する指導の手引き でも高校生への食育については具体的にふれられていない. 高校進学率 ₉₈.₄%( 平成 ₂₅ 年度学校基本調査 ) である高校生は, 社会に巣立つ前に, 学校教育で一斉に健康に対する自己管理能力を養うことができる最後の機会である. 健康日本 ₂₁( 第二次 ) がめざす次世代の健康

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233 第四回日露協約と英米協調路線の再考 石井菊次郎を中心に

重回帰分析による高校生のエネルギーおよび栄養素摂取量と食品群別摂取量との関係


2014年 希望小売価格表 クボタ

別子銅山の産業遺産 東平 ( 新居浜市 ) 2017/ 9 Guarantee Information Column 地域の魅力発信 お知らせ平成 29 年 6 月 7 日から 7 月 27 日までの間の豪雨及び暴風雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定について経営安定関

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₂.₁ アンケート調査の目的広島県耐震改修促進計画の策定にあたり, 県内の住宅や特定建築物の所有者等の耐震診断 耐震改修に関する意識を調査し, 耐震化を促進する上で必要となる事項, 障害となる事項を抽出するために, アンケートによるサンプル調査を実施した ₂.₂ 調査対象 1 昭和 ₅₆ 年以前に建

石鎚山 ( 西条市 ) 2019/ 1 Guarantee Information Column いろいろ日本百選 お知らせ 超長期借換保証 スーパーランディング 20 を創設しました 愛媛銀行女性行員との第 2 回合同研修会を開催しました伊予銀行法人融資アカデミーで講義を行いました愛媛大学ビジネス

仲下 中村 木山 北村 影響を及ぼす要因について検討することを目的とした. 減量成功に影響を及ぼす促進および阻害要因を明らかにすることは, 特定保健指導を効果的に実施するうえで有用と考えた. Ⅱ 方法 1. 研究デザインと対象本研究は縦断的研究デザインを用いた.₂₀₀₈ 年 ₄ 月から₂₀₀₉ 年

2016/ 4 Contents Guarantee Information 平 成 28 年 度 組 織 体 制 のご 案 内 050ダイヤルイン 番 号 表 変 更 のご 案 内 お 知 らせ 条 件 変 更 改 善 型 借 換 保 証 の 創 設 について 愛 媛 県 中 小 企 業 振 興

標準範囲のBMI でHbA1c 高値の若年女性の生活習慣病リスクに関する検討

₁₀) 表 1. 穀類 100 あたりの栄養成分 エネルギー kcal タンパク質 脂質 炭水化物 カリウム m 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 大麦押麦 ₃₄₀ ₆.₂ ₁.₃ ₇₇.₈ ₁₇₀ ₆.₀ ₃.₆ 大麦米粒麦 ₃₄₀ ₇.₀ ₂.₁ ₇₆.₂ ₁₇₀ ₆.₀ ₂.₇ 小麦 ₃₃₇ ₁

上 野 山 崎 石 川 の 理 解 ₆,₁₃) や 医 療 従 事 者 との 良 好 な 関 係 ₁₄,₁₅), 治 療 への 参 加 意 識 ₃), 治 療 への 同 意 ₃) や 納 得 ₁₆), 疾 患 に 対 するリスクや 薬 の 必 要 性 についての 知 識 を 得 て いること ₃,₁

2016/ 5 Contents Guarantee Information 平 成 27 年 度 事 業 実 績 お 知 らせ 融 資 保 証 制 度 一 覧 ( 保 証 月 報 4 月 号 )のお 詫 びと 訂 正 経 営 安 定 関 連 4 号 に 規 定 する 災 害 及 び 地 域 の 指

す, 搗く, 焼く, 茹でるの ₄ 種類に分けられ, ソルギトックは蒸して作る餅の基本であり米粉に水, 砂糖, 蜂蜜などを加えふるいにかけ, 型に入れてから蒸した餅である ₁₀)₁₁). 本研究では本来うるち米粉を蒸して作るソルギトックにもち米粉を加え, もち米で作った粘りのある餅を食べてきた日本人

山西央朗 山田裕也 清水斉 層 ₈ ₇ ₆ ₅ ₄ ₃ ₂ ₁ 表 ₁ 部材リスト 柱 梁 C₁, C₂ C₃ G₁ G₂ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₂ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₉ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₆ H-₄₅₀ ₂₅₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₁₂ ₂₂ -₄₀

図 ₁ 試験体 図 ₂ 試験体の接合金物 図 ₃ 鋼製金物詳細 表 ₁ 試験体名と形態 斜材 ( 段組数 ( 段 ) 設置形態 B₄₀-₃D ₄₀ ₁₀₅ ₃ 対角止め B₄₀-₃C₁ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₃C₂ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₁D ₄₀ ₁₀₅ ₁ 対角止め

41-6_35回中部地方会Pr6N_HP掲載用.indd

石 橋 堀 口 丸 井 稲 田 を 明 らかにし 理 解 することが 必 要 である ₁₀,₁₁).リ スク 認 知 とは,リスクに 対 する 主 観 的 なイメージ であり, 認 知 心 理 学 より 発 達 し 研 究 されてきた. 一 般 の 人 々と 専 門 家 でリスク 認 知 が 違 う

2016/ 9 Contents Guarantee Information お知らせ経営安定関連保証制度 1 号に規定する 事業者 の指定について 創業者向けリーフレットを作成しました 事業成長支援保証 ( まるサポ 2000) をご活用ください 協会職員紹介 ❺ 新居浜支所 管理課 Q&A よく

32, 15, 3 EUS TIC 1 db,eus EG SR EUS 60, 27, 24 EUS EG SR 0. 11, , EUS EUS EG ₂₆ ₆ 1, 2, 1, 1, 3, 2, 4, 1 1, 2, 3, 4 FibroScan,

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刻な児童虐待であり, その防止が行政の最優先課題であることは異論がないであろう 児童虐待死亡ケースは, 家庭内で起きる 親による子殺し であるが, 日本における 殺人事件全体, 殺人事件の半数は家族親族の児童虐待, 100 間で起きる

石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果と増悪の関係 表 1 ICON 基幹病院パス ( 初回治療導入 逆紹介 ) 1 呼吸器内科外来 2 看護外来 3 ICON 外来 (2 から ₁₄ 日後 ) 4 ICON 外来 (3 から ₁₄ 日後 ) 呼吸器内科外来受診 ( 通常の

₁₈ ₂ RI フード ( オークリッジ型 ) ₁₃₀ 万円 ( 本体 )~ ₁.₅ ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ 核医学施設向けセフティキャビネット SCシリーズ 別途打合 ₁.₅ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ フード ( オークリッジ型 ) NSO ₁₂₀₀ ₁₅₀₀ ₁₈₀₀ ₁₁₈ ₁₃₂

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2 長田尚子 板橋衛 活用しつつ自給率の低い転作作物等の需要に応じた生産拡大が図られた.2010 年に戸別所得補償モデル対策が開始され, 米の 生産数量目標 に即した生産を行った販売農家 ( 集落営農を含む ) に対して所得補償を行い, 今後の戸別所得補償制度で米以外の多くの品目を広く組み込む方向を

ウォーキングに 対 する 恩 恵 認 知 尺 度 の 開 発 身 体 活 動 運 動 と 関 連 性 のある 恩 恵 を 同 定 するこ とが 重 要 である. 日 常 活 動 に 多 く 含 まれるウォーキングは, 最 も 基 本 的 な 身 体 活 動 であり ₈,₉),₆₀ 歳 代 においても

放射線防護用設備・機器ガイド_2014/15年版(設備・機器資料_放射線管理用品)

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2018,30,41-51 資料 におけるダイエット とメディアの を とした より 1 めぐみ 2 3 Dieting behaviors and the media influence in females: A cross-sectional study with female student

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原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2017 年第 26 巻第 3 号 慢性呼吸器疾患における Physical Activity Scale for the Elderly を用いた身体活動量評価の有用性に関する検証 甲南女子大学看護リハビリテーション学部 ₁), 国家公務員

世界のナマズ食文化とその歴史

入 門 都 市 計 画 サンプルページ この 本 の 定 価 判 型 などは, 以 下 の URL からご 覧 いただけます. このサンプルページの 内 容 は, 初 版 1 刷 発 行 時 のものです.

