Ⅱ 自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 について児童が考え直しては再度表現するために 外国語活動では ALTと担任との会話をきっかけに児童が見いだした場に応じた表現を使って 自分の考えを伝えたり相手の考えを聞き出したりする言語活動を仕組む Ⅲ 研究の実際年間を通した取組の中から

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平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

Hi, friends!1 Lesson9

いろいろな衣装を知ろう

6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

外国語活動の実践 外国語活動におけるコミュニケーションを大切にした活動の工夫 1 単元名 5 年数で遊ぼう ~ How many?~ ( 教材 Hi,friends! 1 文部科学省) 2 目標 積極的に数を数えたり, 尋ねたりしようとする 1~20の数の言い方や数の尋ね方に慣れ親しむ 言語には,

6 年 No.8 You can see Daibutsu! 1/7 単元の目標 主な言語材料 できることを紹介する表現や感情を表す表現が分かる 修学旅行でできることについて具体物などを見せながら伝え合う 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり できることについ

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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指導案の形式について       2010

Hi, friends!1 Lesson 7

(3) 児童観 本学級の児童数は 36 人で, 素直で学習意欲が高く, 学習課題に熱心に取り組み, 多くの児童が積極的に発表することができる 各教科の学習で取り組んでいるペアやグループ学習では, それぞれの意見を意欲的に伝え合うことができる しかしながら, 自分の考えや意見になかなか自信が持てない児

うな活動を工夫して設定していく そして様々なバリエーションを体験させる中で何度も want との出会いを児童が繰り返し 自然と want への理解を深めたり want を使 って思いを伝えたりできるようにしたい 単元の目標 積極的にアルファベットの大文字を読んだり I want. の表現を使って 進

5学年 Lesson8「時間割を作ろう」

6 年 No.12 英語劇をしよう (2/7) 英語での 桃太郎 のお話を理解し 音読する 導 あいさつをす 挨拶の後 Rows and Columns を交え 天気や時 入 候の確認 既習事項の確認をす (T1,T2) ペンマンシップ ペンマンシップ教材を用いて アルファベットの ジングル絵カー

算数科学習指導案

平成 29 年 10 月 23 日 ( 月 ) 第 2 校時尾道市立日比崎小学校第 6 学年 1 組外国語科指導者 HRT 遠崎且典 JTE 片山奈弥津 単元名 台湾の友達との交流を深めよう ~Welcome to Japan.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 異文化理

5 年 No.9 Happy birthday! 誕生日を祝おう! 2/7 自分から進んで誕生日を尋ねたり 自分の誕生日を伝えたりしようとする 自分の知らない人の誕生日を知りたくなるように有名人 になりきる Activitey を取り入れる より多くの人に自分の英語が伝わる喜びを味わわせる 〇誕生日

第 3 学年 3 組外国語活動指導案平成 30 年 11 月 14 日 ( 水 )5 校時指導者飯島加奈子 ( 英語専科 ) 場所 3-3 教室 1 単元名 What s this? ~ 松江のおすすめクイズを作ろう ~( Let s try! 1 Unit8) 2 単元の目標 コミュニケーションへ

< 児童の実態 > 男子 23 名, 女子 12 名, 計 35 名の学級である 男女の仲がよく, 休み時間など活発に遊んでいる様子が見られる いろいろなことに興味を持ち, 集中して努力することができる 最上級生として, 学校の中での活躍も見られるようになっている 学習に対する意欲は高くなってきてい

6 年 No.22 my summer vacation 夏休みの思い出を紹介しよう! 1/8 単元の目標 主な言語材料 本時の目標 夏休みに行った場所や食べた物 楽しんだこと 感想などを表す表現が分かる 過去の表現が分かり 夏休みに行った場所や食べた物 楽しんだこと 感想などを伝え合う また 夏休

平成 29 年度志真志小学校の取り組み 1 研究主題 主体的に学ぶ意欲を育てる学習指導の工夫 ~ 聞くこと 話すことの体験活動を通したコミュニケーション能力の育成を目指して ~ 2 研究主題設定の理由小学校学習指導要領の外国語活動では 小学校段階での音声言語による聞くこと話すことを中心としたコミュニ

児童同士のペアトークやグループ活動などを取り入れる そして自分と友だちの考えの共通点や相違点などに気付かせることで, 自分の考えを伝えることの必要性を感じさせたり, 相手に伝わりやすい表現の仕方を考えさせたりする さらに, 今年度は学級担任の英語使用量の向上を目指した取組を進めており, ジェスチャー

Hi, friends!2 Lesson 1

第 5 学年外国語活動指導案 日置市立伊集院小学校平成 21 年 6 月 25 日 ( 木 )5 校時 4 組男子 15 名女子 17 名計 32 名指導者長谷川仁 1 単元名 数で遊ぼう 2 単元について (1) 単元の位置とねらい本学級の児童は,5 年生になって 英語ノート を使った学習を始めて

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(2) 児童観 ( 省略 ) (3) 教材観本単元では 様々な数の言い方や尋ね方に触れさせていく 韓国語や中国語で 3 を表す言葉の音声が日本語と似ている点や 日本語では ものの数を表すときに様々な助数詞がつく点など 日本語と似ているところや違いを知ることで 言葉の面白さや豊かさに気付かせたい [

