表紙・はじめに・目次・第1章

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もくじ Ⅰ いじめ問題に関する基本的な考え方 1 1 いじめとは 2 いじめの基本認識 Ⅱ 未然防止 具体的な取組 Ⅲ 早期発見 4 1 きめ細やかな日常の行動観察 2 児童生徒や保護者が相談しやすい環境づくり 3 教職員間や学校と保護者との間の緊密な情報共有 Ⅳ いじめへの対処 5 1 いじめが起

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資料2  ネット上の違法・有害情報に対する総務省の取組【総務省】

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

性別 女性 48% 男性 52% 男性 女性 年齢 29 歳 5% 30 歳以上 16% 20 歳未満 21 歳 1% 1% 22 歳 7% 23 歳 10% 20 歳未満 21 歳 22 歳 23 歳 28 歳 8% 24 歳 14% 24 歳 25 歳 26 歳 27 歳 27 歳 12% 26

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学校ネットパトロールに関する調査研究協力者会議報告書 学校ネットパトロールに関する 取組事例 資料集 教育委員会等向け

はじめに 近年 携帯電話 パソコン スマートフォン等によるインターネットの家庭への普及が急速に進んでいますが これに対して インターネットを利用する個人等のモラルや インターネットを利用する個人等がトラブルに巻き込まれることを防ぐための対策が十分に追いついていないことが指摘されています 児童生徒についても いわゆる学校非公式サイト ( 学校裏サイト ) プロフィールサイト ブログなどに誹謗中傷の書き込み等が行われる ネット上のいじめ や 詐欺等の犯罪の被害等 インターネット上のトラブルに巻き込まれる危険性が増してきており 教育委員会や学校が 警察などの関係機関等と連携して 対策を講ずる必要性が指摘されています このような課題に対応するための方策として フィルタリングの普及啓発 情報モラル教育の推進 インターネット利用に関するモラルや規範意識の向上等を図るための生徒指導の推進等が挙げられますが これらと相まって 有効と考えられる方策として 教育委員会等が 児童生徒が ネット上のいじめ 等に巻き込まれていないか監視を行う 学校ネットパトロール の取組があります これまでの 学校ネットパトロール の取組には 教育委員会が民間企業に委託したり 学校が単独で実施するなど様々な事例があります 急速に進展するインターネット社会において 児童生徒が ネット上のいじめ 等に巻き込まれることを防ぐ対策を迅速に講ずることの重要性にかんがみれば 各教育委員会において 地域の実情に応じて 学校や関係機関等との役割分担等に関する共通の理解を深めつつ 他の取組と相まって 学校ネットパトロール の取組についても 実現可能なねらいや実施方法等を適切に定めて できることを始めることが重要と考えられます 文部科学省では 平成 22 年 10 月から 学校ネットパトロールに関する調査研究協力者会議 を開催し 学校ネットパトロール の実施に資するよう 教育委員会向けに 本冊子をとりまとめました 本冊子の 第 1 章 では 学校ネットパトロール に関する基本的な考え方として その必要性 現状と課題 実施に向けた検討課題 各関係機関の役割等を簡潔に記述し 第 2 章 では 具体的な実践事例を示しています また 資料編 では インターネットに関する基礎知識や インターネット上の悪質な書き込みへの対応方法 関連法規や個別の対応事例 学校ネットパトロール に関する更なる取組事例等をまとめています 各教育委員会等においては 本冊子を活用し 学校ネットパトロール の実施体制づくりを推進したり 教員研修を充実するなど 児童生徒が ネット上のいじめ 等に巻き込まれることを防止するために一層の取組がなされるようお願いいたします 平成 24 年 9 月 文部科学省

学校ネットパトロールに関する調査研究協力者会議 報告書 学校ネットパトロールに関する取組事例 資料集 ( 教育委員会等向け ) 目 次 第 1 章学校ネットパトロールに関する基本的な考え方 第 1 節学校ネットパトロールの現状と必要性 2 第 2 節学校ネットパトロールの実施の在り方 7 第 2 章学校ネットパトロールの実践事例 第 1 節県教育委員会が民間企業に委託して実施している事例 ( 三重県教育委員会 ) 14 第 2 節学校が学校ネットパトロールを実施している事例 ( 横浜市教育委員会 ) 19

