アセトアミノフェン

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<4D F736F F D B91CC82CC82DD817A A838B A F959489EF95F18D908F9188C E646F63>

2. 適用の範囲及び使用方法本剤の適用の範囲及び使用方法は以下のとおり 国内での使用方法 3.0% フェンキノトリオン粒剤 作物名適用雑草名使用時期使用量 移植水稲 水田一年生雑草 ( イネ科雑草を除く ) 及びマツハ イホタルイヘラオモタ カミス カ ヤツリウリカワヒルムシロ 移植後 20~30

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ベンゾカイン ( 案 ) 1. 概要 (1) 品目名 : ベンゾカイン (Benzocaine) (2) 用途 : 牛 羊 豚及び馬の局所麻酔剤及び魚介類の鎮静 麻酔剤ベンゾカインはエステル型の局所麻酔薬で 中枢神経系 心臓血管系 神経筋接合部及び神経節シナプスに作用する 作用機序は 神経インパルス

スクラロースの指定の可否について

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(4) 構造式及び物性 分子式 C 28 H 47 NO 4 S 分子量 (5) 適用方法及び用量 チアムリンのの使用対象動物及び使用方法等は以下のとおり 1 国内での使用方法医薬品 対象動物及び使用方法 休薬期間 フマル酸チアムリンを有飼料 1 t 当たり 300 g( 力価 ) 以

(5) 適用方法及び用量 カナマイシンの使用対象動物及び使用方法等を以下に示す 1 国内での使用方法 医薬品対象動物及び使用方法休薬期間 硫酸カナマイシン を有効成分とする 注射剤 硫酸カナマイシン を有効成分とする 鼻腔内投与剤 硫酸カナマイシン 及びベンジルペニ シリンプロカイン を有効成分とす

3. 答申案 別紙のとおり ( 参考 ) これまでの経緯平成 17 年 11 月 29 日残留基準告示平成 27 年 3 月 ~ 平成 27 年 12 月残留農薬等公示分析法検討会で随時検討平成 28 年 5 月 17 日薬事 食品衛生審議会へ諮問平成 28 年 5 月 18 日厚生労働大臣から食品

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(5) 適 用 方 法 及 び 用 量 アセトアミノフェンの 使 用 対 象 動 物 及 び 使 用 方 法 等 を 以 下 に 示 す 対 象 動 物 及 び 使 用 方 法 使 用 国 休 薬 期 間 となっているものについては 今 回 薬 事 法 ( 昭 和 35 年 法 律 第 145 号

<945F96F B3816A2E786264>

資料3  農薬の気中濃度評価値の設定について(案)

資料 2-4 イソプロピルアンチピリン製剤の安全対策について 平成 23 年 6 月 23 日平成 23 年度薬事 食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 ( 第 2 回 ) 1. イソプロピルアンチピリン製剤の安全性に係る調査結果報告書 ( 別紙 ) 1 ページ


資料2 食品衛生法に基づく魚介類への残留基準の設定に対応した水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改定について(農薬小委員会報告)

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ホルペット ( 案 ) 今般の残留基準の検討については 農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請に伴う基準値設定依頼が農林水産省からなされたことに伴い 食品中の農薬等のポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値 ( いわゆる暫定基準 ) の見直しを含め 食品安全委員会において食品健康影響評価がな

資料 2-1

2-3 分析方法と測定条件ソルビン酸 デヒドロ酢酸の分析は 衛生試験法注解 1) 食品中の食品添加物分析法 2) を参考にして行った 分析方法を図 1 測定条件を表 3に示す 混合群試料 表示群試料について 3 併行で分析し その平均値を結果とした 試料 20g 塩化ナトリウム 60g 水 150m

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

資料 7 厚生労働省発薬生 0301 第 79 号平成 31 年 3 月 1 日 薬事 食品衛生審議会会長橋田充殿 厚生労働大臣 根本匠 諮問書 下記の事項について 毒物及び劇物取締法 ( 昭和 25 年法律第 303 号 ) 第 23 条の 2 の規定に基づき 貴会の意見を求めます 記 ヘキサン酸

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

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参考 < これまでの合同会合における検討経緯 > 1 第 1 回合同会合 ( 平成 15 年 1 月 21 日 ) 了承事項 1 平成 14 年末に都道府県及びインターネットを通じて行った調査で情報提供のあった資材のうち 食酢 重曹 及び 天敵 ( 使用される場所の周辺で採取されたもの ) の 3

