ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査の必要性については JICA が 2008 年 1 月に実施した 次世代航空保安システム整備に係るフィージビリティー調査 でも提言がなされており 既存空港の拡張及び効率的運用を含めたジャカルタ首都圏周辺の適切な空港整備に係る長期的な計画を策定する必要性は高い インド

Similar documents
(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

は Blue Print for Air Transportation にて民間航空長期計画を作成 アクションプラン DGCA 5-Year Strategic Plan を作成した上 航空安全に係る総合的な対策の強化を図っており 本事業はこれに寄与するもので

事業事前評価表 国際協力機構社会基盤 平和構築部 運輸交通 情報通信グループ第二チーム 1. 案件名国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 和名国際空港保安能力強化プロジェクト英名 The Project for Security Improvement of International Ai

DDL12Prnt001


事業事前評価表 ( 開発計画調査型技術協力 ) 作成日 :2016 年 7 月 11 日担当部署 : 産業開発 公共政策部民間セクターグループ第二チーム 1. 案件名国名 : エチオピア連邦民主共和国案件名 : ( 和名 ) 産業振興プロジェクト ( 英名 )Industrial Promotion

<4D F736F F D E96914F955D89BF816A836E836D83438CF68BA48CF092CA89FC D E83672E646F63>

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

事業事前評価表 国際協力機構農村開発部農業 農村開発第一グループ第二チーム 1. 案件名国名 : インドネシア共和国案件名 : 和名農業保険実施能力向上プロジェクト英名 The Project of Capacity Development for the Implementation of Agr

2008年6月XX日

(b) マカッサル パレパレ間 1. Trans-Sulawesi Makassar-Parepare( 約 150Km 4 車線以上 ) 3. 協力の必要性 位置付け (1) 現状及び問題点 インドネシア国においては これまで実施してきた開発政策の実施により 国全体としての国民の生活と福祉の質の向

Microsoft Word - 事前評価表 (セット版).doc

架鉄道三路線 ( うち 二路線は軽量 ) の総延長は 50km にとどまっている 首都圏南方については マニラ市ツツバンからカブヤオ市ママティッドまでの区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみである 首都圏北方は 居住エリアが拡大しているものの 十分な公共交通手段が確保されていないた

Microsoft PowerPoint - 06資料06_JIC資料_0419版 [互換モード]

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

112 条においても 自由特区の拡大が謳われている 現在ゲシュム島と本国を結ぶ橋を建設中 (3 年後に完成予定 ) で 島内の港を拡張する計画もあり イランにのみならず 独立国家共同体 ( 以下 CIS) 諸国等への物流経路としても ゲシュム島の経済的重要性は今後益々高まると考えられる ゲシュム島の

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみであり 十分な公共交通手段が確保されていないため 同エリアと周辺に住む住民はバスや自動車等により通勤しているが 道路の混雑により 通勤に大きな支障が出ている 加えて 南北鉄道事業南線 ( 通勤線 ) ( 以下 本事業 という ) の対象区間には

めて整備され 文化大革命期の制度の断絶を経て 1980 年代に復活し 徐々に適用対象が拡大されてきた しかし 農村部は一貫して適用対象から外れ 1980 年代の後半に漸く農村部のみを対象にした養老保険制度が一部の豊かな農村を対象に開始された その後中国政府は農村部の養老保険制度の確立を重視してきた

おける成果としては まず組織運営 ( 交番活動 ) 面としてシフト制による 24 時間勤務 受け持ち区域 体制がつくられ 住民の要望を聞くとともに防犯上のアドバイスなどをする 巡回連絡 が行われるようになり そうした現場レベルでの市民警察活動の拠点として BKPM( 警察 市民パートナーシップ セン

政府説明資料

< 海外事情調査 > フィリピン国機動性向上のための RRTS 開発実行可能性調査を終えて 2006 年 8 月より 2007 年 11 月に至る 1 年 4 ヶ月の間 ( 独 ) 国際協力機構開発調査 フィリピン国機動性向上のための RRTS 開発実行可能性調査 ( 団長 : 岡田靖夫顧問 ) が

事業事前評価表 国際協力機構産業開発 公共政策部法 司法チーム 1. 案件名国名 : ブラジル連邦共和国案件名 : ( 和文 ) 地域警察活動普及プロジェクト ( 英文 )Project on Nationwide Dissemination of Community Policing 2. 事業の

