信金経済概況速報 indd

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諏訪地方の

平成10年7月8日

1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

富山県金融経済クォータリー(2018年秋)

信金経済概況速報 indd

( 平成 31 年 1 月判断 ) 平成 31 年 1 月 財務省北陸財務局 富山財務事務所 富山市丸の内 1 丁目 5 番 13 号 ( 富山丸の内合同庁舎 5 階 ) TEL(076) ( 財務課直通 )

月別の売上でみると 百貨店については 夏物衣料が好調だった 7 月と一部店舗で閉店セールを行った 9 月を除いて前年同月を下回っています 一方 スーパーについては 台風の影響があった 8 月を除いて 前年同月を上回っています 1,2 1-3 平成 28 年百貨店 スーパー販売額合計 ( 北海道 :


管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 平成 27 年 1 月 15 日 < 管内の経済動向 > ~26 年 11 月の経済指標を中心として ~ 全体の動向 : 緩やかな持ち直し傾向にあるものの 一部に弱い動きがみられる 鉱工業生産 : 生産は一進一退で推移している 個人消費 : 持ち直し傾向にある

富山県金融経済クォータリー(2018年夏)

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信金経済概況速報 indd

信金経済概況速報 indd

平成 31 年 1 月 17 日東北経済産業局 管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 ( 平成 30 年 11 月分 ) ~ 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している ~ 鉱工業生産 : 個人消費 : 住宅着工 : 公共投資 : 設備投資 : 持ち直しの動きとなっている足踏み状態とな

I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

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けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

1. 総論 総括判断 都内経済は 回復している 項目前回 ( 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断回復している 回復している ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 1 月判断以降 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している ( 判断の要点 ) 個人消費

関西経済レポート (2019 年 9 月 ) 令和元年 (2019 年 )9 月 30 日 ~ 輸出減少が継続 インバウンド消費はプラスの伸びを維持 ~ 足元の経済情勢と当面の見通し 関西経済は輸出 生産が斑模様であるが 内需が下支えとなり底堅く推移している 企業部門では 輸出は中国経済の減速等によ

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1. 総論 総括判断 県内経済は 緩やかに回復しつつある 項目前回 (3 年 4 月判断 ) 今回 (3 年 7 月判断 ) 前回比較 総括判断緩やかに回復しつつある 緩やかに回復しつつある ( 注 )3 年 7 月判断は 前回 4 月判断以降 足下 (7 月末 ) の状況までを含めた期間で判断して

熊本商工会議所 製本第四四半期(HP・報道機関用)

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社団法人日本生産技能労務協会

個人消費 ( やや良い ) スーパー 百貨店売高 スーパー売高は 全店ベースで前年同期を 年 月期の個人消費関連 は スーパー売高が 全店ベース ( 前年同期比.% 増 ) は 新規出 回り 既存店ベースは 前年同期を下回る 百貨店売高は前年同期を回る 店効果などにより 前年同期を回 りました 品目

(2) 住宅投資 住宅投資は 横ばい圏内で推移している 新設住宅着工戸数の内訳をみると 持家は 増加に転じてきている 貸家 や分譲は 水準を切り下げている (3) 設備投資設備投資は 受注や収益の好調を背景に水準を切り上げている 建設投資の先行指標である建築着工床面積 ( 非居住用 ) は 振れがあ

最近の県内経済情勢は 回復しつつある 前回 (30 年 4 判断 ) 前回比較 今回 (30 年 7 判断 ) 総括判断回復しつつある 回復しつつある 総括判断の要点 個人消費は 百貨店 スーパーで底堅いものとなっており コンビニエンスストアで堅調となっているほか ドラッグストア販売で前年を上回って

12大都市の経済動向

6 月調査 (5 月実績 ) 結果概況 景気判断 DI は現状 見通し共に小幅に下降も 50 を上回る高水準を維持 5 月のスーパーマーケット中核店舗における景気判断 DI 現状判断は前月から-0.3 の 54.8 見通し判断前月から-0.9 の 51.0 となり 共に小幅な下降となったが 引き続き

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新規文書1

H30情報表紙 (H30年度)