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都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

. 適用の範囲及び使用方法 本剤の適用の範囲及び使用方法は以下のとおり () 国内での使用方法 0.0% フルキサメタミド乳剤作物名適用希釈倍数使用液量使用時期 本剤の使用回数 使用方法 フルキサメタミト を含む農薬の総使用回数 さといも ハスモンヨトウ かんしょ ナカシ ロシタハ だいこん コナカ

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一について二について参議院議員竹村泰子君提出小麦と小麦粉の安全性に関する質問に対する答弁書(平成九年三月二十一日内閣参質一三九第一号 以下 政府答弁書 という )は 厚生省がん研究助成金による昭和五十六年度の研究報告を踏まえ 食品衛生調査会から臭素酸カリウムはF三四四ラットに発がん性が認められたこと

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表 1-2. コーデックスガイドライン (Codex Guidelines)2018 年 2 月現在 78 ガイドライン コーデックスガイドラインは 食品の安全性 品質 取込み可能性を確実にするために 証拠に基づいて 情報と助言を推奨手順と同時に提供するものである ガイドラインタイトル策定 部会 最

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別添 イソプロパノール の規格基準の改正に関する食品健康影響評価について 1. 経緯厚生労働省では 平成 14 年 7 月の薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会における了承事項に従い 1FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議 (JECFA) で国際的に安全性評価が終了し 一定の範囲内で安全性が確認さ

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資料4-3 木酢液の検討状況について

3. 結果 (1) 検体今回実施した調査で使用した検体の内訳は表 1 及び表 2 のとおりである 表 1. 実施件数 ( 単位 : 件 ) 対象国産 対象国以外産 計 野菜類 果実類 食肉 計 米国 カナダ オーストラリア及びニュー

験 毒物又は劇物の有害性情報の収集 ( 文献調査 ) 等の調査を概ね年 1 回 国立医薬品食品衛生研究所に委託し 実施しています 2 SIDSとは Screening Information Data Set( 初期リスクの評価のためのスクリーニング用データ集 ) の略称 SIDSは OECDのSI

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法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

資料3_OTCset

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別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

準 ( 食品添加物に関するコーデックス一般規格 (GSFA 1 )) に規格は設定されていない 米国では 硫酸亜鉛は一般に安全と認められている物質 (GRAS 物質 ) として 食品全般に対して 適正製造規範 (GMP) の下で必要量を食品に使用することが認められており ビールのほか 乳幼児用の栄養

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3. 定期接種の接種時期について結核の定期接種の対象者については 1 歳に至るまでの間にある者と予防接種法施行令 ( 昭和 23 年政令第 197 号 ) 第 1 条の3に規定されているが 本件に伴い 2に記載した方法を検討してもなお やむを得ず1 歳を超えて接種を行った者に対して定期接種の対象外と

2 上記 1と同等以上の精度を有する分析方法として以下に掲げる方法 (1) 廃止前の平成 8 年 3 月 29 日付け基発第 188 号 建築物の耐火等吹付け材の石綿含有率の判定方法について の別紙の第 3の3の 位相差顕微鏡を使用した分散染色法による分散色の確認 による定性分析の方法 ( 以下 分

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

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(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

別紙 1 販売名 医療機器保険適用希望書 ( 決定区分 A1( 包括 )) 整理番号 : 空欄で提出 薬事法承認又は認証された販売名を記載 製品名 製品コード 製品名 製品コード JAN コードの場合必ず 13 桁 薬事法承認書又は認証書上 薬事法承認書又は認証書上記載 記載された類別を記載 された

スライド 1

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平成 24 年 12 月 20 日 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会長岸玲子殿 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会長大野泰雄 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会報告について 平成 24 年 11 月 20 日付け厚生労働省発食安 1120 第 3 号をもって諮問された 食品衛生法 ( 昭和 22 年法律第 233 号 ) 第 11 条第 1 項の規定に基づくアセトアミノフェンに係る食品規格 ( 食品中の動物用医薬品の残留基準 ) の設定について 当部会で審議を行った結果を別添のとおり取りまとめたので これを報告する

