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基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

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中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

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DOTS 実施率に関する補足資料 平成 26 年 12 月 25 日 結核研究所対策支援部作成 平成 23 年 5 月に改正された 結核に関する特定感染症予防指針 に DOTS の実施状況は自治体による違いが大きく実施体制の強化が必要であること 院内 DOTS 及び地域 DOTS の実施において医療


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されるなど 公営企業に対する環境や評価については 今後ますます厳しくなることが予想される こうした状況の変化にも対応できるだけの経営体力を醸成することはもちろんであるが 一方で採算性の面で課題のある分野についても 公立病院が引き続き担わざるを得ない分野があると考えられる 特に救急分野においては 和歌

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H I T A C H I 課題を解決する方策 高梁 新見及び真庭における課題を解決する方策 (1) 課題 : 圏域面積が県の 32% を占める広い圏域であるが 救命救急センターや周産期母子医療センターがなく 中小規模 の病院が救急医療を担っている また 救急搬送では 圏域外搬送の割

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( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

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高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

全自病協第 582 号 平成 27 年 2 月 13 日 地方会議担当支部長様 公益社団法人全国自治体病院協議会 会長 邉見公雄 平成 27 年度地方会議における共通議題について 日頃から支部活動にご尽力をいただき感謝申し上げます さて 平成 27 年度地方会議における共通議題について 常務理事会で

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出 前 講 座 私たち看護師がわかりやすくお話しします 市民病院では 病気予防のため あるいは病気を持ちながらも健康的な生活を送ることができるよう 認定看護師 とい う特別な資格を持った看護師を皆さんのところへ派遣する生涯学習出前講座 いちのみや出前一聴 を開講しています 家族が 糖尿病 がん と言

第 2 部 医療圏と基準病床数 ( 第 1 章医療圏 ) 第 2 部 医療圏と基準病床数 医療圏とは 地域の医療需要に対応して包括的な医療を提供していくための区域であり 具体的には 医療資源の適正な配置と医療提供体制の体系化を図るための 地域的単位のこ とです 医療圏は 医療法により 初期の診断 治

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国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院医療に係る安全管理のための指針 第 1 趣旨本指針は 医療法第 6 条の10の規定に基づく医療法施行規則第 1 条の11 の規定を踏まえ 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 ( 以下 センター病院 という ) における医療事故防止について組織的に

別紙 常勤医師等の取扱いについて 1. 一日平均患者数の計算における診療日数 (1) 入院患者数ア通常の年は 365 日である イ病院に休止した期間がある場合は その期間を除く (2) 外来患者数ア実外来診療日数 ( 各科別の年間の外来診療日数で除すのではなく 病院の実外来診療日数で除すこと ) イ

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改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

第 1 中期計画の期間中期計画の期間は 平成 29 年 10 月 1 日から平成 33 年 3 月 31 日までとする 第 2 住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置 1 提供する医療サービスの充実 (1) 救急医療の充実 地域の救急医療へのニーズに

薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

保険薬局におけるハイリスク薬取り扱い時の注意点

届出上の注意 1 届出前 1 ヶ月の各病棟の勤務計画表 ( 勤務実績 ) 及び 2 つの勤務帯が重複する各勤務帯の申し送りの時間が分かる書類を添付すること 2 7 対 1 特別入院基本料及び 10 対 1 特別入院基本料を算定する場合には 看護職員の採用活動状況等に関する書類を添付すること

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医療機関群の具体的な設定について (1) 診調組 D 基礎係数に係る医療機関群の設定方針 ( 平成 23 年 9 月 7 日中医協総会承認 ) 平成 23 年 9 月 7 日の中医協総会において DPC/PDPS 調整係数の見直し 基礎係数の導入に伴い設定する医

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

1. 監査のテーマ 平成 28 年度包括外部監査結果に基づく措置等の状況 ( 平成 30 年 3 月 26 日現在 ) 豊中市病院事業の財務事務の執行等について 2. 監査の実施期間 平成 28 年 6 月 28 日から平成 29 年 2 月 16 日まで 3. 監査の結果及び意見の件数区分 内容

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平成18年度標準調査票

Q: 療養病棟が 2 病棟 (60 床 +60 床 ) あり 人員配置が共に施設基準をクリアしている場合には 2 病棟合計の 120 床に対して医療区分 2 3 の割合が 8 割以上となればよいのでしょうか 1 病棟 (60 床 ) 毎に 8 割以上でなければならないのでしょうか A: 療養病棟入院

H28秋_24地方税財源

Transcription:

地方独立行政法人那覇市立病院 平成 28 事業年度の業務実績に関する評価結果 平成 29 年 8 月 地方独立行政法人那覇市立病院評価委員会

年度評価の方法 本評価委員会において 地方独立行政法人那覇市立病院の平成 28 事業年度に係る業務実績に関する評価を行った ( 評価の基本方針 ) (1) 評価は 中期目標 中期計画の達成状況等を踏まえ 法人の業務運営等について多面的な観点から総合的に評価を行い 評価を通じて法人の継続的な質的向上に資するものとする (2) 評価を通じて 法人の中期目標 中期計画の達成に向けた取組状況を市民に分かりやすく示すものとする 評価は 項目別評価と全体評価を行い 項目別評価では 法人による自己評価をもとに 業務実績に関する法人からのヒヤリング等を通じて 法人による自己評価の妥当性や年度計画に照らし合わせた達成状況を確認した また全体評価では項目別評価結果等を踏まえつつ 年度計画及び中期計画の進捗状況について総合的な評価を行った なお 平成 28 事業年度の評価にあたっては 昨年度に指摘 要望等を行った項目について 改善状況等を確認した 地方独立行政法人那覇市立病院平成 28 事業年度の業務実績に関する評価結果 第 1 全体評価 1 評価結果と判断理由平成 28 事業年度の業務実績に関する評価については 2ページ以降に示すように 市民に提供するサービスその他の業務の質に関する目標を達成するためとるべき措置 の大項目評価について A 評価 ( 中期目標 中期計画の達成に向けて計画どおり進んでいる ) 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためとるべき措置 及び 財務内容の改善に関する目標を達成するためとるべき措置 の2つの大項目評価について C 評価 ( 中期目標 中期計画の達成のためにはやや遅れている ) がそれぞれ妥当と判断した さらに2の全体評価にあたって論点となった事項などを総合的に考慮した結果 平成 28 年度の業務実績については 全体としておおむね中期計画及び年度計画のとおり進捗していると判断した 2 全体評価に当たって論点となった事項 3つの大項目のうち第 1の市民に提供するサービスその他の業務の質に関する目標を達成するためとるべき措置においては 365 日 24 時間体制で患者の受け入れを行ったこと 緊急時における医療支援として 平成 28 年 4 月熊本地震被災地へD MATチームを派遣したこと 地域医療機関との連携を示す紹介率 逆紹介率ともに 1

向上させ 地域の医療機関との連携が更に定着していること 受診者の利便性向上として 近年増加している外国人旅行者の受診に対応するため 多言語通訳システムを急病センター 総合案内へ導入したことを取り組みの良い項目として整理した 第 2の業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためとるべき措置においては 後発医薬品の採用見直しを行い 使用率目標値を大幅に上回って達成したこと 医療機器の必要度 優先度を精査して購入した結果 費用が縮減されたことを取り組みの良い項目として整理した また 事務スタッフの学会参加数等が前年より減少しており 改善の必要があることを努力を要する項目として整理した 第 3の財務内容の改善に関する目標を達成するためとるべき措置においては 医師及び職員一体となってレセプトチェックを行い 診療報酬請求を行った結果査定率が全国平均に比べ大幅に低い値を維持したこと 未収金の未然防止対策と早期回収に努めたこと 病床稼働率が目標及び前年実績を上回り その結果 医業収益をアップさせたこと 収支改善の指標において 目標及び前年実績を上回り 収益確保への取り組みを実現していることを取り組みの良い項目として整理した また 高度医療機器の稼働率が前年より減少しており 改善の必要があることから 努力を要する項目として整理した 第 2 大項目評価 1 市民に提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置 (1) 評価結果 A 評価 ( 中期目標 中期計画の達成に向けて計画どおり進んでいる ) (2) 判断理由小項目評価結果の集計結果 (< 第 1 表大項目の評価方法 > 及び< 第 2 表小項目評価の集計結果 > 参照 ) で A 評価 ( 中期目標 中期計画の達成に向けて計画どおり進んでいる ) となる その中でも 365 日 24 時間体制で患者の受け入れを行ったこと 地域医療機関との連携を示す紹介率 逆紹介率ともに向上させ 地域の医療機関との連携を更に強化していること等の6 項目を評価 Ⅳとした 地域の医療機関と連携して 夜間 休日の医師等を確保し 常時小児科を配置した救急医療体制を維持していること 地域がん診療連携拠点病院として 外来化学療法の更なる充実を図ったこと 認定看護師の育成 看護師の質の向上に努めていること等その他 33 項目を評価 Ⅲとした 評価対象の39 項目全てが評価 Ⅲ 以上であったため A 評価 とした 注 : 上記の項目数は ウエイト考慮後の項目数である ( 以下同じ ) 2