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Vol. No. 校教育修了後の日常生活における, 手芸 裁縫活動の嗜好意識や実践度, 技能の習得状況等の調査を行い, 手芸 裁縫活動に対する意識と実態を明らかにすることを目的とした. それによって, 日常生活における ものづくり の意義や今日の手芸 裁縫活動及びそれらの技能の習得の意義について再考

高齢者福祉施設入所者の食事摂取状況と排便習慣に対する乳酸菌含有飲料の影響

Fire Department - - 広 報 ざ. 広 報 ざ. 室 定 先 着 順 講 無 期 間 氺 署 講 事 項 乙 訓 組 署 救 係 乙 訓 組 救 救 昼 間 初 式 優 良 体 育 館 初 式 式 典 頃 火 災 献 身 的 努 貢 献 優 良 次 敬 称 略 京 都 府 協 会

放射線管理用品 ₂₄ ₁ 多機能除染用ワイパー別途見積 ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ RI 実験衣 ₀.₄₅ 万円 ( 税抜 ) ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ 放射線管理区域標識別途見積別途打合医建エンジニアリング ₂₄ ₁ LED 表示灯 ( 使用中表示灯 ) 別途見積別途打合医建エンジニアリ


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338 西博行 生中雅也 西村良夫 H Br F 図 ₁ ラニレスタットの構造式 のエナンチオマー評価法の開発研究を行っている 本論文では, ラニレスタットの光学活性中間体につき, キラル HPLC を用いた評価法の検討を行った結果について報告する なお, ラニレスタットは, 糖尿病合併症薬として臨

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問 題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問 題 2 ₁ ₂ ₃ 問 題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 2 2

広島工業大学紀要教育編第 ₁₅ 巻 (₂₀₁₆)1 10 論文 同期型 CSCL を使った国際協調的外国語学習の実践 ツールの違いにおける社会的存在感と満足度との関係性 安部由美子 * 益子行弘 ** ( 平成 ₂₇ 年 ₁₀ 月 ₂₇ 日受付 ) International Collaborati

観 測 点 名 称 住 所 表 ₁ 防 災 科 学 研 究 所 強 震 ネットの 実 地 震 記 録 波 から 求 めた 計 測 震 度 計 測 震 度 震 度 階 ₃ 合 成 最 大 加 速 度 継 続 時 間 地 動 最 大 加 速 度 地 動 最 大 速 度 地 動 最 大 変 位 gal s

目 次 ページ 1. 事業報告書 1 2. 収支計算書 6 3. 事業別収支計算書 8 4. 貸借対照表 財産目録 正味財産増減計算書 正味財産減少理由書 監査報告書 14

2016 Vol.65 No.2 p < 資料 > 母体要因, 出生要因, 分娩様式と児の公衆衛生学的健康障害リスクとの関連についての研究 : 養育医療給付児での検討 高橋篤 ₁,2 ), 原澤和代 ₁ ), 原田明菜 ₁ ), 伊藤里加 ₁ ), 高橋雪子 ₁ ), 勅使河原洋子

佐見 植田 結びつくと考えられている ₅). 畑は, その疾病をいかに深刻なものととらえていたとしても, 罹患の可能性がないと考えている場合には, その疾病への恐れは存在しないことになり, 結果としていかなる予防行動も起こりえないとしている. また, この 重大性 の自覚と 罹患性 の自覚の ₂ つ

高流量鼻カニュラ酸素療法 ( ネーザルハイフロー ) 図 1 HFNC による換気パターンの変化 2) 健常人,COPD 患者,IPF 患者それぞれ ₁₂ 人の HFNC 前後の変化 量の増大が見られたが, 健常者では減少した. 全ての群で呼吸数と分時換気量は減少し,COPD と IPF 患者では毛

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情報 BOX 申込み方法 募集 講演 電話以外で申込む場合は次の応募事項を書いてください 名など ( コースも ) 氏名 ( ふりがな ) 電話番号 郵便番号 住所 年齢 小中学生は学校名 学年 福岡市政だより 2016( 平成 28) 年 7 月 1 日 14 講座 などで 特に記載がないものは

原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2016 年第 26 巻第 1 号 気管支喘息患者に対する看護師による吸入指導の効果 医療法人康曜会プラーナクリニック看護科 ₁), 医療法人康曜会プラーナクリニック呼吸器内科 ₂), 群馬大学医 ₃) 学部附属病院呼吸器 アレルギー内科 中

指定演題 1 D 2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 石川衛 1) 苅田哲也 1) 森大志 2) key word: 二重課題 経頭蓋直流電気刺激 歩行 1) 大山リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 目的 歩きながら話をするなど 動作の遂

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はじめに慶應義塾では, 海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し, 能力 適性等を多面的に評価することで, 広く多様性のある優秀な入学者受入れをすべく,₁₉₇₉ 年 ₄ 月より帰国生入試を実施しています この 募集要項 には, 入学試験の概要と, 出願準備から入学手続までのすべての事項を時間の流れ

北の国際協力拠点 ってなんだろう? 区に 国際協力の拠点があることをご存じですか今月は 開発途上国の課題解決や地域の活性化をお手伝いするJICA 北海道の活動をお知らせします JICAに関するお問い合わせ先 JICA 北海道 ( 札幌 )b₈₆₆ ₈333 c₈₆₆ ₈3₈₂ ホームページ www.

ニュージーランドにおける多国籍銀行の展開 現地通貨建て現地債権 の分析から 川本明人 ( 受付 ₂₀₁₄ 年 ₁₀ 月 ₃₁ 日 ) 目 次 はじめに Ⅰ ニュージーランドの銀行制度と特徴 Ⅱ ニュージーランドにおける銀行活動の歴史と現状 Ⅲ 多国籍銀行の理論とニュージーランド銀行 Ⅳ ニュージーラ

放射線 ( 能 ) 測定システム ₁₁ ₁ 簡易型ホールボディカウンタ AT₁₃₁₆ 別途見積別途問合 ₁₁ ₁* ベッド式ホールボディカウンタ ACCUSCAN 別途見積別途問合 アドフューテックベラルーシ ATOMTEX 社 アドフューテックキャンベラジャパン 米国キャンベラ社 ₁₁ ₁* 立式

<4D F736F F D E9197BF A B83678C8B89CA8A5497AA2E646F63>

2008/3/4 調査票タイトル : ( 親に聞く ) 子どものダイエットについてのアンケート 調査手法 : インターネットリサーチ ( ネットマイル会員による回答 ) 調査票種別 : Easyリサーチ 実施期間 : 2008/2/22 14:28 ~ 2008/2/22 21:41 回答モニタ数

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ネーザルハイフロー療法の適応と限界 図 1 左 : フィッシャーアンドパイケル社システム ( 出典 : 社内資料 ) 右 : パシフィックメディコ社システム ( 出典 : 社内資料 ) と酸素濃度計が付属している. ブレンダーには酸素配管と圧縮空気配管からのガスを混合させるものと, 酸素配管からの酸

風間慶祐, 他 ながら,LACの安全性や忍容性の検討は, これまで主に ₇₅ 歳以下もしくは₈₀ 歳以下を対象に検討が行われてきた. 一方で, 加齢により ADLの低下が見られ有訴率は上昇し ₅), 全身臓器機能低下が予想され, 一般に術後合併症のリスクは増加すると言われている ₆). このため ₈

美作大学 美作大学短期大学部紀要 2011, Vol ~ 14 論 文 GABA(γ- アミノ酪酸 ) の味覚への関与について ~ 酸味と塩味への関与 ~ Involvement of GABA in taste sensation : interaction with acid ta

モニモニタ ₁ ₁ タ エリアモニタ AE ₁₉₃₁ AE ₁₉₃₁V ₂₁₀ 万円 ₂₇₃ 万円 防水式電離箱 ₁ヵ月校正は別途 応用技研 電離箱式サーベイメータ ₁ ₁ 高感度 線エリアモニタ RFSD ₆₀₁ 別途見積中央監視装置が別途必要 ₄ヵ月応用光研工業 ₁ ₁ エリアモニタ G₆₄ (