管内経済概況判断の推移 ( 平成 年 月現在 ) 発表 月 月 月 月 月 月 月 前月との判断比較 総 括判断 持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している 全 国 景気は 一部に改善の遅れ もみられるが 緩やかな回 復基調が続いている 景気は 緩やかな回復

08飯山(__26.2月).xls

第 70 回経営 経済動向調査 公益社団法人関西経済連合会 大阪商工会議所 < 目次 > 1. 国内景気 2 2. 自社業況総合判断 3 3. 自社業況個別判断 4 4. 現在の製 商品およびサービスの販売価格について 8 参考 (BSI 値の推移 ) 11 参考 ( 国内景気判断と自社業況判断の推

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

景気見通し調査 ( 平成 25 年 3 月期 ) 調査結果 福井商工会議所 中小企業総合支援センター 調査の概要 当調査は 福井商工会議所管内の小規模事業所の短期的な景気動向を把握するため 毎年 3 月 6 月 9 月 12 月の年 4 回実施している 調査時期 平成 25 年 3 月 13 日 (

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< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに改善 緩やかに改善 ( ) 1 か月 ( 上方修正は 7 か月ぶり ) 生産緩やかな上昇傾向 ( ) 2 か月 個人消費足踏み状態 緩やかな持ち直しの動き ( ) 1 か月 ( 上方修正は 18 か月ぶり ) 設備投

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企業経営動向調査0908

熊本商工会議所 製本第四四半期(HP用)

3003金融経済概観

調査概要 調査期間 : 平成 29 年 11 月 22 日 ( 水 )~ 平成 29 年 12 月 22 日 ( 金 ) ヒアリング対象企業数 :78 社 ( 機関 ) ( 製造業 36 非製造業 32 その他 10/ 大企業 50 中小企業 18 その他 10) < 参考 ( 全国 )> ヒアリン


宮崎労働局 宮崎労働局発表平成 26 年 8 月 29 日解禁 報道関係者各位 雇用失業情勢 ( 平成 26 年 7 月分 ) Press Release 照会先 宮崎労働局職業安定部 部 長 上村有輝 職業安定課長 森山成人 労働市場情報官 多田真理子 ( 代表電話 )0985(38)8823 平

目次 調査結果の概要 1 小企業編 中小企業編 概況 3 概況 15 調査の実施要領 4 調査の実施要領 16 業況判断 5 業況判断 17 売上 1 売上 2 採算 11 利益 21 資金繰り 借入 12 価格 金融関連 22 経営上の問題点 13 雇用 設備 23 設備投資 価格動向 14 経営

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

1. 総論 総括判断 県内経済は 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 項目前回 (29 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 総括判断 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 平成

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

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1. 総論 総括判断 県内経済は 平成 7 月豪雨の影響を受けたものの 全体では緩やかに回復している 項目前回 ( 平成 7 月判断 ) 今回 ( 平成 1 月判断 ) 総括判断 平成 7 月豪雨前は 緩やかに回復していたが 現時点では まずは豪雨による地域への影響全体について十分に把握する必要があ

景気動向調査平成 3 年 1~12 月期実績 平成 31 年 1~3 月期予想 概況 業況 DI は改善 来期は悪化するもプラスを維持する見込み 今期の全業種総合業況判断 DIは 前期比 2.5 ポイント上昇の 9. と改善した 製造業は前期比 1.5 ポイント上昇の 14. 非製造業は同 2.9

2. 個別の動向 1 業況判断業況判断は 製造業 非製造業とも横ばい感が強いなか 悪化とする企業が増えた 製造業は 変化なし とする企業の割合が高い 自動車 半導体関連 スマートフォン関連で 良くなった とする企業がある一方 原燃料価格の高騰等により 悪くなった とする企業の割合が増加した 非製造業

製造業 食料品製造業 畜産食料品製造業

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

資料1

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管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 平成 28 年 8 月 12 日 < 管内の経済動向 > ~28 年 6 月の経済指標を中心として ~ 全体の動向 : 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している 鉱工業生産 : 生産は一進一退となっている 個住 人宅 消着 費 : 個人消費は足踏

