第 4 学年 4 組道徳科学習指導案 指導者須貝智恵 3 月 1 日 ( 木 ) 4 年 4 組教室 1 主題名 おたがいに分かり合うためには 相互理解 寛容 B(11) 資料 つまらなかった 光村図書資料 学級会での出来事 光村図書 2 単元の目標 2つの資料の登場人物の言動の問題点を考えることを通して 自分の考えや意見を相手に伝えようとするとともに 相手のことを理解し 自分の考えを問い直す態度を養う 3 本単元で育成をめざす見方 考え方 様々な事象を 相互理解 寛容 の意義及びその大切さの理解のもとに 自己とのかかわりの中で 多面的 多角的に捉える ( 見方 ) 多様性を認め合いながら友達や周りの人々とよりよい関係を築いていくにはどうすればいいか考える ( 考え方 ) 4 主題設定の理由 (1) 目標とする道徳的価値と単元構成の意図についてこの段階の児童は 自他の立場や考え方 感じ方などの違いをおおむね理解できるようになるが ともすると違いを受けとめられずに感情的になったり それらの違いから対立が生じたりすることも少なくない 望ましい人間関係を構築するためには 自分の考えを伝えるとともに 自分と異なる意見について その背景にあるものは何か考え 傾聴することができるようにすることが必要である 相手への理解を深めると同時に 自分もさらに相手からの理解が得られるように思いを伝える相互理解の大切さに気づくようにさせたい しかし 子供たちは 自分の考えを伝えるとともに 相手の考えを受けとめることは大切なことであることはすでに知っている それでも 勇気がなくて自分の考えを伝えられなかったり 自分と違う意見を受けとめることができなかったりすることもある 分かっているが実現は難しいという人間の弱さについても気づかせたい そして お互いに理解し合っていくためには 多様な感じ方や考え方があることに気づかせることで 相互理解 寛容 についての価値理解をより深めることができると考えた そこで おたがいに分かり合うためには について複数の教材で単元を構成し 連続性を持たせて学習できるようにした 第一次では つまらなかった の資料を用いて 子供たちにも経験があるような友達との何気ない言葉によるすれ違いを客観的に見ることで 普段の自分と友達との関係について改めて考え直すきっかけをつくる ここでは 自分の気持ちを相手に伝えることの大切さとともに 自分の気持ちを伝えたくてもできないという登場人物の様子にも気づかせる 第二次では 総合的な学習の時間の話し合い活動の場面で お互いの考えを聞くことや折り合いをつけていくことを通して 学級の総合的な学習の時間をより良いものにしていく学習を行う 第三次では 学級会での出来事 の資料を用いて 自分の考えを伝えるとともに 自分と異なる意見を聞くことについて考えられるようにする 話し合いをする時には 様々な立場から様々
な考えをもつ人がいるので 相手の言葉の裏側にある思いを知り 相手への理解を深め 自分も更に相手からの理解が得られるように意見を伝えることについて考えさせる 最後に これからはどのように互いに理解し合っていきたいかについて 自分なりに考えることができるようにしていきたい (2) 児童について本学級のつけたい力の重点は おもいやりの心をもって行動できる子供 を育てることである 生活 学習などの様々な場面で 相手のことも考えて行動することができるようにしたいと考えている 子供たちは 総合的な学習の時間に話し合う活動を何度も行ってきた 総合的な学習の時間の目標を目指して どんな活動をするのかを何度も話し合う中で意見の対立があった その中で 相手の意見を最後までしっかり聞くことの大切さを知り 折り合いをつけていかなければならないことは学んできた しかし 攻撃的な言い方をしてしまったり 否定的な反応を示したりする場面が見られた 自分の考えにこだわり 相手の意見を受けとめることは難しい場合が多い 子供たちには 自分の考えを相手に伝わるように話すことができるようになってほしい また 異なる考えの背景にあるものを知ることで相手への理解を深め 互いに折り合いをつけてより良い学校生活にしようという気持ちをもってほしい (3) 資料について つまらなかった 光村図書 4 年信二は さとしとりょうの3 人で最新式の遊具で遊ぶ約束をした りょうが突然来られなくなってしまい ちょっとがっかりした信二と りょうが来られないことに笑顔の消えた信二を見て ぼくと二人だけじゃいやなんだな と思ったさとしは なんとなくうかない気分のまま公園へ向かった 信二は 最新式の遊具が小さい子の遊ぶような遊具だったので期待外れだとがっかりした 帰ろうとした二人は めぐみと会った めぐみに公園の様子を聞かれた信二は つまらなかった と答えた それを耳にしたさとしは やっぱり信二は りょうがいないと- と声に出したが 二人は話に夢中で耳に届かない 信二が話しかけてもさとしはだまりこんだままだったので 信二はちょっといらいらして帰ってしまった 