事業事前評価表 1. 案件名国名 : ラオス人民民主共和国案件名 : ルアンパバーン世界遺産の持続可能な管理保全能力向上プロジェクト Project for Capacity Enhancement for Sustainable World Heritage Management and Pres

事業事前評価表 国際協力機構社会基盤 平和構築部運輸交通 情報通信グループ 1. 案件名国名 : バングラデシュ国案件名 : 和名橋梁維持管理プロジェクト 有償勘定技術支援 英名 Bridge Management Capacity Development Project 2. 事業の背景と必要性

事業事前評価表

政府説明資料

事業事前評価表

<4D F736F F D208E968BC68E96914F955D89BF955C D935393B990AE94F58E968BC B A816A2E646F63>

Microsoft Word - MMR事業事前評価表.doc

事業事前評価表

1. 案件名 事業事前評価表 ( 開発計画調査型技術協力 ) 作成日 :2017 年 11 月 29 日 担当部署 : 地球環境部水資源グループ 国名 : ルワンダ 案件名 : キガリ市上水道改善整備マスタープランプロジェクト Project for Water Supply Master Plan

成田空港の民営化

援 GHGインベントリ策定にかかる技術移転等 気候変動対策を推し進めるための包括的な支援を実施した 同プロジェクトの成果として 国家気候変動緩和行動計画 (RAN-GRK) に基づき州気候変動緩和行動計画 (RAD-GRK) の策定が進められるとともに 国家気候変動適応行動計画 (RAN-API)

事業事前評価表 ( 地球規模課題対応国際科学技術協力 SATREPS) 国際協力機構農村開発部農業 農村開発第一グループ第二チーム 1. 案件名国名 : インドネシア共和国案件名 : 和名 ( 科学技術 ) 食料安全保障を目指した気候変動対応策としての農業保険における損害評価手法の構築と社会実装英名

政府説明資料

ログラムの審査に産業界からも参画を得ることで 大学がエンジニア予備軍である学部学生に対し社会のニーズに即した教育を実践できるよう 促進する役割を果たしている かかる状況の下 エンジニアの量的拡大が質を伴う形で実現されるよう インドネシア政府は我が国に対し LAM-PS としての インドネシアエンジニ

無償資金協力 案件概要書 2017 年 8 月 29 日 1. 基本情報 (1) 国名 : カンボジア王国 (2) プロジェクトサイト / 対象地域名 : シハヌークビル特別市 プノンペン (3) 案件名 : 港湾近代化のための電子情報処理システム整備計画 (The Project for Port

事業事前評価表_新様式

<4D F736F F D208E968BC68E96914F955D89BF955C E8ED88ABC F288DC58F4994C5816A2E646F63>

事業事前評価表

事業事前評価表

0528事業事前評価表(円借款+附帯技プロ)final.doc

特集 堀琢磨 indd

報告事項 5 第 3 委員会報告資料 国による福岡空港におけるヘリ機能の移設及び 混雑空港 指定について 平成 27 年 9 月経済観光文化局

4-(1)-ウ①

を余儀なくされている発表されている このような状況下 当国 NGO カサ アリアンサは 1988 年の設立以来 メキシコ市において路上生活を営む子供の保護 心身のケア 家族との再会支援 社会的自立に向けた教育支援に取り組んできた JICA は 2000 年 12 月から 3 年間 カサ アリアンサを

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

<4D F736F F F696E74202D A F95BD90AC E31308C8E8AFA5F8C888E5A90E096BE89EF81408DC58F4994C530362E70707

政府説明資料

244650/07 酒井正子

西アフリカ 3億人ビジネス市場マップ ―2035年5億人市場に向けて―

類似業務対象国 / 類似地域語学の種類 各種評価調査インドネシア / 全途上国英語 5. 条件等 (1) 参加資格のない社等 : なし (2) 必要予防接種 : なし 6. 業務の背景インドネシア政府は 食料安全保障や農家の所得向上を政策上の優先課題の一つとして位置付けており 2013 年 7 月に

政府説明資料

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

untitled

Microsoft PowerPoint - 【資料2-4-1】大阪港0927.pptx

プロジェクト ( 年 ) 独 (KfW): 西ナイル地区に特化した配電網の拡充 小水力の開発 ( 年 ) 3. 事業概要 (1) 事業の目的ウガンダにおける産業活性化が期待できる地方において 長距離配電線 (33kV 配電線 ) の資機材の調達 据付を行うことによ