大項目評価の主な概要及び論点となった事項 ( 詳細再掲 ) ( 注 :( ) は小項目の番号を [ ] は評価のウエイトを表す 以下同じ ) 1 地域の医療機関と連携して 夜間 休日の医師等を確保し 365 日 24 時間救急医療体制の維持 充実を図る (1) [2] 365 日 24 時間救急医療体制を維持するとともに 2 階北病棟に 10 床確保したこ とにより 救急車受入率が上昇した たらい回しのない救急医療 への貢献を 十分に果たしていると評価できる 2 小児 周産期医療の充実 (2)[2] 常時小児科医を配置した救急体制を維持した 小児外来患者数等が減少したものの NICU 入院患者増 及び NICU 病床稼働率 97.7% は小児 周産期医療の充実に貢献していると評価できる 今後とも努力していただきたい 3 地域の中核的急性期病院として 優秀な医療スタッフの確保に努めるとともに がん治療やその他の高度医療を充実するため 医師等の増員とスキルアップを図る (4)[2] 主な手術件数は 対前年で増加している 今後も医師確保に努め高度医療の充実を図られたい 4 沖縄県がん診療連携拠点病院との連携を強化し がん診療連携パスの利用を促 進する (6)[2] 外来化学療法の患者数が増加したことは評価できる 5 地域医療支援病院として地域完結型医療を目指し 地域での役割分担 機能分化をより一層推進する (10)[2] 紹介率及び逆紹介率が向上する等 地域の医療機関との連携が更に定着している 引き続き連携促進に努められたい 6 地域連携パスの利用を促進し 地域医療機関との連携の充実に努める (11)[2] 急性心筋梗塞パスや大腿骨頚部骨折パスの大幅な減少については 診療報酬改定や県医師会システム中断の外的要因によるものであることから 今後も地域連携パスの利用促進に努められたい 7 安心 安全で良質な医療を提供するため 院内感染防止対策委員会を開催し 院内感染対策の充実を図る また 他施設との合同カンファレンスや相互チェック及び病棟ラウンドを強化する等 院内感染対策を徹底する (21) [2] 安心 安全で良質な医療を提供するため 院内感染対策の改善策が図られている 今後も充実に努められたい 3

< 第 1 表大項目の評価方法 > 大項目評価は 小項目評価の結果 特記事項の記載内容等を考慮し 大項目ごとに中期目標 中期計画の達成に向けた進捗状況について 次の5 段階により評価する ( 地方独立行政法人那覇市立病院の年度評価実施要領 3(3) ) S: 中期目標 中期計画の達成に向けて特筆すべき進捗状況にある ( 評価委員会が特に認める場合 ) A: 中期目標 中期計画の達成に向けて計画どおり進んでいる ( すべての小項目がⅢ~Ⅴ) B: 中期目標 中期計画の達成に向けておおむね計画どおり進んでいる ( 小項目についてⅢ~Ⅴの割合が9 割以上 ) C: 中期目標 中期計画の達成のためにはやや遅れている ( 小項目についてⅢ~Ⅴの割合が9 割未満 ) D: 中期目標 中期計画の達成のためには重大な改善事項がある ( 評価委員会が特に認める場合 ) < 第 2 表小項目評価の集計結果 > ウエイトを考慮した39 項目のうち39 項目全てが小項目評価のⅢ 以上に該当していることから 小項目評価の集計の結果 A 評価 ( 中期目標 中期計画の達成に向けて計画どおり進んでいる ) となる 分野 評価対象項目数 Ⅰ( 計画を大幅に下回っている ) Ⅱ( 計画を十分に実施できてない ) Ⅲ( 計画を順調に実施している ) Ⅳ( 計画を上回って実施している ) 市立病院と しての役割 3(2) 1(1) 2(1) の発揮 診療機能の充実 21(5) 20(4) 1(1) 患者サービスの向上 8 7 1 合計 32 28 4 ウエイト考 慮後の合 39 33 6 計 Ⅴ( 計画を大幅に上回って実施している ) 注 :( ) は ウエイト付けした項目数である 4

