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Transcription:

緑のカーテンによる生活環境改善効果 独立行政法人建築研究所住宅 都市研究グループ 加藤真司 1

2

研究目的 緑のカーテンは 日射遮蔽による屋内の温熱環境改善効果を有し それに伴う夏季の消費電力の軽減が期待されている ただし 緑のカーテンの効果は 単に植物による日射遮蔽効果によるのみでなく 窓の開閉といった生活スタイルとの関連性が大きいと考えられる このため 緑のカーテンによる生活環境改善効果を 物理的改善効果 生活スタイルと使用方法 利用者の主観的価値判断などの多面的な角度から検証することを目的とした 用いた研究費目科研費研究 ( 基盤 B)H23~25 年度 緑のカーテンによる生活環境改善手法に関する研究 3

研究企画 準備 H23 年度 緑のカーテンの屋内温熱環境改善効果検証実験 (UR 豊四季台団地にて ) 節電効果アンケート調査 ( 浜松市内の緑のカーテン実践者対象 ) H24 年度 緑のカーテンの視覚効果実験 (UR 花畑団地にて ) H25 年度 緑のカーテン利用実態アンケート調査 (UR 賃貸住宅居住者対象 ) 窓辺景観向上機能に特化した新たな緑のカーテンの提案 研究のとりまとめ 研究フロー図 4

緑のカーテンの基本的特性の把握実験 ( 沖縄美ら島財団本部棟にて :2010 年夏季 ) 5

風速減衰率測定実験 6

日射遮蔽率実験 緑のカーテンの基本的特性の把握実験 ( 沖縄美ら島財団本部棟にて :2010 年夏季 ) 7

葉面密度と日射遮蔽率 通風率との関係 8

実際の集合住宅を用いた緑のカーテンによる物理的温熱環境改善効果実験 2011 年実施 9 9

11 号棟における住戸の配置状況 10

奥の間 4.5 畳 リビング 6 畳 キッチン 6 畳 ベランダ 各住戸の間取り 11

12

13

各住戸の測定項目 室番号リビングキッチン奥の間ベランダ 402 号室ゴーヤ (6 基 ) 404 号室ゴーヤ (2 基 ) 405 号室ゴーヤ (4 基 ) 407 号室スダレ 室温 湿度 放射温度 室温 湿度 放射温度 室温 湿度 放射温度 風速 室温 湿度 放射温度 風速 室温 湿度室温 湿度気温 湿度 室温 湿度室温 湿度気温 湿度 室温 湿度室温 湿度気温 湿度 室温 湿度室温 湿度気温 湿度 408 号室何も無し 室温 湿度 放射温度 風速 室温 湿度室温 湿度気温 湿度 各部屋の測定項目 室番号下の ( ) 内の数はプランターの数を意味する 14

15

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ゴーヤ (2) 17

ゴーヤ (4) 18

ゴーヤ (6) 19

20

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22

室温室温 ( ) ( ) 時刻 緑のカーテンの設置面積に伴う室温低減効果の違い 23

室温 ( ) 室温 ( ) 約 1.8 時刻 簾 ( スダレ ) とゴーヤを設置した居室の室温の差 24

室温 ( ) S 時刻 緑のカーテンによって緩和された室温 ( ゴーヤ (2)) の総量 25

緑のカーテン設置による電気使用量削減効果の推計 9:18:00 まで緑のカーテンによって緩和された室温 ( ゴーヤ (2)) の総計は 6.419985 h が求められる 下式は エアコンによる軽減温度と電気使用料の関係を示しているが これはエアコンの設定温度を 1 度上げると 1 時間あたり 29.982Wh の電気使用量が軽減できることを意味している y=-29.982x+1,006.2 y: 冷房時消費電力量 (Wh/h) x: 設定温度 ( ) よって 9:00 から 17:00 までエアコンを使用した場合の 緑のカーテンによって軽減された電気使用量は以下のように求められる 29.982 Wh/h 6.419985 h=192.484 Wh/ 日 2011 年の実績から下記における最高気温 25 以上の晴れの日は 39 日なので 年間で緑のカーテンによる節電量は 7,506.88Wh となる これは 22 円 /kwh の目安単位から 年間 165.2 円の節電に相当することになる 26