次の日も二人は口をきかず 別々に過ごした 何気ない言葉を巡ってすれ違う信二とさとしの姿を通して 相手の気持ちを理解し 大切にしようとすることを考えることができる 学級会での出来事 光村図書 4 年 もっとみんなが仲よくなるために お楽しみ集会をしたい という提案があり 学級会でどんな集会をしたいか話し合うことになった 人気者のよしきの ドッジボール集会を開きたい という意見に賛成の声が多く出される中 いつもはあまり意見を言わないあずさが 歌の集会がいいと思います と言うと 自分が, 歌が好きだから わがままだ という反対意見が出た あずさは ドッジボール集会でいいです と言って下を向き泣きそうになる さとみも歌の集会の方がいいと思っていたが言い出せなくなった 話し合いをする時には 様々な立場から様々な考えをもつ人がいると理解することを通して 自分とは異なる考えを大切にしようとすることを考えることができる 5 教育課程編成の意図 別紙 学級カリキュラム 参照
6 単元計画 ( 本時 3/3 時間 ) 次 1 2 3 ( 本時 ) 学習内容 普段の自分と友達との関係について考え直すきっかけをつくる (2 月 22 日 ) 資料 つまらなかった 友達と分かり合うために大切なことは何だろう 私はなかなか自分の事を言えなくて さとしのように我慢することはよくある これからは 友達に自分の思っていることを話せるようになりたい その方が楽しいし もっと仲よくなれそう 自分の事ばかり考えていて けんかしたことがある 友達の考えもちゃんと聞けるようにしたい イライラしているとちゃんと相手に伝わらない場合もあるんだな おたがいに分かり合うためには について考えるよりどころを増やす 総合的な学習の時間の話し合い 振り返りジャーナル 自分とは異なる立場や意見を大切にすることについて考える (3 月 1 日 ) 資料 学級会での出来事 おたがいに分かり合うために これからどうしていきたいですか 自分の意見はちゃんと伝えないと 嫌な思いをすることがあるから なぜそういう意見なのか理由をつけて伝えられるようにしたい いろんな考えの人がいるから 自分の意見を出したら必ず他の人の意見も聞くようにする 相手の言っていることがよく分からない時は質問して聞く 自分とは違う意見の人に 自分の考えを分かってもらえるように 納得してもらえるような説明をしたい 自分がしたいことが苦手な人には その人も楽しめるようなルールを考えて 一緒に楽しめるようにしたい 指導のポイント 資質 能力育成上外せないポイント よく遊ぶ友達同士でも 何気ない言葉ですれ違ってしまう登場人物の姿から 自分の友達関係をふり返るとともに 自分の考えを相手に伝えることと相手の考えを聞くことの大切さを理解できるようにする 登場人物の姿を通して これまでの自分の友達関係について振り返り 友達と互いに分かり合うために大切なことは何かを考えられるようにする 自分は友達や学級の仲間とどのように関わり合っているのかに気づくことができるように 話し合い活動や振り返りをする 普段の自分自身と友達との関係について考えるよりどころを増やせるようにする 様々な立場や考えの人がいるという多様性を互いに認め合い 友達や周りの人とよりよい関係を築くことが大切であることを考えられるようにする 自分の意見を伝えるだけではなく 自分とは異なる考えを受けとめることの大切さに気づき お互いに分かり合うためにどうしていきたいかを考えることができるようにする
7 学習指導過程 3 次 ( 本時 )(3 月 1 日 ) 本時の目標 いろいろな考えや立場の人がいることを忘れず 他者とよりよい関係を築くことについて考えること を通して 自分の考えや意見を相手に伝えるとともに 自分とは異なる意見も大切にしようとする態度 を養う 学習活動 ( 主な発問 予想される児童の反応 ) 指導上の留意点や支援の観点 評価の観点と方法 1 資料 学級会での出来事 を読んで内容をつかむ 導入 休み時間に毎日のように鬼ごっこをして遊んでいますね みんな鬼ごっこが好きだからですよね うん 大好き! 実はそんなに好きでもない 鬼ごっこが好きな人 そうでもない人 色んな人がいますね みんながもっと仲よくなるために お楽しみ集会をしたい という場合は 4 組なら鬼ごっこをしますか さとみさんのクラスでは こんな学級会が開かれました 資料の内容とクラスの様子を関連づけて 興味をもって資料を読めるようにする 2 資料 学級会の出来事 を読んで話し合う どんな集会をしたいか について話し合っているうちに あ 資料を読み聞かせた後 登場 ずささんが下を向いて泣きそうな顔になってしまいました そし 人物を確認し 状況を把握させ て みんな手を挙げずにだまりこんでしまいました る 展 開 司会のまさとさんが どこでどういう発言をすれば 互いの意見を大切にする学級会になったでしょうか そう考えた理由とあわせて考えてください まさとは