Keysight Technologies を使用した De-Embedding 2016.4.27 キーサイト テクノロジー計測お客様窓口
ディエンベディングとは冶具やケーブルによる観測信号の劣化を S パラメータデータを利用して計算により補正する TX 冶具ケーブル 被測定物の出力 De-Embedding 冶具 ケーブル等の影響を受けた波形 冶具 ケーブル等の S パラメータデータ TX 被測定物の出力 冶具 ケーブル等の影響のない波形 De-Embedding Page 2
を使用した De-Embedding Transfer Function Model 作成の開始 Channel 設定の 欄で Port を選択し Setup をクリックする 2Port シングルエンド測定の場合に選択 4Port(Channels1 & 3) Channel1,3 を使用した差動もしくはコモンモード測定の場合に選択 4Port(Channel 1) Channel1 で差動プローブを使用した差動もしくはコモンモード測定の場合に選択 Create Transfer Function from Model をクリック De-Embedding Page 3
Model の選択 メニューから Remove Insertion loss of a fixture or cable を選択 左図は Advased 版の表示 Basic 版は下記の 2 つのモデルのみが選択可 Add insertion loss of a fixture or cable Remove Insertion loss of a fixture or cable S パラメータについて高周波用の回路や伝送路などのデバイスに信号を入射した場合 信号が進む経路は 2 つあり 1 つはデバイスの入力で反射される経路 もう 1 つはデバイス内部を伝送して出力される経路となります デバイスに正弦波信号を入射し 正弦波信号の周波数を変化させて周波数ごとの反射信号 伝送信号の大きさを測定したものが S パラメータです 反射信号 伝送信号は入射信号に対する測定信号の比で表します 測定にはネットワーク アナライザを使用します 回路や基板の設計に使用するシミュレータには S パラメータを生成する機能を持つものもあります また デバイスメーカーが自社のデバイスの S パラメータを提供している場合もあります では Touchstone 形式で保存した S パラメータ データを利用することができます 冶具 ケーブル 基板等の伝送路は伝送信号 反射信号の S パラメータ (S11,S21,S12,S22) を格納した拡張子.s2p のファイルを使用します 差動伝送路の場合には 4 ポートのデバイスの S パラメータ (.s4p ファイル ) を使用します De-Embedding Page 4
S パラメータデータの指定 Channel と書かれたブロックをクリック Measurement Circuit タブの S- parameter File 欄に S パラメータデータファイル ( シングルエンドでは.s2p 差動では.s4p) を設定 Simulation Circuit はデフォルトの Ideal Thru のまま 以上が治具等の特性 (S パラメータ ) を理想伝送路 ( ロス 0 長さ 0) に置き換える設定 (= ディエンベディング ) となります De-Embedding Page 5
Transfer Function Model の保存 ファイル名を指定して Save Transfer Function をクリック 保存時にエラーやワーニングが出る場合には S パラメータデータが適切なものでない可能性があります De-Embedding Page 6
Frequency Response の確認 Bandwidth Limit の設定 Frequency Response 画面上の黄色のトレースが が行うゲインの補正量です 補正量が大きい部分ではノイズの増幅も顕著になります Bandwidth Limit を使用して帯域を制限することで信号周波数の帯域を超える周波数成分をカットし 後の波形のノイズを減らすことができます ロスを取り除き周波数応答がフラットになるように が適用するゲイン補正量 高周波でロスが大きい治具やケーブルの周波数応答 De-Embedding Page 7
Step Response の確認 Filter Size の設定 Max Time Span Step Response 画面の波形が両端ともフラットになっている必要があります 波形が両端で収束していない場合には Max Time Span の値を波形の両端ともフラットになるまで増やしてください Normalize Gain: 0Hz でのゲインが 0dB となるようにゲイン補正量をオフセットするものです 通常は不使用で結構です Response Correction: による補正の効きを弱くする設定です 通常は 100% で結構です De-Embedding Page 8
Transfer Function Model の適用 オシロスコープ上で適用 Port Extraction: Differential 差動プローブでの測定 Common Mode 差動プローブによるコモンモード測定 Use Port A->B シングルエンド測定に Port A-B 間の Transfer Function Model を適用 Filter Delay: Remove Filter Delay 通常ディエンベッドの場合はディレイの適用は不要ですのでこれを選択してください Include Trigger Corrected Delay モデル適用後の波形が画面上 0 秒の位置でトリガレベルに設定した電圧を横切るように表示位置が調整されます トリガジッタが問題になる場合に使用してください Include Filter Delay モデルに含まれるディレイが適用されます De-Embed の場合には治具 ケーブル等で発生する遅延が除かれ その分波形が前に ( 画面上で左に ) 移動します De-Embedding Page 9
Transfer Function Model の適用 オシロスコープ上で適用 Filter Delay: Remove Filter Delay 通常ディエンベッドの場合はディレイの適用は不要ですのでこれを選択してください Include Trigger Corrected Delay モデル適用後の波形が画面上 0 秒の位置でトリガレベルに設定した電圧を横切るように表示位置が調整されます トリガジッタが問題になる場合に使用してください Include Filter Delay モデルに含まれるディレイが適用されます De-Embed の場合には治具 ケーブル等で発生する遅延が除かれ その分波形が前に ( 画面上で左に ) 移動します Port Extraction: (4port Channel <n> のみ ) Differential 差動プローブでの測定 Common Mode 差動プローブによるコモンモード測定 Use Port A->B シングルエンド測定に Port A-B 間の Transfer Function Model を適用 De-Embedding Page 10
Transfer Function Model の適用 コンプライアンスアプリケーションから適用 は DDR USB Ethernet をはじめ様々なコンプライアンスアプリケーションでも使用することができます 作成した のモデル (.tf2 差動は.tf4) をコンプライアンスアプリケーションから読み込むことができ コンプライアンステスト内で測定された波形に が適用されます モデルを適用するにはコンプライアンスアプリケーションのメニュー Tools->Infiniium->.. を選択します 表示された画面の Browse をクリックして モデル (.tf2 差動の場合は.tf4) を読み込みます 画面上のパラメータを適宜変更します 表示されている設定項目はオシロスコープの Setup 画面に表示されるものと同じです 使用するチャネルすべてについて上記の設定を行ってください これにより が適用された波形に対してコンプライアンステストが行われます De-Embedding Page 11