緑のカーテン設置による節電効果の算定 節電量 (kwh/ 円 ) 節電費用 ( 円 / 年 ) 平均低下室温 ( : 24 時間平均 ) 平均低下室温 ( : 9 時間平均 ) ゴーヤ (2) 7.5 165.2 0.6 0.7 ゴーヤ (4) 18.1 398.2 1.3 1.7 ゴーヤ (6) 20.9 459.3 1.6 2.0 27

室温 ( ) 日の出 日の入り 日の出 時刻 壁面を緑のカーテンで覆うことによる室温低減効果の違い 28

風速 (m/s) 時刻 各住戸の通風性の違い 29

作用温度の違い 30

浜松市内の緑のカーテン実践者へのアンケート調査 実施時期 :2011 年 5 月 ~10 月 配布票数 :513 票 回収表数 :187 票 31

浜松市におけるアンケート調査における主要な質問 32

今年の使用量 昨年の使用量 電気使用料金票 33

節電効果 7 月 8 月 新規世帯平均 13.73 新規世帯平均 21.07 継続世帯平均 8.41 継続世帯平均 17.52 差 5.32 差 3.55 平均 4.4% 34

緑のカーテン設置による窓の開放の変化 ( 昼間 ) (2011 年における浜松市民対象のアンケート調査 ) 35

ここまでのまとめ 1. 緑のカーテンは屋内温熱環境改善効果を有し エアコンへの負荷の軽減によって夏季の電気使用量の軽減につながる 2. 窓を締め切った状態よりも 窓を開けた状態の方がより緑のカーテンによる体感温度の低減につながる 3. 上記の特性から 緑のカーテンの設置によって 窓の開放が促される 4. 窓やガラス戸のみでなく 壁面を緑のカーテンで覆うことが 熱帯夜の改善につながる 36

緑のカーテンによる視覚効果検証実験 37 37

実験住棟 図 -2 花畑団地 東京都足立区 38

67 号棟の使用居室 39

実験居室間取り図 40

実験部屋設営図 41

4242

4343

受付 203 号室 ( 前室 ) A コース B コース C コース 204 号室 303 号室 304 号室 203 号室 303 号室 304 号室 204 号室 203 号室 304 号室 204 号室 303 号室 受付 被験者誘導コース図 44

エアコンの設定目標室温 2012 年 7 月 31 日 時刻 203 号室 204 号室 303 号室 304 号室 10~12 時 26 26 28 24 12~13 時 26 26 27 25 13~14 時 26 26 25 27 14~16 時 26 26 24 28 8 月 1 日 時刻 203 号室 204 号室 303 号室 304 号室 10~12 時 26 26 23 29 12~13 時 26 26 24 28 13~14 時 26 26 28 24 14~16 時 26 26 29 23 45

各実験部屋の放射温度の推移 46

44 名 54 名 被験者内訳 47

アンケート票 48

4949

50

51

52

53 53

54 54

55 55

5656

57

SET* の算定方法 PMV 算出条件 環境指標 空気温度 [ ] 10 10 30 0 0 0.8-3 -3 30 40 70 1 2 4 3 3 放射温度 [ ] 相対湿度 [%] 気流速度 [m/s] 着衣量 [clo] 代謝量 [MET] PMV PMV (ISO) PPD SET* OT* 203 号室 27.37 28.20 65.18 0.153 0.46 1.00 0.55 0.55 11.35 27.02 27.86 204 号室 26.91 27.65 67.08 0.119 0.46 1.00 0.46 0.46 9.49 26.83 27.36 203 号室 2 26.57 27.27 64.20 0.125 0.46 1.00 0.27 0.27 6.53 26.27 26.99 303 号室 22.76 23.83 51.85 0.131 0.46 1.00-1.30-1.30 40.30 22.10 23.40 203 号室 3 24.74 26.25 54.80 0.221 0.46 1.00-0.73-0.73 16.12 23.41 25.55 304 号室 29.78 30.37 71.96 0.167 0.46 1.00 1.58 1.58 55.04 30.10 30.12 58