りょうとりんの意見を止めるべきだった ドッジボール以外の意見を全部出してから 賛成 反対の人の意見を聞いた方がいいから まさとは 司会だから 意見が多いというだけでドッジボールに決めてはいけない めあてに沿った内容にするべきだから まさとは よしきの意見がめあてに合っていないから めあてに合った内容に変えるようにと伝えるべきだ 司会のまさとさんがこれらのことを話したとして その後の話し合いはどうなったでしょう あずさが 歌の集会がいいことを話しやすくなる さとみも 自分の意見を言いやすくなる めあてに合った集会ができるようになる 反対意見や賛成意見が言いやすくなる もしかしたら 他の提案がでるかもしれない 司会者の発言について考えることで 学級会の話し合いの目的である みんながもっと仲よくなる ことをはっきりさせる あずさ よしき さとみなど 様々な登場人物の立場から それぞれどうすればよかったのか考えさせることで お互いにどのような言葉や態度で意見を伝えれば話し合いがうまく進むのかを考えることができるようにする
終 末 3 これからどのように生活していくか考える みなさんはもうすぐ5 年生です 高学年の仲間入りです おたがいに分かり合うために これからどうしていきたいですか 自分の意見はちゃんと伝えないと 嫌な思いをすることがあるから なぜそういう意見なのか理由をつけて伝えられるようにしたい いろんな考えの人がいるから 自分の意見を出したら必ず他の人の意見も聞くようにする 相手の言っていることがよく分からない時は質問して聞く 自分とは違う意見の人に 自分の考えを分かってもらえるように納得してもらえるような説明をしたい 自分がしたいことが苦手な人には その人も楽しめるようなルールを考えて 一緒に楽しめるようにしたい 具体的な場面を入れて書くようにする 自分の考えや意見を相手に伝えるとともに 異なる意見があることを理解し それを受け止めようとすることの大切さに気づき 自分はこれからどのように友達と分かり合う関係を築いていきたいかを書くことができる ( ノート )
学習指導過程 1 次 (2 月 23 日 ) 本時の目標 信二とさとしはそれぞれどうすればよかったのかを考えることで 自分の思いを相手に分かるように伝 えることと相手の思いを受けとめようとすることによって お互いに理解し合うことができ よりよい友 達関係になることに気づく 学習活動 ( 主な発問 予想される児童の反応 ) 指導上の留意点や支援の観点 評価の観点と方法 導 1 自分自身と関係づけながら資料を読む 自分にもこんなことがあったかな と考えながら つまらなかった の資料を読んでいきましょう 似たようなことがあって けんかになったことある 最初はどうしようとしていたのですか 資料を読み聞かせた後 登場人物 入 3 人で最新式の遊具で楽しく遊ぶつもりだった を確認し 状況を把握させる 最後はどうなりましたか りょうが来られなくなった 遊具は期待外れだった 2 人は口げんかしてしまった 次の日も一言も口をきかず 休み時間も別々に過ごした 2 信二とさとしの2 人の立場から お互いに分かり合うこ とついて話し合う こうならないようにするには 2 人はどうすればよかっ 2 人とも相手に自分の気持ちを たのでしょうか はっきりとした言葉で伝えていな いことに気づかせ どうすればけん信二とさとしがどうしていれば こういうことかをしないで遊ぶことができたかにならなかったでしょうか 考えさせる 展 開 信二 さとしの表情や気持ちを見ること さとしはどう思うかたずねること さとしが言いやすいよう さとし 信二に何が つまらなかった と言っているのかをたずねること りょうが来られないから つまらなかった のか 自分の気持ちをはっきり伝えることとともに 相手の気持ちを聞こうとすることの両方が大切であることに気づいている ( 発言 ) にたずねること をたずねること 自分の気持ちとさとしの 自分がどこで遊びたいか 気持ちを合わせて どこ はっきり言うこと で遊ぶか考えること
終 末 3 これからどのように生活していくか考える 友達と分かり合うために大切なことは何ですか 自分の経験をもとにして書きましょう 友達と分かり合うために大切なことは何だろう 私はなかなか自分の事を言えなくて さとしのように我慢することはよくある これからは 友達に自分の思っていることを話せるようになりたい その方が楽しいし もっと仲よくなれそう 自分の事ばかり考えていて けんかしたことがある 友達の考えもちゃんと聞けるようにしたい イライラしているとちゃんと相手に伝わらない場合もあるんだな 自分の経験をもとに 友達と分かり合うために大切なことを書くことで これまでの自分自身を振り返ることができるようにする 自分の気持ちを相手に分かるように伝えるとともに 相手の気持ちを受けとめることでお互いに理解し合うことができる大切さについて 自分のことと関連づけて書くことができる ( ノート )