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

田中武 栗栖慎也 甲斐健 山崎勇 織田浩二 﨑将智 植月唯夫 に対する評価基準が異なっても良いと考えられる ₂ ) 体育館のスポーツ照明として,LED 光源を用い, ₁ ) 照明用光源の LED 素子単体が見えない状態にする ₂ ) 実際の直下照度を低下させない ことで, 体育館内の照度分布の達成,

広島工業大学紀要教育編第 ₁₂ 巻 (₂₀₁₃)21 27 論文 CIEDE2000 色差式を用いたディジタルシネマ画像の所要ビット長の評価 古川功 * 鈴木純司 ** Evaluation of Required Bit Depth for Digital Cinema using CIEDE20

バインダー2

(3) 生活習慣を改善するために

下里侑子, 他 写真 ₁ 胸痛自覚時の胸部 X 線右胸水を認めた. 写真 ₂ a を開始された. 移植 ₉ 年後より拘束性換気障害 (%VC ₄₁% FEV₁.₀ % ₁₁₆%) を認めたが, 慢性咳嗽の増悪はなく,SpO ₂は大気下で₉₈% と保たれ Activity of daily life

日本家政学会誌 Vol. ₆₆ No. ₅ 197~212(₂₀₁₅) 報文 近現代における 着物 の表記法とその意味の変遷 1874 年 ~1980 年の新聞記事を中心に 森理恵 ₁* Changes in the Term Kimono in 1870 s 1970 s Japan Rie MO

ⅠⅠ 1 Ⅰ Ⅰ 2 Ⅰ 3 Ⅰ Ⅰ Ⅰ 4 Ⅰ 4 Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅰ Ⅲ 1 791


注意事項 法令等略記凡例

だしに学ぶ

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄


原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2015 年第 25 巻第 3 号 慢性閉塞性肺疾患患者における低酸素血症が高次脳機能と脳血流反応に及ぼす影響の検討 近畿大学医学部附属病院リハビリテーション部 ₁), 聖隷クリストファー大学リハビリテーション科学研究科理学療法開発学領域 ₂


はじめに慶應義塾では, 海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し, 能力 適性等を多面的に評価することで, 広く多様性のある優秀な入学者の受入れを目指しています このため,₁₉₆₅ 年 ₄ 月より外国人留学生対象入学試験を実施しています この 募集要項 には, 入学試験の概要と, 出願準備から入学

ているが, 概要的 断片的内容に止まり, とくに指導的教員の動向を捉えられる叙述になっていない ₅ ) 新修鳥取市史 第 ₅ 巻は, 時期ごとに県教育会 市教育会の動向を叙述し, 研究を一歩進めたが, やはり指導的教員の動向を踏まえたものではない ₆ ) 篠村昭二の鳥取県教育史研究は, 県内の指導的



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ごあいさつ 平 素 から 広 島 県 における 血 液 事 業 の 推 進 につきましては 献 血 者 の 皆 さまをはじめ 広 島 県 献 血 推 進 協 議 会 献 血 推 進 団 体 医 療 機 関 関 係 各 団 体 のご 理 解 とご 協 力 を 賜 り 厚 く 御 礼 申 し 上 げます

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)


平成 27 年度全国体力 運動能力 運動習慣等調査愛媛県の結果概要 ( 公立学校 ) 調査期間 : 調査対象 : 平成 27 年 4 月 ~7 月小学校第 5 学年 ( 悉皆 ) 中学校第 2 学年 ( 悉皆 ) 男子 5,909 人男子 5,922 人 女子 5,808 人女子 5,763 人 本

高糖生地に適した酵母の発酵特性

Vol.No. 2. 方法 ( 1 ) 調査対象と時期 A B ( 2 ) 調査内容 1 ) 食事の摂取状況 2 ) 食品群別摂取頻度 3 ) 生活習慣状況 4 ) 健康意識 ( 3 ) 解析 Dplus 3. 結果と考察 ( 1 ) 性別と全調査項目 p p p ( 2 ) 食事の摂取状況 p

される. 排卵した卵胞からは黄体が形成されて大量の黄体ホルモン ( プロゲステロン ) が分泌され, その作用により子宮内膜は妊娠に適した状態へ変化する. 妊娠が成立しなかった場合は, 黄体機能は₁₄ 日で消失してプロゲステロン産生が急減し, 子宮内膜は剥離して月経が発来する. このとき子宮内でのプ

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日本家政学会誌 Vol. ₆₆ No. ₇ 342~350(₂₀₁₅) Vol. No. 資料 高校生の体型認識と生活習慣 野中美津枝 ₁* Survey on Body Perception and Lifestyle Habits of High School Students Mitsue NONAKA ₁ * This survey identifies the body perception and lifestyle habits of high school students from the results obtained in a questionnaire survey of ₁₂₅₄ such students. High school boys had a body perception which was almost in agreement with BMI. In contrast, high school girls had a body perception which was fat rather than BMI; ₉₀.₉% of normal girls desired to be thinner, and even ₄₈.₁% of thin girls. A difference was found between the boys and girls in their diet method, the boys tending to diet by exercise, while the girls applied dietary restriction. Skipping meals, lack of sleep, lack of exercise, and stress resulted in poor health. Most high school students who ate three meals every day and did not feel stress were healthy. Key words:body perception 体型認識,lifestyle habit 生活習慣,health condition 健康状態,high school student 高校生,gender difference 男女差 1. 緒言 ₂₁ 世紀における国民健康づくり運動 ( 健康日本 ₂₁) は, 生活習慣病の予防, 健康長寿の延伸を目的に, 平成 ₁₂ 年に平成 ₂₂ 年度を目途とした具体的な数値目標を提示して進められてきた. しかしながら, 平成 ₂₃ 年の最終評価では, 目標に達したのは全体の₁₆.₉% にとどまり, メタボリックシンドロームを認知している国民の割合は増加しているものの,₂₀~₆₀ 歳男性の肥満者 (BMI ₂₅) の割合は ₃ 割を超えている ₁). 一方で₂₀ 歳代女性のやせている者の割合も依然として解消されていない. そのため, 平成 ₂₅ 年からスタートした 健康日本 ₂₁( 第二次 ) では, 将来を担う次世代の健康を支えるために, 健康な生活習慣を有する子どもの増加と適正体重の子どもの増加が目標として挙げられている ₂). つまり, これからの健康教育において, 生涯にわたる適正体重の自己管理能力の育成が生活習慣病予防のために重要な課題となっている. 生活習慣病予防のための体重管理は, 消費エネルギーと摂取エネルギーのバランスが大切であり, 身体活動量に見合ったエネルギー摂取, 栄養バランスのとれた食事が重要である ₃). しかしながら, 体重管理は自己の体型 認識や体型願望に左右され, 大学生の体型不安と食行動との関連について, 女子ではやせ願望が食べ物を選んで摂取したり量を控えたりといった摂食行動に影響することが明らかになっている ₄). 平成 ₂₀ 年度の国民健康 栄養調査では, 体型認識について取り上げられ,₂₀ 歳代女性は₂₂.₅% がやせ体型 (BMI<₁₈.₅) で, さらに本人が理想と思っている体型 ( 希望体型の BMI) も平均 ₁₉.₀で若い女性の痩身志向が強いことが指摘されている ₅). 先行研究では, 女子大学生の体型やダイエットに関する調査は多く ₆)~₈), 不適切なダイエットや食行動の異常が隠れ肥満 ( 正常体重肥満 ) に関係があることが指摘されている ₉). また,₂₀ 歳代で問題になっているダイエットや肥満につながりやすい食生活の是正対象は, 高校生の時代に始まる者が多いことが明らかになっている ₁₀). 現在, 学校における健康教育は, 生活習慣病予防の視点から平成 ₁₇ 年に食育基本法が制定され, 学校教育活動全体で食育に取り組むこととなっており, 食育を中心に進められている. そのため, 小 中学校では, 栄養教諭の配置も進められており, 文部科学省より 食に関する指導の手引き が出され, 各学校で食の指導に係る全体計画を作成することとなっている ₁₁). しかしながら, 高校では昼食指導もないため食育は進んでおらず, 食に関 所属機関名 : 1 茨城大学教育学部 1 Faculty of Education, Ibaraki University, Ibaraki, 310-8512 原稿受付 : 平成 26 年 10 月 17 日原稿受理 : 平成 27 年 5 月 8 日 * To whom correspondence should be addressed E-mail:nonaka@mx.ibaraki.ac.jp ₂₆ (342) Copyright 2015 The Japan Society of Home Economics