< 資料編 > 第 1 章インターネットの基礎知識と最新情報 第 1 節インターネットの構造 30 第 2 節フィルタリングの仕組み 34 第 3 節掲示板やSNS プロフ等における学校ネットパトロール 40 第 4 節コミュニティサイトにおける関係者の取組 44 第 5 節インターネット上の有害情報等を防ぐための規制等 47 第 2 章削除依頼等の対応の基本 第 1 節削除依頼の手順 56 第 2 節警察への相談 74 第 3 節問題のある書き込みをした児童生徒の指導 74 第 4 節事後の経過を見る 75 第 5 節対応事例 77 第 3 章各地の学校ネットパトロールの取組事例 京都府教育委員会 88 山口県教育委員会 94 青森県弘前市教育委員会 100 群馬県伊勢崎市教育委員会 106 山形県新庄市教育委員会 110 茨城県立 A 高等学校 116 巻末資料 学校ネットパトロールに関する調査研究協力者会議について ( 平成 22 年度 ~ 平成 23 年度 ) 122

第 1 章 学校ネットパトロールに関する基本的な考え方

第1章第 1 節学校ネットパトロールの現状と必要性 1. 児童生徒のインターネット上のトラブルに関する現状ここ数年 携帯電話 パソコン スマートフォンなどによる家庭へのインターネットの普及が急速に進んでいます しかし その普及のスピードに対して インターネットを利用する個人等のモラルや インターネットを利用する個人等がトラブルに巻き込まれることを防ぐための対策が十分に追いついていないことが指摘されています 児童生徒に関しても サイトの名称に学校名を使用しているものの当該学校の公式のものではない いわゆる学校非公式サイト ( 学校裏サイト ) ブログ プロフ等( 資料編第 1 章第 3 節参照 ) に 誹謗中傷の書き込みなどが行われる ネット上のいじめ や 詐欺等の犯罪の被害など インターネット上のトラブルに直接巻き込まれる危険性が増してきています 例えば 平成 23 年度青少年のインターネット利用環境実態調査 ( 内閣府 ) では 携帯電話の所有率 ( 自分専用 家族と一緒に使っている携帯電話 ) は 小学生で20.3% 中学生で 47.8% 高校生で95.6% そのうちスマートフォンについては 小学生 0% 中学生 5.4% 高校生 7.2% で その利用開始時期は 小中学生の時が41.5% に達しています 携帯電話を所有している児童生徒のインターネットの利用率は 小学生で75.2% 中学生で95.7% 高校生で99.4% となっており 携帯電話を所有しているほとんどの児童生徒が インターネットを利用しています また 一般的な青少年が利用するコミュニティサイト を対象とした調査 ( 平成 21 年度青少年を取り巻く有害環境対策の推進青少年が利用するコミュニティサイトに関する実態調査 ( 文部科学省 )) では 中傷や暴言など問題のある投稿が全体の26% に上り その中でもいじめに関する投稿は9% 違法 犯罪行為に関する投稿は6% という調査結果がでています さらに コミュニティサイトに起因する犯罪の被害にあった児童生徒 ( 警察庁調査 ) は 平成 20 年には994 件であったものが 平成 21 年には中高生を中心に1,347 件に急増しており 平成 22 年でも1,239 人と高い水準で推移している現状があります なお インターネット上の有害情報を児童生徒が閲覧することを防ぐ方法としてフィルタリング ( 資料編第 1 章第 2 節参照 ) がありますが フィルタリングの利用率は 小学生 76.5% から高校生 49.7% と年齢が上がるごとに低下しています また パソコンによるインターネットの利用については 小学生約 70% 中高校生ともに約 90% と高い割合に上っていますが フィルタリングの利用率は30% 前後で 携帯電話ほど普及はしていません このように 児童生徒のインターネットの利用の拡大につれて インターネット上のトラブルに巻き込まれる可能性が増加しているといえます このような状況から 学校や教育委員会としては 警察などの関係機関と連携して 児童生徒が インターネット上のトラブルに巻き込まれることを防止するための対策 ( 以下 ネット対策 という ) を講ずる必要があります 同じ趣味や関心を持つ参加者が 情報の交換 共有などをするサイト ( 資料編第 1 章 第 4 節参照 )

