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前ページの反応から ビタミン C はヨウ素によって酸化され ヨウ素はビタミン C によって還元された と説明できます あるいはビタミン C は還元剤として働き ヨウ素は酸化剤として働いた ともいう事ができます 定量法 ある物質の量や濃度を知りたいとき いくつかの定量法を使って調べることができます こ

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4. 方法今回の実験にはトウモロコシを用い 糖度と見た目の腐敗度合いの 2 つを鮮度とした 糖度は 減少の幅が小さいほど鮮度が大きいとする 見た目の腐敗の度合いは カビの生え方 痛み方などから判断した 保存中のトウモロコシの粒を採取し その搾出液の糖度を測定する 1 回目の実験 まず トウモロコシを

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実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《

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けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

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7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

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実験手順 1 試料の精秤 2 定容試料を 5%HPO3 酸で1ml に定容し 試料溶液とする この時 アスコルビン酸濃度は1~4mg/1ml の範囲がよい 3 酸化試験管を試料の (a) 総ビタミン C 定量用 (b)daa( 酸化型ビタミン C) 定量用 (d) 空試験用の3 本 (c) 各標準液

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Transcription:

平成 22 年度碧南市まなびさぽーと事業科学コンクール 肉を溶かす 酵素のはたらき ~ パイナップルのタンパク質分解酵素を調べる ~ 碧南市立中央中学校 2 年 B 組杉浦徹 共同研究者 2 年 A 組杉浦秀和 2 年 B 組鈴木誠弥

1 研究の動機中華料理の酢豚にはパイナップルが入っている 以前から 不思議に思っていた その理由をいろいろな人に尋ねてみると ほとんどが 肉を柔らかくするため と答えた 調べてみると パイナップルには 肉の主成分のタンパク質を分解する タンパク質分解酵素 が含まれていることが分かった また 調べるうちに興味深いことが分かってきた パイナップルを調理のタイミングで入れても肉を軟らかくできないらしい 目に見えないが不思議な力を持っている酵素について興味を持ったため 研究することにした 2 研究を始める前に (1) 母親にインタビューする パイナップルで肉が柔らかくなることなら知っているとのこと 調理をするときに混ぜるだけではそうはならないことを伝えると たいへん驚いていた (2) インターネットで調べる パイナップルは ブロメライン というタンパク質分解酵素を含んでいることが分かった また パイナップルのタンパク質分解酵素は肉にももちろん働くが ゼリーを作る時に 生 のまま入れるとタンパク質であるゼラチンに作用して 固まらなくなるらしい また キウイやマンゴー メロンなどにもタンパク質分解酵素が含まれ 同様に固まらないことが分かった 3 研究すること (1) 生 のパイナップル果汁でタンパク質が分解されるか (2) パイナップル果汁の ph を変えた時 タンパク質の分解能力に変化があるか (3) パイナップル果汁の温度を変えた時 タンパク質の分解能力に変化があるか 4 研究の内容実験 1 1 生 のパイナップル果汁でタンパク質が分解されるのかを確かめる果実入りゼリーを作るときにパイナップルを入れてしまうと ゼリーが固まらなくなってしまう ゼリーの主成分はタンパク質が主成分のゼラチンであるため 粉末のゼラチンを用いることにした パイナップルは果肉では扱いにくいためしぼった果汁を用いることにした また キウイの果汁を用いてみる ゼラチンも肉と同じタンパク質でできているため 酵素の働きで分解され 固まら 1

なくなると思う パイナップルの果汁 5.0ml( 小さじ 1 杯 ) 布巾で絞ったもの キウイの果汁 5.0ml( 小さじ 1 杯 ) ゼラチン溶液 18.0ml < 実験方法 > 1 ゼラチン溶液を作る 粉ゼラチン5.0gを水 50.0mlに溶かす ( 今後この 溶液を用いる ) 2 1のゼラチン溶液にパイナップル キウイの各果汁を 5.0mlずつ入れ かき混ぜた後 5 の冷蔵庫で 半日冷やす 3 対照実験として 果汁の代わりに水 5.0ml 入れた ものも用意する パイナップル 水 ( 対照実験 ) キウイ 固まらなかった しっかりと固ま 固まらなかった トロトロ感は少なく サラサラした様子 った が 少しトロトロ感が残っている 色が茶色になった パイナップルもキウイも固まらなかった しかし水を入れたものはしっかりと固ま った パイナップルやキウイの果汁をゼラチンに混ぜると固まらなくなることが確かめ られた また タンパク質分解酵素は キウイにも含まれることが分かった しかし キウイは茶色く変色するうえ トロトロ感が残るため 今後の実験には不 向きであると考えた 当初のとおり パイナップル果汁を実験材料にすることにした 実験 1-2 パイナップル果汁の濃度を変えた時 タンパク質の分解能力に変化があるかパイナップルの果汁が ゼラチンを固まらせないことが分かったので その濃度について調べることにした 濃度が低くなればなるほどゼラチンは固まりやすくなると思う パイナップルの果汁 5.0ml( 原液 2 倍 3 倍 5 倍 ) ゼラチン溶液 18.0ml 2