する指導の手引き でも高校生への食育については具体的にふれられていない. 高校進学率 ₉₈.₄%( 平成 ₂₅ 年度学校基本調査 ) である高校生は, 社会に巣立つ前に, 学校教育で一斉に健康に対する自己管理能力を養うことができる最後の機会である. 健康日本 ₂₁( 第二次 ) がめざす次世代の健康を支えるためには, 高校生の食生活だけでなく, 体型, 運動, 休養, ストレスと健康状態との関係についても今後検討していく必要がある. そこで, 本研究では, 高校生の体型認識や生活習慣と体型, 健康状態を把握して, 高校生への健康教育の方向性を検討することを目的とする. 2. 方法 (1) 調査時期及び調査対象平成 ₂₃ 年 ₆ ~ ₇ 月, 徳島県 A 高校 (₉₂₂ 名 ), 愛媛県 B 高校 (₃₄₀ 名 ), 合計 ₁,₂₆₂ 名に体型認識と生活習慣, 健康状態に関する質問紙調査を実施した. 男女で比較するため, 性別が未記入だった ₈ 名を除き,₁,₂₅₄ 名 ( 男子 ₅₉₂ 名, 女子 ₆₆₂ 名 ) を対象とした ( 有効回答率 ₉₉.₄%). 対象者の学年の内訳は, ₁ 年生 ₄₁₅ 名, ₂ 年生 ₄₂₁ 名, ₃ 年生 ₄₁₈ 名で, 平均年齢は約 ₁₇ 歳である. 調査は無記名自記式で, 調査結果は統計処理し個人が特定されないことを記載し, 身長 体重等の記入内容が回収時見えないように個封筒に入れるなど配慮した. なお, 本調査については, 茨城大学の倫理審査委員会の承認を得ている ( 承認番号 ₁₄₀₁₅ 号 ). (2) 調査内容と分析方法調査内容は,1 BMI,2 体型認識,3ダイエット状況, 4 生活習慣,5 健康状態, 以上 ₅ 点について調査し, 分析した. 1 BMI については, 記入された身長及び体重から [ 体重 kg/( 身長 m) ₂ ] で求め, 体型については, 日本肥満学会の診断基準 (₂₀₁₁ 年版 ) で使用している₁₈.₅ 未満 やせ,₁₈.₅ 以上 ₂₅ 未満 普通,₂₅ 以上 肥満 を用いた. 体重については, 現実の体重と希望の体重を記入してもらい, 平成 ₂₀ 年度の国民健康 栄養調査にならい, 現実の体重から算出した現実体型の BMI と希望体重から算出した希望体型の BMI を比較した.2 体型認識については, 自分の体型意識と体型願望を尋ねて,BMI の体型別に分析した.3ダイエット状況については, 先行研究 ₆)₇)₁₂) の質問項目を参考にし, ダイエット経験とダイエット方法, ダイエットによる健康障害を尋ねた. ダイエット経験のある者にダイエット方法をチェック式で尋ね, ダイエット内容で 運動 食事 その他 ( 自由記述 ) に分類し, さらに実施しているダイエット方法で 運動のみ 運動 + 食事 食事のみ その他のみ に 分類して分析した. ダイエットによる健康障害について は, ダイエット経験者で体調を崩した経験がある者に, 該当する自覚症状をチェック式で回答してもらった.4 生活習慣については, 欠食状況, 食べるスピード, 就寝 時間, 運動時間, ストレスについて尋ねて, 体型との関 連を分析した. ₁ 日の欠食状況については, 朝食, 昼食, 夕食をそれぞれ 毎日食べる 食べないことがある 食べない の ₃ 件法で尋ね, 食べないことがある 食 べない と回答した者を欠食習慣があるとした. ストレ スについては, よく感じる 時々感じる めったに感 じない 全く感じない の ₄ 件法で尋ね, よく感じる と回答した者を ストレスあり, めったに感じない 全く感じない と回答した者を ストレスなし とし た.5 健康状態については, 高校生や大学生の健康状態 に関する先行研究 ₁₀)₁₃)₁₄) の質問項目で使用されている₁₂ 項目の体調不良状況について, 該当するものにチェック をしてもらった.₁,₂₅₄ 名の₁₂ 項目の体調不良状況は表 ₁, 体調不良該当数の度数分布は図 ₁ に示す通りであっ 表 1. 体調不良状況 (n=1,254) 体調不良項目 該当者 非該当者 ₁ 体だるい ₇₂₅(₅₇.₈) ₅₂₉(₄₂.₂) ₂ 何もやる気がしない ₄₅₇(₃₆.₄) ₇₉₇(₆₃.₆) ₃ イライラする ₄₄₈(₃₅.₇) ₈₀₆(₆₄.₃) ₄ 立ちくらみ ₄₂₄(₃₃.₈) ₈₃₀(₆₆.₂) ₅ 物事に集中できない ₄₁₇(₃₃.₃) ₈₃₇(₆₆.₇) ₆ 頭痛 ₂₈₉(₂₃.₀) ₉₆₅(₇₇.₀) ₇ 便秘 ₁₅₀(₁₂.₀) ₁,₁₀₄(₈₈.₀) ₈ 胃痛 ₁₁₅(₉.₂) ₁,₁₃₉(₉₀.₈) ₉ 冷え症 ₁₁₅(₉.₂) ₁,₁₃₉(₉₀.₈) ₁₀ 下痢 ₁₁₀(₈.₈) ₁,₁₄₄(₉₁.₂) ₁₁ 夜眠れない ₉₉(₇.₉) ₁,₁₅₅(₉₂.₁) ₁₂ 食欲不振 ₆₈(₅.₄) ₁,₁₈₆(₉₄.₆) 人 300 250 243 243 208 200 173 150 142 105 100 71 50 36 18 7 5 0 3 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 個 (n=1254) 図 1. 体調不良該当者の度数分布 (343) ₂₇

