目次 ページ はじめに 奄美群島の税制特例制度 ( 国税 ) の概要 対象となる業種 対象となる設備投資 事業者 設備投資の規模等の要件 他の国税の優遇措置との比較 ( 例 : 過疎税制 ) 奄美群島の税制特例制度 ( 地方税 ) の概要奄美群島税制まとめ

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製造業 食料品製造業 畜産食料品製造業

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下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

1 特別償却の適用例 コネクテッド インダストリーズ税制 (IoT 税制 ) よくあるご質問補足資料 例 ) a. 5,000 万円の課税対象設備を購入 ( 対象設備の法定耐用年数は 5 年とする ただし の計算法は 定額法 とする ) 5,000 万円 5 年 = 1000 万円 b. 当年度で

東日本大震災復興特別区域方に基づく 復興推進計画の検討

26

サービス業 5 千万円以下 100 人以下政令指定業種固定資産税のゼロ特例や国補助金の優先採択を受けることができます! 1 先端設備等導入計画 の概要 中小企業等が 計画期間内に 労働生産性を一定程度向上させるため 先端設備等を導入する計画を策定し その計画が北九州市の 導入促進基本計画 等に合致す

製造業 ページ 303 調査対象数 1,695 調査対象数 1,541 調査対象数 971 調査対象数 464 総資本経常利益率 (%) 自己資本経常利益率 (%)

02_(案の2①)概要資料(不均一)

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

総論 地方拠点強化税制とは? 税制等の支援措置を受けるためには? 3ページ 4ページ 拡充型事業とは? 5 ページ 移転型事業とは? 6 ページ 目次 各論 ステップ 1 ( 整備計画 ) 本社機能とは? どのような支援措置があるの? 支援のメリットについて整備計画の認定はいつまでに受ければいいの?

課税免除等を受けようとする事業税に係る北海道税条例第 41 条第 1 項の表の左欄に掲げる場合 ( 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 ) 第 72 条の26 第 1 項又は第 72 条の29 第 1 項若しくは第 3 項の規定によって申告納付する場合を除く ) の区分に応じ 同表の中欄

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

法人の減価償却制度の改正に関するQ&A

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平成12年工業統計調査結果表(速報)

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(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

第 10 表 産業大中分類別, 性別, 常用労働者の1 人平均月間現金給与額 規模 5 人以上 TL 調査産業計 年次及び月次 平成 20 年 300, , ,080 48, , ,954 60, , ,246 32,505 平

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平成23年度税制改正の主要項目

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製造業3. 東北の産業構造 ( 製造業 ) (1) 製造業 1 概況 製造品出荷額等は 16 兆 7,600 億円で前年比 6.2% の増加 平成 26 年の東北地域の製造品出荷額等は 16 兆 7,600 億円で前年比 6.2% と3 年連続の増加となった また 全国に占める割合は5.5% と前年

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第 10 表 産業大中分類別, 性別, 常用労働者の1 人平均月間現金給与額 規模 5 人以上 TL 調査産業計 年次及び月次 平成 17 年 313, , ,854 50, , ,534 61, , ,321 36,193 平

平成19年度 法人の減価償却制度の改正のあらまし

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( その 2 鉱業 ) 寄附金交際費等寄附金支出額交際費等支出額損金算入法人数金額法人数金額法人数金額限度額 100 万円以下 万円超 万円 万円 20

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

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公益法人の寄附金税制について

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

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相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

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スライド 1

指定申請時に提出 別記様式第 4 の 4( 別紙 )( 第 16 条関係 ) 指定事業者事業実施計画書 1. 実施する復興推進事業 ( 以下 事業 という ) の内容業資本金額, 万円従業員数 人 日本標準産業分類を用いる ( 複数記載可 ) 総務省統計局のホームページで閲覧することができます 法人

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102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する


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6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

イ適用税率別の数と税割課税額税割は資本金の額により適用する税率を決めているので 適用税率別に集計することで資本規模による違いがわかります 税割の税率は標準税率 9.7%(12.3%) と制限税率 12.1%(14.7%) の 2 段階です 9.7% の税率は資本金の額が 1 億円以下のや資本金を有し

15 18 定率減税の縮減 (15% 控除 7.5% 控除 (2 万円上限 )) 資本金等の額 ( 税法に規定する資本金等の額又は連結個別資本金等の額 ) が 50 億円超 800,000 円 10 億円超 50 億円以下 540,000 円 1 億円超 10 億円以下 130,000 円 1 千万

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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奄美群島振興開発のための 国税 地方税の優遇措置について 平成 30 年 7 月 国土交通省国土政策局特別地域振興官付