指導案の形式について       2010

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5. 評価規準評価の観点コミュニケーションへの関心 意欲 態度外国語への慣れ 親しみ言語や文化に関する気づき 主な評価規準 積極的に表情やジェスチャーを加えて 自分の思いを表現している 言葉だけでなく表情やジェスチャーを加えて コミュニケーションすることの大切さを知る 様々な感情や様子を表す表現に慣

英語科学習指導案

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

も徐々に英語の単語で答えるようになり 文章で答えようとする児童も現れてくるようになった 音声を大切にしながら繰り返し聞かせることの成果を感じている 本単元では 授業のウォームアップとして Sit Down Game を行う 担任と児童のやりとりにおいて 職業を表す単語を繰り返し聞かせていく 歌の間に

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<小学校 生活科>

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このような研究を進める中で はじめは英語での質問に日本語で答えていた児童も徐々に英語の単語で答えるようになり 文章で答えようとする児童も現れてくるようになった 音声を大切にしながら繰り返し聞かせることの成果を感じている 本単元では 授業のウォームアップとして Sit Down Game を行う 担任

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5 年 No.64 英語劇をしよう (2/8) まとまった話を聞いて内容を理解することができる 主な言語料 して天気や日時などの確認をす 教 1 本時のめあてを知 Peach Boy を詳しく聞いてみよう物語を聞く (3 回目 ) 登場人物全体について聞かせ 聞き取れた単語をカタカナでもいいので書き

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

小学校の新たな外国語教育における新教材関係資料(学習指導案例・第3・4学年)

第 6 学年外国語活動指導案 日時平成 25 年 10 月 4 日 ( 金 )5 校時場所 2 階ワークルーム指導者 HRT 佐藤香里 1 単元名 Hi,friends!2 Lesson5 Let s go to Italy. 2 単元の目標 自分の思いがはっきり伝わるように おすすめの国について発

2 単元の目標 動物の言い方に興味をもち, 楽しんで発話する 動物の言い方に慣れ親しむ 動物の言い方を知り, 日本語と英語との言い方の違いに気付く 3 単元の内容 主としてコミュニケーションに関すること 主として言語や文化に関すること アニマルランドでクイズに答えたり友達と一緒に動物の名前を言ったり

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3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

6 年 No.44 I want to go to France. 1/7 単元の目標 主な言語材料 本時の目標 おすすめの海外旅行の紹介の仕方や行きたい旅行やその理由を伝える表現が分かる 海外旅行を紹介して勧めたり 行きたい旅行を理由を含めて伝えたりする 海外旅行について簡単な語句や基本的な表現で

1 単元名好きなものを伝えよう 第 5 年 2 組外国語活動学習指導案 平成 26 年 10 月 31 日 ( 金 ) 児童数 23 名 指導者 マッカーシー 恭子 ALT アンナ ハスヌマ 場 所 5 年 2 組 教室 2 児童の実態と本単元の意図 (1) 児童観 ( ホームページには掲載しません

新潟市立亀田西中学校

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5 年 No.15 Can do you it? できることを紹介しよう 1/7 単元の目標 主な言語材料 本時の目標 できることやできないことを尋ねたり答えたりする表現が分かる まとまった話を聞いて 具体的な情報を聞き取るとともに 第三者についてできること できないことを含めて紹介する できること

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

3 身近な動作やスポーツ 音楽 遊び等の できる できない という表現を使いながら楽しくゲームやクイズに参加している 6 本単元における研究主題に迫るための手だて (1) 指導方法の工夫ア自分の思いを選択して話す活動単元の第 3 時 第 4 時の活動では 慣れ親しんできた語彙や表現を使い 自分の思い

1-L3指導案 岡山県備前市立片上小学校

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解答類型

いきたいと考える 第二に ビデオに撮ったインタビューの様子を繰り返し見て振り返ることで パターンに沿った質問だけでなく 自分なりの質問を考える活動に発展させていきたい そのために ビデオ視聴による振り返りを3 回行う また 自己評価だけでなく 他者評価により互いの良さを確認することで 話すことへの自

Microsoft Word - 曜日を伝えよう!_2年)指導案.doc

指導観指導においては 留学生に日本の給食を紹介する というゴールを授業の最初に児童に伝え いつもそのゴールを意識しながら学習を進めたい 食に関する語彙や会話表現としては 1~3 年生で野菜や果物などの食べ物の学習 4 年生時には I like ~. で好きな食べ物 What would you li

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

第5学年1組 英語活動指導案

Taro-21 情報研HP用 第5学

静岡県浜松市立浜名小学校 学習指導案

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英語科学習指導案 1 平成 16 年 10 月 26 日 ( 火 ) 第 6 校時 2 年 2 組 D( 男子 6 名 女子 7 名計 13 名 ) 指導者黛ゆかり Andy Fosset 第 1 時間目 (1) 本時のねらい ~ すること と目的語として使われる動名詞の表現に慣れる 英字新聞を話題

Lesson1 My name is~. How are you? 簡単なあいさつや気分を表す表現に慣れ親しむ ジェスチャーゲームやを通して 動物の名前の表現に親しむ 学活 道徳 人間関係作り 学級愛自分らしさ 外国語活動 ABC タイム 英語の音声の慣れ親しみ 挨拶のしかた 数 色の表 道徳 体育

