今後の管理のポイント [懸案事項] ①早期作型における2番花 房の花芽分化遅延 ②炭そ病とハダニ類の発生 拡大 [対策] ①寒冷紗を被覆して 花芽分化を誘導する 2番花房 の花芽分化を確認して被覆を除去する 被覆期間の目安 9月25 10月20日 ②定期的に薬剤による防除を行う 特に葉かぎ後の 葉か

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Taro-ホームページ原稿(暖候期対

表 30m の長さの簡易ハウス ( 約 1a) の設置に要する経費 資材名 規格 単価 数量 金額 キュウリ用支柱 アーチパイプ ,690 直管 5.5m 19mm ,700 クロスワン 19mm 19mm ,525 天ビニル 農 PO 0.1mm

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

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11月表紙

ジベレリン協和液剤 ( 第 6006 号 ) 2/ 年 6 月 13 日付け 25 不知火 はるみ 3 回以内 水腐れ軽減 0.5 ~1ppm 500L/10a 着色終期但し 収穫 7 日前まで 果実 ぽんかん 水腐れ軽減 0.5ppm 500L/10a 着色始期 ~4 分

元高虫防第 139 号令和元年 7 月 4 日 各関係機関長様 高知県病害虫防除所長 病害虫発生予察情報について 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報及び令和元年度予報 4 号 (7 月 ) を送付します 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報 Ⅰ. 気象概況半旬 (6 月 ) 平均気温最高気温最低気

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版)

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

営農のしおり(夏秋キク)

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とうくん桃薫 栽培と利用の手引き 野菜茶業研究所北海道農業研究センター共同育成品種平成 23 年 10 月 5 日品種登録 ( 第 号 ) 農研機構は食料 農業 農村に関する研究開発などを総合的に行う我が国最大の機関です


温度 平成 23 年平均平成 23 年最高平成 23 年最低平均気温 ( 平年値 ) 最高気温 ( 平年値 ) 最低気温 ( 平年値 ) 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 図 1 生育期間中の気温推移 ( 淡路農技内 ) 降水 3 量

仙台稲作情報令和元年 7 月 22 日 管内でいもち病の発生が確認されています低温 日照不足によりいもち病の発生が懸念されます 水面施用剤による予防と病斑発見時の茎葉散布による防除を行いましょう 1. 気象概況 仙台稲作情報 2019( 第 5 号 ) 宮城県仙台農業改良普及センター TEL:022

取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

石川県白山自然保護センター研究報告第27集

平成19年度事業計画書

コシヒカリの上手な施肥

1 作物名     2 作付圃場 3 実施年度   4 担当

Microsoft Word - cap4-2013chugoku-hirosima

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試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 1 月中旬 試験中 試験中 試験終了 12 月中旬 試験中 試験中 試験中 1 月上旬 試験中 試験中 試験中 1

茨城県 消費者ニーズに応えるイチゴ産地の育成 活動期間 : 平成 22 年度 ~ 継続中 1. 取組の背景鉾田地域は, メロン, ピーマン, イチゴ, トマト, 葉菜類などの野菜類の生産が盛んな, 県内有数の野菜園芸産地である 経営体の多くが複数の園芸品目を組み合わせ, 大規模な複合経営を行っている

24 福岡県農林業総合試験場研究報告 3(2017) 北島 佐藤 (2008) は あまおう の慣行栽培における早期作型において, 遮光率 58% の黒色寒冷紗を 9 月 11 日から 40 日間および 9 月 26 日から 25 日間被覆すると, 株周辺の気温および地温が低下して第一次腋花房の花芽

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予報 岡病防第16号

「公印省略」

Ⅰ ミニトマトの袋培地栽培マニュアル 1 ミニトマト袋培地栽培システムの設置 ア ほ場の準備 袋培地を用い 地床と完全に分離した隔離栽培を実現します 下敷シートと発泡スチロールにより根の土壌への侵入を防ぎ 土壌病害をシャットアウトします 下敷シート 発泡スチロール板 ほ場を整地し 土ぼこりや雑草を防

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はじめに 本県における平成 25 年のイチゴ作付面積は 22ha 出荷量 6,33t 産出額 72 億円と 県産野菜の中でも上位で果実類の少ない冬の主力であり 生産振興を図る上で重要品目に位置づけられています 千葉県は 大消費地と隣接しており 春には東京湾アクアライン等を利用して 菜の花 イチゴ を

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平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