第 3 章事業事前評価表 ( 技術協力プロジェクト ) 1. 案件名ブルキナファソ国学校運営委員会支援プロジェクト 2. 協力概要 (1) プロジェクト目標とアウトプットを中心とした概要の記述本プロジェクトは ブルキナファソ国内 2 州 ( 中央プラトー州 東部中央州 ) において 州 県 CEB

護ディプロマ課程を 3 年制看護ディプロマ課程に変更したのに加え ディプロマ課程看護師の現任研修により学士が取得できる 2 年制ポスト ベーシック課程とは別に大学教育として看護学士課程制度 (4 年制 ) を導入することを定めた 学術的に高度な 4 年制看護学士課程の卒業生は輩出されたばかりであるが

事業事前評価表

事業事前評価表 1. 案件名 ( 国名 ) 国際協力機構南アジア部南アジア第四課 国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 貧困削減戦略支援無償 ( 教育 ) (Poverty reduction efforts) 2. 事業の背景と必要性 (1) 当該国における初等教育セクターの現状と課題バン

<4D F736F F D E968BC68E96914F955D89BF955C C90BC8C6F8DCF89F1984C816A8DC58F4994C52E646F63>

事業事前評価表_新様式

6. 業務の背景 (1) ヌアクショット市の概況モーリタニア イスラム共和国 ( 以下 モーリタニア ) は 世界で最も貧しい国の一つ ( 貧困率 :42.0% 人間開発指数 2013 年 :187 か国中 161 位 ) であり 2014 年 6 月に再選されたアブデル アジズ大統領の下 開発戦略

1 目次序章第一章航空施策の展開及び国内航空市場の発展第一節 2015 年の政府活動報告における規制改革の注目ポイントについて第二節航空輸送需要のさらなる増大と課題第二章航空事業分野における新規参入と課題第一節 LCCの急速に発展の軌道に乗る背景とその実態第二節高速鉄道の発展に伴う航空事業分野に与え

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

基本的な考え方 羽田空港の機能強化は 首都圏だけでなく日本全体にとって不可欠であり 機能強化の必要性やその実現方策等について 関係自治体の協力も得ながら できる限り多くの方々に知って頂くように努める 基本的な考え方 1 羽田空港の機能強化の必要性やその実現方策等について できる限り多くの方々に知って

(Microsoft Word -


令 (2006 年 5 号 ) では 2025 年までの国家エネルギー政策の数値目標を設定し エネルギー供給量に対する新 再生可能エネルギーの目標値を 17%( うち地熱エネルギーは 5 %) に定めた また 2010 年の Vision 25/25 において 新 再生可能エネルギーの目標値を 25

事業事前評価表_新様式

政府説明資料

政府説明資料

<4D F736F F D208E968BC68E96914F955D89BF955C5F C C888DD994C52E646F63>

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

Microsoft Word _01鉄道料金班最終報告書.docx

国 アメリカ ロシアに次いで世界第 4 位の電力消費国となっている (2014 年 ) 国内の電力供給に関しては 1,114,408GWh の需要に対して供給量は 1,090,851GWh と 2.1% の不足 供給能力もピーク時 153,366MW の需要に対して 148,463MW と 3.2%

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

08 年 月 日 バングラデシュ 地理情報標準策定計画 / GIS 計画 サモア ジェンダー分析 平和構築 国家地理空間情報整備支援プロジェクト詳細計画策定調査 ( 地理情報標準策定計画 / GIS 計画 ) 09 年 月中旬 ~ 現地派遣渡航留意 09/0/9 ~ 09/0/08 09 年 月下旬

仮設建物費 ( 建築分野のみに適用 ) 工事等協力の対象となる地域によって 安全上の配慮から日本人常駐管理者の宿泊施設が JICA もしくは在外公館によって指定される場合には 指定された宿泊施設の中から見積を取り その金額 (JICA 等との間に料金に係る取極めがある場合にはその金額 ) に基づいて

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

第1章 評価の目的と実施方法

大規模災害等に備えたバックアップや通信回線の考慮 庁舎内への保存等の構成について示すこと 1.5. 事業継続 事業者もしくは構成企業 製品製造元等の破綻等により サービスの継続が困難となった場合において それぞれのパターン毎に 具体的な対策を示すこと 事業者の破綻時には第三者へサービスの提供を引き継

図 1 PPP 案件形成フロー 出典 :JICA インドネシア共和国 PPP ハンドブック (2013 年 1 月 ) 廃棄物関連の PPP 事業の現状インドネシアにおいては インフラ改革セクター開発プログラム (Infrastructure Reform Sector Developm