やせている普通太っているやせたい現状でよい太りたい やせている普通太っているやせたい現状でよい太りたい Vol. No. た. 体調不良の該当数が ₀ 個の者を 健康群 (n=₁₇₃ 人 ), ₁ ~ ₃ 個の者を 軽度な体調不良群 (₆₉₄ 人 ), ₄ 個以上の者を 重度な体調不良群 (₃₈₇ 人 ) として, 健康状態と生活習慣の関連について分析した. なお, 分析に当たっては,EXCEL 統計 Ver. ₇.₀を用い, 項目間の検定には, 母比率の差の検定, 母平均の差の検定を行い, 統計的有意水準は ₅ % 以下とした. 3. 結果 (1) 体型と体型認識 1) 現実体型と希望体型対象者の身体特性について自記された身長と体重をみると, 男子 ₅₈₄ 名の平均は身長 ₁₆₉.₈ cm, 体重 ₆₀.₆ kg, 女子 ₅₉₇ 名の平均は身長 ₁₅₇.₆ cm, 体重 ₅₀.₉ kg で, 日本人の食事摂取基準 (₂₀₁₅ 年版 ) で示されている₁₅~₁₇ 歳の参照体位 ( 平均的な身長, 体重 ; 男子 ₁₇₀.₁ cm, ₅₉.₇ kg, 女子 ₁₅₇.₇ cm,₅₁.₉ kg) ₁₅) とほぼ一致していた. 自記された身長と体重から算出した BMI の平均は, 男子 ₂₁.₀, 女子 ₂₀.₅で, 男女とも標準体重の指標とされ る BMI=₂₂に近い.BMI による体型分類で男女を比較しても有意差はなく, 普通体型とされる割合は男女とも ₇₆% を占め, 肥満者も男子 ₈.₀%, 女子 ₆.₀% と少なかった. 現在の身長における希望体重を尋ねて, 現実体型と希望体型を比較した. 身長, 体重, 希望体重をすべて回答していた者 ( 男 ₅₃₇ 名, 女 ₅₆₉ 名 ) について, 男女別に現実体型の BMI 平均と希望体型の BMI 平均を求め, 対応のある母平均の差の検定を行った結果を表 ₂ に示す. 男子は, 現実体型の BMI と希望体重から算出した希望体型の BMI の間に有意差はみられなかったが, 女子では, 現実体型の BMI ₂₀.₅±₂.₄₄ kg /m ₂ に対し, 希望体重から算出した希望体型の BMI は ₁₈.₆±₁.₆₃ kg /m ₂ で有意差 (p<₀.₀₁) がみられた. 2) 体型意識と体型願望 BMI による体型別体型意識と体型願望を表 ₃ に示す. 男子は, 自分の体型について, やせの者は やせている, 普通の者は 普通, 肥満者は 太っている と思っている者が多く, 現実の体型と体型意識が一致して 身長 表 2. 現在の身長における現実体型と希望体型 (mean±s.d.) 体重 BMI 有意差現実希望現実体型希望体型 男子 (n=₅₃₇) ₁₆₉.₈±₅.₅₂ cm ₆₀.₄±₉.₁₂ kg ₆₀.₉±₇.₄₅ kg ₂₀.₉±₂.₈₂ kg/m ₂ ₂₁.₁±₂₀.₆ kg/m ₂ n.s. 女子 (n=₅₆₉) ₁₅₇.₅±₅.₂₂cm ₅₀.₉±₆.₇₁ kg ₄₆.₃±₄.₉₁ kg ₂₀.₅±₂.₄₄ kg/m ₂ ₁₈.₆±₁.₆₃ kg/m ₂ ** (t 検定 )**p<₀.₀₁ 男子 表 3.BMI による体型別体型意識と体型願望 体型意識 体型願望 やせ (n=₉₀) ₆₁(₆₈.₇) ₂₄(₂₆.₇) ₅(₅.₆) ₈(₈.₉) ₃₉(₄₃.₃) ₄₃(₄₇.₈) 普通 (n=₄₃₉) ₉₂(₂₁.₀) ₂₂₉(₅₂.₂) ₁₁₈(₂₆.₉) ₁₂₂(₂₇.₈) ₂₃₂(₅₂.₈) ₈₅(₁₉.₄) 肥満 (n=₄₆) ₁(₂.₂) ₀(₀.₀) ₄₅(₉₇.₈) ₃₅(₇₆.₁) ₉(₁₉.₆) ₂(₄.₃) 全体 (n=₅₇₅) ₁₅₄(₂₆.₈) ₂₃₂(₄₀.₃) ₁₆₈(₂₉.₂) ₁₆₅(₂₈.₇) ₂₈₀(₄₈.₇) ₁₃₀(₂₂.₆) 女子 体型意識 体型願望 普通 (n=₄₄₄) ₁(₀.₂) ₉₈(₂₂.₁) ₃₄₅(₇₇.₇) ₄₀₄(₉₁.₀) ₄₀(₉.₀) ₀(₀.₀) やせ (n=₁₀₄) ₃₃(₃₁.₇) ₄₄(₄₂.₃) ₂₇(₂₆.₀) ₅₀(₄₈.₁) ₄₃(₄₁.₃) ₁₁(₁₀.₆) 肥満 (n=₃₅) ₀(₀.₀) ₀(₀.₀) ₃₅(₁₀₀.₀) ₃₄(₉₇.₁) ₁(₂.₉) ₀(₀.₀) 全体 (n=₅₈₃) ₃₄(₅.₈) ₁₄₂(₂₄.₂) ₄₀₇(₆₉.₈) ₄₈₈(₈₃.₇) ₈₄(₁₄.₄) ₁₁(₁.₉) BMI 判定の体型ごとに体型意識の最も高い数値を太字 斜体 網掛けにしている. ₂₈ (344)

食事回数減 ₃(₅.₃) ₂₄(₉.₁) n.s. いる. 一方, 女子は, やせの者は, 普通 と思っている者が最も多く, やせているのに₂₆.₀% が 太っている と思っている. 普通の者では,₇₇.₇% が 太っている と思っており, 女子では体型にかかわらず, 自分のことを現実よりも太っていると認識している. そのため,BMI による体型別体型願望では, 男子では, やせの者は 太りたい, 普通の者は 現状でよい, 肥満者は やせたい が最も多く, 体型願望が適切である. しかしながら, 男子でも全体では₂₈.₇% にやせたい願望があった. 一方, 女子は, 体型にかかわらず やせたい が最も多く, 普通の者の₉₁.₀%, やせの者の₄₈.₁% がさらに やせたい 願望を持っていた. 実施したダイエット方法を 運動のみ 運動 + 食事 食事のみ その他 で分類し, 男女別に比較すると, 運動のみ は, 男子 ₂₂.₈%(₁₃ 名 ) に対して女子は ₃.₈%(₁₀ 名 ) と男子の方が有意に高かった (p<₀.₀₁). 反対に 食事のみ は, 男子 ₂₈.₁%(₁₆ 名 ) に対して女子は₄₂.₆%(₁₁₂ 名 ) と女子の方が有意に高かった (p< ₀.₀₅). ダイエット経験者 ( 男子 ₅₇ 名, 女子 ₂₆₃ 名 ) で体調を崩した経験がある者は, 男子 ₅.₃%( ₃ 名 ), 女子 ₁₁.₈% 表 4. ダイエット経験者のダイエット内容 (2) ダイエットと生活習慣 1) ダイエット状況ダイエット経験の結果を図 ₂ に示す. 現在している 以前して成功した 以前して効果がなかったのでやめた がダイエット経験者であり, 合わせると女子では ₄₀.₁% にダイエット経験がある. さらに, これからしようと思っている ₃₅.₃% を合わせると, 女子の₇₅.₄% はダイエットに関心がある. 反対に男子では, ダイエット経験があるのは ₉.₆% と少なく,₇₉.₂% が 以前しなかったし, これからもしない と回答しており, 男子はダイエットへの関心が低い. 男 (n=₅₇) 女 (n=₂₆₃) 有意差 油ものを控える ₆(₁₀.₅) ₆₉(₂₆.₂) * 間食をしない ₂₀(₃₅.₁) ₁₈₃(₆₉.₆) ** 食事量減 ₂₀(₃₅.₁) ₁₆₂(₆₁.₆) ** 寝る前に食べない ₁₆(₂₈.₁) ₁₅₁(₅₇.₄) ** 甘いものを食べない ₈(₁₄.₀) ₉₅(₃₆.₁) ** ダイエット内容 炭水化物抜き 単品ダイエット ₅(₈.₈) ₆₀(₂₂.₈) * サプリ ダイエット食品 ₄(₇.₀) ₃₄(₁₂.₉) n.s. ダイエット経験者 ( 男子 ₅₇ 名, 女子 ₂₆₃ 名 ) に, 具体的なダイエット方法について, 表 ₄ に示す項目を挙げて該当する項目全てにチェックしてもらった. 女子では, 間食をしない 食事量減 が ₆ 割を超え, 食事制限によるダイエットを実施している者が多い. 一方, 男子は食事制限によるダイエットはいずれも₄₀% 以下で, 筋トレ 歩く, 走る といった運動系の方法によるダイエットを行っている割合の方が高かった. その他 の自由記述には, 半身浴, カラオケが挙がっていた. ₃(₅.₃) ₁₇(₆.₅) n.s. 歩く 走る ₂₂(₃₈.₆) ₉₄(₃₅.₇) n.s. 筋トレ ₂₅(₄₃.₉) ₈₀(₃₀.₄) * ダイエット器具 ₃(₅.₃) ₃₂(₁₂.₂) n.s. ダイエット DVD ゲーム ヨガ ₂(₃.₅) ₁₅(₅.₇) n.s. 水泳 ₄(₇.₀) ₁₃(₄.₉) n.s. その他 ₇(₁₂.₃) ₆(₂.₃) ** さらに, ダイエット経験者 ( 男子 ₅₇ 名, 女子 ₂₆₃ 名 ) の ( 比率の差の検定 )*p<₀.₀₅, **p<₀.₀₁ 現在している以前して成功した以前して効果がなかったのでやめたこれからしようと思っている 3.0 21.8 ** 5.2 9.7 ** 1.4 8.6 ** 10.6 35.3 ダイエット経験有り男 ;9.6% 女 ;40.1% ** 男 (n=592) 女 (n=662) 以前しなかったし これからもしない 23.6 79.2 ** 0 50 100 % ( 比率の差の検定 ) ** p<0.01 図 2. ダイエット経験の状況 (345) ₂₉