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

October vol

東京都の経済情勢報告 平成 31 年 1 月 30 日 財務省関東財務局 東京財務事務所 掲載した経済指標等については速報値を含む

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平成 21 年第 1 回 ( 平成 21 年 2 月 1 日実施 ) 鳥取県企業経営者見通し調査報告 目次ヘ ーシ 御利用にあたって 1 1 業界の景気判断 3 2 自己企業の売上高判断 5 3 自己企業の経常利益判断 7 4 生産数量の判断 9 5 在庫水準の判断 10 6 生産設備の規模判断 1

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

以前 製造業 食料品製造業 畜産食料品製造業

2911金融経済概観

ニュースリリース 中小企業の雇用 賃金に関する調査結果 ( 全国中小企業動向調査 2013 年 月期特別調査 ) 年 4 月 8 日株式会社日本政策金融公庫総合研究所 3 割の企業で正社員は増加 3 社に 1 社で給与水準は上昇 従業員数 2013 年 12 月において

RTE月次レポート企画

12大都市の経済動向

滋賀県内企業動向調査 21 年 1- 月期定例項目結果 1. 自社の業況判断 (1) 自社の業況判断 DI は 四半期連続のプラス水準を維持も は 四半期ぶりにマイナス水準に低下 1. の動向 ( 図 1-1) 今回の調査 (1 年 1- 月期 ) での自社の業況判断 DI は前回 (-9 月期 )

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中小企業の動向

北陸 短観(2019年6月調査)

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以前 製造業 食料品製造業 畜産食料品製造業

北陸 短観(2016年12月調査)

北陸 短観(2019年3月調査)

1. 総論 総括判断 県内経済は 回復しつつある 項目前回 (29 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断緩やかに回復しつつある 回復しつつある ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 29 年 1 月判断以降 3 年 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判

ヒューマンタッチ総研 Monthly Report 平成 28 年 12 月 ヒューマンタッチ総研 Monthly Report 平成 28 年 12 月 ヒューマンタッチ総研レポートでは 建設業に特化して人材関連の様々な情報 最新の雇用関連データを月に 1 回のペー スで発信していきます ご愛読い

(2) 直接的な被害 影響の内容第 図および第 表は 直接的な被害 影響を受けた事業所の具体的な被害 影響の内容を示したものである 全体では 支店 営業店 倉庫 工場等の損壊 が 51.8% で最も多く 商品 仕掛品 原材料等の損壊 が 23.5% となっている 産業分類別で

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平成 29 年 7 月 地域別木質チップ市場価格 ( 平成 29 年 4 月時点 ) 北東北 -2.7~ ~1.7 南東北 -0.8~ ~ ~1.0 変動なし 北関東 1.0~ ~ ~1.8 変化なし 中関東 6.5~ ~2.8

RTE月次レポート企画

平成22年7月30日

第 2 四半期累計として 連結の売上高 営業利益 経常利益 四半期純利益とも 過去最高 上期で初の売上高 1 兆円を達成 4 月 27 日に発表した連結業績予想数値との比較でも それぞれプラス 事業環境に関する認識と確認 ( 物流業界の状況 ) 国内外ともに 景気の回復基調は続き 荷動きは おおむね

令和元年 7 月 22 日 北陸地域の総合経済動向 ~ 一部に弱い動きがみられるものの 改善している ~ 経済概況 令和元年 5 月指標を中心として 鉱工業生産指数は 高水準で推移しているものの 一部に弱い動きがみられる 個人消費は 持ち直している 設備投資は 高水準で横ばいとなっている 住宅投資は

道南金融経済概況2018年7月(2018年7月2日公表分)

全産業 14,112 人 3.2% 2 か月連続の増加おもな産業厚生労働省群馬労働局 平成 30 年 9 月 28 日 職業安定部職業安定課労働市場情報官 電話 ( 内線 ) 310 有効求人倍率 ( 季節調整値 ) 1.79 倍 全国 10 位 / 全国 1.63 倍 前

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Transcription:

諏訪地方の 経済概況 速報 2018.10 2018 年 9 月末調査 /2018 年 10 月 31 日発行 SUWA AREA ECONOMIC OVERVIEW 1