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実証研究の目的 東日本大震災の被災地域である福島県浜通り地域において 花き生産を中心とした農業経営の収益性向上に貢献するため 夏秋トルコギキョウと低温性花きのカンパニュラ メジューム ( 以下カンパニュラ ) を効率的に組合せた周年生産体系の現地実証を行い その成果を普及させることを目的としています

30年防除基準.indb

Taro-02.台風対策(野菜)

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-12- 長崎県農林技術開発センター研究報告 1. 緒言 本県のイチゴ生産量は,1984 年に とよのか 6) の導入を開始してから飛躍的に向上した. とよのか は九州を中心とした西南暖地での産地拡大に貢献してきたが, 厳寒期には果皮色が薄く, 暖候期には果実の傷みが発生するため, 次第に市場の評価

鳥 カラス たぬき等 ) 発生しやすい病害虫は次のとおり ヨトウムシ アブラムシ ハダニ アザミウマ センチュウ うどんこ病 灰かび病 イオウ病 炭そ病 プランターによる栽培 注意! 追肥は2~3 月に行います 培養土はもともと肥料が入った土なので 追肥を行う際も肥料のあげすぎに注意します ( 当園

Ⅲ-3-(1)施設花き

果樹の生育概況

農業気象技術対策資料

技術名

病害虫発生予察情報(11月予報)

ネギ 防除法

H26 中予地方局産業振興課普及だより 新技術情報 -1 いちご新品種 紅い雫 ( あかいしずく ) 1. 紅い雫 の来歴県農林水産研究所が育成したいちご新品種 紅い雫 は あまおとめ ( 母親 ) 紅ほっぺ ( 父親 ) の交配により誕生し 平成 26 年 6 月 25 日に品種登録出願されました

鳥 カラス たぬき等 ) 発生しやすい病害虫は次のとおり ヨトウムシ アブラムシ ハダニ アザミウマ センチュウ うどんこ病 灰かび病 イオウ病 炭そ病 プランターによる栽培 注意! 追肥は2~3 月に行います 培養土はもともと肥料が入った土なので 追肥を行う際も肥料のあげすぎに注意します ( 当園

5月の病害虫発生予想と防除のポイント

表紙

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茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告第 13 号 半促成メロンの 4 月穫り栽培における品種選定および保温方法 金子賢一 小河原孝司 薄史暁 佐久間文雄 SelectionofUsefulCultivarsandaMethodofHeatInsulationinSe

本文、発送文

作物の種類いちご 87(08029) 1 次選択 名調査数方法分級 単位調査方法等 1 草丈 10 株測定 cm( 数第 2 位を四捨五入 ) 収穫期の苗の地上部のさを測定 2 草勢 10 株観察極 極収穫期の苗の勢いを観察 3 分けつの 10 株測定芽 ( 数第 2 位を四捨五入 ) 収穫期の 1

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リンゴ黒星病、うどんこ病防除にサルバトーレME、フルーツセイバーが有効である

第 41 巻 21 号 大分県農業気象速報令和元年 7 月下旬 大分県大分地方気象台令和元年 8 月 1 日

p1_10月月報用グラフ

隔年結果

**************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1)

「節電対策パンフレット」(家庭向け)

平成16年度農作物有害動植物発生予察情報

北病防第 平成 23 年 142 号 2 月 18 日 関係総合振興局産業振興部長 関係振興局産業振興部長 様 様 技術普及課長 病害虫防除所長 水稲いもち病防除の徹底について 水稲の重要病害であるいもち病は 平成 20 年以降 3 年連続して多発生し 平成 22 年の 葉いもち と 穂いもち の発

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高品質米の生産のために

平成 30 年 7 月 27 日 ( 表題 ) 台風第 12 号の接近に伴う農作物被害技術対策情報について ( 担当 ) 佐賀北部農業技術者連絡協議会事務局 気象庁によると台風第 12 号は 現在 ( 平成 30 年 7 月 27 日 6 時 45 分 ) 硫黄島の南 東約 80km を北東に向かっ

画面遷移

付図・表

18 これらの観点から, 今後の消費ニーズに応えていくためには内容成分にも言及し, 食味が良くて有効成分が多く, 有害成分の少ないチンゲンサイの栽培を検討する必要がある 本試験では品種, 収穫時期, 換気方法, 窒素施肥量がチンゲンサイ中のビタミン, 還元糖, 含量に及ぼす影響を検討したので, その