< 実験方法 > 1 パイナップルの果汁 ( 原液 2 倍 3 倍 5 倍 )5.0mlをゼラチン溶液 18.0mlに入れ 5 の冷蔵庫で半日冷やす 2 冷蔵庫から取り出し 容器を傾けて液体部分を取り除く 原液 2 倍 3 倍 5 倍底に何も残らな 2 m m 弱底で固 3 m m ほど底で 6 m m ほど底でかった サラサラまった 元のゼリ固まった 元のゼ固まった 元のゼしている ーよりドロッとリーとほぼ同じリーと同じようした感じ 硬さ な硬さ ( 液体部分を取り除いたところ ) 原液では底には何もできなかったが 2 倍 3 倍 5 倍では底に固まりが確認された パイナップル果汁を薄めれば薄めるほど底でたくさん固まった 固まったゼリーの硬さはそれぞれ違った パイナップル果汁の原液を用いた場合が タンパク質分解の効果が最も高いと考えられる 実験 2 パイナップル果汁の ph を変えた時 タンパク質を分解能力に変化があるか酢豚は 文字どおり酢が使ってある つまり 酸性である 酸性 中性 アルカリ性のどの場合が タンパク質分解酵素の働きが良いかを調べることにした パイナップルは酸っぱいこともあるので 果汁は酸性だと思う このことから PHは酸性ならばタンパク質分解酵素の働きが良くなると思う パイナップルの果汁 5.0ml レモン汁 5.0ml 重曹水 5.0ml ゼラチン溶液 18.0ml < 実験方法 > 1 パイナップル果汁にレモン汁 水 重曹をそれぞれ加え 酸性 中性 アル 3

カリ性にする 2 1の果汁 5.0mlずつをゼラチン溶 液 18.0mlに加える 3 5 の冷蔵庫で半日冷やす 酸性 ( レモン汁 ) 中性 ( 水 ) アルカリ性 ( 重曹 ) 固まらず 少しどろっとした感じ 匂いは酸っぱい 固まらないが どろっとした感じはない 固まらないが 少しとろみがある よく分からない様な匂い 酸性やアルカリ性ではタンパク質分解酵素が働くにはあまり良い環境ではないこ とが考えられる そのため 以後の実験は原液をそのまま作用させることとする 実験 3 タンパク質分解酵素の働きが失われる温度はどこか調べていくと 酵素自体もタンパク質でできていることがわかった タンパク質はそれぞれ特有な立体構造があって その形が変わると性質も失われるということが分かった タンパク質といえば たまごである 卵が固まるということは タンパク質が変化することなので 加熱していくと卵と同じように固まり 酵素としてのはたらきが失われると考えた ゆで卵ができはじめる温度は 60( 黄身 )~70( 白身 ) だと家庭科で学習した このことより タンパク質分解酵素の働きが失われるのは 60~70 だと考えた パイナップル果汁 5.0ml ゼラチン溶液 18.0ml < 実験方法 > 1 パイナップルの果汁を10 ~80 まで8 段階に加熱する 2 1の果汁を5.0mlずつゼラチン溶液 18.0mlに加える 3 冷蔵庫 (5 ) で半日冷やす 4 右のドロドロ計測器を用いて ドロドロ度を測る 4