SET*( ) 暑い 温冷感 寒い 203 号室における SET* と温冷感の関係緑のカーテン無し 59

SET*( ) 暑い 温冷感 寒い 204 号室における SET* と温冷感の関係緑のカーテンあり 60

SET*( ) 暑い 温冷感 寒い 303 号室における SET* と温冷感の関係緑のカーテンあり 61

SET*( ) 暑い 温冷感 寒い 304 号室における SET* と温冷感の関係緑のカーテン無し 62

SET*( ) 暑い 温冷感 寒い 緑のカーテンの有無による SET* と温冷感の関係 63

緑のカーテンの有無による SET* と温冷感の関係 ( 信頼区間を記載 ) 64

緑のカーテン普及に関する UR の取組 UR は 自社の賃貸住宅居住者の希望者に対して 無料で緑のカーテンキットを配付し 緑のカーテンの普及に努めている 緑のカーテンキット一式 * これにゴーヤの苗 (2 本 ) がつく 65

問 アンケート調査の質問事項 (2013 年 ) 質問 1 性別 年齢 2 居住地 3 建物形態 4 緑のカーテン実施の動機 5 取り組んだ感想 6 説明書の内容の理解度 7 説明書の内容で参考になった事項 8 壁面への緑のカーテンの設置 9 壁面に緑のカーテンを設置した効果 10 緑のカーテンによる窓の開放状況の変化 11 窓を開けた効果 12 緑のカーテンによる窓辺景観 13 実践から感じる緑のカーテンの効果 14 自由回答 66

西日本支部 アンケート票の配布 / 回収結果 支部名配布数回収票数無効票数有効票数 東日本支部 1,562 東日本の回収票は 千葉 神奈川 埼玉の各支部欄に含まれる 千葉支部 597 34 2 32 埼玉支部 460 24 0 24 神奈川支部 794 99 0 99 中部支部 185 39 1 38 京都府 36 0 36 奈良県 79 2 77 2,273 大阪府 141 4 137 兵庫県 99 2 97 九州支部 190 96 6 90 計 6,061 647 17 630 京都府 奈良県 大阪府 兵庫県は, 西日本支部からまとめて依頼された 中部支部には愛知県が属する 67

回答者の年齢構成 68

緑のカーテン実施の動機 69

緑のカーテンの設置後に感じた感想 70

緑のカーテンの実施による効果 71

緑のカーテン設置に伴う窓の開閉の変化について 窓解放時における緑のカーテンによる体感温度の低減効果 (2011 年における UR 豊四季台団地での実験結果 ) 昼間 ) 72

