タイトル マラウイと日本どこが同じ? どこが違う? 実践場所茨城県取手市立取手小学校実践者石原繁樹 対象小学 4 年生時間数 8 時間 担当教科全教科実践教科道徳, 学活, 総合 ねらい マラウイの人々の生活や考えから自分たちの生活や考えの共通点や相違点を見つけ, 外国へ の興味 関心を深める 世界で起こっている様々な問題 ( 飢餓や水事情, 就学状況 ) を知り, 自分たちの生活を振り返る 回プログラム備考 実践内 容 1 2 3 4 5 6 7 8 [ マラウイってどこの国だろう?] マラウイの位置を地図で確認し, アフリカに対するイメージを発表する [ マラウイについて知ろう ] 写真や動画を使ってマラウイはどんな国なのかを知る 日本との相違点, 共通点について発表する [ いのちの水 ] マラウイの水事情を知り, 水運びやマラウイの手洗いの仕方を体験する 日本の水事情との違いについて発表し, 自分たちの水の使い方について振り返る [ 世界の飢餓問題と私たちの食生活 ] 世界で起こっている飢餓の問題について知る 自分たちの食生活について振り返る [ ケニアってどんな国!?] 青年海外協力隊でケニアに2 年間派遣された比田井さんにケニアの話を聞く 話を聞いて疑問に思ったこと, もっと知りたいと思ったことを質問する [ 幸せって ] これまで学習してきたマラウイで起こっている問題を振り返ったり, 写真や動画を見たりしてマラウイの人たちは幸せなのかを考え, 話し合う 日本の実情を知り, 幸せってどういうことなのかを考える 児童から 今度はマラウイの授業いつやるの? などマラウイの授業を楽しみにしている様子が見られた 国際化が進む社会の中で児童が世界に目を向けるいい機会になったと思う また世界で起こ成果っている様々な問題を知り, 自分達の生活で身近にできることを考えたり, 自分の生活を振り返ったりすることができた 授業後しばらくは自分達の生活で見直そうと思ったことを意識するが, その意識が段々薄れてい課題ことも感じられた 意識が段々薄れていくことは自然なことだと思うが, 継続して自分達の生活で見直す時間を設けていかなくてはいけないと感じた 備考
[ 授業実践の詳細 ] 1 時限目 マラウイってどこの国だろう!? 1 担任が夏休みにマラウイという国に行くという話を聞く 2 地図帳を使ってマラウイの位置を確認する 3 マラウイといってもイメージが沸きにくいと思うのでアフリカと聞いてどんなイメージが沸くのか発表をする 4 今自分が思うことのアンケートを取り, 帰国後にマラウイの子どもたちに取ったアンケートと比較してみる ( 教材 1) この時限のねらいマラウイが世界のどこにあるのかを知り, アフリカに対するイメージを共有し, マラウイ ( アフリカ ) に興味 関心をもつ 子ども達のアフリカに対するイメージとして 暑い 黒人 砂漠 象 というものが多かった 中には 貧しい 水が足りない というものがあった 友達の意見も聞くことでだいぶアフリカに対して興味 関心をもつことができた 担任が夏休みにマラウイに行ってくると言ったらとても驚いていた マラウイで担任にしてきて欲しいことは何ですか とアンケートを取ったところ 写真をいっぱい撮ってきて見せてほしい マラウイの学校の様子を見てきて欲しい というようなものがあった 3 使用した教材
2 時限目 マラウイについて知ろう 1 マラウイの文化, 暮らし, 自然, 学校の様子を写真や動画を 使って紹介し, マラウイがどういう国かを知る この時限のねらいマラウイの文化, 暮らし, 自然, 学校を紹介し, マラウイがどういう国かを知る 10 分間という時間ではあったが, 全校児童の前でマラウイの国を紹介する時間をいただいた 日本の生活との大きな違いに驚きの声を上げる場面があった いくつか紹介した写真や動画の中で一番反応していたのは日本の会社 ( 東北ガス ) のロゴが入っている車の荷台に乗っている人たちの動画だった 日本の車が遠いアフリカの地で走っていること, 荷台に人が乗って走っていることに驚いたようだった ( 教材 1) 3 使用した教材 < 教材 2>