2. 学校ネットパトロールの必要性第1章第 1 章インターネットの基礎知識と最新情報 フィルタリングは 児童生徒をインターネット上の有害情報から守る一定の効果がありますが その普及は十分であるとはいえず 児童生徒が インターネットで 誹謗中傷が放置されやすい掲示板や出会い系サイト等の有害なサイトを簡単に閲覧できる状況があります また フィルタリングをしていても フィルタリングを通過する有害情報サイトや 閲覧ができるコミュニティサイト等があるため 現在は 出会い系サイトでの被害よりも 出会い系サイトではないコミュニティサイトにおける被害が増加してきています これらのサイトは フィルタリングを設定してもアクセス可能な場合が多く フィルタリングを通過するから安全なサイトであるとは言い切れなくなってきています また サイトや掲示板を運営する企業等が書き込みを監視している場合でも 必ずしも安心できるわけではない状況です このような状況を踏まえ 教育委員会や学校 地域等のそれぞれの立場で インターネット上の有害情報やトラブル等から児童生徒を守る取組がなされることが必要であり 中でも 学校ネットパトロールの実施が効果的であると考えられます 学校ネットパトロールは 学校非公式サイト ブログ プロフ等に 誹謗中傷の書き込みなどが行われ ネット上のいじめ 等が起きていないかチェックし 学校等へ情報の提供を行う取組です 学校ネットパトロールには 積極的にインターネット上で いじめ等のトラブルの早期発見に努めることにより 被害が拡大する前に児童生徒等への指導を行うことができる効果があります また 教育委員会や学校が学校ネットパトロールを実施しているということ自体が 問題のある書き込み等に対する抑止力になるという効果があります なお 学校ネットパトロールには パスワード付きのサイト等 チェックできないサイトが存在するなど 限界もみられます また スマートフォンの普及により 従来の携帯電話専用のサイト以外にパソコンで閲覧できるサイトを含めて より広域な学校ネットパトロールが必要となるなどの新しい課題も生じています そこで 児童生徒がインターネットの特性 ( 写真の流出や不正利用等 ) 等を十分理解する機会として インターネット上に不適切な書き込みをすることの重大性やその悪影響について指導する等 情報モラル教育を推進していく必要があります また インターネット上への不適切な書き込みが 現実の学校生活等における人間関係のひずみ等から生じている場合 インターネット上の不適切な書き込みについて指導するだけでは 問題の十分な解決にはなりません 学校ネットパトロールを実施すると同時に 道徳教育や人権教育など 相互に思いやることのできる心を育てる取組が大切です さらに 書き込みの内容を理解する上で インターネット独自の隠語や抽象語の知識が必要となりますが 実際の学校生活における人間関係を把握していなければ インターネット上の誹謗中傷が明確に発見しづらい状況もあり 学校における児童生徒相互の人間関係の把握などの児童生徒理解も望まれます これらのことから 問題のある書き込み等に対する抑止力とトラブルの早期発見の効果が見込まれる学校ネットパトロールを実施するとともに 他の様々なネット対策や 日常の生徒指導等を並行して進めることが重要です また 学校ネットパトロールの実施の在り方については 学校と地域の実情等に応じて