5. 単元について本単元は,2 年生 1 学期に学習した ともこさんはどこかな から引き続いての 話す 聞く の学習である ともこさんはどこかな では, 大事なことを落とさずに話したり聞いたりできるようにすることをねらいとして学習してきた 本単元では, これに加えて互いの話をしっかり聞いてやり取りを

平成29年度 中学校英語科教育 B校の実践

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

東京都大田区立志茂田小学校 学習指導案

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

3 時限目日本にあるブラジル生まれの食べ物を知る 4 時限目なぜピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える 一部が隠れた写真を使い, 日本にあるブラジルのものを考える活動を行う 感想を交流する ピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える活動を行う 感想

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2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

自立活動学習指導案 難聴通級指導教室 ( たいよう教室 )1 人 (6 年男子 1 人 ) 指導者清藤大嗣 1 活動名場に合わせた言い方 ( 人間関係の形成 : コミュニケーション ) 2 活動の目標 言葉には, 相手の立場や周りの状況に合わせた使い方があることを理解し, 大切なポイント ( 言葉の

H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

保健体育科学習指導案

学級担任が T1 として授業を進められる環境の工夫 寿都町立寿都小学校 掲示物の工夫 教室環境の工夫 イングリッシュルーム設置の目的 学級担任によるT1の授業で 多様な学習形態で学習することにより 英語に対する児童の意欲を高めることができるようにする イングリッシュルーム活用の頻度 第 3~6 学年

第 5 学年外国語活動学習指導の実践 日時平成 29 年 10 月 10 日 ( 火 ) 第 5 校時 13 時 40 分 ~14 時 25 分対象瑞穂町立瑞穂第一小学校 1 単元名 Hi, Friends!1 Lesson4 I like apples. 好きなものを伝えよう 2 単元の目標 好き

5 主体的 対話的で深い学びの視点 (1) 主体的な学びとしての視点主体的な学びとして 本単元ではプレゼンテーションを作成する段階で 聞き手の関心を最大限ひきつけることができるようなテーマの設定を生徒たち自身に行わせたい このことにより 教師から与えられたテーマではなく 自分たち自身もより興味 関心

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総合第 3 学年福山市立千年小学校指導者山本康子 単元名 何もないとは言わせない!~ 千年の町のじまんをしよう ~ 本単元で育成する資質 能力 表現力主体性 積極性 思いやり自らへの自信 1 年間指導計画 月 千年の町をじまんしよう (70 時間 )

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第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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自立活動学習指導案 授業者 1 単元名 のチャレンジ大作戦! 2 単元の目標 (1) 正しい口形や発音, 声の大きさを意識して話すことができる [6コミュニケーション(2)(3)][4 環境の把握 (3)] (2) 自分の障害を理解し, 自分の成長を確認することができる [1 健康の保持 (2)][

1 対象児童 省略 2 児童の実態 省略 発達障害 情緒障害通級指導教室自立活動学習指導案 コミュニケーションに課題のある児童の指導 平成 30 年 11 月 6 日 ( 火 ) 第 5 校時 3 指導観これまでに通級指導教室では 落ち着いた環境の中で 精神的安定を図り 本来持っている能力を発揮し

ことが大切である 本単元では, 児童にとってもっとも身近な存在である父親や児童が選んだ相手に手紙や暑中見舞いを出すことで, 気持ちを伝える学習ができるように工夫する この学習を通し, 障害児学級の児童の感情表現を豊かにし, 人とのかかわりを広げることにつながっていくと考える (4) 個に応じた支援に

5 児童の実態と主題に迫るための手だて (1) 児童の実態本学級の児童は明るく 男女の仲もよい いろいろな場面で声を掛け合ったり 仕事を手伝ったりできる児童も多い 話し合い活動では 友達の意見のいいところを取り上げて考えをまとめることができたり 人の意見を聞いて自分の考えを変えることができたりする児

外国語活動(5年)学習指導案

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

学びをつなぐ教育の視点から Hi, friends! 1 Lesson7 What s this? ある物について積極的にそれが何かと尋ねたり 答えたりしようとするコミュニケーションへの関心 意欲 態度 ある物が何かと尋ねたり 答えたりする表現への慣れ親しみ 日本語と英語の共通点や相違点から ことば

小学校の新たな外国語教育における新教材関係資料(学習指導案例・第3・4学年)

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

小学校の新たな外国語教育における新教材関係資料(学習指導案例・第3・4学年)

単元の目標 カレーライスを作ることに興味 関心をもち, 進んで活動する カレーライスの作り方を調べ, 作り方, 材料, 用具を発表することができる カレーライス作りの活動を通して, 食材を知ったり, 道具を使う仕事にふれたりして, 生活経験を豊かにする 人との関わりを通してコミュニケーション能力を身

Transcription:

考え表現する力の高まり外国語活動 < 小学校第 5 学年 > Ⅰ 外国語活動における研究構想 北九州市立今町小学校教諭山口耕平 自ら考え表現し よりよい解決を図る授業の創造 ( 第二年次 ) < 表出させたい子どもの姿 > 表出させたい子どもの姿日本と外国の言語や文化の違いに気付き 外国語を使って伝え合うことの楽しさを知り 間 違うことを恐れずに生き生きと活動を行っている姿 そして 場に応じた表現を使って 自分 の考えを相手に説明したり伝えたりしようとしている姿 これらの活動を繰り返すことで 外 国語を用いたコミュニケーションを楽しんでいる姿 考え表現する 考え表現する 考え表現する 自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 実態 外国語活動を楽しみにしている子どもが多く 毎時間意欲的に学習している 簡単なジェスチャーを取り入れながら挨拶ができる子どもも増えてきた 学習中は グループ学習やペア学習で考え合う活動に取り組んできた そのとき 他者の意見や考えを聞こうと 耳を傾けようとしている子どもも多い しかし約 4 割の子どもが 自分の考えをもっていても英語を使って 人前で話す ことを苦手とし コミュニケーション活動に積極的に取り組むことができない 子どもの 考え表現する 実態 - 1 -

Ⅱ 自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 について児童が考え直しては再度表現するために 外国語活動では ALTと担任との会話をきっかけに児童が見いだした場に応じた表現を使って 自分の考えを伝えたり相手の考えを聞き出したりする言語活動を仕組む Ⅲ 研究の実際年間を通した取組の中から 授業研究 Ⅰと授業研究 Ⅱを中心に その有効性について検証する 1 授業研究 Ⅰ ⑴ 単元名 Lesson 3 How many? いろいろなものを数えよう ⑵ 指導計画 ( 総時数 4 時間 ) 1 様々な言語での数の数え方や英語での1~20の数字の言い方に慣れる 1 2 数の尋ね方 Ⅰとして スキットAから How many? を知りその表現に慣れる 1 3 数の尋ね方 Ⅱとして スキットBから How many 名詞 ( 複数形 )? を知り その表現に慣れる 本時 1 4 1~20の数字を聞いたり言ったりして 友達と積極的に数を尋ねる表現を用いた会話を楽しむ 1 ⑶ 自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 について本時では ALTと担任のスキットを聞かせ 二人がどのような表現を使って何について話しているかを考えさせる そして 繰り返しスキットを聞くことで スキットの内容と数を尋ねる時に必要な表現を見いだすための班での話合い活動を通して 自分の考えをより分かりやすく相手に伝えるための表現を考え直し 再度表現させるようにする 2 授業研究 Ⅱ ⑴ 単元名 Lesson 9 What would you like? ランチメニューを作ろう ⑵ 単元設定の理由 本学級の児童は 外国語活動で ALTとの会話や英語表現を使ったゲームに意欲的に取り組んでいる 6 月に実施した外国語活動に対するアンケートで 外国語活動の授業は楽しい どちらかというと楽しい と 好意的にとらえている児童が約 9 割 (20 名 ) おり 活動を楽しんでいるということが分かった その理由として これまでの外国語活動で 楽しく英語に慣れ親しむためのゲームを多く取り入れているからだと思われる しかし 自分から進んで英語を話すこと については 約 4 割の児童が 英語の発音がむずかしい みんなの前で話すことが苦手 などの感想を述べていた このことから 英語を人前で話すことにまだ慣れておらず 英語で話すことに自信がない児童が多いということが分かった 第二学期には一般動詞を使った表現を学習している 第一学期に比べると身に付けなければならない語彙も増え 人前で話すこと を苦手とする児童がさらに増えている 本単元は 自分の欲しい食べ物について丁寧な言葉で尋ねたり答えたりする内容である 英語にも丁寧な表現があることを知り 自然にその表現に慣れることをねらいとする Lesson 5 What do you want? ( あなたは何がほしいの?) と内容が関連しており この単元の学習後に本単元を設定している 本単元では 児童は レストランで注文をしたりオリジナルのランチを作成したりする活動を通して 丁寧な表現で尋ねたり答えたりすることを学ぶ 児童にとって 食べ物に関す - 2 -