3-4 時限時限目 いのちの水 1 蛇口やレバーをひねっても水が出なくなったら自分達の生活がどうなるか考える 2 水くみや水運びの仕事は誰の仕事なのか,1 日にどのくらいの時間がかかるのかを知る 3 どのくらいの水の重さを運ぶのかを体験する 4 子どもたちが水くみや水運びの仕事をするとどんな影響があるのかを考える 5 マラウイの手洗いを体験する 6 1 枚の写真から少年が何をしているのかを考える ( 教材 1) 7 世界の水事情について知る 8 開発途上国の水不足と日本の関係を知る 9 世界の水を守るために自分達がどんな協力ができるかを考える この時限のねらい 世界の水事情を知り, 自分達の生活についてふり返る 水運びの水の重さやマラウイの手洗いを体験する 日本人が一日に平均 375lの水を使うのに対してマラウイでは1 日に平均 30lしか使えないという事実を知り, とても驚いていた 蛇口をひねれば水が出てくるという当たり前のことに感謝したり, 自分達の水の使い方について見直したりする機会になった 実際に水が入ったバケツ (8.5l) を持ってみると こんなに重いの!? といった声が聞かれた 授業後その水は捨てるのはもったいないということで次の日の掃除に使ったり, 植物に水をあげたり, 水を無駄にしないようにしようとする姿が見られた 一日に下痢で約 4000 人の子ども達が5 歳の誕生日を迎える前に亡くなってしまう とか ハンバーガー 1 個を作るのに1000lの水が使われている など具体的な数字を出すことで子どもたちの中で想像がしやすかったと思う ( 教材 2) マラウイ式の手洗いでは 二人組でやるしかないからたいへんだ 少しの水で手を洗っていることが分かった などの声が聞かれた
3 使用した教材 < 教材 2> < 教材 3>
5 時限目 世界の飢餓問題と私たちの食生活 1 栄養失調になってしまうと身体はどうなってしまうか考える 2 世界の飢餓問題について知る 3 日本の食生活事情を知り, 自分達の食生活を見直す この時限のねらい 世界の飢餓問題の実情を知り, 自分達の食生活を見直す WFPから出されている 世界の飢餓状況 2012 のハンガーマップを見ると, アフリカに栄養不足の人口の割合が多いことに気付くことができた 日本は 残飯大国 と呼ばれていることに大きな驚きの声があがった 世界から見た日本の現状を知る良い機会になった この授業以降, 子どもたちは, 給食時には残飯を少しでも減らそうと取り組んでいた 3 使用した教材 < 教材 2> 食料の不足によって栄養失調が続き 健康な体をつくるのがむずかしいじょうたい 残飯大国といわれる日本 逆に途上国の貧しい地域の人たは食べるものがなくてギリギリの生活を送っている あなたはこのことについてどう思いま
6-7 時限目 ケニアってどんな国!? 1 青年海外協力隊でケニアに2 年間派遣された比田井さんにケニアの話を聞く 2 話を聞いて疑問に思ったこと, もっと知りたいと思ったことを質問する この時限のねらい ケニアの話を聞くことにより, 他の 国にも興味 関心をもつ まだ世界を身近に感じる機会が少ない子どもたちにとって, 実際に協力隊としてケニアに2 年間住んでいた比田井さんの話を聞けたことは世界に目を向ける良い機会になった この学習をして自分達と違う生活をしていても生きていることを考えたらふしぎだなと思いました 他の国の環境などが分かっていい学習になりました ( こどもの感想より )
8 時限目 幸せって 1 これまで学習してきたマラウイで起こっている問題を振り返り, マラウイの人たちは幸せなのかを考え, 話し合う 2 マラウイで撮ってきた村人の写真や歓迎の踊りの動画を見て, もう一度マラウイの人たちは幸せなのかを考え, 話し合う 3 自分達の住んでいる日本の実情 ( 物質的に豊かな国だけど自殺者が多い ) を知り, 幸せってどういうことなのかを考える この時限のねらいこれまで学習したことからマラウイの人達は幸せなのか考え, 話し合う また, 自分達の住んでいる日本の実情を知り, 幸せってどういうことなのかを考える 今までマラウイの授業で水, 飢餓,5 歳未満で亡くなる子どもたちなど様々な問題について学習してきた 子どもたちの感想から かわいそう というものが多く, 貧しい= 不幸せという考えが多くなっているのではないかと考えたが意外にも最初の質問ではマラウイの人達は幸せと答える子が多かった 結果は幸せ15 人, 不幸せ14 人, 分からない1 人だった 幸せと答えた子どもに理由を聞いてみると 生きているだけで幸せだから などの答えで でも亡くなっちゃう人がいっぱいいたよね と聞いてみると考え込んでしまっていた 村人の笑顔の写真, 楽しそうに歓迎の踊りを踊っている動画を見せると幸せ25 人, 幸せじゃない1 人, 分からない4 人となった 貧しくても笑顔が多い姿を見て, 考えが変わった子が多かった 日本は物質的には豊かな国だけど自殺者が年間に約 3 万人いるという実情を知り, 幸せって何なのか と深く考えることができた ある子の 自分が幸せと思うことが幸せ という発表に回りの子から感嘆の声があがった 貧しい= 不幸せ, 豊か= 幸せという考えを改めさせる時間になった 3 使用した教材
< 教材 2>