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審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

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ともに 申請者が承認審査のスケジュールに沿って法令上求められる製造体制を整備することや承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで 更なる迅速な実用化を促すものである この制度では 原則として新規原理 新規作用機序等により 生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して 極めて高い有効

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

機器承認

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

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医師主導治験取扱要覧

環境変化への業界側取組  ~CU制度に係るパイロット試験での経験から~

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

スライド 1

COI開示及び免責事項 発表者名 矢花直幸 演題発表に関連し 開示すべきCOI関係にある企 業などはありません また本講演の内容は発表者の個人的見解を含む ものであり PMDAの公式の見解ではありません 2

医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年

( 別紙 ) 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方について ( 平成 26 年 6 月 20 日付け薬食審査発 0620 第 6 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 ) 新旧対照表 ( 別添 ) 改正後 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 1. 承認申請時に電子データ提出を

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る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

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料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

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薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

臨床評価とは何か ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構医療機器審査第一部方眞美

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MDSAP の調査結果の 試行的受入れについて ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 品質管理部 登録認証機関監督課 1

写 薬生発 0131 第 1 号 平成 30 年 1 月 31 日 都道府県知事 殿 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 関係手数料令の一部を改正する政令の公布について この度 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確

本日の内容 日本の個別化医療関連政策について コンパニオン診断薬 (CDx) に関する海外のガイダンス等について PMDA の CDx に対する取り組みについて CDx の審査について 注意 本講演内容は 講演者の個人の見解に基づきまとめられたものであり 医薬品医療機器総合機構としての公式の見解を示

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薬食審査発第 号平成 19 年 9 月 28 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課長 国際共同治験に関する基本的考え方について 従来 我が国においては ICH-E5 ガイドラインに基づく 外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因について

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

これまでの検討経緯 2014 年 6 月 E17 EWG 設立 2014 年 11 月第 1 回対面会合 ( リスボン ) 2015 年 6 月第 2 回対面会合 ( 福岡 ) 2015 年 12 月第 3 回対面会合 ( ジャクソンビル ) 2016 年 5 月 -6 月 エクスパートによるサイン

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

別添 治験副作用等症例の定期報告に関する質疑応答集 (Q&A) について < 半年ごとの定期報告の受け付け> Q1 平成 26 年 6 月 30 日までの間は 治験依頼者 ( 自ら治験を実施する者を除く ) が提出する副作用等症例の定期報告は なお従前の例によることができる とあるが 平成 26 年

医薬品の基礎研究から承認審査 市販後までの主なプロセス 基礎研究 非臨床試験 動物試験等 品質の評価安全性の評価有効性の評価 候補物質の合成方法等を確立 最適な剤型の設計 一定の品質を確保するための規格及び試験方法などの確立 有効期間等の設定 ( 長期安定性試験など ) 医薬品候補物質のスクリーニン

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

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審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

本日の内容 1. 未承認対照薬等の取り扱い別添の 4.(3) ウ.( ア ) 2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験別添の 7.(3) イ.( ア ) 3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験 依頼者となる場合別添の7.(3) オ. 4. 医師主導治験との情報共有別添の7.(3) カ. 5.

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

ICH Q4B Annex12

医療機器添付文書の手引書第 5 版 第 3 章第 3 節 < テンプレート > についての補足解説 1. パルスオキシメータ (WG2 6.1から6.4) テンプレートを利用する場合 以下 5 点の解説を参照すること パルスオキシメータ ( 本体 ) 6.2 パルスオキシメータ ( 一体

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2. 検討 ~ 医療に関する事故の特殊性など (1) 医師等による医療行為における事故 医師等が患者に対してどのような医療行為を施すべきかという判断は 医師等の医学的な専門知識 技能に加え 医師等の経験 患者の体質 その時の患者の容態 使用可能な医療機器等の設備等に基づきなされるものである ( 個別

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審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

はじめに 本演題発表に関連して 開示すべき利益相反関係にある企業等はありません これまでの臨床や研究 PMDAの新薬承認審査 ワーキンググループ業務の経験に基づき 個人の考えとして発表するものです 公開情報をもとに説明しますが 職務上の守秘義務により ご説明出来ない場合もあります 質問 議論は大歓迎

皮的肺生検 ) で遺伝子変異が特定できる可能性がある場合に 血液検査後に 気管支鏡検査 ( または経皮的肺生検 ) を受けたい と回答したのは 130 名 (87.8%) でした 確定診断の検査時にて辛い思いをされた 92 名の方においても 82 名 (89.2%) が再度その辛い思いをした検査を受

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薬生発 0926 第 5 号 平成 29 年 9 月 26 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関しては これまで

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医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版 有効成分 ニカルジピン塩酸塩 品目名 ( 製造販売業者 ) 1 ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル20mg 日医工 日医工 後発医薬品 2 ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg 日医工 日医工 品目名 ( 製造販売業者 )