る内容を話したり聞いたりすることは 興味深く 楽しい活動になると考えられる また 場に応じた表現に慣れ親しみ それらを使った活動を通して コミュニケーションを図る楽しさを体験できる単元ともいえる さらに 丁寧な表現で使われている would は 中学 2 年生で 友達の家で友達のお父さんとの会話の場面で学習する このことから 小中一貫 連携教育を視野に入れた授業に取り組むことができる単元でもある 指導に当たっては つかむ 表現する 段階で 料理名を使って 英語特有のリズムやイントネーションを体得させ 日本語と英語の音の違いに気付かせたい さらに ALTと担任との会話を聞かせることにより 新しい表現を見いだすようにする また それらを使ったゲームを通して繰り返し発話させ 新出の表現に慣れ親しませたい 追究する 段階では 世界の様々な給食を見せ 自分が食べたいオリジナルの スペシャルランチ 作成への興味 関心を高め 作成する 伝え合う 段階では ALT 担任 ゲストティーチャーが準備した ランチの中身 を 相手との会話によって探り 推測する 活動に入る前に 復習として新出の表現を使ったゲームや発話を繰り返すことで 間違いを恐れずに活動に取り組むことができるようにする 活動では ALT 担任 ゲストティーチャーが準備した ランチの中身 について 既習の表現を使いながら先生たちからより正確に情報を得るための会話の仕方や表現の仕方を児童が考え直し 相手意識をもって友達と話し合ったりALTや担任と英語でコミュニケーションを図ったりできるようにする このような手だてを取り 本単元の新出の表現を使う場面を設定することにより表現力の育成を図り 伝え合う喜びを味わうことができるようにしたい また各時間のまとめとして 英語でコミュニケーションを図る活動を通して学んだことや 自己評価 友達の良かったところを振り返りカードに書かせる さらにそれらを数人の児童に発表させることで 外国語を用いてコミュニケーションを図ることへの関心 意欲を高めるようにしたい ⑶ 単元の目標コミュニケーションへの 相手意識をもって 丁寧な表現や既習の表現を使いながら ALTや関心 意欲 態度 関 担任 友達との交流を楽しんでいる 外国語への慣れ親しみ 関 丁寧な表現で欲しいものを尋ねたり言ったりしている 言語や文化に対する 日本語と英語の発音の違いに気付く 気付き 技 世界にはさまざまな料理があることや英語にも場に応じた丁寧な言い方があることに気付く ⑷ 指導計画 ( 総時数 4 時間 ) 展開 主な学習活動 内容 指導上の留意点 ( ) と自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 ( ) 主眼についての評価 ( 評価方法 ) つかむ 1 これまで学習した言い方で欲しいものを尋ねたり言ったりする 1 復習として 既習のフルーツ名の英語での言い方を確認する これまで学習した言い方 (want を使った表現 ) を使って 欲しいものを尋ねたり答えたりできるようにする 電子黒板を使ったリスニングの活動を通して 日本語と英語の発音の違いを理解させる 日本語と英語の発音の違いに気付いている ( 発言分析 振り返りカード分析 ) 関 - 3 -

表現する 2 レストランで料理を注文するときの言い方に慣れ親しむ 1 様々な料理のカードを使い 日本語と英語の違いに気付かせながら ALT の発音を聞かせ 発音できるようにする ALT とのやり取りを通して 新出の表現を理解させる レストランでの場面を設定し 丁寧な表現を使って 料理を注文するときの言い方と答え方に慣れ親しませる ALTやデジタル教材の発音をまねし 日本語との違いを意識している ( 行動観察 ) 慣 レストランでの料理を注文するときの店員と客の対話を考え 発話している ( 行動観察 振り返りカード点検 ) 慣 追究する 3 世界には様々な料理があることを知り 丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり言ったりする表現に慣れ親しむ 1 チャンツやキーワードゲームなど 発話を繰り返すゲームを通して 新出の表現に慣れ親しむようにする 電子黒板を使って 様々な国の給食の写真を見せることで メニュー作りに関心をもたせるようにする 自分が食べたい スペシャルランチ を作成する 丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり言ったりしている ( 行動観察 振り返りカード点検 ) 慣 伝え合う 4 相手意識をもって 丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり答えたりしようとする 本時 1 丁寧な表現と英語での料理名を使って 自分が食べたい スペシャルランチ を注文できるようにする 先生たちの準備した ランチの中身 を推測し 話合い活動を通して 既習の表現と丁寧な表現を使って交流できるようにする 新出の丁寧な表現を使って 欲しいものを尋ねたり答えたりしながら ALT 担任 友達との交流を楽しんでいる ( 行動観察 振り返りカード点検 ) コ ⑸ 指導の実際 1 主眼場に応じた表現を使って先生たちの準備した ランチの中身 について聞き取り さらに 丁寧な表現を使って尋ねたり答えたりする活動を通して 意欲的により正確な情報を得るための会話の仕方や表現の仕方を考えるとともに 得た情報を基に ランチの中身 を楽しんで推測することができるようにする 2 自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 について本時では ALT 担任 ゲストティーチャーが前もって準備した ランチの中身 を推測し 既習の表現や新出の丁寧な表現の中から場に応じた表現を使って 先生たちからランチの中身についての情報を聞き出すことで 児童が考え直し 相手意識をもって友達と話し合ったり先生たちと英語でコミュニケーションを図ったりすることができるようにさせる 3 準備児童用 Hi, friends!1 ワークシート のり教師用 Hi, friends!1 絵カード 発表用画用紙 マジック 振り返りカード 電子黒板 - 4 -