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普及技術 6 トルコギキョウ10 月出しとカンパニュラ3 月出しの無加温電照輪作体系 3 利活用の留意点 1) 赤色 LEDランプは, 株式会社鍋精製 (DPDL-R-9W, 波長 nm) を用い, 地表面から光源先端までの距離は1.5m,2m 間隔で設置している (PPFD:0.6~

Ⅳ 花き

あら

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1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

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Ⅱ 今後の管理について 1 水管理について (1) 気象変動に対応した水管理 幼穂形成期に入ったら間断かん水 出穂期から開花期にかけては湛水管理 その後は間断 かん水が水管理の基本になりますが 気象変動に対応した水管理を心がけましょう 1 減数分裂期の低温 減数分裂期 ( 葉耳間長 ±0cm 出穂期

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「紅ほっぺ」の特性と栽培技術

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3 園芸作物 < 果菜類 > 1-1 トマト [ ハウス ] ア導入すべき持続性の高い農業生産方式の内容 トマトは主に道央 道南および道北の施設で栽培され 作型は促成 ( ハウス加温 マルチ ) 半促成 ( ハウス マルチ ) 抑制 ( ハウス ) などである 品種は 桃太郎 ハウス桃太郎 桃太郎

目次 はじめに 1 液肥を使うための畑の準備 2 液肥のまきかた 2 液肥の散布は 少量で多回数 が効果的 2 液肥は野菜の株元へ散布する 2 天気が良い時に液肥を散布しましょう 3 液肥の成分 4 液肥の効果を補いたい場合 4 野菜への使い方 こまつな 5 レタス 6 ほうれんそう 7 ちんげんさ

(c) (d) (e) 図 及び付表地域別の平均気温の変化 ( 将来気候の現在気候との差 ) 棒グラフが現在気候との差 縦棒は年々変動の標準偏差 ( 左 : 現在気候 右 : 将来気候 ) を示す : 年間 : 春 (3~5 月 ) (c): 夏 (6~8 月 ) (d): 秋 (9~1

白 ネ ギ

得られることを明らかにした ( 井上ら 2014) また, 密植に適した培土量が少なく低コストで作業性の良い小型紙製育苗ポットを開発し, その育苗方法を明らかにした ( 奥ら 2014) 本研究では, これまでの知見をもとに, 小型紙製育苗ポット苗を使った密植栽培の方法, 労働時間や収益性を明らかに

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材料および方法

麦 類 生 育 情 報

Taro13-第2章まとめ(最終).PDF

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作物ごとの対策については 以下のとおりです 水稲 水稲に対する日照不足の影響で最も懸念されることはいもち病の発病であり 出穂期以降では登熟障害 いわゆる白未熟の発生が懸念される また 大雨により河川の水位が高くなり 排水路の水が河川に放流できずに冠水被害をもたらすことがある これらを考慮して健全な生

資料6 (気象庁提出資料)

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Transcription:

営農情報 あまおう 1 0 月の管理 第 76 号平成 30 年 10 月 3 日 南筑後普及指導センター福岡大城農業協同組合 1 0 a 当たり収量 5 t 以上を目指しましょう この資料は平成 30 年 9 月 12 日現在の登録資料に基づいて作成しています 農薬使用の際にはラベルや袋に記載されている適用作物などの登録内容と有効年月を確認してください 花芽分化のまとめ 8 月は平年より気温が高く 早期作型で花芽分化のバラツキが見受けられましたが 普通作型での花芽分化の中心は 9 月 21~23 日であり 9 月上旬に気温が低下したことから平年並みになりました 9 月 20 日の雨の影響もあり 定植は 9 月下旬までにほぼ終了しました 図 1 気象の経過 ( アメダス久留米より ) 気象予報と今後の見通し (1) 気象予報福岡管区気象台が発表した 1 か月予報は次のようになっています 1 か月予報 ( 九州北部地方予報期間 :9 月 29 日 ~10 月 28 日発表日 9 月 27 日 ) (2) 今後の見通し 10 月は平年より高い予報となっていることから 生育が旺盛になった場合は 2 番花房の花芽分化の遅れが懸念されます また育苗期間中にハダニ類の発生が多かったことから 今後も発生の拡大に注意しましょう