第1章学校と教育委員会 警察等のネット対策に関わる行政機関 PTA 家庭 地域等の連携の中 に位置づけて検討していく必要があります この点については 第 2 節であらためて説明し ます 3. 学校ネットパトロールの現状文部科学省の調査によると 平成 22 年 12 月時点で約 70% の都道府県 指定都市 約 10% の市町村 ( 指定都市を除く ) が何らかの形で学校ネットパトロールを実施しています また 50% 以上の都道府県 指定都市で 民間企業やNPOに委託して実施しており 約 70% の市町村 ( 指定都市を除く ) で 教育委員会の職員が定期的に実施しています 実施の方法ごとの長所や課題については 以下にまとめたとおりです 学校や教育委員会が他のネット対策に関わる関係機関等と十分に連携せずに学校ネットパトロールを実施している場合などにおいては 実施に伴う多くの負担や 参考となる情報の不足により 十分な機能を継続して果たすことが困難な場合も出てきています また 学校ネットパトロールを実施する必要性を感じている学校や教育委員会であっても 負担の大きさや情報の不足から 実施に向けた検討を十分に行うことができないという声もあります ア民間企業 NPOへの委託民間企業やNPOに学校ネットパトロールの実施を委託し 問題のある書き込み等について定期的に また 緊急性のある場合はその都度 委託者に報告がなされるようにするものです その他 教員や保護者に対する研修会の実施や相談窓口の設置を行っているところもあります 長所 : インターネット上のトラブルのチェックや学校等への報告の質が担保され 教育委員会 学校等の負担が軽減され 誹謗中傷等を発見した際の迅速な対応ができます 課題 : 毎年度 委託費用が発生します イ教育委員会等で学校ネットパトロール専従の人員を配置学校ネットパトロールに従事する者を専従で雇用するなどし 定期的にパトロールを実施するものです 長所 : 教育委員会内に配置するので 迅速な情報共有ができます 課題 : 毎年度 経費がかかります また 専従職員の仕事の範囲 ( チェックのみか 報告書作成等まで行うかなど ) により教育委員会 学校等への負担の大きさが変わります ウボランティア等の外部人材の活用 PTA 大学生 地域住民の協力で 学校ネットパトロール隊等のボランティアを募り

第1章定期的にパトロールを実施するものです 第 1 章インターネットの基礎知識と最新情報 長所 : 地域住民等の協力を得ることにより 地域ぐるみで児童生徒を健全に育成しようとする意識の向上を図ることができます また 費用はあまりかかりません 課題 : ボランティアの負担 ( 時間 費用 ( 携帯電話料金等 )) が大きくなる場合があります また 個人情報等の管理について十分に検討する必要があります エ教育委員会等に通報窓口を設置誹謗中傷等の書き込み等を発見した場合 通報できる窓口を設置して 地域住民等から随時 情報提供を受けるものです 長所 : 経費をかけずに 情報を収集することが可能となります 課題 : 通報を待つという意味で受動的なチェックであるため 意図的に他人にわからないように行ういじめ等を効果的に発見できず 問題が深刻化してからわかる場合が多くなります オ 教育委員会の職員が定期又は随時に学校ネットパトロールを実施教育委員会事務局職員が 定期又は随時に パトロールを行うものです 長所 : 教育委員会内に配置するので 迅速な情報共有が可能となります 課題 : 専従ではないので 職員の負担 ( 時間 携帯電話料金等 ) が大きくなる場合があり 定期的なパトロールが困難となります カ 学校の教職員が定期又は随時に学校ネットパトロールを実施学校の教職員が定期又は随時に パトロールを行うものです 長所 : 自校の児童生徒を中心にパトロールを行うので 問題行動の把握と指導が迅速にできます 課題 : 学校の教職員 ( 主に生徒指導担当者 ) の負担 ( 時間 携帯電話料金等 ) が大きくなる場合があります