Vol. No. (₃₁ 名 ) で, 女子の方がダイエットによる健康障害があっ たと自覚している割合が高い. 具体的なダイエットによ る体調を崩した症状は, 表 ₅ に示す通り, 女子の半数が 疲れやすくなった 生理不順/ 止まった と回答して いた. 生理不順/ 止まった と回答していた ₁₆ 名の表 ₄ におけるダイエット方法は 食事量減 で, ₈ 名が 炭 水化物抜き 単品ダイエット, ₆ 名が 食事回数減 を 実施していた. 2) 欠食状況と運動時間 ダイエットの方法として男女共に 食事量減 運動 と答えており, 実際の生活習慣における欠食状況, 運動 時間とダイエットの関連性についても検討した. ₁ 日の欠食状況について, 三食とも毎日食べる者は ₁,₂₅₄ 名のうち₇₅.₃%(₉₄₄ 名 ) にとどまり, 食生活リズ ムが崩れている者が多かった. 表 ₆ は, 三食の欠食状況 とダイエットの関係を示している. 朝食の欠食率は, 男 表 5. ダイエットによる健康障害 項目 男 (n=₃) 女 (n=₃₁) 疲れやすくなった ₁(₃₃.₃) ₁₇(₅₄.₈) 生理不順 / 止まった ₁₆(₅₁.₆) 貧血 ₂(₆₆.₇) ₁₂(₃₈.₇) めまいがする ₁(₃₃.₃) ₁₂(₃₈.₇) 食欲がなくなった ₀(₀.₀) ₇(₂₂.₆) 吐き気がする ₀(₀.₀) ₅(₁₆.₁) 便秘がちである ₀(₀.₀) ₄(₁₂.₉) 下痢をよくする ₀(₀.₀) ₁(₃.₂) 子は₁₉.₄%, 女子 ₁₅.₃% で有意差はみられないが男子の方が朝食の欠食率は高い傾向がみられた. 反対に, 夕食の欠食率では女子の方が男子よりも有意に高く, 女子の ₁₀.₄% が夕食を食べないことがあると回答していた. 三食それぞれの欠食者のうち, 図 ₂ で 現在ダイエットしている ( ダイエット中 ) と回答していた割合をみると, 男子では三食ともダイエット中の者は低率でダイエットによる欠食は少ない. 一方, 女子では, 朝食欠食者の ₁₆.₃%, 昼食欠食者の₁₉.₂%, 夕食欠食者の₃₁.₉% がダイエット中であり, 女子はやせるため食事制限として意識的に欠食している. 表 ₇ は, ₁ 日の運動状況とダイエットの関係を示している. 女子では, ₁ 日の運動時間が ₃₀ 分未満 が ₄₄.₁% にのぼり, 女子の運動不足が顕著である. 反対に男子では,₄₄.₁% が ₂ 時間以上 運動しており, 運動部等で毎日長時間運動習慣のある男子と, 高校生の時点で運動習慣が少ない女子が対照的である. 各運動時間区分の該当者のうち, 図 ₂ で 現在ダイエットしている ( ダイエット中 ) と回答していた割合をみると, すべての運動時間で女子の方が有意に高く, ₃₀ 分未満 の運動不足でも女子は₁₇.₁% がダイエット中だった. (3) 生活習慣と体型生活習慣 ₅ 項目と体型において, 男女別に検討した結果を表 ₈ に示す. 体型と関連性がみられた項目は, 男女間で共通していた項目は 食べるスピード ダイエットの経験の有無 で, 運動時間 では男子では関連性がみられたが女子では体型との関連性はみられなかった. 男子では, やせ 群において食べるスピードの遅い者が速い者よりも多く, 運動時間が₃₀ 分未満の者が多かっ 表 6. 三食の欠食状況とダイエット 朝食昼食夕食 欠食ありうちダイエット中欠食ありうちダイエット中欠食ありうちダイエット中 男 (n=₅₉₂) ₁₁₅(₁₉.₄) ₃(₂.₆) ₂₉(₄.₉) ₂(₆.₉) ₂₄(₄.₁) ₂(₈.₃) 女 (n=₆₆₂) ₁₀₁(₁₅.₃) ₁₇(₁₆.₃) ** ₂₆(₃.₉) ₅(₁₉.₂) ₆₉(₁₀.₄) ** ₂₂(₃₁.₉) ( 比率の差の検定 )*p<₀.₀₅, **p<₀.₀₁ 表 7. 運動時間とダイエット ₃₀ 分未満 うちダイエット中 ₃₀ 分 ~ ₁ 時間 うちダイエット中 ₁ ~ ₂ 時間 うちダイエット中 ₂ 時間以上 うちダイエット中 男 (n=₅₉₂)₁₅₉(₂₆.₉) ₅(₃.₁) ₁₀₆(₁₇.₉) ₃(₂.₈) ₆₃(₁₀.₆) ₃ (₄.₈) ₂₆₁(₄₄.₁) ₇(₂.₇) ** ** ** ** ** ** 女 (n=₆₆₂)₂₉₂(₄₄.₁) ₅₀(₁₇.₁) ₁₃₉(₂₁.₀) ₃₃(₂₃.₇) ₉₁(₁₃.₇) ₂₄(₂₆.₄) ₁₃₅(₂₀.₄) ₃₇(₂₇.₄) ( 比率の差の検定 )**<₀.₀₁ ₃₀ (346)

やせ普通肥満 やせ普通肥満 男子 表 8. 生活習慣と体型 体型 食事回数食べるスピード運動時間就寝時間ストレスダイエット 三食摂取 (n=₄₄₀) ₆₆(₁₅.₀) ₃₄₁(₇₇.₅) ₃₃(₇.₅) 欠食有り (n=₁₃₈) ₂₅(₁₈.₁) ₉₉(₇₁.₇) ₁₄(₁₀.₁) 速い (n=₃₂₃) ₄₁(₁₂.₇) * ₂₄₆(₇₆.₂) ₃₆(₁₁.₁) ** 遅い (n=₂₅₃) ₅₀(₁₉.₈) ₁₉₂(₇₅.₉) ₁₁(₄.₃) ₃₀ 分未満 (n=₁₅₅) ₃₅(₂₂.₆) ₁₀₈(₆₉.₇) ₁₂(₇.₇) ** * ₁ 時間以上 (n=₃₂₃) ₄₀(₁₂.₄) ₂₅₇(₇₉.₆) ₂₆(₈.₀) ₂₄ 時まで (n=₂₄₁) ₄₈(₁₉.₉) ₁₇₇(₇₃.₄) ₁₆(₆.₆) ₁ 時以降 (n=₁₀₄) ₁₅(₁₄.₄) ₇₈(₇₅.₀) ₁₁(₁₀.₆) あり (n=₁₅₉) ₂₄(₁₅.₁) ₁₂₃(₇₇.₄) ₁₂(₇.₅) なし (n=₁₂₄) ₂₃(₁₈.₅) ₉₂(₇₄.₂) ₉(₇.₃) 経験有 (n=₅₅) ₅(₉.₁) ₃₇(₆₇.₃) ₁₃(₂₃.₆) ** 経験無 (n=₅₂₆) ₈₆(₁₆.₃) ₄₀₇(₇₇.₄) ₃₃(₆.₃) 女子 体型 食事回数食べるスピード運動時間就寝時間ストレスダイエット 三食摂取 (n=₄₄₅) ₇₉(₁₇.₈) ₃₄₁(₇₆.₆) ₂₅(₅.₆) 欠食有り (n=₁₄₈) ₂₈(₁₈.₉) ₁₀₉(₇₃.₆) ₁₁(₇.₄) 速い (n=₂₈₇) ₃₄(₁₁.₈) ₂₃₂(₈₀.₈) ₂₁(₇.₃) ** ** 遅い (n=₃₀₄) ₇₄(₂₄.₃) ₂₁₆(₇₁.₁) ₁₄(₄.₆) ₃₀ 分未満 (n=₂₅₄) ₅₁(₂₀.₁) ₁₉₂(₇₅.₆) ₁₁(₄.₃) ₁ 時間以上 (n=₂₁₄) ₃₇(₁₇.₃) ₁₆₅(₇₇.₁) ₁₂(₅.₆) ₂₄ 時まで (n=₂₈₁) ₅₀(₁₇.₈) ₂₁₆(₇₆.₉) ₁₅(₅.₃) ₁ 時以降 (n=₉₀) ₁₉(₂₁.₁) ₆₄(₇₁.₁) ₇(₇.₈) あり (n=₁₆₅) ₂₀(₁₂.₁) ₁₃₁(₇₉.₄) ₁₄(₈.₅) なし (n=₁₀₀) ₁₈(₁₈.₀) ₇₆(₇₆.₀) ₆(₆.₀) 経験有 (n=₂₄₃) ₁₇(₇.₀) ₂₀₈(₈₅.₆) ₁₈(₇.₄) ** ** 経験無 (n=₃₅₀) ₉₁(₂₆.₀) ₂₄₁(₆₈.₉) ₁₈(₅.₁) ( 比率の差の検定 )*p<₀.₀₅, **p<₀.₀₁ た. 肥満 群では食べるスピードが速い者が多く, ダイエットの経験者が多かった. 体型が 普通 群では, 運動時間が ₁ 時間以上の者が有意に多かった. 一方, 女子では, やせ 群では食べるスピードの遅い者が速い者よりも多く, ダイエットの経験がない者が多かった. 普通 群では, 食べるスピードが速い者が多く, ダイエットの経験者が多かった. (4) 健康状態と生活習慣健康状態と生活習慣の関連を分析するため, 健康群, 軽度な体調不良群, 重度な体調不良群の ₃ 群について, 生活習慣の各項目で, 母比率の差の検定で ₃ 群の総当りをした結果を表 ₉ に示す. 重度な体調不良群では, 欠食あり が₃₃.₉%, 就寝 ₁ 時以降 が₂₃.₅%, 運動 ₃₀ 分未満 が₄₂.₆%, さらに ₅₄.₅% が ストレスあり で, 欠食, 就寝時間, 運動不足, ストレス各項目とも健康群, 軽度な体調不良群よりも有意に高く, これらの生活習慣は体調不良と関連がある. しかしながら, 健康群と軽度な体調不良群で有意差がみられたのは, 欠食あり と ストレスあり の ₂ 項目のみで, 健康群の 欠食あり は₁₂.₇%, ストレスあり は₄.₀% で非常に低く, つまり, 健康群では₈₇.₃% が毎日三食を食べ,₉₆.₀% とほとんどの者がストレスを感じていない. (347) ₃₁