緑のカーテン設置による窓の開放の変化 ( 昼間 ) (2011 年における浜松市民対象のアンケート調査 )( 昼間 ) 73

緑のカーテン設置による窓の開放の変化 (2013 年における UR 賃貸住宅アンケート調査 ) ( 昼間 ) 74

間 ) 緑のカーテン設置による窓の開放の変化 ( 年齢別 ) (2013 年における UR 賃貸住宅アンケート調査 )( 昼 75

設置動機 屋内が暑いから の年代別回答率 (2013 年における UR 賃貸住宅アンケート調査 ) ( 昼間 ) 76

窓開放時の緑のカーテンの効果 (2013 年における UR 賃貸住宅アンケート調査 ) ( 昼間 ) 77

開けると心地よくすごせた 回答率の年代別傾向 (2013 年における UR 賃貸住宅アンケート調査 )( 昼間 ) 78

窓辺景観向上効果に特化した新たな緑のカーテンの提案 視覚効果に特化した形態 その他の参考事例 : ドイツの窓辺緑化様式 (Blumenfenster) 79

正南面した集合住宅における温熱環境の比較 80

SET*( ) 暑い 温冷感 寒い 緑のカーテンの有無による SET * と温冷感の関係 (2012 年度における UR 花畑団地での実験結果 ) 81

窓辺景観の向上効果に関する調査結果 (2013 年における UR 賃貸住宅アンケート調査 )( 昼間 ) 82

試験体のフレーム試験体の構造 83

沖縄における新たな緑化形態の提案 1. 視覚効果に特化した緑化の提唱 2. 可動式による台風対策 3. デザイン性の高い高質な緑化 試験体 84

展示状況 ( 沖縄記念公園 美ら海プラザ ) 2014 年 3 月 ~4 月 85

人数 年齢 アンケート回答者の属性 86

屋内に設けることの是非に関する設問の回答結果 選択肢票数 ( 百分率 ) 1. 台風などの強風の影響を受けないのが良い 19(26.4) 2. 住居では邪魔になると思う 18(25.0) 3. 屋内ならば越冬可能な植物を育てられるので 通年利用の場 合は良い 17(23.6) 4. オフィス空間では屋内にしか置けないので適切だと思う 11(15.3) 5. 屋内では室内温熱環境改善効果は期待できない 6 (8.3) 6. その他 1 (1.4) 合計 72 票 (100%) * 数字は票数 ( ) 内は百分率 87

試験体の印象に関する設問の回答結果 選択肢票数 ( 百分率 ) 1. 効果はデザイン次第だと思う 30(54.5) 2. 窓辺景観向上効果は高いと思う 14(25.5) 3. この展示物は緑のカーテンとは異なるものだと思う 7(12.7) 4. 窓辺景観向上効果が高いとは思わない 4 (7.3) 5. その他 0 ( 0) 合計 55 票 (100%) 88

試験体のデザインに関する設問の回答結果 選択肢 票数 ( 百分 率 ) 1. もっと植物を増やしたほうがいい 17(32.1) 2. ハイドロカルチャーは屋内設置の場合は良いと思う 15(28.3) 3. 屋内に日光が入りやすいように全面を覆わないのが良いと思う 13(24.5) 4. 窓のサッシなどに備え付けたほうがいいと思う 5 (9.4) 5. その他 3 (5.7) 合計 53 票 (100%) 89

課題に関する設問の回答結果 選択肢票数 ( 百分率 ) 1. オフィスに置いた場合は維持管理費が負担になるのではないか 18(36.0) 2. 窓の清掃時に邪魔になるのではないか 17(34.0) 3. オフィスワーカーが趣味として管理するのが理想だが そのニー ズが不明 12(24.0) 4. その他 3 (6.0) 合計 50 票 (100%) 90

ステンドグリーン 窓ガラス接着型プランターの提案 91

久屋大通庭園フラリエ 92

一連の研究結果のまとめ 1. 緑のカーテンは屋内温熱環境改善効果を有し エアコンへの負荷の軽減によって夏季の電気使用量の軽減につながる 2. 窓を開けた状態の方が より緑のカーテンによる体感温度の低減につながる 3. 上記の特性から 緑のカーテンの設置によって 窓の開放が促される 4. その場合に より高齢な者ほど窓の開放が促される 5. 緑のカーテンは 単に屋内の物理的環境改善効果のみならず 窓辺景観の向上に伴う視覚効果によって より室温を低く感じさせる効果がある 6. 緑のカーテンの設置動機や効果は 単に屋内温熱環境の改善にとどまらず 緑とのふれあいや景観向上 近所とのコミュニケーションの醸成などの多様な効果を有する 7. 緑のカーテンは多様な機能を有するので 特定の機能に特化した場合には それに応じた形態を模索する方が効果的である 93