平成 26 年度公共事業事後評価調書 1. 事業説明シート (1) ( 区分 ) 国補 県単 事業名道路事業 [ 国道橋りょう改築事業 ( 国補 )] 事業箇所南巨摩郡身延町波高島 ~ 下山地区名国道 300 号 ( 波高島バイパス ) 事業主体山梨県 (1) 事業着手年度 H12 年度 (2) 事

と衝突して沈没し 147 人が死亡 2014 年 8 月にはパドマ川で約 250 人を乗せたフェリーが荒天のため転覆し 110 人が死亡等の大事故が発生している また 同国は 雨季には大型サイクロンが度々ベンガル湾から来襲し 沿岸部で遭難事故が多発するなど 地理的に自然災害の影響を受けやすい地域であ

<4D F736F F F696E74202D2091E F C5F524E415690AE94F58C7689E65F C835B83932E707074>

評価調査結果要約表

未来投資戦略2018(PFI関連部分抜粋)

空港整備基本計画 ( 中間報告 ) の発表にあたって 山口県及び岩国市では 平成 1 3 年度から 3 年間 米軍岩国基地における民間空 港再開の可能性について調査研究を行い その後 日米合同委員会の下の施設調整 部会において日米協議が開始されたことや岩国基地沖合移設事業の進捗状況などを 踏まえ 平

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

スライド 1

支援 及び 不均衡の是正と安全な社会造りへの支援 の中で重点分野として掲げており また JICA も国別分析ペーパーの協力プログラムにおいて 首都圏の都市基盤整備プログラム や 地方開発 拠点都市圏整備プログラム の中で開発課題として位置づけている 上水道セクターにおいては 日本は下記 3.(9)

(1) 参加資格のない社等 : 本調査の対象である技術協力プロジェクトにおいて専門家業務に携わった法人及び個人は本件への参加を認めない (2) 必要予防接種 : 特になし 6. 業務の背景カンボジアは 1999 年に ASEAN 自由貿易地域 ( 以下 AFTA) に 2004 年に WTO に加盟

政府説明資料

SATREPS 公募説明会資料 2018 年 9 月独立行政法人国際協力機構 (JICA) 社会基盤 平和構築部国際科学技術協力室 1

THE WORLD BANK OPERATIONS MANUAL

Transcription:

事業事前評価表 ( 開発計画調査型技術協力 ) 作成日 : 平成 22 年 8 月 20 日担当部署 : 経済基盤開発部 1. 案件名国名 : インドネシア国案件名 : ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査プロジェクト Project for the Master Plan Study on Multiple-Airport Development for Greater Jakarta Metropolitan Area in the Republic of Indonesia 2. 協力概要 (1) 事業の目的ア. ジャカルタ大都市圏における空港整備マスタープランを策定するイ. 新空港および既存ジャカルタ スカルノハッタ国際空港の整備計画を策定するウ. プロジェクトを通じて先方実施機関の人材育成を図る (2) 調査期間 2010 年 10 月中旬 ~2012 年 3 月下旬 (17 ヶ月 ) (3) 総調査費用 2.4 億円 (4) 協力相手先機関主管官庁及び実施機関 : 運輸省航空総局 ( Directorate General of Civil Aviation(DGCA), Ministry of Transportation) (5) 計画の対象 ( 対象分野 対象規模等 ) 1) 対象分野 : 航空 空港 2) 対象地域 :JABODETABEK 地域 ( 首都圏 = ジャカルタ (Jakarta) 特別州 ボゴール (Bogor) デポック (Depok) タンゲラン (Tangerang) 及びブカシ (Bekasi)) 及び周辺部 3) 技術移転の対象 : 運輸省航空総局 3. 協力の必要性 位置付け (1) 現状及び問題点インドネシア国ジャカルタ スカルノハッタ国際空港 ( 供用開始 1986 年 ) は 同国の主要な国際ゲートウェイであり 国内航空網のハブ空港ともなっている スカルノハッタ空港の年間旅客取扱数は 3,714 万人 (2009 年 ) であり 3,720 万人のシンガポール空港に匹敵し 3,220 万人の成田空港を超えている 現在 スカルノハッタ空港には 2 本の滑走路があるものの 1999 年の航空運送事業参入への規制緩和による新規参入と運賃低下により特に国内線輸送量は激増し ピーク時には 15 分から 30 分の遅延が発生している このような状況の悪化に対応して スカルノハッタ国際空港を運営する国営空港会社であるアンカサプラ II は 2007 年に 新しい平行滑走路と新しいターミナル施設を追加することで 空港の処理能力を増加させる計画を策定した しかしながら この拡張計画では今後 10 年間で 6,000 万人 / 年に増加すると予想されている乗客数に対応することは困難であり 空港処理能力が飽和状態となるため 包括的計画の作成が必要となっている 加えて 同計画において滑走路の拡張等も計画されているが 拡張においては用地取得の問題があるなど実現性を精査する必要がある 新しい首都圏空港の計画や整備に関しては 少なくとも 10 年程度の期間が必要とされる ジャカルタ首都圏の適切な空港整備に関する政策を確立することは インドネシアの航空運輸セクターのみならず インドネシアの経済成長を持続させるために 重要で喫緊の課題である

ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査の必要性については JICA が 2008 年 1 月に実施した 次世代航空保安システム整備に係るフィージビリティー調査 でも提言がなされており 既存空港の拡張及び効率的運用を含めたジャカルタ首都圏周辺の適切な空港整備に係る長期的な計画を策定する必要性は高い インドネシア政府は 当機構の提言に沿った適切な対応をするべきであると認識し ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査の調査をできるだけ早急に着手することを決定し 日本政府に技術支援を要請した (2) 相手国政府国家政策上の位置づけインドネシア政府は国家中期開発計画 (2010-2014) において統合的な輸送施設 設備の建設を謳っており 本調査も同計画の航空分野の計画として含まれているものである インドネシア政府は航空分野の長期計画として Blue Print for Air Transportation 2005-2024 を策定している これら計画の中で問題点として掲げられているのが 民間航空総局による安全監理の強化 航空セキュリティの強化 運輸安全委員会による航空事故調査 再発防止機能の整備 単一航空管制機関の設立 DGCA 空港の空港会社及び地方政府への移管 空港施設の整備 航空保安システム (CNS/ATM) の整備 等である 本プロジェクトは既存空港の空港システム及び空港整備計画を策定するものであり 上記計画を補完するものである (3) 他国機関の関連事業との整合性オーストラリア 国際民間航空機関 (ICAO) EU 等が航空保安にかかる事業を実施しているものの 本プロジェクトと重複する内容ではない (4) 我が国援助政策との関連 JICA 国別事業展開計画上の位置づけ我が国の対インドネシア国別援助計画にある開発課題 経済インフラ開発支援 の協力プログラム 運輸 交通 通信インフラ開発支援 に寄与するものである JICA インドネシア国別援助実施方針 (2009 年 4 月 ) における開発課題 経済インフラ開発支援 の協力プログラム 運輸交通インフラ開発支援 に合致する 4. 協力の枠組み (1) 調査項目フェーズ Ia: ジャカルタ大都市圏の空港整備に係る課題分析 1. 現状の把握 1.1 社会経済の状況 1.2 航空需要の状況 1.3 関係機関 ( 政府 航空会社 空港管理者等 ) 1.4 空港整備に係る政策 1.5 スカルノハッタ国際空港の現状 1.6 空域利用 1.7 スカルノハッタ国際空港へのアクセス 1.8 ジャカルタ大都市圏における空港整備に係る既存の調査 1.9 ジャカルタ大都市圏における道路及び鉄道整備計画 1.10 ジャカルタ大都市圏における土地利用及び空間計画 1.11 環境社会配慮に係る法制度 2. 航空需要予測及び所要施設規模 2.1 将来の経済社会フレームの設定 2.2 旅客 貨物及び航空機離着陸回数の予測 2.3 空港アクセス交通量の予測