導 入 4 展開学習活動自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動 1 英語であいさつを行う 2 ウオームアップをする A: Hello. What would you like? B: I d like a hamburger. A: OK. Here you are. B: Thank you. 3 本時のめあてを確認する 指導上の留意点 < 自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 > 主眼についての評価 英語を楽しく学習するための雰囲気を作る チャンツでは 本単元の新出の表現 (would を使った表現 ) を使い 料理を注文したり答えたりする言い方と料理名の発音の確認をする ペア活動では 料理カードを用いてA B 入れ替わりながら 丁寧な表現を使ってインタビュー活動を行う めあて 先生たちのランチの中身について ていねいな表現を使ってたずねよう 2 人の児童に I d like ~. を使って前時に考えた自分のスペシャルランチについて 全体の場で紹介させる ALTは児童のスペシャルランチについて簡単な英語でコメントを言う その際 ALT 担任 ゲストティーチャーは 自分が好きな食べ物について簡単な英語で話し 次の活動への児童の意欲を高めるようにする 全員 : What would you like? A 児のスペシャルランチのワークシート 4 先生たちのランチの中身を推測する A 児 : I d like sushi and omelet and salad and fruits and yoghurt and orange juice. ALT: Wow! Vegetables and fruits are good for our health. I like orange juice, too. T : I like cola. I like sushi. GT : I like salad. 展 開 < 場に応じた表現を使いながら相手と積極的にコミュニケーションを図ることを楽しむ活動 > ここでの言語活動は 1~4 の手順で行う 1 ALT 担任 ゲストティーチャーはそれぞれ自分が食べたいワンプレートのランチのメニューを前もって考えているので そのランチの中身を作成する活動を行うことを知る 班を ALT 担当班 担任担当班 教頭担当班に割り振りをする 2 新しい料理の名前を英語で発音する メニュー選択の幅を広げるため 焼き鳥 ステーキ スープ などの料理を新たに加え 日本語との言い方の違いを意識させながら ALT の後に続けて発音させる 料理の絵カードは ワンプレートにのせることができるように単品の料理カードにする 知っておくと便利英語 として What would you like? の What をとって Would you like 料理名? にすると ~ はいかがですか と料理を勧める言い方になることを伝え ALT の後に続けて発音させる 3 それぞれの先生たちのメニューについて班で話し合い 先生たちに質問をする 先生たちに ランチの品数や自分たちが作成したランチを基に好きなものや苦手なものを尋ねてもよいこ - 5 -

とを知らせる 尋ねる時は分からない単語は日本語でもよいが できるだけ今まで学習した表現や知っている英語を使いながら 先生たちから情報を聞き出すようにさせる C : What would you like? ALT: I d like juice. C : What juice would you like? ALT: I d like fruit juice. C : Would you like orange juice? ALT: Yes. I d like orange juice. ALT に質問している児童の様子 C : What would you like? GT: I d like vegetables. C : Would you like carrots? GT: No. C : What vegetable would you like? ゲストティーチャーに質問している 児童の様子 GT: Tomato C : Tomato? OK. < 予想される児童の考え > ALT は納豆が好きかどうか聞いてみよう 担任は肉料理が好きらしいが どんな肉料理が好きか聞いてみよう 好きなものを尋ねる時は Do you like ~? でいいかな 品数を尋ねる時は How many ランチ? で伝わるかな Would you like sushi? と言ったら 何と答えてくれるだろうなど 先生たちは 児童の表現が分からないときは 分からない と答える 児童が What would you like? と尋ねた時は I like fruits. など なるべく詳しく答えないようにして さらに詳しく情報を得るためにはどのように質問すればよいか 児童に考えさせるようにする 各班一人一回は必ず先生たちに質問に行くようにさせる C1: トマトは 1 つでいいの? C2: もう一回聞いてこよう 相手意識をもって 丁寧な表現や既習の表現を使いなが何と聞いたらいいかな? C1: 数を尋ねるときは How many だっ たよね? C2: How many tomato! メニューについて班で話し合っている様子 C1: ズ がいるよ C2: How many tomatoes! 4 児童は自分たちが聞き出した情報を基に 発表用画用紙にあるワンプレートに料理の絵カードを貼る 5 発表の準備をする 相手意識をもって 丁寧な表現や既習の表現を使いながらALTや担任 友達との交流を楽しんでいる ( 行動観察 振り返りカード点検 ) コ メニューを選んだ理由を日本語で発表用の画用紙に書かせる - 6 -

終 末 6 発表する メニューを選んだ理由は日本語でよいが メニューの名前は英語らしく発音し 学級全体に伝わるように大きな声で発表するように伝える それぞれの先生たちが作成していたランチと合っているかどうか確認する 7 まとめと振り返りをする 本時の学習や自分自身を振り返らせ 次の学習への意欲を高めるととともに 互いの良さに気付かせ 認め合う場とする まとめ 児童の発表内容を受けて 本時のまとめをする 目上の人や知らない人に 丁寧な言い方で欲しいものを尋ねるときは What would you like? を使う 答えるときは I d like~. を使う Ⅳ 自ら考え表現し 考え直しては再度表現する言語活動の充実 についての考察授業研究 Ⅰと授業研究 Ⅱでとった手だての有効性の考察をもって 年間を通した手だての考察とする Lesson3 Name( ) めあて [ ] 山口先生とアンドレス先生の会話を聞いてちがいは何か書こう! 1 回目 2 回目動き言葉 資料 1 スキットの違いを見付けるためのワークシート 資料 2 B 児のワークシート 授業研究 Ⅰの ALTと担任のスキットから自分の考えをより分かりやすく伝えるための表現を見いだす話合い活動 では 初めにALTと担任による数を尋ね合う2 種類のスキットを見せた スキットAは How many? と物を指すジェスチャーで 数を尋ねる会話であった スキットBは How many pens? のように How many+ 名詞の複数形 を使って数を尋ねる会話で 物を指す等のジェスチャーはしなかった 2 種類のスキットを聞くときの視点を確認し 2 回繰り返して聞いた後 まずは個人でワークシート ( 資料 1) に2つのスキットの違い等気付いたことを記入した その後 そのワークシートを基に班で2つのスキットの違いについて話し合った 鉛筆の名前を言った 鉛筆を指さないで数を聞いていた などの2つのスキットの表現の違いを挙げた そこで 自分の気持ちをより分かりやすく相手に伝えるための表現について確認させ その表現に慣れ親しむためのインタビュー活動に取り組んだ 活動後の児童の振り返りカードには たくさんある物や人には ペンズみたいに~ズとズをつけることにびっくりした How many の後に pens と言うとペンを指さなくても数を尋ねることができた 等の意見が出された How many? と How many pens? の表現の違いに気付き その後のインタビュー活動では 自分の考えを伝えやすくするために意欲的によりよい表現を使おうとする児童の姿が見られた しかし 違いがよくわからなかった 等の意見もあった ワークシートの記入 ( 資料 2) に苦戦し - 7 -