第1章

第1章1. 学校ネットパトロールの実施上の検討課題 第 1 章インターネットの基礎知識と最新情報 第 2 節 学校ネットパトロールの実施の在り方 前節 3. にみるとおり 現在 学校や教育委員会が実施している学校ネットパトロールの取組には 方法ごとに長所や課題があります また 学校ネットパトロールの実施の在り方については 学校と地域の実情等に応じて 学校と教育委員会 警察 自治体の青少年担当部局や人権擁護担当部局等のネット対策に関わる関係機関 PTA 家庭 地域住民等が連携して行う域内のネット対策全体の中で検討する必要があります これから学校ネットパトロールの実施や その取組の継続を検討する教育委員会においては これらの実施方法の長所や課題 また 第 2 章の取組事例等を参考にしつつ それぞれが置かれた状況に応じて パトロールのねらいを検討し 実施方法を工夫することにより それぞれのねらいに応じた効果をあげることができると考えられます 学校ネットパトロールの実施等を検討していく上での主な課題として 次のものが考えられます ア. パトロールの実施に必要な資源 ( 人員 経費 資材 ノウハウ 関係機関との協力関係など ) をどのように確保するか イ. ネット対策に関わる域内の学校 教育委員会 警察等の関係機関 家庭 地域住民等の役割分担と連携の在り方をどのようにするか ウ. ア及びイを踏まえて学校ネットパトロールのねらいや実施方法をどのようにするか エ. インターネット上のトラブルを発見した際の関係機関等への情報伝達の経路や範囲をどのようにするか オ. 情報伝達の迅速さをどのように確保するか これらの中で アは様々な制約があり得るところですが これを踏まえて イについて関係機関等の意見を真摯に聞き取るなど 十分な検討の上で ウの学校ネットパトロールのねらいや実施方法等を適切に定めることができるものと考えられます 次項では ネット対策に関わる関係機関等の役割について説明します 2. ネット対策に関わる関係機関等の役割 ネット上のいじめ 等の課題に対応していくことが 学校だけで対応できることは限られており 今後は 学校や教育委員会が 警察などの関係機関と連携して 学校ネットパトロールなどのネット対策を講ずる必要性が高くなると考えられます また 学校ネットパトロールの実施にあたっては 学校や教育委員会が単独で実施するのではなく 関係機関と連携を図りながら実施することが重要です 例えば 誹謗中傷等の書き込みが犯罪や人権侵害に関わるような事案については 警察や自治体の人権擁護担当部局等 他の関係機関との連携を図ることが必要です

第1さらに 児童生徒を ネット上のいじめ 等のインターネット上のトラブルから守り 情報モラルを身に付けさせるためには保護者等の大人を含めた啓発が必要であり そのために章も 教育委員会や警察等の関係機関が連携して学校ネットパトロールを実施することが大切 です ここでは 教育委員会 警察 自治体の人権擁護担当部局や 学校 家庭 地域住民 携帯電話会社がそれぞれ果たすべき役割について説明します ネット対策に関わる関係機関等が相互の役割を理解し 連携を図ることにより さらに対策の効果が上がることが期待できます ア. 教育委員会の役割児童生徒を ネット上のいじめ 等のインターネット上のトラブルから守るために 私立学校担当部局や自治体の人権擁護担当部局 警察等の関係機関等及び学校と連携しながら 域内における総合的なネット対策の検討を進める必要があります そうした連携の中で学校ネットパトロールの主な実施主体となり 得られた情報を学校に提供します 仮に 学校が学校ネットパトロールの主な実施主体となる場合でも 域内のネット対策において 教育委員会が適切な役割を分担する必要があります また インターネット上のトラブルが発生した際の情報の伝達経路及び生徒指導等についてマニュアルを作成することが望まれます ( ただし マニュアルどおりにいかない場合も想定しておくことが必要です ) 同時に 情報モラルに関する教材の作成や教員研修の実施 学校における情報モラル教育や保護者への啓発等を推進することが必要です