諏訪地方の概況 9 月は 米国の鉄鋼追加関税発動から半年が経過したが 米中双方は第 3 弾の関税を発動し 貿易摩擦はさらに激化した 両国は互いの輸入の5~7 割に高関税を課すことになり 日本メーカーには 米国向け製品の生産を中国から他国へ移管する動きも出ている 諏訪地方の製造業企業には足元で直接的な影響は少なく 総体的には堅調な受注状況が続いているが 一部で一服感も見られ 先行きの不透明感が強まっている 国内では 二度の大型台風の到来と北海道胆振東部地震の発生が 各地に被害を与えた 北海道では大規模停電でインフラ機能が停止し 現地に拠点がある県内企業にも影響があった 月末の台風 24 号は 岳麓方面を中心とした諏訪地方への影響が大きく 土石流や河川氾濫 広域停電が発生した 農作物や生産施設をはじめ 商業 観光施設の客足に影響をおよぼした ( 諏訪信用金庫の取引先約 130 社へのヒアリング調査による取りまとめ ) 実 数 前年同期比 有効求人倍率 8 月 ( 諏訪公共職業安定所管内 ) 1.85 倍 0.20 ポイント 手形交換高 9 月 ( 諏訪手形交換所扱 ) 枚 数 3,549 枚 194 枚 金 額 4,910 百万円 516 百万円 うち不渡り発生状況 枚 数 0 枚 0 枚 金 額 0 千円 0 千円 車庫証明取扱件数 9 月 ( 諏訪地方合計 ) 995 件 0.1 % 新設住宅着工戸数 平成 30 年 4~8 月 ( 諏訪管内 ) 450 戸 2.4 % 新設住宅着工件数の推移 ( 諏訪地方合計 ) 件 160 140 120 H29.10~30.8 100 80 60 H28.10~29.9 40 20 0 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 製造業 堅調な受注の一部に陰り 全国的な景況は 足元では高水準だが 先行きは米中貿易摩擦や原油高などで慎重な見方が多い 日本工作機械工業会の発表では 8 月の中国向け工作機械受注額が6ヶ月連続の前年割れで 外需も21ヶ月ぶりのマイナスに転じ 陰りが見られる 自動車業界では 貿易摩擦の影響でメーカーによって 中国への輸出に明暗が分かれている また 急速に技術革新が進む自動運転の分野で 自動車産業とIT 産業が歩み寄る合従連衡が相次ぐ中で 自動車のデータ不正問題が続いている こうした中 諏訪地方では 省力化機械関連などで高水準の受注が続く一方で 一時の勢いが減速してきた分野もある また 消耗品 材料 ガソリンの値上がりによる収益面への影響も懸念されている 9 月は 台風による停電で工場の操業が停止し 機械設備の故障は免れたものの 納期対応に追われた企業もあった 1

