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<連載講座>アルマイト従事者のためのやさしい化学(XVII)--まとめと問題 (1)

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< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

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フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

Ⅲ-2 酸 塩基の電離と水素イオン濃度 Ⅲ-2-1 弱酸 Ex. 酢酸 CH 3 COOH 希薄水溶液 (0.1mol/L 以下 ) 中では 一部が解離し 大部分は分子状で存在 CH 3 COOH CH 3 COO +H + 化学平衡の法則より [CH 3 COO ][H + ] = K [CH 3

student chemistry (2019), 1, 多価酸 1 価塩基滴定曲線と酸塩基滴定における学術用語についての考察 西野光太郎, 山口悟 * 茨城県立水戸第一高等学校化学部 茨城県水戸市三の丸 (2019 年 3 月 1 日受付 ;2019 年

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注釈 * ここでニッケルジメチルグリオキシム錯体としてのニッケルの重量分析を行う場合 恒量値を得るために乾燥操作が必要だが それにはかなりの時間を要するであろう ** この方法は, 銅の含有量が 0.5% 未満の合金において最も良い結果が得られる 化学物質および試薬 合金試料, ~0.5 g, ある

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XIII キレート滴定 Chelatometry 金属イオンにキレート生成試薬 ( 水溶性多座配位子 ) を加え 電離度の極めて小さい水 溶性キレート化合物 ( 分子内錯化合物 ) を生成させる キレート生成試薬 EDTA:Ethylenediaminetetraacetic Acid 最も一般的

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31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

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14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

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しょうゆの食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるしょうゆに適用する 2. 測定方法の概要 試料に水を加え 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.02 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費した硝酸銀溶液の量から塩化ナトリウム含有

指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

 

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がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

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A 通 則 1. 添加物の適否は, 別に規定するもののほか, 通則, 一般試験法, 成分規格 保存基準各条等の規定によって判定する ただし, 性状の項目の形状は, 参考に供したもので, 適否の判定基準を示すものではない 2. 物質名の前後に を付けたものは, 成分規格 保存基準各条に規定する添加物を

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2 Zn Zn + MnO 2 () 2 O 2 2 H2 O + O 2 O 2 MnO 2 2 KClO 3 2 KCl + 3 O 2 O 3 or 3 O 2 2 O 3 N 2 () NH 4 NO 2 2 O + N 2 ( ) MnO HCl Mn O + CaCl(ClO

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化学基礎実験 : 酸 塩基と (1) 酸と塩基 の基本を学び の実験を通してこれらの事柄に関する認識を深めます さらに 緩衝液の性質に ついて学び 緩衝液の 変化に対する緩衝力を実験で確かめます 化学基礎実験 : 酸 塩基と 酸と塩基 水の解離 HCl H Cl - 塩酸 塩素イオン 酸 強酸 ヒドロニウムイオン H 3 O H O H OH - OH ー [H ] = [OH - ]= 1-7 M (5 ) [H ][OH - ]= 1-1 M (5 ) [H O ] = 1/1 = 55.M NaOH Na OH - 水酸化ナトリウム アンモニア ナトリウムイオン H NH アンモニウムイオン H CO 3 HCO - H 3 炭酸 重炭酸イオン CO 3 - 炭酸イオン H 塩基強塩基塩基弱塩基酸弱酸化学平衡 水の一部は ( ヒドロニウムイオン ) とに解離し それらのモル濃度は1-7 Mで それらの積は 1-1 M と一定となる 酸 : 解離によってを与えることのできるもの 解離度が大きいものが強酸 小さいものが弱酸 塩基 : ( 解離によって ) を受け取ることのできるもの 受け取る力が大きいものが強塩基 小さいものが弱基 弱酸および弱塩基は化学平衡の状態にある [H ][OH - ]= 1-1 M (5 ) [ ] モル濃度.1M(1-1 M) のHCl 溶液を作ると [H ] は.1M(1-1 M) HCl H Cl - =1 ( 酸性 ) このときの [OH - ] は 1-1 /1-1 M=1-13 M.1M(1-1 M) の 溶液を作ると =11 H NH このときの [H ]=1-11 M [OH - ]=1-3 M H O H OH - 同様に.1M(1 - M) の NaOH 溶液を作ると [OH - ] は.1M(1 - M) このときの [H ] は 1-1 M =-log[h ] =1 ( 塩基性 ) H NH O [NH ]/[ ]= [OH - ]/[ ]=.1 OH - 1% が解離 水では [H ] = 1-7 M =-log[1-7 ]=7 ( 中性 ) 弱酸 弱塩基の解離の程度は化合物によって異なる 酸性 塩基性の程度を表すためにモル濃度では濃度の範囲が非常に広いので を用いる が 1 違うということはモル濃度で 1 倍違うということ が 違えばモル濃度は 1 倍違う =7 で中性 <7 で酸性 >7 で塩基性 1