今後の管理のポイント [懸案事項] ①早期作型における2番花 房の花芽分化遅延 ②炭そ病とハダニ類の発生 拡大 [対策] ①寒冷紗を被覆して 花芽分化を誘導する 2番花房 の花芽分化を確認して被覆を除去する 被覆期間の目安 9月25 10月20日 ②定期的に薬剤による防除を行う 特に葉かぎ後の 葉かぎによるクラウンの傷 防除を重点的に行う 口は炭そ病の感染経路になり また葉かぎ後はハ ダニ類のいる葉裏に薬液がかかりやすいため 10月10日頃の草勢の目安 寒冷紗被覆した場合 作型 展開した最大葉の葉幅長 早期作型 9 月 15 日頃定植 葉身長 8 5cm 9cm 寒冷紗被覆しない場合は マイナス1cm これ以上になると 1 番果房と2番果房の内葉数が多くなる可能性がある また これより極端に劣る場合は 無理な抑えはしない 葉幅の長さにより草勢を判断し管理のしかたを変える 草勢の判断の目安 早期作型 最大葉の葉幅を計測する 10月上旬の最大葉幅長 定植後出葉した中で最も大きい葉の横の長さ を測定する 1 かん水管理 ① 活着までの間 極端なかん水は避けて少量多回数を心がけ 順調に活着させる 活着後はかん水を控えながら 2番果房分化後は生育に応じてかん水を調節し 根張り を良くする 10月上旬頃のかん水の目安は葉が軽く内側にまく程度 ② マルチ後から果実肥大期 吸水量が増えるのでかん水をやや多くする

特にマルチ後はチップバーンを予防するため十分なかん水を行う 収穫期には着色 食味を考慮して控えめのかん水とする 土壌条件が思わしくない場合などは 発根促進資材や土壌改良資材を利用して発根を促す 2 株整理 ( 下葉除去 どろ芽除去 ) 活着した定植 20 日目頃から 傷んだ葉 枯葉を取り除く程度の葉かぎを実施し 葉数を確保するため かぎすぎないよう最低限の葉かぎとする 葉かぎをしすぎると心葉の展開が急激に進み 2 番果房の分化に悪影響となるので極端な葉かぎは避ける ハダニやうどんこ病などが発生した場合 葉かぎをできる範囲で行い 薬剤散布を実施 不要な腋芽やクラウンから発生するどろ芽 ランナーは早めに除去する 3 マルチ早期作型では頂果房の出蕾が始まったら 花蕾を傷めないようにマルチ被覆を済ませる 普通作型では10 月下旬が目安になる マルチによって地温や水分条件が変化するため 生育が旺盛な時期には 急激な乾燥によるチップバーン等に注意する また マルチ被覆が早すぎて生育旺盛となった場合には 2 番花房の分化が遅れる傾向がある 根張りを充分に確保するため 最初はマルチのすそを畝肩まで上げておく 地温が13 以下になる10 月末 ~11 月上旬頃に全面被覆にし 地温確保とハウス内湿度の低下を図る 適期から遅れて定植したほ場や 生育が悪いほ場では 生育促進のために早めのマルチを行う 4 追肥追肥は2 番花房分化後の施用が基本! 2 番花房の分化時期は 作型や気象条件によって変動するが 通常早期作型では10 月中旬以降 普通作型では10 月下旬以降である この時期の生育状況によっては 2 番花房の分化が遅れることがある 活着不良等で生育が悪い場合は 液肥や葉面散布で生育促進を図る マルチ前追肥は 2 番果房の花芽分化を確認した後施用する (10 月中旬頃 ) 草勢が旺盛 (10 月上旬で最大葉幅 8.5cm 以上 ) で マルチ被覆までに2 番果房の分化が確認できない場合 畝の追肥を控え2 番果房の分化後に溝肥を施用する 普通作型の場合 追肥はマルチ張り (10 月下旬頃 ) の3~4 日前に行う

