10 日間コース 糖尿病教育入院 の 資料集 ( 患者様用 ) 医療法人社団東山会調布東山病院 2007 年 5 月作成 2009 年 7 月改定
日常生活における注意点 日常生活の中での感染予防について ( 糖尿病 治療の手びき の 22 ページ参照 ) 糖尿病で血糖値が高いと 細菌を食べる白血球の働きが弱まってしまうため 細菌に対して抵抗力が落ちてきます その上 養分となる糖分は多く 細菌たちにとって住み心地がよい環境になっています そこで 感染を起こさないよう毎日の生活の中でも 注意していきましょう 1 風邪の予防に心がけて下さい 外出から帰宅したら 手洗い うがいを行いましょう 2 膀胱炎の予防 ( 主に 女性がなりやすい ) 水分を多めに取りましょう 陰部の清潔保持 排泄後は 前から後ろに拭きましょう 尿をしたくなったら 我慢しないで トイレに行きましょう 頻尿 排尿時痛 残尿感などの症状に注意して下さい 3 歯槽膿漏の予防 食後の歯磨きをきちんと行いましょう 歯肉の観察 発赤 腫れまたは 出血などがないかを見ましょう 4 皮膚の吹出物の予防 毎日 入浴またはシャワーにて 皮膚の清潔を保ちましょう
嗜好 旅行について タバコ ( 糖尿病 治療の手びき の 110 ページ参照 ) タバコが体に悪いということは 皆さんご存知だと思います ですが なかなか辞められないのが 現実です そこで 認識を新たにしてもらうために タバコにおける体の影響についてまとめました タバコの悪影響 = 動脈硬化を促進する タバコにおける悪影響と言えば 血管障害に拍車をかけてしまう というものです 中でも この動脈硬化を促進して心臓や体内の血管系に重大な害をもたらします 例えば 心筋梗塞 不整脈 脳血管障害 末梢の血流を悪くするなどが上げられます どれもこれも 自分の知らない間に病状が進行してしまい 症状が起きた時には 危険な状態になることもあります 上記のものが すべてタバコが原因という訳ではありませんが 糖尿病の方は 血管や神経系の合併症を起こしやすいと言われています ですから ここで是非 認識を新たにして禁煙していただきたいと思います
旅行 ( 糖尿病 治療の手びき の 92 ページと 109 ページ参照 ) 旅行は糖尿病であっても コントロールが良好に保たれていれば 国内はもちろんのこと 海外でも旅行へでかけることが出来ます ただし 旅行中は 食事が不規則になりやすいので 良い血糖値を保つように努力しましょう 旅行をするにあたっての心構え 1 低血糖を防ぐために旅行で一番心配に思うことは 低血糖を起こしたりしないだろうか という事だと思います 特に インスリン注射や経口血糖降下剤を用いている方は 注意が必要です 低血糖防止用の糖質食品 ( ブドウ糖 ) の携帯はもちろんですが 他に旅行先で 時間通りに食事が摂れない場合に備えて ビスケットやカロリーメイトなどの用意もしておいて下さい 2 必ず持参してほしいもの 国内 健康保険証糖尿病手帳 海外 英文のデータブックこれには 食事のエネルギー量 インスリン 1 日使用量 血糖値 血圧 心電図 合併症について記載できるようになっていますので 主治医に記入をお願いしてみて下さい
( 追記 ) インスリン自己注射をしている患者さんへ インスリン針 および 血糖測定用針の処置の仕方について インスリン自己測定 自己注射使用後の針は 一般家庭用のゴミとして 出すことが出来ません ( 医療用危険物ゴミ として 特殊な扱いになります ) ご家庭で 飲み終わったペットボトル (500ml のペットボトル ) もしくは ふた付きの缶の飲み物へ入れて捨てて頂き 針の入ったペットボトル類を かかりつけの調剤薬局 もしくは病院に持ってきて下さい その他の日常生活についての注意点は テキスト 糖尿病 治療の手びき の中の 94 ページ以降に書かれていますので しっかりと読んでおきしょう
低血糖の主な症状 低血糖症状とその対応について ひ冷や汗 めめまい く空腹感 ど動悸 い意識消失 倦怠感 脱力感 吐き気などもあります 対応低血糖症状があるときは 血糖値を調べるとよいのですが まず ブドウ糖を飲むのを優先してください 低血糖症状 ブドウ糖 10g を飲んで 15 分間様子を見ます 症状があれば再びブドウ糖 10g を飲みましょう 症状がなくなるまでブドウ糖を繰り返し飲みます 症状がなくなれば終了です 寝る前および夜間ブドウ糖で一旦上げた血糖値が 寝た後に再び下がるのを防ぐためスナック1~2 単位 (80~160kcal) を併用すると安心です 主なスナック マリービスケット 3 枚 (1 袋 ) 77 kcal プレミアムクラッカー 6 枚 (1 袋 ) 84 kcal ハーベストセサミ 4 枚 (1 袋 ) 84 kcal カロリーメイト 2 本 (1 袋 ) 200 kcal ご飯 50g 食パン 30g(6 枚切 1/2 枚 ) 80 kcal 牛乳 1 本 (200 cc ) 133kcal 低血糖にならないために インスリンを打ったら必ず食事を取る 食前に運動をしない 低血糖になったら その後のインスリン量 ( 単位 ) は 自己判断で変更しないで下さい 同じ量 ( 単位 ) で打つのが不安な時は 病院 ( 主治医 ) にご相談下さい
