成】2.4

主な訓練 指揮統制本部開設訓練防災関係機関である自衛隊 警察 海上保安署 消防と市が連携して 災害現場への出動隊の派遣調整などを行いました 人命救助訓練 3 班 ( 自主防災会 防災士会 消防団 市の人命救助隊 ) に分かれ 各倒壊家屋前に設置されている障害物を撤去後 閉じ込められている負傷者の救出

我が家の家庭内 DIG 地震が発生した時の 我が家 を想像してみましょう 1 家族等の命 ( 最優先 ) 我が家の耐震性は? 家庭内で倒れてくる物はないか? 津波や山がけ崩れの危険性は? 災害イメージ ( 東京経済大学吉井教授の設問資料を変形 ) 自宅建物の倒壊 ( ぺしゃんこ 傾く ) 下敷き 死

161019_発表資料_後日訂正版_HP用

国土技術政策総合研究所 研究資料

( 時差退社計画の作成 ) ⑸ 管理権原者は 従業員等の徒歩による帰宅経路を把握し グループ毎の時差退社計画を作成しておく 時差退社計画表 別表 2のとおり 2 震災時の活動計画 1 家族等との安否確認の実施に関すること ( 家族との安否確認 ) (1) 従業員は 震災時に家族等の安否を確認し に報

148 資料編避難については二つの課題がある 一つは 帰宅困難者をうまないための事業所や集客施設の備えである 事業所は家族を心配する社員を通常より早めに退社させたが 公共交通機関が全て使用できない状態になることまで想定できなかった また集客施設は 客を施設外に誘導しただけで その後の客の安全まで配慮

二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

すぐ連絡! すぐ実施! 杉並消防署からのお知らせ 自衛消防訓練を実施しましょう 自衛消防訓練は 火災が発生した場合に消防隊が現場に到着するまで 自衛消防 活動により 迅速 的確に人命の保護と災害の拡大防止の措置をとれるようにする ことを目的としています 訓練の種別 自主的に訓練することが必要です!

(3) 事前対策リスト ( 自助 ) 家の中の安全 避難救護 水や食料 避難生活用品 家具が転倒しないように固定する 耐震診断 耐震補強をする 寝室には家具を置かないか 寝床に向かって転倒しないようにする 玄関などの出入り口までは物を置かずに避難できるようにする ベランダの避難用の隔壁 避難ハッチ周

排尿トラブルに関する調査 結果報告書

Transcription:

マンション防災の必要性安全確保避難生活 p.133 p.135 p.139 p.131- p.147- 地域の自主防災組織との連携 p.145 131 132

❶ マンション防災の必要性 個人の災害時の行動については地震編 水害編に書かれていますが マンション単位でやることについてはを参考に行動してください マンションでは他の階や周辺の状況がわかりにくく 大規模な災害時には外部からの救援も期待できません 分譲でも賃貸でも 住民がまとまって行動すると力になります 災害直後の孤立を防ぐ 災害で大けがをしたり ドアが変形して開かなくなってしまったりすると 自力で避難できなくなります 取り残される人が発生しないよう 互いに注意し合うことが大切です 日ごろから顔の見える付き合いを 日ごろから挨拶を交わしたり イベントや共同作業に参加したり 災害時に支援が必要な人の名簿づくりに協力したりして 顔の見える関係づくりをしておくと いざというときに強い力になります マンション全体の安全を守る 一戸でも火災やガス漏れが発生すると マンション全体で住めなくなる可能性があります 火災防止活動などを協力し合うことで 自宅で生活を続けられる可能性が高くなります 避難生活の質を確保する 知らない人たちが共同生活する避難所より マンションにとどまって助け合うほうが身体的にも精神的にも負担の少ない生活ができる可能性があります 災害時避難所を窓口とする支援物資の配布なども 個人で取りに行くよりもマンション単位で行くほうがスムーズな対応を受けられます 133 134