表 1 追肥量の目安 肥料名 成分率 (%) 投入量 (kg/10a) 窒素量 (kg/10a) あまおう専用肥料 8-6-3 60kg 4.8kg 新生いちご配合 6-6-4 80kg 4.8kg 5 ビニル被覆と寒冷紗除去 定植後からの寒冷紗は 2 番分化確認後速やかに除去する ビニル被覆は平均気温が 16 程度となる頃が目安 ビニル被覆は 2 番花房の花芽分化後に行うのが基本ですが 既に 1 番花房が開花している 場合で雨天が予測される場合は 速やかに被覆する ( 花に強い雨があたると 奇形果の発 生が懸念されるため ) ビニル被覆後は サイド 妻面を開放し 出来るだけ気温が上がらないようにする サイドや妻面は 最低温度が 10 を下回るようになったら 閉め込みを行う ただし閉めこみ後 夜温 10 を上回る日は換気を行い 果実の早熟や急激な株 の立ち上がりを防止する 草勢が弱い場合 早めにビニルを被覆して やや高めの温度管理で生育促進を図る 表 2 果房の生育状況別温度管理の目安 頂果の状況昼間夜間備考 ~ 着果期 26~28 10 新葉の生育促進着果期 ~ 白熟期 24~26 7~10 白熟期 ~ 収穫期 20~24 5~7 収穫中は品質向上のため低めの管理 6 ジベレリン処理 1 番果房出蕾直後 ~ 開花直前に 10ppm で5cc/ 株の処理を行う 湿度が低いと効果が低いので かん水後に処理する 開花後にジベレリン処理した果実は 障害果になる可能性があるので開花前に処理する ジベレリン使用した際には 忘れずに防除履歴に記帳してください 7 ミツバチの導入と管理 農薬によってはミツバチへの影響があるため 日数には余裕を持って防除する 巣箱の搬入は頂果房の開花 7 日前までに行い 環境に適応させておく 一般にミツバチは 20~23 前後で最も活発に訪花活動して 14 以下の低温や 25 以上の高温条件下ではほとんど訪花しない 寒冷紗被覆したハウスにミツバチを搬入する場合は 訪花を促すため巣箱をハウス内に入れ

ておく 基本的に巣箱はハウスの外に設置し ハウスにミツバチの出入り口を設けておく 全国的に交配用のミツバチが不足ぎみとなっています ハチの管理等は養蜂農家と充分に相談し 健全なミツバチで確実な交配を心がけて下さい 8 病害虫ハダニの発生が続いており ヨトウムシ スリップス類も増える時期なので 早めの防除を心がけましょう ハダニの防除について : マルチ前後の葉かぎ後 発生の有無にかかわらず 効果の高いダニ剤を必ず散布する また 回数制限のないフーモンなど気門封鎖剤も活用する ただし 殺卵効果のあるダニ剤と組み合わせて散布する 定植後の炭そ病の発生も懸念されるので 確認した場合は 確認 除去 補植 防除を行う また うどんこ病の予防防除は確実に行うこと 9 親株の管理 本田の栽培面積に応じて 十分な親株本数を定植する ( 本田栽培面積 10aあたり 600~ 800 株 ) 炭そ病が発生していない健全な苗を使用する 年内に生育を旺盛にした株が 春先のランナー発生が多くなるので 11 月までに定植を終わらせておく 親株の数が不足する場合や 親株用の苗に炭そ病の発生が多い場合は ハウスビニル被覆後の本田の株から発生した秋冬ランナーを利用する 定植前に親株を冷蔵処理 (5 以下の低温に 20 日間程度 ) を行うと春先のランナー発生が良くなる ハウスビニル被覆前に発生したランナーは降雨により炭そ病に感染している可能性が高いため 必ずハウスビニル被覆後に発生したランナーから採苗する 農薬の安全使用と飛散防止対策を徹底しましょう!

トピックス 早期作型の 2 番花房分化を検鏡で確認しましょう あまおう の早期作型は 10 月 1~3 半旬の日最高気温が 25 以下で 生育旺盛でなけれ ば 2 番花房は分化し 分化時期は通常 10 月 15~20 日です ( 例年 10 月 1 日頃より 25 を下 回ります ) 今年はこの時期の 1 か月予報では 平年より気温が高いと予報が出ています いつ分化するのか ( したのか ) 内葉数は何枚なのかで その後の管理が変わってきます 2 番花房対策を行いながら 確実に花芽分化を確認したら生育促進を図り しっかりとした株を作 りましょう 生育旺盛にならないために 寒冷紗被覆を行い かん水を控える 2 番花房が分化したら 寒冷紗被覆を除去 追肥を行い生育を後押しする 早期作型における 定植後の草勢 と 2 番花房の分化時期 の関係 1 草勢の強い生育をした場合 ( 葉幅が 8.5cm 以上 葉の展開が早い ) 2 番花房の分化時期が遅れ 内葉数も多くなり 収穫量の時期別変動が大きくなります 2 中程度の草勢で生育した場合 ( 葉幅が 8.5cm 程度 葉の展開も中程度 ) 2 番花房の分化時期が早めで 内葉数も多くなく (4 枚 ~5 枚程度 ) 果房の発達に十分な草勢も厳寒期を通して確保でき 収穫量が安定します 3 草勢の弱い生育をした場合 ( 葉幅が 8.5cm 以下 葉の展開が遅い ) 株の栄養状態が低いため 2 番花房の分化が早く 内葉数も少ないので 花房が連続し収穫量の変 動は小さくなる