糖尿病教育退院時評価 1. 血糖値を適正に保つために 大切なことは何だと思いますか? 2. 糖尿病特有の三大合併症とは 何ですか? また その合併症が進行すると どのようになりますか? 合併症 進行すると? 3. 合併症を予防するために 大切なことは何だと思いますか? 4. 内服やインスリン治療を行っている方が 低血糖になりやすいのは どんな時だと思いますか? 5. 低血糖症状と低血糖時の対処方法は? 症状 ( ) 対処方法
6. シックデイについて 高熱が続く 下痢が止まらない 吐き気で食べられない などの時の対処方法は? 7. 退院をしてから 日常生活のどのような点を改善していこうと考えましたか? 8. 退院後の生活で心配 不安な点はありますか? 教育入院お疲れ様でした 入院中 勉強した内容を 日常生活の中で生かし健康的な生活を送れますよう スタッフ一同 応援しています
糖尿病教育退院時評価 1. 血糖値を適正に保つために 大切なことは何だと思いますか? ( 例 ) 食事は 決められたエネルギーの中でバランス良く摂取する 運動をする事で インスリンの働きが良くなり血糖値を下げる 運動を習慣化させ体質を変える 2. 糖尿病特有の三大合併症とは 何ですか? また その合併症が進行すると どのようになりますか? 合併症 進行すると? 糖尿病網膜症 失明 糖尿病腎症 人工透析 糖尿病神経障害 壊疽 3. 合併症を予防するために 大切なことは何だと思いますか? 血糖値 血圧 中性脂肪を適正に保つ事 4. 内服やインスリン治療を行っている方が 低血糖になりやすいのは どんな時だと思いますか? 食事の量が少なかった時食事時間が遅れた時運動量 労働量が多すぎる時アルコールを飲んだ時 5. 低血糖症状と低血糖時の対処方法は? 症状 ( 強い空腹感 冷汗 動悸 手指のふるえ 眩暈 脱力感など ) 対処方法ブドウ糖か砂糖を 10-20g 程度 すぐに摂取 消化 吸収に時間がかかるので 飴やチョコは適さない
6. シックデイについて 高熱が続く 下痢が止まらない 吐き気で食べられない などの時の対処方法は? 脱水を防止する為に 水分を摂取し 薬は自己判断せずに 外来へ電話で相談 または 外来受診をする ( 感染を起こすと 血糖値が急速に上がるため ) 7. 退院をしてから 日常生活のどのような点を改善していこうと考えましたか? 気持ちの変化教育の効果 ( 具体的に自分なりの目標があればおっけぇです ) 8. 退院後の生活で心配 不安な点はありますか? 入院中に対応改善 アドバイスすべき点 教育入院お疲れ様でした 入院中 勉強した内容を 日常生活の中で生かし健康的な生活を送れますよう スタッフ一同 応援しています
様 退院おめでとうございます 次回は月日 ( ) 午前午後 先生の外来へお越し下さい お薬を必ずお受け取りになってから お帰り下さい 退院後は次のことに 気をつけてお過ごし下さい 食事 1 日 kcal 塩分 g 蛋白 g を目標に 3 食きちんと摂りましょう 清潔シャワー浴 ( 可不可 ) 入浴 ( 可不可 ) 毎日足の観察をしましょう 内 服 医師の指示通り服用し 飲み忘れないようにしましょう 血糖降下薬の服用後は必ず食事をしましょう 制限 ( 無 有 ) 安静 有の場合 運動 出来るだけ散歩をしましょう 外出時は必ず 糖尿病手帳 ブドウ糖を持ち歩きましょう そ の 低血糖かな? と思ったら 低血糖を起こした時 を参照してください 他 血糖値に疑問 不安がありましたら 外来受診しましょう 体重測定を毎日しましょう インスリン名 単位数 退院処方 * 内服薬 ( 有 無 ) 朝 * 持参薬返却 ( 有 無 ) * インスリン ( 有 無 ) 昼 特記事項 夜 血糖自己測定 ( 有 無 ) 血糖測定を( 朝昼夕 ) 食前の 1 日 ( ) 寝る前 回行い 自己管理ノートに記録して外来受診の時 持参して下さい 調布東山病院看護部 (3F 4F) 看護師 ( )