金属製品 プレス メッキ 熱処理など 一般機械工作機械 専用機械 省力機械 検査機械など 電気機械家電 パソコン 情報機器 電子デバイス 半導体関連など 輸送用機械自動車関連 ピストンリング 船外機 航空機部品など 精密機械時計 カメラ 光学機器 計量器 医療機器など 製造業全般 自動車関連を中心に 総体的に受注は堅調に推移している 海外向けエアコン関連も好調 ただ 中国向けの半導体関連は 米中の貿易摩擦の影響などで やや動きが鈍くなっている 材料や燃料の高騰を懸念する企業が増え 仕事量はあるものの 単価が安く 材料価格も上昇しているため利益に反映されない という声もある 設備投資に伴い 幅広い分野からの需要がある省力化機械関連や自動車関連の受注が旺盛な一方 半導体関連などで減少が見られ 機械部品によって差が出ている 先行きの受注減予想もあるが 今までが良すぎで これで普通になるという見方もあり 急激な落ち込みにはなっていない 海外で廉価な需要がある検査機関連の受注は安定している ロボット関連は 部品が品薄で生産に影響している企業があり 部材不足による納期遅延 設計変更も続いている 総体的に受注は落ち着いているが 米中の貿易摩擦の影響で 中国向けの受注は厳しくなっている ただ 通信基地局用セラミック部品は中国の 5G への移行や 4G の在庫調整終了で 今後増加する見込み 半導体関連は車載系で受注が多い プリンターの受注も安定している 原油高が懸案で このまま続くと収益に影響が出る企業もある 自動車部品関連は メーカーや車種によって受注状況が異なるが 総体的には安定している 中国向けの VW エンジン部品は依然好調に推移し E パワーミッションの部品加工の受注も増加している ただ 各社の新モデルは 当初は好調だったが 息切れのケースが出てきているという見方もある 減速機は中国の産業機械向け 国内の省力化機械向けで好調が続くが スマホ向けは売れ行きが減速している 船外機の受注は旺盛で 先行き増産となる機種もある 昨年ほどの勢いはないものの 総体的に安定推移している 自動車関連の角度センサーやコネクタは好調な受注状況が続き 安全運転のためのレーダーやセンサー類の需要もある 設備投資の増加に伴い レーザー加工機などに向けたスキャンレンズの増加が期待されている デジタル一眼レフカメラの需要はもうしばらく好調が続く見込み 計量器は産業機械向け 医療器向けで好調な受注が続いている 漬物製造は テレビでキムチの特集があり 急激に販売数が伸びた 漬物野菜で台風の影響はないが 北海道地震の影響で 流通に一部支障があった 味噌は 気温が下がり需要期に入った 即席みそ汁やはるさめスープなどの加工食品も堅調に推移しているが 物流コスト増につながる原油高が懸念されている ニットは秋冬物はクリスマスまでがピークとなるが 現状での動きは鈍い 最近の受注傾向は季節の直前になるまで分からない状況となっている 商業 天候が客足に影響 9 月は 降水量が平年の1.9 倍となった天候や台風が 客足に大きく影響した 長野地方気象台の観測史上最も強い風速を記録した原村では 倒木による店舗破損の被害があった 三連休が雨の日が多かったため 飲食店などでは来店客数が減少し 団体の予約キャンセルもあった 一方 屋根つき駐車場がある施設や天候の影響を受けにくい店舗では 8 月までの猛暑で企業や法事の予約が少なかった分 9 月の予約が増加した 地元客だけでなく 県外からの旅行客や出張客が多く来店した 閉店や改修があった大型店の商圏では天候にかかわらず 受け皿となった既存店の来客数や売上が大幅に伸びた ガソリン価格は上昇が続き 高止まりした 2

大型店食料品家電自動車飲食店書店コンビニ靴店ガソリンスタンド野菜直売所 周辺状況によって来店客数の格差が顕著だった 台風の影響を受けなかった仕入れ先からの青果類の価格や品質は安定している 台風の影響で 葉物野菜の価格が通常の 1.5 倍程度に上昇した 牛肉の仕入れは高値安定が続いている 暑さが落ち着き エアコンの売れ行きは鈍化した 諏訪地方の 9 月の車庫証明件数は 995 件で 前年同月比 1 件 0.10% 増加した 西日本豪雨災害で工場が停止し 全国的に在庫が不足した 2 度の三連休は 天候の影響で来店客が減少した店舗と 観光客を取り込んで増加した店舗の格差がある 前月に続き コミックの売上が好調 DVD も好調で 安室奈美恵 サザンオールスターズが好調を維持している 10 月からのたばこ税値上げを前に まとめ買いが目立った 気温が涼しくなったことで 行楽シーズンに合った秋物ウォーキングシューズの売れ行きが伸びた 県内のガソリン価格は 3 年 10 ヶ月ぶりの高値で 仕入れ値から販売価格の反映が追いつかず 利益を圧迫している 前年に不作だったキノコ類が今年は豊作で 買い取りの持ち込みや地元からの来店客が多く訪れている 車庫証明件数の推移 件 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 H28.10~29.9 H29.10~30.9 400 200 0 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 観光 サービス業 台風でキャンセル相次ぐ 9 月の諏訪地方の天候は 月平均気温は平年並みだったが 秋雨前線や台風の影響で曇りや雨の日が多く 月降水量は平年よりかなり多かった 前月より気温が下がったことで 夏場に暑すぎて帰った別荘客が 温泉や紅葉目当てに再来訪する動きが見られた しかし 8 月の猛暑から一転して 週末に雨模様となった上 月末の台風 24 号が各地に大きな被害をおよぼし 2 回の三連休の効果が薄れた 台風は ゴルフ場へ土石流が流入するなどの直接被害をはじめ 倒木による停電で温泉を引くポンプの未作動や断水 冷蔵庫内の食料品ロスが起き 多くの予約キャンセルがあった このため 自家発電機を導入する動きも出ている 3