ていたB 児は 何と言ったらいいのかよく分からなかった と書いていた どの児童も生き生きとコミュニケーションを図ることができる活動にするためには ジェスチャー等も入れながら 繰り返し必要な内容について 聞くこと 話すこと の指導を行うことが必要であると感じた 授業研究 Ⅱの 先生のランチの中身を推測し 情報を聞き出す活動 では 既習の表現と前時で見いだした新出の表現 ( 丁寧な表現 ) を使って先生たちにランチの中身について質問し 得た情報を基に班で話し合い 料理カードを画用紙に貼って 先生が食べたいランチ を作成した これまで児童は ALTと担任のスキットから自分の考えをより分かりやすく伝えたり 相手から聞き出したりするために見いだした表現を使って ゲームやインタビュー活動などのコミュニケーションを図るための活動に取り組んできた 本時では 既習の表現と would を使った新出の丁寧な表現を使い 相手から情報を聞き出すという活動を行った まず 2 人の児童が前時で作成したオリジナルランチについて発表した その際次のインタビュー活動への児童の意欲を高めるために ALTはコメントをし ALT 担任 ゲストティーチャーはそれぞれ自分が好きな食べ物について簡単な会話をした ( 資料 3) 場に応じた表現を使いながら相手と積極的にコミュニケーションを図ることを楽しむ活動 として行ったインタビュー 資料 3 オリジナルランチにつ活動では 3 人の先生のランチの中身について推測し質問した いて発表している児童の様子 児童は先生に What would you like?( 何になさいますか ) と質問をする 先生はそれに対して ランチの中身がすぐに分かるような答え方をせずに I d like vegetables.( 野菜をいただきたい ) のように答えることで 児童が再度考え質問しないといけないように会話の流れを仕組んだ そうすることで児童が先生から情報を聞き出すために 既習の表現と新出の表現を駆使して使いながらも 楽しんで会話をする場を設定することができた 自分の英語に自信がなく 人前で英語を話す ことを苦手としている児童は 班の中で尋ねる表現を確認してから質問していた 日本語で質問内容について班で確認し 必要に応じて班員にアドバイスをもらいながら英語で質問し 情報を聞き出すことができた さらに 日本語と英語の音の違いに慣れさせるために tomato( トマト ) carrot( 人参 ) などの料理のカードの種類を増やし 繰り返し発音を練習した また What vegetable would you like? ( 何の野菜になさいますか ) と 中学 2 年生で学習する Would you like ~?(~はいかがですか ) の表現を教え 繰り返し発音練習したことで 表現の幅を広げることができた 自分が尋ねたいことを的確に伝えるために 既習の表現と新出の表現の中から 場に応じた表現を選択し 楽しそうに表現する児童の姿が見られた さらに インタビュー活動ではジェスチャー 既習の表現 新出の表現を使って 間違うことを恐れずに生き生きと自分の考えを相手に英語で伝えようとする姿が見られた 班での話合い活動では 尋ねたい内容を英語で表現するためにはどうすればよいか 意欲的に意見を出し合い質問に臨んでいた このように必要な情報を伝えたり聞き出したりする場を設 資料 4 先生にインタビューを定して言語活動を繰り返すことで 児童は場に応じた既習の表している児童の様子 現や新出の表現の使い方を理解し 意欲的に人前で英語を話す - 8 -