Vol. No. 表 9. 健康状態と生活習慣 生活習慣 健康群 (n=₁₇₃) 軽度な体調不良群 (n=₆₉₄) 重度な体調不良群 (n=₃₈₇) 欠食あり ₂₂(₁₂.₇)*, *** ₁₄₇(₂₁.₂)*, ** ₁₃₁(₃₃.₉)**, *** 就寝 ₁ 時以降 ₂₄(₁₃.₉)* ₉₁(₁₃.₁)** ₉₁(₂₃.₅)*, ** 運動 ₃₀ 分未満 ₄₇(₂₇.₂)* ₂₃₉(₃₄.₄)** ₁₆₅(₄₂.₆)*, ** ストレスあり ₇(₄.₀)*, *** ₁₃₀(₁₈.₇)*, ** ₂₁₁(₅₄.₅)**, *** 注 )*, **, *** 同士が有意差があることを示している ( 比率の差の検定 )p<₀.₀₅ 4. 考察対象者の高校生は,BMI による体型判定では男女とも普通体型が多く差はないが, 体型認識には男女差が大きく, 先行研究 ₁₆) と同様に女子の体型認識に問題がみられた. 男子は自分の体型について正しく認識しているため体型願望も適切であるが, 女子では体型にかかわらず 太っている と認識しているため, ₈ 割以上がやせたい願望を持っていた. そのため, 女子の希望体型の BMI 平均が₁₈.₆で, 平成 ₂₀ 年度の国民健康 栄養調査における ₂₀ 歳代女性の希望体型の BMI ₁₉.₀と比較しても低く, 希望体重が₂₀ 歳代女性よりも一段と低体重を望んでおり, 高校生女子の痩身願望が強い. そして, 体型認識や体型願望が男子は適切であるが女子は痩身願望が強いため, ダイエットへの関心にも違いがみられた. 男子は₇₉.₂% がダイエットにまったく関心がないが, 女子は₇₅.₄% がダイエットに関心を持ち, ₄₀.₁% がダイエットの経験を持っていた. ダイエット方法にも男女差があり, 女子では男子に比べて食事制限によるダイエットに偏りがちだった. 本来, ダイエットは, 食事だけでなく運動も併用し, 基礎代謝分の食事をしっかりとって, 摂取エネルギーと身体活動で必要なエネルギーの収支で体脂肪を燃焼させることが大切である ₁₇). 大学生のダイエット方法の調査では, 運動 食事 単独に比べて, 運動 + 食事 法が体重減少において効果的であったとの報告もある ₆). 女子のダイエットが健康状態に及ぼす影響として, 体重減少による無月経症や骨密度の低下などが指摘されている ₁₈). 本調査でも, ダイエットをしている女子の半数が 生理不順 / 止まった と回答しており, 食事制限によるダイエットが一因と推察される. 実際にダイエットで生理不順 ( 止まった ) と健康障害を自覚していた者は, 全員が食事量を減らし, 炭水化物ダイエットや単品ダイエット, 食事の回数を減らしている者が多かった. このような不適切な ( 非構造的 ) ダイエットは, 摂食障害の発症に影響を及ぼし ₁₉), また, 食事制限や不適切なダイエットを行うことは体脂肪の減少効果がなく, ダイエット経験者は未経験者より も体脂肪率が高いという報告もある ₂₀). 本調査では体脂肪率を測定していないが, 女子は運動習慣がない者が多く, 食事制限が中心のダイエットをしている女子の中には, 隠れ肥満 ( 正常体重肥満 ) がいる可能性がある. 健康日本 ₂₁( 第二次 ) がめざす ₂₀ 歳代のやせの者を減少させるためには, 適正体重の理解, 運動と食事の関係, ダイエットの危険性などについて健康教育が必要である. 一方で, 体型認識が適切である男子が, なぜ₂₀ 歳 ~₆₀ 歳の ₃ 割が肥満になるのか, 肥満と生活習慣について学習することが大切である. 高校生男子は, 油っこいものやファーストフード, 夜食をよく食べるなど肥満につながりやすい食生活をしている者が多いことが明らかになっている ₂₁). 高校生の現在の健康的な体型は, 消費エネルギーと摂取エネルギーの関係から運動によって維持されていることを理解するとともに, 具体的な生活習慣病と食生活や体型との関係について, 正しい知識を身につけることが必要である. 生活習慣と体型についても検討したが, 食べるスピードの速さ, 男子の運動時間に有意差がみられた. 男子では, ₁ 日の運動時間が₃₀ 分未満の者にやせが多く, ₁ 時間以上運動する男子の ₈ 割が普通体型だった. 大学生の運動状況と体組成の調査では, 男子は運動している学生は運動をしていない学生に比べて BMI, 筋肉量が有意に高い値を示しているが, 女子では有意差がない ₂₂). 本調査でも高校生女子は運動時間で体型に有意差がなく, 男子は運動時間と筋肉量の関係があると考えられ, 運動時間が少ない男子は筋肉量が少なくやせが多いと推察される. また, 運動時間では, 男子は₄₄.₁% が ₂ 時間以上運動しているのに対して, 女子は₄₄.₁% が運動時間 ₃₀ 分未満であり, 高校生女子の運動習慣が少ないことが指摘できる. 文部科学省の平成 ₂₄ 年度全国体力 運動能力, 運動習慣等調査結果では, 中学生女子の₃₀.₉% が ₁ 週間の総運動時間が₆₀ 分未満で女子の運動不足が指摘されているが ₂₃), 高校生女子も同様で, 運動習慣がないまま₂₀ 歳代を向かえる者が多いと推察される. また, 今回の欠食習慣の調査結果では, 女子の ₁ 割が夕食を欠食することがあると回答し, しかもそのうちの ₃ 割がダイエット中 ₃₂ (348)