❷ 安全確保 取り残されないための協力 安否確認と救出活動 助け合える住民で集まり役割分担 危険な建物被害がないか確認する 避難の前に手分けして状況確認をしましょう 必ず 2 人以上で行動し 常に誰がどこにいるのかわかるようにして活動してください 応急手当の方法 p.193 階によってゆれ方が違うため 全ての階を確認し 危険な建物被害があれば 助け合って外部へ避難してください 消火活動 消火器で火災が消せない場合にも 屋内消火栓があれば協力して消せる場合があります 消火器 屋内消火栓の使い方 pp.191-192 避難 救出ルートを確保する 開かない玄関ドアをバールで開けたり バルコニーの隔て板を破ったり 避難はしごを使ったりして 避難や救出をしてください 応急救護場所を設ける 避難や活動の妨げにならない屋内やテント内に けが人や病人のための応急的な救護場所を設けましょう マンションで防災計画を作成し防災訓練を行う pp.233-238 135 136

❷ 安全確保 とどまる 外部へ避難する の選択 避難の判断をするときに気をつけること 他の住民の考えも聞き 結果をイメージしながら 避難の判断をしてください 自宅が安全なら自宅にとどまる 隣人と連絡を取り合い 自宅の備蓄をもとに助け合いましょう 人それぞれの事情を配慮する お年寄りや妊婦など家庭の状況により一緒に行動できない場合もあります 少しでも負担が軽くなるような方法を相談しましょう 自宅が不安な場合には共用スペースに集まる 集会室やホール 公開空地などに集まっておくと 次に何か起こっても一緒に対策できます 互いの連絡方法を確認する とどまる人と避難する人とで 連絡方法を確認しておきましょう マンションに危険がおよびそうなら外部へ避難する 近くの公園などに一時的に避難し 集まった人全員で協力し合います 責任 義務を押しつけない 管理組合や地域の役員に仕事を押しつけず 自分のできることで助け合ってください 参照 地震編第 4 章 ❷ 身近で安全な場所の選択肢 pp.049-052 避難時に持ち出すものを準備する pp.223-224 マンションで防災計画を作成し防災訓練を行う pp.233-238 137 138

❸ 避難生活 マンションでの避難生活条件の確認 災害の危険が落ち着いたら まず建物や設備の被害状況を調べます 応急修理を行うことで生活が続けられそうな場合は マンションで避難生活をしましょう 助けが必要な住民の確認 マンションでの避難生活を希望する住民のけがや健康状態を確認し 支援の方法を検討してください 建物の危険箇所の点検 マンション内での支援 壁タイルの落下など部分的に危険な場所があれば 応急修理が終わるまで立入禁止などの措置をしてください 高層階への物資の運搬など 支援が必要な人の避難生活を居住者全員で支え合えるか検討しましょう 設備の点検 エレベーターや電気設備 水道 下水道 ガス設備などの破損状況と復旧方法を調べ 対策を考えてください 要支援者や重傷者への対応 備蓄物資の点検 ポータブル発電機やポンプ ランプ カセット式コンロ リヤカーなど生活に使える物資の備蓄を確認してください 自力では避難生活に耐えられそうにない人への対応を災害時避難所 ( 地域災害対策本部 ) などと相談してください 建物の防災力を確認する pp.231-232 139 140