上諏訪温泉 下諏訪温泉 蓼科 白樺湖 車山等 諏訪大社 個人から団体まですべての構成人員が前年を上回った 東京 関東 東海方面が前年を上回り 堅調に推移した インバウンドも前年同月を上回った 新作花火大会や 2 回の三連休などが増加要因 一方 月末の台風 24 号は上諏訪温泉で約 500 人のキャンセルがあり影響が大きかった 個人予約は堅調に推移しているものの 2 度の台風でキャンセルが見られた 映画のロケ地巡りツアーやネット TV のロケスタッフの宿泊 はとバスツアーなど増加要因もあったが 台風の影響が大きかった 標高が高い施設は濃霧が発生し 屋外施設の入り込みに影響した また 落葉が激しく 例年見られる色彩景観も懸念されている 上社 下社合わせた 9 月の参拝者数は約 6 万 3 千人 前年同月比では約 6 千人増加 (9.9%) した 建設業 公共工事発注件数 累計で前年比減少 9 月の市町村からの受注工事は合計 92 件 827 百万円となった 前年同月に比べ 件数は6 件減少し 契約金額は93 百万円増加した 国県関係の平成 30 年 4 月 ~9 月の累計公共工事 ( 地元業者受注分 ) は 前年度累計より件数 契約金額とも減少している 民間工事は 諏訪地方の8 月の新設住宅着工戸数が120 戸で 前年同月比 20 戸増加 (20.0%) した 4 月からの累計では450 戸で 前年より11 戸 2.4% 減少している 公共工事 民間工事 9 月に地元業者が受注した国県関係の公共工事は 諏訪建設事務所 25 件 諏訪地域振興局農地整備課 3 件 同林務課 1 件の 29 件で 契約金額は 1,112 百万円だった 平成 30 年 4 月 ~9 月の累計は 73 件 2,828 百万円で 前年同期の累計比で件数は 11 件減少し 契約金額は 594 百万円減少 ( 17.4%) した 市町村からの 9 月の受注工事は 建築工事 2 件 3 百万円 土木工事および下水道工事 67 件 661 百万円 その他工事 23 件 163 百万円となった 諏訪地方の 8 月の新設住宅着工戸数は 前年同月比の利用関係別で 持家 は 7 戸減少の 61 戸 貸家 は 25 戸増加の 53 戸 分譲 は 4 戸増加の 6 戸 給与 は 2 戸減少の 0 戸だった 長野県内の 8 月の新設住宅着工戸数は 1,554 戸で前年同月比 53.3% 増加した 前年同月比の利用関係別では 持家 が 2 ヶ月連続の増加 貸家 と 分譲 は 2 ヶ月ぶりに増加した 公共工事の推移 ( 市町村合計件数調査 測量 設計など業務委託は除く ) 件 120 100 H28.10~29.9 80 60 H29.10~30.9 40 20 0 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 4