第 1 章インターネットの基礎知識と最新情報 第1章なお 保護者へのフィルタリング等に関する啓発については 文部科学省の通知においても 携帯電話等を通じた有害情報の危険性や対応策についての啓発活動を行い 青少年が使用する携帯電話等においてフィルタリングが利用されるよう努めるなどの啓発活動の推進が要請されています イ. 警察 自治体の人権擁護担当部局等の役割学校ネットパトロールの実施に関して 学校や教育委員会と連携できる場合があると考えられるとともに 特に 犯罪や人権侵害に関わるような事案について対応を行います 人権に関わる内容の場合 学校関係については教育委員会の担当部局 その他の場合は知事部局等の人権担当部局が対応することになります また 情報モラルなどインターネットの適切な利用に関する事項について地域住民に対する啓発を行います ウ. 学校の役割児童生徒をインターネット上のトラブルから守るために 学校ネットパトロールで得られた情報を活用し 事案への対応を行います 事案によっては 教育委員会 警察 自治体の人権擁護担当部局等の関係機関等と連携することが必要です 学校としても インターネット上のトラブルが発生した際の情報の伝達経路及び指導等についてマニュアルを作成することが望まれます ( ただし マニュアルどおりにいかない場合も想定しておくことが必要です ) 教育委員会が学校ネットパトロールを実施する場合 得られた情報の提供を受けて指導に活用する一方 学校が日常の児童生徒理解に基づく情報を 個別事案の必要に応じ

第1章10 て学校ネットパトロールに活用できるよう教育委員会に提供することも考えられます 学校が学校ネットパトロールを実施する場合 個別の教員による日常の児童生徒理解を活用できるよう 教員間で情報共有を図ることが必要です また 学校には 情報モラル教育の実施や 教員研修等による情報モラル教育に関する指導力の向上 情報モラルに関する保護者への啓発 PTAや学校評議会 地域住民等との連携などが望まれます エ. PTA 等の役割学校に協力し 児童生徒の情報モラルについて 家庭への啓発に努めること また 自校の課題を解決するために家庭の協力が望まれる点を学校とともに洗い出し 保護者に情報提供する等の啓発活動を行うことが望まれます オ. 家庭の役割法律上 保護者は 自らの教育方針と児童生徒 (18 歳未満 ) の発達段階に応じて 児童生徒のインターネットの利用状況を適切に把握するとともに フィルタリング等の方法により適切に管理し また 児童生徒にインターネットを適切に活用する能力を身に付けさせるよう努めるものとされています ( 資料編第 1 章第 5 節参照 ) 児童生徒に携帯電話等を所持させるか否かは 基本的には各家庭において 保護者等が責任を持って決めるものです 携帯電話を所持させる場合には 学校のきまりや携帯電話会社等が提供する資料等を参考にしながら あらかじめ各家庭で携帯電話等の使用についてのルールを定めることが望まれます また 学校や教育委員会 PTAや携帯電話会社等が実施する啓発講習に参加して新しい情報を取り入れたり 児童生徒の普段の表情や振る舞い等の変化に気を配り 心配なことがあればすぐに学校等に相談したりすることも大切です カ. 地域住民の役割児童生徒を地域で育てるという観点を持ち 児童生徒の健全育成のための取組を進めることが望まれます 例えば 地域住民がボランティアに応じることができる場合 負担のあまりかからない範囲で学校ネットパトロール等に協力することが望まれます キ. 携帯電話会社等の役割児童生徒 (18 歳未満 ) が使用する携帯電話の契約の際に 保護者には児童生徒 (18 歳未満 ) が使用する旨を申し出る義務がありますが 携帯電話会社には 保護者が利用し

1章ない旨を申し出ない限り フィルタリングのサービスを提供する義務があります ( 資料 第 1 章インターネットの基礎知識と最新情報 編第 1 章第 5 節参照 ) その他 インターネットへのアクセスを時間制限するサービスを紹介し 積極的に勧めるようにすることが望まれます また そのようなサービスについて わかりやすく説明するパンフレット等の作成 配布 学校や地域における情報モラル啓発のための講習会やイベントの実施等の取組を推進することが望まれます 学校ネットパトロールを効果的に実施するためには 関係機関等による協議会など 地域として児童生徒をどう守るかを考える場を設ける必要があります そうした場での協議に基づく方針に沿って それぞれの役割を果たしていくことにより 学校ネットパトロールの効果も上がることが期待できます 学校ネットパトロールを実施するためには時間や費用 ( 携帯電話料金等 ) の負担がかかる場合があり 教育委員会の置かれた状況等により実施が困難な場合もありますが 本項に示した関係機関等の役割の中には 費用等の問題なしに実施できる内容も含まれています まずは できることからはじめていくことが大切です 11 第

12 第1章