❸ 避難生活 避難生活場所の組み合わせ 家庭の事情に応じて最善の生活を送ることができるように避難生活場所の組み合わせを相談しましょう それぞれの自宅で避難生活 自宅の備蓄物資をもとに生活し 片付けや食料 水 トイレの確保などをマンションで協力し合います 共用スペースで避難生活 エレベーターが止まって生活が困難な場合は 低層階にある集会室 ゲストルームなどを生活場所に使う方法も考えられます 敷地内でのテントや車中泊など 冷暖房が欠かせない人が駐車場で車中泊するなど 共用のトイレを使いながら生活する方法も考えられます エコノミークラス症候群などに注意が必要です コラム 19 column マンションでの避難生活例 地域の助けも借りながらマンションで生活を続ける東日本大震災で被害を受けた仙台市のAマンションでは 居住者全員が避難所へ行かず マンション内で生活できたそうです 地震発生直後には 玄関扉の開閉ができなくなった居住者を 3 人 1 組でバールで救出し 家具の散乱した室内は 4 人 1 組で片付けに協力しました 外部からの食料調達はすぐにはできませんでしたが 4 日間は居住者が持ち寄った食料で炊き出しが可能でした 電気 水道 ガスがストップしましたが 非常用発電機で照明器具をつけ 上階への給水は準備してあったポンプを使用しました 発電機のガソリンは日ごろから協力し合っている町会から支援を受けました エレベーターが止まって生活が困難になった居住者は 敷地内に設置した避難テントで避難生活を過ごしました 日ごろのコミュニティ活動が役に立った熊本地震で被害を受けたBマンションでは 屋上の高架水槽が破損し給水がストップしたり 壁にひび割れが発生しました しかし それまで続けてきたさまざまなコミュニティ活動 ( 餅つき大会 夏祭り 一斉清掃 防災訓練など ) が役立ち 安否確認やバールを使っての閉じ込められた居住者の救出 集会室への災害復旧対策本部の設置 地域の井戸水での集会室のトイレ使用などが実現できたそうです 復旧が進まないマンションコミュニティ活動を行っていない分譲マンションでは 安否確認がされないままそれぞれが避難し 組合員への連絡ができないため理事会や総会が開催できず 修繕などの必要性や周囲への危険性があるにもかかわらず 何も決議できない状態が続くような例もあります 141 142

❸ 避難生活 生活ルールの取り決め 共用スペースの確保 どのようなルールが必要か居住者みんなで相談しましょう 情報伝達や相談場所 集まって相談したり伝達事項を掲示したりする場所を確保しましょう 禁止事項 水道水を浴槽に貯めたりしない 排水が確保できるまでトイレは使用禁止にするなどのルールを決めます 分配や共用 支援物資の分配方法や共同で使う機器 道具などの使用ルールを決めます ごみの集積場所 災害発生後しばらくは生活ごみなど廃棄物の収集が難しいため 敷地内に集積場所を確保してください 役所から集積場所の周知があったらそこに運びましょう 共同作業の分担 高層階への連絡や物資運搬 清掃 防犯見回り 要支援者の見守りの分担などを決めます 避難先の届け マンションを離れて避難する人は必ず 避難先をメモで伝えてください 共用物資などの置場 外部からの支援物資を保管仕分けしたり 共同で利用する機器などを置いたりする場所を確保してください マンションで防災計画を作成し防災訓練を行う pp.233-238 143 144

❹ 地域の自主防災組織との連携 被災情報を伝える 被災状況や避難生活者数 情報伝達の方法などを連絡してください マンション単位で支援物資を受け取る マンションごとに配分される支援物資などを取りに行ってください 災害時避難所と情報伝達し合う 地域での対策に協力 マンションも地域の一員として 活動に協力しましょう 避難所運営に協力する防火 防犯巡回など地域活動への協力 避難所の人手が不足している場合は マンションで避難生活をする人も避難所運営に協力しましょう マンションの安全 安心のためにも 活動に協力してください 関係機関からの伝達事項をチェックする 災害支援や生活再建にかかわる制度などの情報を定期的にチェックしに行きましょう 北区災害ボランティアセンターにはマンション単位で連絡してください 参照 地震編第 6 章コラム12 北区災害ボランティアセンター p.090 最寄りの災害時避難所を確認する ( 地域別防災マップ )pp.159-176 ( 一覧ページ )p.183 日ごろから地域行事にマンションとして参加し 顔が見える関係づくりをしておくと いざというときのコミュニケーションに役立ちます 145 146