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(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

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2 有効成分名 添付文書及び審査報告書に基づき記載する 3 品目名 ( 後発医薬品 ) 添付文書及び審査報告書のほか薬価基準収載品目リストにより記載する 複数の品目がある場合は 個別医薬品コード (YJ コード ) 順に番号を振り 記載する ( 複数規格があっても 全規格まとめて YJ コード順とす

薬局を利用するために必要な情報の掲示 ( 薬事法第 9 条の 4) 次の事項について 掲示板等により 薬局内に掲示 しなければなりません また 第 3 については 特定販売を行うことについての広告をする場合 ホームページ等に表示しなければなりません < 具体例 > 第 1 薬局の管理及び運営に関する

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薬食審査発第 号

タフィンラーカプセル50mg/75mg、メキニスト錠0.5mg/2mg 添付文書改訂のお知らせ

記 第 1 再審査資料の構成及び作成上の注意事項再審査資料の構成及び作成上の注意事項は次のとおりとすること また 再審査申請書の写し及び平成 10 年 12 月 1 日付け医薬審第 1058 号厚生省医薬安全局審査管理課長通知 新医薬品等の申請資料の信頼性の基準の遵守について により添付することとし

資料 2-4 イソプロピルアンチピリン製剤の安全対策について 平成 23 年 6 月 23 日平成 23 年度薬事 食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 ( 第 2 回 ) 1. イソプロピルアンチピリン製剤の安全性に係る調査結果報告書 ( 別紙 ) 1 ページ

【押印あり】日本医学会宛

(案とれ) 通知案1

Transcription:

次世代シークエンサーを用いたコンパニオン診断システムの開発における課題と今後の方向性について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構体外診断薬審査室柳原玲子

本日の内容 1. 本邦におけるコンパニオン診断システムの規制 2. NGSを用いたコンパニオン診断システム 1 規制上の取扱い 2 評価の考え方と検討課題 3. NGSを用いた遺伝子検査システムに関連した課題 2

PMDA 横断的基準作成等プロジェクトチーム PMDA 内の複数の部署で対応すべき課題について検討し 審査基準等の作成を目指す 審査の考え方の明確化 国際連携の効率化 革新的医薬品 医療機器等の開発促進 横断的基準作成 PT 医薬品審査関連部 安全対策関連部 医療機器審査関連部 R S 推進関連部 etc コンパニン診断薬 WG ICH Q12 対応 WG 小児 WG オーファン医薬品 WG CIN 対応 WG ナノ医薬品 WG 他 3

PMDA 横断的基準作成等プロジェクトチーム PMDA 内の複数の部署で対応すべき課題について検討し 審査基準等の作成を目指す コンパニオン診断薬 WG 審査の考え方の明確化革新的医薬品 医療機器等の 国際連携の効率化開発促進 <メンバー > < 活動目的 > 体外診断薬審査室医薬品の安全性 有効性確保に必要な 医療機器審査部医コンパニオン診断薬又はコンパニオン医安 新医薬品審査部薬療診断システムの開発推進の方策を検討 R 全 安全第二部品機 S コンパニン診断薬 WG 横断的基準作成 PT 対審器推 薬事戦略相談室 < 活動実績 > ICH Q12 対応 WG 査策審進 小児 WG 関関 関連通知発出への協力査関 <オブザーバー >連連 技術的ガイダンス作成部関連 オーファン医薬品 WG 厚生労働省部 産官学ワークショップの開催連部 CIN 対応 WG 医療機器審査管理課 ステークホルダーとの意見交換 etc 部 ナノ医薬品 WG 他など 4

コンパニオン診断薬等 関連通知 時期 H25.7.1 H25.12.26 H26.2.29 H26.3.28 活動状況 コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項について ( 薬食審査発 0701 第 10 号 ) コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品に関する質疑応答集 (Q&A) について ( 事務連絡 ) コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品に関する技術的ガイダンス等について ( 事務連絡 ) コンパニオン診断薬等に該当する体外診断用医薬品の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について ( 薬食機発 0219 第 4 号 ) コンパニオン診断薬等に該当する体外診断用医薬品の製造販売承認申請に際し留意すべき事項についての質疑応答集 ( 平成 26 年 3 月 28 日付薬食機発 0328 第 7 号 ) 5