中和 水酸化ナトリウム溶液に塩酸溶液を加えていくと Na OH - H Cl - Na H Cl - O [H ]<[OH - ] [H ]=[OH - ] [H ]>[OH - ] >7 ( 塩基性 ) =7 ( 中性 ) <7 ( 酸性 ) 中和.1M 水酸化ナトリウム溶液 5mlを中和するために必要な.5M 塩酸溶液は.1M 5ml=.5M x ml x =1ml.1M 水酸化ナトリウム溶液 5ml に.1M 塩酸溶液を加えていくと.1M アンモニア溶液 5ml に.1M 塩酸溶液を加えていくと 1 1 1 濃度が未知な水酸化ナトリウム溶液 5ml に.1M 塩酸溶液を加え 1ml で中和されたとき x M 5ml=.1M 1 ml x =.M 指示薬メチルオレンジ (3.1 赤 ~. 黄 ) フェノールフタレイン (.3 無 ~1 赤 ) 1 1 1 1.1M 水炭酸ナトリウム溶液 5ml に.1M 塩酸溶液を加えていくと 1 1 1 1.1M 水酸化ナトリウム溶液 5ml と.1M 水炭酸ナトリウム溶液 5ml の混液に.1M 塩酸溶液を加えていくと 1 1 1 1 Na CO 3 HCl NaCl (1) Na CO 3 HCl NaCl 炭酸ナトリウム 塩酸 重炭酸ナトリウム 塩化ナトリウム () HCl CO H O NaCl HCl CO H O NaCl (3) NaOH HCl NaCl H O フェノールフタレインの色が消えたところで (1)(3) が終了 メチルオレンジが赤くなったところで () が終了 中和 : 酸性 ( 塩基性 ) 溶液に等モル量の塩基性 ( 酸性 ) 溶液を加えて 中性にすること 中和に必要な酸 ( 塩基 ) の量は酸 ( 塩基 ) の強さに無関係 中和点 (=7) 付近では少量の添加量でもが急激に変化する : 濃度が未知な酸性 ( 塩基性 ) 溶液に濃度が既知な塩基性 ( 酸性 ) 溶液を徐々に加え 中和するために必要な容量を測定し 濃度を調べる方法 滴定には中和点での 変化が大きい強酸 ( 強塩基 ) を用いる 指示薬 : 中和点を肉眼で観察して分かるよう添加する試薬 中和点の前後で色が変化する 種類によって色が変化する 範囲や色が異なる