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費用 として計上 課税の対象となる利益 ( 課税所得 ) (課税所得:益金ー損金)課税の対象となる利益損金金はじめに 減価償却について 事業者がその事業のために使用する機械や建物などの資産は 使用による劣化などで価値が減少します このような時の経過による資産価値の減少を 定められた範囲内で 一定の方法 ( 定額法 定率法 ) で費用として継続的に計上していく仕組みを減価償却といいます 税務において 減価償却した費用は 課税の対象となる課税所得から除外されます 定額法 取得価額 100 耐用年数 10 年の場合 減価償却( 普通償却 ) (100) 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目 6 年目 7 年目 8 年目 9 年目 10 年目取 益得価格 (10) (20) (30) (40) (50) (60) (70) (80) (90) (99) (1) 課税所得 その他費用 1

奄美群島の税制特例制度 ( 国税 ) の概要 奄美群島における工業用機械等に係る割増償却制度について 奄美群島市町村が 産業振興促進計画を策定している場合に その計画の対象区域において 対象の事業を行う事業者が 当該事業のために用いる設備の取得 建設 改修等を行った場合 5 年間の割増償却を行うことができます ( 現在 奄美群島すべての市町村において 産業振興促進計画を策定済 ) 対象業種 対象設備 製造業 旅館業 農林水産物等販売業 情報サービス業等機械 装置 建物 附属設備 構築物の取得 新増設 改修等 特例内容 取得価額の一定割合に相当する額を 当該事業年度より 5 年間 割増して減価償却できます 割増償却を行った場合の減価償却額 割増償却を行った場合の法人税額 3000 2500 通常より多くの額を費用に計上できる! 1,200 1,000 適用期間中の税負担が軽減! ( 単位 : 万円 ) 2000 800 1500 600 1000 400 500 200 0 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 0 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 普通償却の場合の償却額 割増償却の場合の償却額 普通償却の場合の税額 割増償却の場合の税額 償却前の課税所得額は5,000 万円 取得価額 1 億円 法定耐用年数 10 年の機械を定率法により償却 2

対象となる業種 製造業 旅館業 農林水産物等販売業 情報サービス業等とは 製造業 旅館業 Grocery Store 食料品製造 木材 木製品製造 繊維製造 金属製品 製造 生産用機械器具製造 電気機械器具製造 家具 装備品製造 石油製品 石炭製品製造 等 ホテル営業 旅館営業 等 農林水産物等 販売業 農畜産物 水産物卸売業 食料 飲料卸売業 野菜 果実小売業 食肉小売業 鮮魚小売業 酒小売業 畜産食料品製造業 水産食料品製造業 パン 菓子製造業 等 情報 サービス業等 情報サービス業 有線放送業 インターネット附随 サービス業 コールセンター業 等 日本標準産業分類 総務省 を参考にしてください 取得等をした機械及び建物が 割増償却の対象になるかどうかは 最寄りの税務署でご確認ください 3

対象となる設備投資 対象となる設備は どのような場合に活用されているのか 本制度の対象は 機械 装置 建物 附属設備 構築物です これらの設備について 事業者が 取得 建設 改修 増改築 修繕 又は模様替 などを行った場合に 本制度を利用することができます 機械 装置 建物 附属設備 構築物 こんな場面で活用できます A社 製造業 B社 旅館業 海外への販路開拓のために最新の酒造設備を導入 最新 設備を導入したことで より多くの顧客の需要に応えるこ とができたし 新たな従業員の雇用にもつながった 最近 観光客が増えてきているので 旅館を改修 税制の おかげで 運転資金を十分に確保することができた 4

事業者 設備投資の規模等の要件 小規模事業者でも利用できるのか? 設備の取得価額の要件は? 本制度は 事業者の業種 資本金の規模に応じて 最小で 500 万円の 設備投資から利用できるとされ 建物の改修も対象とされるなど 小規 模事業者に幅広く利用して頂ける優遇措置です 対象業種 取得価額等の要件 事業者の規模 ( 資本金 ) 5,000 万円以下 5,000 万円超 1 億円以下 1 億円超 対象 機械 装置 建物 附属設備 構築物に係る取得等 機械 装置 建物 附属設備 構築物に係る取得等 ( 新増設に限る ) 取得価額 製造業 旅館業 500 万円以上 1,000 万円以上 2,000 万円以上 農産物等販売業 情報サービス業等 500 万円以上 償却限度額 機械 装置 : 普通償却限度額の 32% 建物 附属設備 構築物 : 普通償却限度額の 48% 適用期限 平成 31 年 3 月 31 日まで 5