本邦で承認されたコンパニオン診断薬 コンパニオン診断薬医薬品の一般的名称使用目的 BRAF V600 キット ヒストファイン iaepキット 変異検出 ALK ベムラフェニブ アレクチニブ塩酸塩 Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA) 平成 25 年 7 月 1 日薬食審査発 0701 第 10 号通知発出後に申請され 承認された品目 癌組織から抽出したゲノム DNA 中の BRAF 遺伝子変異 (V600E) の検出 ( ベムラフェニブの悪性黒色腫患者への適応を判定するための補助に用いる ) がん組織 細胞中に発現する ALK 融合タンパクの検出 ( アレクチニブ塩酸塩の非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助に用いる ) Vysis ALK Break Apart FISH プローブキット アレクチニブ塩酸塩 がん組織 細胞中の ALK 融合遺伝子の検出 ( アレクチニブ塩酸塩の非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助に用いる ) THxID BRAF キットダブラフェニブメシル酸塩 コバス EGFR 変異検出キット v2.0 トラメチニブジメチルスルホキシド付加物 オシメルチニブメシル酸塩 癌組織から抽出した DNA 中の BRAF 遺伝子変異 (V600E 又は V600K) の検出 ( ダブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブジメチルスルホキシド付加物の悪性黒色腫患者への適応を判定するための補助に用いる 癌組織から抽出したゲノムDNA 中のEGFR 遺伝子変異 (T790M) の検出 ( オシメルチニブメシル酸塩の非小細胞肺癌患者への適応を判定するた6 めの補助に用いる ) ( 平成 28 年 11 月 15 日時点 ) 6

コンパニオン診断薬等の範囲 コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項について ( 平成 25 年 7 月 1 日薬食審査発 0701 第 10 号 ) 特定の医薬品の有効性又は安全性の向上等の目的で使用 医薬品の使用に不可欠な体外診断用医薬品又は医療機器 単に疾病の診断等を目的とするものを除く 具体的には 以下の目的で使用されるもの (1) 効果がより期待される患者を特定するため (2) 特定の副作用が発現するおそれの高い患者を特定するため (3) 用法 用量の最適化又は投与中止の判断を適切に実施するため 7

コンパニオン診断システムの評価 < コンパニオン診断システムを使用する目的 > 医薬品を投与した場合に 意図した有効性及び安全性が期待される患者を特定すること したがって コンパニオン診断システムは 正確で信頼性のある結果を与えるものでなくてはならない 分析性能の評価 医薬品の投与対象となる患者を適切に特定するものでなくてはならない 臨床性能の評価 8

コンパニオン診断薬の評価 分析性能の評価 真度 精度 反応特異性 定量範囲又は検出限界等の測定範囲及び直線性 分析的カットオフ値等 臨床性能の評価 原則 コンパニオン診断薬の臨床的意義は医薬品の臨床試験成績に基づき説明すること 後述 9

コンパニオン診断システムの評価 コンパニオン診断システムの臨床的意義 医薬品の投与対象となる患者を適切に特定できるか? コンパニオン診断システムの結果に基づき被験者を組み入れ 実施した医薬品の臨床試験の結果 CDx による結果 + + + + + + + ーーー 医薬品の有効性及び安全性が評価された被験者集団 10

次世代シークエンサー (NGS) を用いたコンパニオン診断システム 11

NGS コンパニオン診断システム 1 DNA シークエンサーを用いた遺伝子検査システムとしての規制上の取扱い 2 コンパニオン診断システムとしての評価 分析性能 臨床性能 既承認 CDx との同等性評価 12

NGS を用いたコンパニオン診断システム : 1 規制上の取扱い 遺伝子検査システムに用いる DNA シークエンサー等を製造販売する際の取扱いについて ( 平成 28 年 4 月 28 日付け薬生機発 0428 第 1 号 薬生監麻発 0428 第 1 号 ) < 本通知の目的 > 疾病の診断 治療又は予防に用いることを目的として製造販売される DNA シークエンサー等の取扱いを示すこと 13

DNA シークエンサー クラス II 以上の医療機器 核酸抽出 テンプレート DNA 調製試薬 解析プログラム クラス III 体外診断用医薬品 前提 特定のシークエンサー及び解析プログラムとの紐付け 疾病の診断等に用いられること + 一次配列解析のためのプログラム ( 塩基配列のアラインメント等 ) シークエンシングサンプル調製用試薬 クラス II 以上の医療機器 参照 判定 データベース DNA シークエンサー診断システム コンビネーション医療機器として承認申請してもよい 14

遺伝子検査システムに用いる DNA シークエンサー等を製造販売する際の取扱いについて ( 平成 28 年 4 月 28 日付け薬生機発 0428 第 1 号 薬生監麻発 0428 第 1 号 ) 研究用シークエンサーの取扱い 疾病の診断等を目的として DNA シークエンサー診断システムを利用する場合 承認された DNA シークエンサーを用いることが望ましい 研究用として販売された DNA シークエンサーを利用して DNA シークエンサー診断システムを構築する場合医療機関等の責任において 当該 DNA シークエンサーを用いた場合の診断システムの性能を確認すること 15