実験 1 1 強酸による強塩基の 1. ビュレットに活栓が閉まっていることを確かめてから.5M 塩酸標準液を~5ml 入れる. 1mlビーカーに水酸化ナトリウム溶液 ( 約.5M) を5ml 入れる 3. フェノールフタレインを3 滴入れる. ビュレットの目盛りを読んでから 約 1mlずつ滴下し そのつどよく混合する 5. 中和点に近づくと 色が透明に変化し始めるので 1 回あたりの滴下量を減らしていく. 中和点前後では1 滴ずつ 色の変化に注意しながら滴下し 撹拌しても色が戻らないところで終了し目盛りを読む 7. 測定値から試料溶液の濃度を求める. 同様の実験を濃度が未知な水酸化ナトリウム溶液を用いて行う 強酸による弱塩基の 1. ビュレットに活栓が閉まっていることを確かめてから.5M 塩酸標準液を~5ml 入れる. 1mlビーカーに水酸化アンモニウム溶液 ( 約.5M) を5ml 入れる 3. メチルオレンジを3 滴入れる. 水 5mlをビーカーに取り塩酸 5 滴とメチルオレンジを3 滴入れ 滴定終点の色の基準とする 5. 色の変化に注意しながら滴下し 終点に達したら目盛りを読む. 測定値から試料溶液の濃度を求める 7. 同様の実験を濃度が未知な水酸化アンモニウム溶液を用いて行う 3 強酸による 価弱塩基の 1. 1と同様な実験を炭酸ナトリウム溶液 ( 約.5M)5mlで行い 滴定終了点の目盛りを読む. メチルオレンジを3 滴入れる 3. 水 5mlをビーカーに取り塩酸 5 滴とメチルオレンジを3 滴入れ 滴定終点の色の基準とする. 色の変化に注意しながら滴下し 終点に達したら目盛りを読む 5. 測定値から試料溶液の濃度を求める 組成 濃度が未知な試料の 1. 同様の実験を組成 濃度が未知な試料を用いて行い 測定値から組成 濃度を推定する 組成は水酸化ナトリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液を混合したものである 3

緩衝液 弱酸とその塩 または弱塩基とその塩の混合物 CH 3 COOH CH H 3 COO - 酢酸 酢酸イオン CH 3 COONa CH Na 3 COO - 酢酸ナトリウム 酢酸イオン ナトリウムイオン 塩基が加えられると CH 3 COOH OH - CH 3 COO - H O 酸が加えられると CH 3 COONa H CH Na 3 COOH 緩衝液 : 酸または塩基の添加による の変化を和らげる性質を持つ溶液 の恒常性の維持に重要 緩衝作用を示す の範囲は緩衝液の種類のより異なる 実験 緩衝作用の観察 1 強酸を水に滴下した場合 1. ビュレットに活栓が閉まっていることを確かめてから.5M 塩酸標準液を~5ml 入れる. 1mlビーカーに蒸留水を1ml 入れ フェノールフタレインを3 滴入れる 3. さらにメチルオレンジを3 滴入れる. ビュレットの目盛りを読んでから 終点になるまで滴定し 目盛りを読む 強酸を緩衝液に滴下した場合 1. 同様の実験を.5M 酢酸 -.5M 酢酸ナトリウム緩衝液 (5.) を用いて行う 3 それぞれの溶液の緩衝作用を比較する レポートの作成 (1) 実験題目 () 班 氏名 学生番号 実験実施年月日 (3) 実験 1 : 実験方法および結果 ( 滴定値 ) を記載し それぞれの溶液の濃度を求める 実験 については組成 濃度を推定する 根拠となる計算式もそれぞれについて記載する () 実験 緩衝作用の観察 : 実験方法および結果 ( 滴定値 ) を記載する (5) 感想 意見などレポート提出期限 場所 :9 月 日 ( 月 ) 17:までに33 号室に提出

実験 1 1 強酸による強塩基の 計算 :.5M x ml = M x 5ml 水酸化ナトリウム溶液の濃度 = M 計算 : 水酸化ナトリウム溶液の濃度 = M 強酸による弱塩基の 計算 :.5M x ml = M x 5ml 水酸化アンモニウム溶液の濃度 = M 計算 : 水酸化アンモニウム溶液の濃度 = M 強酸による 価弱塩基の 1 回目 回目 計算 :.5M x ( ml ml)/ = M x 5ml 炭酸ナトリウム溶液の濃度 = M 1 回目 回目 計算 : 水酸化ナトリウム溶液の濃度 = M 炭酸ナトリウム溶液の濃度 = M 実験 緩衝作用の観察 1 強酸を水に滴下した場合 強酸を緩衝液に滴下した場合 感想 意見など 5