2 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためとるべき措置 (1) 評価結果 C 評価 ( 中期目標 中期計画の達成のためにはやや遅れている ) (2) 判断理由小項目評価結果の集計結果 (< 第 3 表小項目評価の集計結果 > 参照 ) では C 評価 ( 中期目標 中期計画の達成のためにはやや遅れている ) となっている その中でも 後発医薬品の採用見直しを行い 使用率目標値を大幅に上回って達成したこと 医療機器の必要度 優先度を精査して購入した結果 費用が縮減されたことの2 項目を評価 Ⅳとした 3 項目を評価 Ⅲとした 事務スタッフの学会参加数等が前年より減少しており 改善の必要があることで 事務スタッフの向上に関する項目を評価 Ⅱとした 以上のように対象の6 項目中評価 Ⅲ 以上が5 項目であり 割合が9 割未満であることから C 評価 とした 大項目評価の主な概要及び論点となった事項 ( 詳細再掲 ) 1 学会参加 学会発表を推進し 専門資格取得を支援する (34)[1] 学会参加数等が前年より減少している 事務スタッフ数に比して参加者が少ないので 改善されたい 5

< 第 3 表小項目評価の集計結果 > 6 項目のうち 5 項目が小項目評価の Ⅲ~Ⅳ に該当しているが すべての項目が Ⅲ 以上でないことにより 小項目評価の集計では C 評価 ( 中期目標 中期計画の達 成のためにはやや遅れている ) となる 分野 評価対象項目数 Ⅰ( 計画を大幅に下回っている ) Ⅱ( 計画を十分に実施できてない ) Ⅲ( 計画を順調に実施している ) Ⅳ( 計画を上回って実施している ) 事務スタ ッフの専門性の向 2 1 1 上 予算執行 の弾力化と費用節 4 2 2 減 合計 6 1 3 2 ウエイト 考慮後の 6 1 3 2 合計 Ⅴ( 計画を大幅に上回って実施している ) 6

3 財務内容の改善に関する目標を達成するためとるべき措置 (1) 評価結果 C 評価 ( 中期目標 中期計画の達成のためにはやや遅れている ) (2) 判断理由小項目評価結果の集計結果 (< 第 4 表小項目評価の集計結果 > 参照 ) では C 評価 ( 中期目標 中期計画の達成のためにはやや遅れている ) となっている その中でも 医師及び職員一体となってレセプトチェックを行い 診療報酬請求を行った結果 査定率が全国平均に比べ大幅に低い値を維持したこと及び未収金の未然防止対策と早期回収に努めたことの1 項目を評価 Ⅴとし 病床稼働率が目標及び前年実績を上回り その結果 医業収益をアップさせたこと 収支改善の指標において 目標及び前年実績を上回り 収益確保への取り組みを実現していることの 2 項目を評価 Ⅳとした 1 項目を評価 Ⅲとした 高度医療機器の稼働率が前年より減少しており 改善の必要があることで 1 項目を評価 Ⅱとした 以上のように対象の5 項目中評価 Ⅲ 以上が4 項目であり 割合が9 割未満であることから C 評価 とした 大項目評価の主な概要及び論点となった事項 ( 詳細再掲 ) 1 DPC/PDPSの機能評価係数の内容を検討し係数を高める対策を行う (41)[2] DPC/PDPSの機能評価係数がアップし 全国ランキング上位を維持したことは評価できる 今後も機能評価係数を高めるよう努められたい 2 診療報酬の請求漏れや減点を防止するとともに 未収金の未然防止策と早期回収に努める (42)[2] 職員一体となってレセプトチェックを行った結果 査定率を前年度と比較して約半減とし 全国平均に比べ大幅に低い値を維持しており 評価できる 3 経常収支比率と医業収支比率について数値目標を設定する (43)[2] 経営収支比率 医業収支比率共に 前年度実績を上回り 収支改善の努力は評価できる 引き続き努力していただきたい 7

< 第 4 表小項目評価の集計結果 > 8 項目のうち7 項目が小項目評価のⅢ~Ⅳに該当しているが すべての項目がⅢ 以上でないことにより 小項目評価の集計では C 評価 ( 中期目標 中期計画の達 成のためにはやや遅れている ) となる 分野 評価対象項目数 Ⅰ( 計画を大幅に下回っている ) Ⅱ( 計画を十分に実施できてない ) Ⅲ( 計画を順調に実施している ) Ⅳ( 計画を上回って実施している ) Ⅴ( 計画を大幅に上回って実施している ) 経営機能の強化 5(3) 1 1(1) 2(1) 1(1) 合計 5 1 1 2 1 ウエイト考慮後の合計 8 1 2 3 2 8