であった. 女子が思春期に運動不足でしかも食事制限による欠食習慣のある状態では, 骨密度の低下を招き, 将来の骨粗しょう症につながりやすい. 現在, 若者の朝食の欠食が問題となり, 朝食の摂取は食育の重点事項として取りあげられているが ₂₄), 高校生では三食摂取の必要性を伝えることも大切である. 特に, 今回の調査で, 生活習慣と健康状態の関連について分析し, 健康群の₈₇.₃% は欠食がなく, 体調不良群では欠食率が高く, 改めて食育の必要性が指摘できる. さらに, 健康群の₉₆.₀% はストレスがあると感じたことがなく, 体調不良群はストレスを感じているものが多く, 健康で充実した学校生活を送るためには, 高校生におけるこころの健康教育が重要であるといえる. 現在, わが国では, 自殺率の高さが問題になっているが, 次世代の健康を支えるためには, ストレスの対処法などこころの健康教育を具体的に推進していくことが求められる. そして, 体調不良には食事の欠食, 運動不足, 睡眠不足, ストレスが関連しており, また, 生活習慣病予防のための体重管理には体型認識が影響しており, 食育だけでなく, 体重管理やこころの健康を含めたトータル的な健康教育が必要である. 今後, 高校生の限られた教育課程の中で, どのような健康教育の可能性があるのか, また, 高校生では, 将来の健康に向けて自己管理能力を養うことが大切であり, 継続的な健康教育を導入しなければならない. 現在, 高校における健康教育については, 家庭科や保健 体育などの教科で扱うが, 授業時数は少なく, 継続的な健康教育につながっているとは言い難い. 健康日本 ₂₁( 第二次 ) がめざす次世代の健康を支えるためには, 高校生の実態に即した教科内容や教育課程の検討とともに, 高校 ₃ 年間を通した学校全体での取り組み体制を構築していくことが求められる. 5. 要約生活習慣病の予防や次世代の健康を図るためには, 健康な生活習慣を有する子どもの増加と適正体重の子どもの増加が課題である. そこで, 高校生の体型認識や生活習慣を把握するため,₁,₂₅₄ 名の高校生にアンケート調査を実施した. その結果, 以下のことが明らかとなった. ₁) 男子は BMI による自分の体型判定と体型認識がほぼ一致しているが, 女子は BMI 判定による体型に関わらず 太っている と感じている. そのため, 男子は現状維持でよいと思っている者が多いのに対し, 女子は, 普通体型の₉₀.₉%, やせの者も₄₈.₁% が やせたい と思っており, 女子の痩身願望が強い. ₂) 女子では₄₀.₁% にダイエット経験があり, これからしようと思っている 者を合わせると, 女子の₇₅.₄% がダイエットに関心を持っていた. ₃) ダイエット経験者のダイエット方法は, 男子は運動, 女子は食事制限でダイエットをしている者が多い. ₄) ₁ 日三食毎日食べる者は ₇₅.₃% にとどまり, 食生活リズムが崩れている者が多い. 朝食の欠食については, 男子 ₁₉.₄%, 女子 ₁₅.₃% で男子の方が多い. 一方, 女子では, 夕食の欠食習慣がある者が ₁₀.₄% おり, そのうちの₃₁.₉% が現在ダイエット中だった. ₅) ₁ 日の運動時間は, 男子は₄₄.₁% が ₂ 時間以上運動しているのに対して, 女子は₄₄.₁% が₃₀ 分未満で, 女子の運動不足が顕著である. ₆) 食事の欠食, 運動不足, 睡眠不足, ストレスは体調不良に関連がある. 健康な者は,₈₇.₃% が毎日三食を食べ,₉₆.₀% がストレスを感じていない. 謝辞調査の実施に際してご尽力いただきました三谷遥氏に深謝致します. また調査にご協力いただいた生徒の皆様に心からお礼申し上げます. 引用文献 ₁) 厚生労働省. 健康日本 ₂₁ 最終評価.₂₀₁₁ ₂) 厚生労働省. 健康日本 ₂₁( 第二次 ).₂₀₁₂ ₃) 加藤秀雄, 中棒幸弘. ウエイトコントロールと食事. スポーツ 運動栄養学. 講談社サイエンティフィク, ₂₀₀₇, ₇₂-₇₉ ₄) 石沢智美, 田名場美雪, 芳野晴男. 大学生の体型不安と食行動との関連について. 弘前大学保健管理概要. ₂₀₀₂, No. ₂₃, ₅-₁₄ ₅) 厚生労働省. 平成 ₂₀ 年国民健康 栄養調査報告.₂₀₁₀ ₆) 高橋亜矢子, 宮川豊美. 女子学生の身体状況並びに体型意識とダイエットに関する調査研究. 和洋女子大学紀要.₂₀₀₄, 44, ₄₁-₆₀ ₇) 山本真紀, 小田光子, 岸田典子. 女子学生の肥満度と生活習慣及び自覚症状との関連に関する一考察. 県立広島大学人間文化学部紀要.₂₀₀₆, 1, ₆₁-₇₃ ₈) 野田艶子. 若年女性の自己の体型認識からみたアセスメント. 相模女子大学紀要.₂₀₁₀, 74, ₅₃-₆₀ ₉) 間瀬知紀, 宮脇千惠美, 甲田勝康, 藤田裕規, 沖田善光, 小原久未子, 見正富美子, 中村晴信. 女子学生における正常体重肥満と食行動との関連性. 公衛誌. ₂₀₁₂, 6, ₃₇₁-₃₈₀ ₁₀) 野中美津枝, 局百花, 溝口理沙. 若者の朝食欠食に関する実態調査 : 大学生と高校生の比較. 家庭科教育実践研究誌.₂₀₁₀, No. ₉, ₁-₈ ₁₁) 文部科学省. 食に関する指導の手引き : 第一次改訂版. 東山書房,₂₀₁₂, ₂₆₆p ₁₂) 宮沢貞子, 金子基子, 島崎洋子. ダイエット. 栄養 (349) ₃₃

Vol. No. 指導 栄養教育に必携食生活情報ブック. 女子栄養大学出版部,₁₉₉₅, ₂₂₀-₂₂₅ ₁₃) 宮沢貞子, 金子基子, 島崎洋子. 高校生編健康 病気. 栄養指導 栄養教育に必携食生活情報ブック. 女子栄養大学出版部.₁₉₉₅, ₅₈-₆₃ ₁₄) 山脇美代. 本学学生の食習慣と健康との関連について. 純真人文研究.₂₀₀₄, 10, ₆₇-₇₇ ₁₅) 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準 (₂₀₁₅ 年版 ) の概要.₂₀₁₄ ₁₆) 芝木美沙子, 橋本里和. 高校生の体型認識とダイエットについて. 北海道教育大学紀要.₂₀₁₃, 63, ₁₅₅-₁₆₆ ₁₇) 吉田企世子, 松田早苗. ダイエット時の摂取エネルギー量は. 安全においしく食べるためのあたらしい栄養学. 高橋書店,₂₀₀₆, ₅₈-₅₉ ₁₈) 坂本元子. 健康阻害要因としての食生活の問題. 栄 養指導 栄養教育. 第一出版,₂₀₀₅, ₆₉-₇₈ ₁₉) 松本聰子, 熊野広昭, 坂野雄二. どのようなダイエット行動が摂食障害や binge eating と関係しているか. 心身医.₁₉₉₇, 37, ₄₂₆-₄₃₂ ₂₀) 杉山文宏, 渋谷聡, 広川龍太郎, 小泉綾, 笹木春光, 了海諭, 石田松五郎. 本学学生の健康生活における調査研究 : その ₁ 体脂肪と体型認識及び生活習慣との関連. 東海大学紀要.₁₉₉₉, 29, ₁-₈ ₂₁) 野中美津枝. 高校生における食生活の是正対象と体調不良状況. 家政誌.₂₀₁₃, 64, ₁₀₁-₁₀₆ ₂₂) 徳田修司, 飯干明. 鹿児島大学新入生の骨密度と体組成. 鹿児島大学教育学部研究紀要.₂₀₁₄, 65, ₉-₂₂ ₂₃) 文部科学省. 平成 ₂₄ 年度全国体力 運動能力, 運動習慣等調査結果.₂₀₁₃ ₂₄) 内閣府. 平成 ₂₅ 年版食育白書.₂₀₁₃ ₃₄ (350)