遺伝子検査システムに用いる DNA シークエンサー等を製造販売する際の取扱いについて ( 平成 28 年 4 月 28 日付け薬生機発 0428 第 1 号 薬生監麻発 0428 第 1 号 ) 臨床的意義が未知な検査項目の取扱い 承認の対象とはならない 医師が必要と判断した場合に限り 検査結果を出力することは可臨床的意義及び分析的妥当性は未知である旨 医師に伝わるよう十分配慮が必要 当該検査項目の臨床的意義等に関する表示 添付文書への記載 広告を行うことはできない 16

NGS を用いたコンパニオン診断システム : 2 評価の考え方と検討課題 17

NGS を用いたコンパニオン診断システムの利用が想定されるケース ( 例 ) ケース 1 BRCA1/2 遺伝子変異のように 疾患と関連の疑われる変異部位が複数ある場合 医薬品の投与対象となる変異 ケース 2 肺がんのように 投与する医薬品の決定に際して 複数のバイオマーカーの検査が必要な場合 遺伝子変異 A 遺伝子変異 B 遺伝子変異 C 遺伝子変異 D 医薬品 A 医薬品 B 医薬品 C 医薬品 D 18

NGS を用いたコンパニオン診断システム : 評価の基本的な考え方 医薬品の投与可否を判断するために使用されるという使用目的を踏まえると 従来のコンパニオン診断薬と同様 正確で信頼性のある結果を与えるものでなくてはならない分析性能 医薬品の投与対象となる患者を適切に特定するものでなくてはならない臨床性能 基本的な考え方は従来のコンパニオン診断薬等と同様 ただし 従来のコンパニオン診断薬等と異なる解析法の特性を考慮 19

NGS を用いたコンパニオン診断システム 分析性能の評価 < 基本的な考え方 > 解析システム全体での分析性能を担保する必要がある 基本的に臨床検体を用いた評価が求められる ただし 全ての遺伝子変異等について臨床検体での評価が 困難な場合 具体的評価内容は個別判断 科学的な妥当性が示される場合には 個別事例において以下の評価も受入れ可 人工構築検体を用いた評価 特定の遺伝子変異のセットを対象とした評価 20

NGS を用いたコンパニオン診断システム 臨床性能の評価 < 基本的な考え方 > 医薬品の投与対象となる遺伝子変異等を網羅するよう臨床検体を収集し 評価することが基本 医薬品の適応疾患と関連する膨大な数の変異があり 全ての臨床検体を収集することが困難な場合 〇〇遺伝子変異 以下の評価が重要 遺伝子変異等の分類基準の妥当性 遺伝子変異と疾患の発症機序との関連性 遺伝子変異の分類と薬剤の作用機序の関係 根拠となる科学的知見 医薬品の適用対象 分類基準に基づき投与対象患者を特定するプロセス 21

遺伝子パネルを用いた NGS コンパニオン診断システム : 既承認 CDx との同等性評価 < 同等性評価に係る基本的考え方 > 分析性能及び臨床性能の同等性を示す必要がある 分析性能の同等性については 医薬品の適応症例より採取 保存した臨床検体を用いた評価も可能 < 同等性評価における課題 > 臨床性能の同等性 既承認 CDx 陰性例については 医薬品投与時の試験成績がない 新たな医薬品の臨床試験が必要? 22

同等性評価 : 新たな臨床試験の実施の要否 申請予定のCDx: 既承認のCDxと検体種が同一 遺伝子変異 ( 点変異 欠失等 * ) を検出する * 遺伝子増幅等 臨床的カットオフ値の検討が必要な場合は含まない 既承認の CDx と申請予定の CDx の測定結果の一致率 ( 陽性一致率及び陰性一致率 ) が良好な場合 臨床性能の同等性を担保可能ではないか 23

NGS を用いた遺伝子検査システムに関連した課題 24

今後の検討課題 体外診断システムとしての NGS 遺伝子解析システム 疾病の診断及び医薬品の適応判定以外を目的とした遺伝子パネル上の検査項目の取扱い 臨床的意義の評価及び必要となるエビデンスのレベル 臨床的エビデンスとしての公的 DB の活用可能性 など 25

DB 情報を活用した NGS-based IVD の開発 遺伝子変異と臨床症状に関する知見 臨床検査室の精度管理 ゲノム TF での議論 遺伝子変異と臨床症状に関する知見の収集 評価方法 臨床的エビデンスとしての質の確保 DB データベースの品質管理 臨床ゲノム情報統合 DB 整備事業 要検討 遺伝子変異の臨床的意義 必要となる臨床的エビデンスのレベル 遺伝子変異の臨床的意義の根拠 海外 DB の取扱い NGS-based IVD 26

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PMDA コンパニオン診断薬 WG HP http://www.pmda.go.jp/rs-stdjp/standards-development/crosssectional-project/0013.html ご清聴ありがとうございました 28