他の国税の優遇措置との比較 ( 例 : 過疎税制 ) 奄美群島における税制は 対象業種 設備が多く 建物の改修にも利用できます また 最小で取得価格 500 万円から利用できるなど 幅広い場面で利用頂けます 対象業種 対象設備 奄美群島税制 製造業 旅館業 農林水産物等販売業 情報サービス業等 機械 装置建物 附属設備 構築物 過疎地域自立促進特別措置法に基づく税制 製造業 旅館業 農林水産物等販売業 機械 装置 ( 旅館業は対象外 ) 建物 附属設備 取得の態様 償却方法 償却率 取得価格の要件 取得 新増設 改修 ( 増改築 修繕又は模様替 ) 割増償却 ( 適用期間は 5 年間 ) 機械 装置 :32% 建物 附属設備 構築物 :48% 最小で 500 万円以上 ( 事業規模別に要件を指定 ) 新設又は増設 ( 新増設に伴う機械 装置 建物 付属設備の取得又は製作若しくは建設を含む ) 特別償却 ( 設備投資した事業年度のみが対象 ) 機械 装置 :10% 建物 附属設備 :6% 取得価額 2,000 万円以上 割増償却 ( 奄美群島税制 ) と特別償却 ( 過疎税制 ) の償却額の比較 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 割増償却 ( 奄美群島税制 ) の償却額が最も高い 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 割増償却は 特別償却に比 べ 初年度 ( 設備投資した事業 年度 ) の償却額への上乗せ額は 少ないものの その後数年間の 上乗せ額は特別償却を行った場 合より割増償却を行った場合の 方が上回ります 普通償却割増償却 ( 奄美 ) 特別償却 ( 過疎 ) 償却前の課税所得額は 5,000 万円取得価額 1 億円 法定耐用年数 10 年の機械を定率法により償却 6

課税免除等による減収適用期限平成 31 年 3 月 31 日まで 奄美群島の税制特例制度 ( 地方税 ) の概要 奄美群島における地方税の課税免除等の減収補塡措置について 事業者が事業のために用いる設備 ( 機械 建物 構築物等 ) を取得等した際に 地方公共団体が 事業税 不動産取得税 固定資産税を課税免除又は不均一課税した場合 課税免除等による減収額の一部を国が地方交付税により補填します これにより 地方公共団体は 少ない財政負担のもとで より手厚い事業者への支援措置を行うことができます 対象業種 取得価額等の要件 1. 製造業 農林水産物等販売業 旅館業 情報サービス業等にかかる事業認定産業振興促進計画に記載された業種に係る設備投資であり かつ以下の要件を満たす設備投資について 事業税 不動産取得税 固定資産税を課さないこととしている場合 事業者の規模 ( 資本金 ) 5,000 万円以下 5,000 万円超 1 億円以下 1 億円超 対象 機械 装置 建物 附属設備 土地 構築物に係る新増設 取得価額 製造業 旅館業 500 万円以上 1,000 万円以上 2,000 万円以上 農産物等販売業 情報サービス業等 500 万円以上 2. 畜産業 水産業 薪炭製造業を行う個人親族の労力によって事業を行った日数の合計が これらの事業の当該年における延べ労働日数の三分の一を越え かつ 二分の一以下であるものについて 計画期間の初日の属する年以降の各年のその者の所得金額に対する事業税を課さないこととしている場合減収補塡措置のイメージ 通常 税収 税収地方交付税による税収補塡 7

奄美群島税制まとめ 奄美群島税制の特長 1 奄美群島税制を利用することで 適用期間中 の減価償却額を通常より多く計上でき 国税の 税負担が軽減 ( 繰り延べ ) されます 2 奄美群島税制は 幅広い業種 設備 場面で利用でき 一定の場合には少額の設備投資でも利用できます 3 地方税の減収補填措置によって 地方公共団体は 独自の税制優遇措置 ( 課税免除等 ) を少ない財政負担で行うことができ より手厚く事業者を支援できます 8

お問い合わせ先 国土交通省国土政策局特別地域振興官付 ( 代表 )03-5253-8111( 内線 29-714) ( 直通 )03-5253-8423 奄美群島における税制の適用の申請に関するお問い合わせは 事業所の所在する市町村の税や産業振興の窓口 各国税局及び国税事務所ごとに設置する 電話相談センター 国税庁のタックスアンサー http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm 地方公共団体の担当部署( 地方税の場合 ) をご利用ください 本冊子で使用している画像やグラフは全てイメージです