ことができるようになったと考える ( 資料 4) 手だてである先生のランチの中身を推測し 既習の表現と新出の表現を駆使して先生から情報を聞き出す活動の場面を仕組んだことは 考え直しては再度表現する言語活動に有効であった これらのことから 手だて 場に応じた表現を使って 自分の考えを伝えたり相手の考えを聞き出したりする活動を仕組むこと は 考え直しては再度表現する言語活動の充実に有効な手だてと考える Ⅴ 研究のまとめ 1 研究の成果第一学期からALTと担任によるスキットを聞くことで場に応じた表現を見いだし その表現を使ってコミュニケーションを図る活動を行ってきたが 授業研究 Ⅰでは 振り返りカードに 楽しかったが発音するのが難しい 使い方がよく分からない 等の意見があった 自分が尋ねたいと思ったことをうまく英語で伝えられましたか という質問に対して 4 段階の自己評価 とてもよくできた に値する 4 を選 資料 5 自分の考えを伝えることんでいた児童は約 3 割で 2 と 1 を選んだ児童が約 5 ができたか に対する自己評価割いた ( 資料 5) しかし 回数を重ねることで 外国語を注授業研究 ⅠとⅡの比較意深く聞いて内容を理解しようとしたり他者に対して自分の ( 児童数 22 人 ) 思いを伝えることの難しさや大切さを実感したりしながら コミュニケーションへの積極的な態度を示すようになった 授業研究 Ⅱでの振り返りカード ( 資料 6) では 楽しく活動ができましたか という質問に対して 約 9 割の児童が 4 を選び 自分が尋ねたいと思ったことをうまく英語で伝えられましたか という質問に対しても約 6 割の児童が 4 を選び 1 を選んだ児童はいなかった( 資料 5) 授業研究 Ⅰの振り返りカードで 3 を選び 文の使い方がよく分からなかったので うまく言えなかった と書いていたA 児は 授業研究 Ⅱで自分のオリジナルランチを進んで発表し What would you like? の使い方がよく分かった と感想を書いていた 自己評価も 4 を選んでいた( 資料 6) 授業研究 Ⅰ で 2 を選んでいたB 児は 授業研究 Ⅱでは 4 を選び 先生からメニューを聞き出すことができてうれしかった 資料 6 A 児の振り返りカード と書いていた ( 次頁資料 7) また 授業研究 Ⅰで 1 を選び 振り返りカードに 自分から進んで話ができなかった と書いていたC 児は 授業研究 Ⅱでは 3 を選び 今日の授業で何回も英語が話せてとても楽しかった と書いていた ( 次頁資料 8) 授業研究 Ⅱでは 2 を選んだ児童は3 人いた しかし これらの児童は まだ言いたいことが言えないけど 言えるようになりたい 次は頑張りたい 等の前向きな言葉で感想を締めくくっていた これは コミュニケーションを図る活動を通して繰り返し 聞くこと 話すこと を指導してきた結果 既習の表現や新出の表現の使い方を理解し 自分の考えを伝 - 9 -

えたり相手の考えを聞き出したりするために 場に応じた表現を考えそれを表現することができるようになったからだと考える 何と言っていいか分からなかった ( 授業研究 Ⅰ) メニューを聞き出すことができてうれしかった ( 授業研究 Ⅱ) 資料 7 B 児の振り返りの変容 自分から進んで話ができなかった ( 授業研究 Ⅰ) 今日の授業で何回も英語が話せてとても楽しかった ( 授業研究 Ⅱ) 資料 8 C 児の振り返りの変容 このように 外国語活動では児童が喜ぶような楽しい活動を行うだけではなく ALTと担任との会話をきっかけに児童が考え 見いだした表現を使って さまざまな相手と互いの思いを伝え合う または相手から情報を聞き出すような活動を通して コミュニケーションを図ることの楽しさを実際に体験できる場を設定することが大切である 児童はどのような表現を使えば自分の思いが伝わるのかを考え 使える表現を駆使することで コミュニケーションへの積極的な態度の育成を図ることができたと考える また 活動後の 友達のよかったところの発表 では 前で発表しているときにはずかしがらずに堂々と言えていた や 英語らしく言えていたのでよかった という感想を述べていた 毎時間友達のよかったところを振り返りカードに記入させ発表させたことは 他者理解や自尊感情などを高め コミュニケーションへの更なる意欲の向上につながったと思われる 2 今後の課題 授業研究 Ⅱでは 場に応じた表現を使って 自分の考えを伝えたり相手の考えを聞き出したりする活動を通して 既習の表現や新出の表現を使い 自分の思いを伝えようとする姿が見られた しかし 児童が考える時のヒントになる既習の表現の復習が十分でなかったので 会話の中で次の質問内容を考えるためにかなりの時間を必要とした 児童の感想の中に メニューは分かったが品数が分からなかった 聞きたいことはあったが 何と言ったらいいのか分からなかった 質問を考えていたら時間が足りなくなった 等の感想があった 今後は 学習した表現がヒントとして活用できる教材を用意し コミュニケーション活動をより積極的に行うことができるような教材研究を進めていきたい そして 児童が 言いたい 聞きたい という必要感をもって活動できるように場の設定を工夫したい 教師に対してのインタビュー活動を行う際 一斉に活動に入ったために どのように表現してよいか分からない児童に対して十分な支援をすることができなかった 活動場面での児童一人一人への支援の方法について課題が残った 今後は 活動形態と振り返りカードを工夫し 的確な声掛けとともに 指導と評価の一体化が図れるような評価を行い 児童のコミュニケーションを図る活動への意欲につながるように 言語活動の更なる充実に努めていきたい < 参考文献 > 文部科学省 小学校学習指導要領解説外国語活動編 平成 20 年 菅正隆編著大牟田市立明治小学校著 成功する小学校英語シリーズ5 Hi, friends! 指導案 & 評価づくりパーフェクトガイド 明治図書平成 24 年 直山木綿子監修東京都大田区教育研究会小学校外国語活動部編著 これで完璧! Hi, friends! 誰でもできる全時間の基礎 基本 東洋館出版社平成 25 年 - 10 -