2.4 ピーク時予測 2.5 主要な空港施設の所要規模の算定 3. ジャカルタ スカルノハッタ空港の需要 容量分析 4. 既存ジャカルタ スカルノハッタ空港の環境社会分析 5. ジャカルタ スカルノハッタ空港の既存マスタープランの評価 6. その他の既存空港の評価 7. ジャカルタ大都市圏の空港の空港整備に係る課題の整理フェーズ Ib: ジャカルタ大都市圏の空港システム計画の策定 ( 目標年次 2030 年まで ) 8. 諸外国の複数空港システムに係る事例調査 9. ジャカルタ大都市圏における空港システム整備戦略の検討 10. 新空港候補地の検討 10.1 新空港の基本的要件 10.2 新空港候補地の机上検討 ( 障害物の検討を含む ) 10.3 自然条件の検討 ( 土質及び地形条件を含む ) 10.4 空域の検討 10.5 現地踏査 10.6 空港アクセスの検討 ( 既存空港との連絡を含む ) 10.7 新空港候補地に係るコスト分析 11. ジャカルタ大都市圏の空港システム計画の策定 11.1 空港システム代替案の検討 11.2 空港システム代替案に係る経済分析 11.3 空港システム代替案に係る戦略的環境アセスメント (SEA) 11.4 最適な空港システム計画の選定 12. ジャカルタ大都市圏の空港システム計画に係る結論フェーズ II: 新空港及び既存ジャカルタ スカルノハッタ空港の整備計画の策定 13. 新空港の整備計画の策定 13.1 段階的整備の検討 13.2 施設整備計画の策定及び概算事業費の積算 13.3 障害物管理計画 13.4 用地取得計画 13.5 空港周辺地区の土地利用計画 13.6 空域計画 13.7 新空港の運営計画 13.8 第一期整備の実施計画 13.9 財務分析及び資金計画 ( 官民連携 (PPP) による実施の検討を含む ) 13.10 環境社会配慮の検討 ( 初期環境評価 (IEE) レベルの分析を含む ) 14. ジャカルタ スカルノハッタ空港の整備計画の策定 14.1 段階的整備の検討 14.2 施設整備計画の策定及び概算事業費の積算 14.3 障害物管理計画

14.4 用地取得計画 14.5 空域計画 14.6 次期大規模整備の実施計画 14.7 財務分析及び資金計画 ( 官民連携 (PPP) による実施の検討を含む ) 14.8 環境社会配慮の検討 ( 初期環境評価 (IEE) レベルの分析を含む ) 15. 新空港及びジャカルタ スカルノハッタ空港の整備のための関係各機関のアクションプラン 16. 結論及び提言 (2) アウトプット ( 成果 ) ジャカルタ大都市圏の空港システム計画の策定 新空港及び既存ジャカルタ スカルノハッタ空港の整備計画の策定 航空政策に係る運輸省航空総局の計画策定能力の向上 (3) インプット ( 投入 ): 以下の投入による調査の実施 (a) コンサルタント ( 分野 / 人数 ) 以下の分野で各 1 名程度を予定 総括 / 空港政策 副総括 / 空港計画 航空需要予測 空港アクセス交通需要予測 空域計画 空港土木施設計画 空港ターミナル施設計画 航空保安システム計画 空港アクセス交通施設計画 空港周辺整備計画 空港経営計画 / 経済 財務分析 環境配慮分析 社会配慮分析 業務調整 / 空港計画補助 (b) その他研修員受入れ 5. 協力終了後に達成が期待される目標 (1) 提案計画の活用目標本プロジェクトで策定されたジャカルタ首都圏における空港整備 M/P に基づく空港整備の調査及び事業が インドネシア政府により実施される (2) 活用による達成目標空港整備によりジャカルタ首都圏の航空需要が満たされる 6. 外部要因

(1) 協力相手国内の事情 イ 国航空政策が変わらない 新空港候補地にかかるインドネシア側承認が得られる (2) 関連プロジェクトの遅れなし 7. 貧困 ジェンダー 環境等への配慮 ( 注 ) マスタープランに含まれる既存空港の拡張や新空港の建設により 環境への負の影響や住民移転が発生する可能性があることから 戦略的環境アセスメント及び IEE において 環境社会配慮にかかる代替案を検討し 想定される環境社会への望ましくない影響の回避 緩和を図る 8. 過去の類似案件からの教訓の活用 ( 注 ) 本セクターにおける過去の JICA 調査報告書は運輸省航空総局における基本的な文書として活用されている 本調査も有効活用され 事業化につながることを目指す 9. 今後の評価計画 (1) 事後評価に用いる指標 (a) 活用の進捗度インドネシア国政府が本プロジェクトにより策定された計画をどの程度実施したか (b) 活用による達成目標の指標 調査で策定する既存空港及び新空港整備にかかるアクションプランの実施数 ジャカルタ首都圏空港に離発着する航空便数の増加 ジャカルタ首都圏空港における旅客数及び貨物取扱量の増加 (2) 上記 (a) および (b) を評価する方法および時期 フォローアップ調査によるモニタリング 必要に応じ 調査終了後 5 年目以降に事後評価を実施 ( 注 ) 調査にあたっての配慮事項