雇用 有効求人倍率初の 1.8 倍台 諏訪地方の8 月の有効求人倍率は 前年同月を0.20ポイント上回り 前月を0.14ポイント上回る1.85 倍となった 61ヶ月ぶりに前年同月を下回った前月から一転 平成 20 年 4 月以降 初の1.8 倍台となった 今年は 8ヶ月連続 1.6 倍台以上の高水準が続いている 長野県平均は 前月を0.02ポイント上回る1.72 倍で 14ヶ月連続で1.6 倍台以上となり 50ヶ月連続で全国平均を上回っている 全国平均は前月と同じ1.63 倍 完全失業率は前月比 0.01ポイント低下の2.4% となった 諏訪地方の新規求人数 ( 全数 ) は1,925 人で 前年同月比 357 人増加 (22.8%) した 要因別では 継続する人員不足 業務量増大 欠員補充 創業 新分野展開 の順 業種別の前年同月比の新規求人数は 生活関連サービス 娯楽業 建設業 が増加し 飲食店 宿泊業 が減少した 新規求職者数は662 人で 前年同月比 100 人減少 ( 13.1%) した 1 件 10 人以上の人員整理は0 件だった 事業主都合による雇用保険資格喪失者は 24 人で 前年同月より32 人減少 前月より15 人減少した 有効求人倍率の推移 倍 1.8 1.6 1.4 H29.10~30.8 H28.10~29.9 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 企業のひとこと 海外でのエアコンの潜在需要はかなりある 生活水準が低い国は 自動車よりエアコンの需要が高い地域もある ( 金属製品加工業 ) 西日本豪雨や北海道胆振東部地震の復興に伴い 受注が増加してきた ( 電気機械製造業 ) 取引先によっては 一時の強気の姿勢が薄れてきている感がある ( 輸送用機械製造業 ) 米国の自動車関税が引き上げられると 輸送費や部品の値上げも考えられ 今後の交渉が心配 ( 輸送用機械製造業 ) 店舗の災害対策の必要性を感じた ( 小売業 ) 自動車の検査データ不正問題が報道されたが 顧客からの問い合わせはほとんどなく 逆風は感じない 過去に何度も同様な報道があり 顧客側が慣れてきている印象 ( 自動車販売業 ) 県の上期目標消化で発注は増えたが 落札しても人手不足で辞退する企業がある ( 建設業 ) 増加する空き家の対策や遊休不動産の動きは鈍い ( 建設業 ) バイクのツーリング客は1 人 1 部屋希望で 昔のように夜遅くまで飲んで騒ぐ姿が見られなくなった ( 観光業 ) 地震や台風の影響で 北海道 広島 神戸方面への旅行が敬遠され始めている ( 観光業 ) 5

長野県の金融経済動向 (2018 年 10 月 1 日 ) 日本銀行松本支店 2018 年の公表日の前営業日時点で利用可能であった情報をもとに取りまとめ 長野県経済は 緩やかに拡大している 最終需要の動向をみると 設備投資は増加している また 住宅投資は横ばい圏内で推移し 個人消費は底堅く推移している 公共投資は弱含んでいる この間 生産は高水準横這い圏内で推移している 雇用 所得は 着実な改善が続いている 企業の景況感は 良好な水準を維持している 生産半導体関連 電子部品等では データセンターや自動車向けの受注の強まりから 生産は高水準横這い圏内で推移している 自動車関連では 国内外の需要動向を受けて 生産は堅調に推移している 機械 同関連部品等では 計器は 建設機械 半導体関連向けなどで生産は高水準横ばい圏内で推移している 工作機械は 自動車や半導体関連の設備投資の増加を受け 生産は高水準横ばい圏内で推移している 成形機は 堅調な海外需要を受け 生産は高水準横ばい圏内で推移している バルブは 国内での設備投資の増加を受け 生産は高水準横ばい圏内で推移している 飲料では 生産は高水準横ばい圏内で推移している 設備投資設備投資は 18 年度は製造業を中心に前年度を上回る計画となっている 輸出は 18 年度は前年度を上回る計画となっている 企業収益は 18 年度は前年度を下回る計画となっている 個人消費県内大型小売店 ( 百貨店 スーパー ) 売上高 ( 当店調べ< 店舗調整前 >) や家電販売額は 底堅く推移している 新車登録台数は 持ち直している 公共 住宅投資公共投資は弱含んでいる 住宅投資は横ばい圏内で推移している 雇用 所得雇用 所得は 着実な改善が続いている 有効求人倍率は 上昇傾向にある 雇用者所得 就業者数は 振れを伴いつつも緩やかに上昇している 物価消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) をみると 18/8 月は前年比で1% 台半ばのプラスとなっている 6

長野県岡谷市郷田二丁目 1 番 8 号 TEL 0266-23-4567 FAX 0266-23-8044 http://www.suwashinkin.co.jp/ 7