(φ16mmの塩化ビニルパイプを折りたたみ机に固定したもので パイプの中を通り抜ける時間を測定することで ゼラチンの固まり具合を調べる ) 70 になるまで固まらなかった しかし 各温度のとろみの様子は異なった 10 20 30 40 50 60 70 80 固まらなかった 固まらなかった 固まらなかった 固まらなかった 固まらなかった とろみがある 固まらなかったがドロッとする 完全に固まった 完全に固まった 2 秒 42 2 秒 42 2 秒 29 2 秒 47 2 秒 69 3 秒 22 計測不能計測不能 タンパク質分解酵素の働きが完全に失なわれる温度は60~70 ということが考えられる 逆に タンパク質分解酵素の働きが最も良い温度は10 から50 までにあるということが考えられる 酵素が最も働く温度を特定するためには ゼラチン溶液とパイナップル果汁を混ぜた状態で一定の温度を保たなければならない しかし ゼラチンは30 あたりで自然にとけはじめてしまうため 実験には不適だと思われる 他にタンパク質を含む食品は はんぺんや魚肉ソーセージ かまぼこなどがあった 直径 7mmのストローで型抜きし パイナップル果汁に常温で一晩つけておいた しかし 大きな変化が見られなかったため 実験材料には不適であることが分かった ゼラチンは豚のコラーゲンが原料で はんぺんなども魚のすり身が原料である どちらも動物性であることに気がついた そこで 動物性でなく 植物性タンパク質を探してみることにした 実験 4 1 植物性タンパク質を手に入れる調べていくと小麦粉にはグルテンという植物性たんぱく質が含まれていることが分かった いくつかの店を回ったが グルテンそのものを販売していなかったので 小麦粉から取り出すことにした 家にある小麦粉は薄力粉であったので グルテンの含有量が多い強力粉を用いることにした 5

< 手順 > 1 強力粉 100gに水 58mlを少しずつ加えながら練る 2 練ることで強力粉の中に含まれているグルテンどうしが絡み もちのような固まりになる 3 水の中でもみ洗いをして デンプンを洗い流す 4 残った黄白色の固まりがグルテン (25g) 実験 4 2 タンパク質分解酵素の至適温度を調べる パイナップル原産地であるブラジルの平均気温は27 なので タンパク質分解酵 素の指摘温度はおよそ30 くらいだと考えた パイナップル果汁 10.0ml グルテン 1.0g < 実験方法 > 1 グルテン1.0gにパイナップル果汁 10.0mlを加える 2 5 の冷蔵庫 30 の室温 50 の湯煎の中に入れ1 時間温度を保つ 3 対照実験として30 の場合のみ パイナップル果汁の代わりに水 10.0ml を加えたものを用意した 冷蔵庫 室温 室温 湯煎 ( 5 ) (30 ) (30 水 (50 ) ) 黄白色になっ グルテンが溶 全く溶けない 30 の時に た 触ると指 け出し 最も 元のグルテ 比べ 溶け出 にまとわりつ 黄色くなった ンと同じ形を した量が少な く感じ 溶け残った している い 色も薄い グルテンが最 も少ない < 対照実験 > 反応させる時間が1 時間と短かったため どの温度でもグルテンが完全に溶けるこ とはなかったが パイナップル果汁の作用でグルテンが溶け出し 黄白色になった 6

上の表からタンパク質分解酵素の働きが最も良い温度は 30 前後であると考え られる もっと細かい温度設定がしたかったが 温度を保つのが難しかったためでき なかった 5 研究のまとめパイナップルには タンパク質分解酵素が含まれており 原液 30 中性の条件下で最も働きがよいことが分かった つまり 研究をはじめたきっかけとなる酢豚のなかの豚肉をやわらかくするには 常温でしばらくの間パイナップルと混ぜておく下準備が必要であると考えられる この際 できれば果汁が肉全体にいきわたるように固形ではなくしぼり汁を用いた方がよいと思われる また パイナップルを切っただけの果肉を調理の際に混ぜるだけでは 肉をやわらかくする効果が非常に低いことも想像できる 今回の研究を通し 酢豚だけでなく ステーキにキウイソース 生ハムにメロン 豚肉のマンゴー添えなど 肉を軟らかくするためにタンパク質分解酵素を含む果物が用いられている理由が分かった 研究を進めていくと酵素という目に見えないものの力は人間の生活に恩恵をもたらしていることがだんだん分かってきた そして 料理はまさに化学実験だとも思えてきた 今回は タンパク質を分解する酵素について研究したが 他の働きを持つ酵素もあるので それらの研究もしてみたいと思った 7