アセトアミノフェン 今般の残留基準の検討については 本剤について動物用医薬品としての製造販売の承認申請がなされたこと及び使用禁止期間の変更について要望書が提出されたことに伴い 薬事法に基づく使用基準の変更について農林水産大臣から意見聴取があったことから 食品安全委員会において食品健康影響評価がなされたことを踏まえ 農薬 動物用医薬品部会において審議を行い 以下の報告を取りまとめるものである 1. 概要 (1) 品目名 : アセトアミノフェン [Acetaminophen] ( 別名 ): パラセタモール [Paracetamol] (2) 用途 : 豚 / 解熱鎮痛薬アセトアミノフェンは非ピリン系の中枢性解熱鎮痛薬である シクロオキシゲナーゼ阻害作用と抗炎症作用を持つが それらの作用は極めて弱く 消化性潰瘍や腎障害などの副作用も少ない 解熱鎮痛を目的に医療用及び一般用医薬品として広く用いられている 動物用医薬品としては 2003 年に EU で豚の細菌性肺炎に伴う発熱に対する解熱鎮痛剤として承認 販売されており 日本でも 2011 年に豚の経口投与剤として承認されている (3) 化学名 : N-(4-hydroxyphenyl)acetamide(IUPAC) 4-hydroxyacetanilide(CAS) (4) 構造式及び物性 分子式 :C 8 H 9 NO 2 分子量 :151.16

(5) 適用方法及び用量アセトアミノフェンの使用対象動物及び使用方法等を以下に示す 対象動物及び使用方法 使用国 休薬期間となっているものについては 今回薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) に基づく製造販売の承認及び使用基準の改正について意見聴取がなされたものを示している 対象動物及び使用方法使用国休薬期間 15mg/kg を 1 日 2 回 1 日間経口投与 飲水添加剤又は飼料添加剤 日本 EU 1 日 0 日 豚 日本 1 日 30mg/kg 体重 /day を 5 日間経口投与 飼料添加剤 EU 1 日 2. 対象動物における残留試験 (1) 分析の概要 1 分析対象化合物 アセトアミノフェン 2 分析法の概要試料からアセトニトリルで抽出し n- ヘキサンを用いて脱脂した後 液体クロマトグラフ 質量分析計 (LC-MS) で定量する 定量限界 0.01μg/g (2) 残留試験結果 1 飲水添加剤 ( 施設 Ⅰ 及び施設 Ⅱ) 豚を用いたアセトアミノフェン ( 常用量 :30mg/kg 体重 /day) の 1 日 2 回 ( 15 mg/kg を 6 時間間隔 ) 経口投与試験が実施された 最終投与後 1 2 及び 3 日後に 4 頭 / 群の豚がと殺され残留濃度を測定した 結果については表 1 を参照 表 1 豚に 1 日 2 回経口投与した際の食用組織中のアセトアミノフェン濃度 ( 単位 :μg/g) 施設区分 投与後日数 頭数 筋肉 脂肪 肝臓 腎臓 小腸 1 4 0.02~0.05 <0.01~0.02 0.02~0.06 0.02~0.05 <0.01~0.03 Ⅰ 2 4 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 3 4 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 1 4 0.03~0.07 <0.01~0.02 0.03~0.19 0.03~0.07 0.02~0.04 Ⅱ 2 4 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 3 4 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01

承認申請に当たり実施された試験 2 飼料添加剤 ( 施設 Ⅲ 及び施設 Ⅳ) 豚を用いたアセトアミノフェン ( 常用量 :30mg/kg 体重 /day) の 5 日間連続 (15 mg/kg を約 7 時間間隔で 1 日 2 回 ) 経口投与試験が実施された 施設 Ⅲ においては 最終投与後 1 2 3 5 及び 7 日後に 施設 Ⅳ においては 最終投与後 1 2 3 及び 5 日後に 4 頭 / 群の豚がと殺され残留濃度を測定した 結果については表 2 を参照 表 2 豚に 5 日間連続経口投与した際の食用組織中のアセトアミノフェン濃度 ( 単位 :μg/g) 施設区分 投与後日数 頭数筋肉脂肪肝臓腎臓小腸 1 4 0.04~0.07 0.01~0.03 0.03~0.10 0.03~0.05 0.02~0.09 2 4 <0.01~0.03 <0.01~0.01 <0.01~0.04 0.01~0.03 <0.01~0.03 Ⅲ 3 4 <0.01 <0.01~0.01 <0.01~0.02 <0.01~0.02 <0.01~0.03 5 4 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 7 4 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 <0.01 1 4 0.03~0.16 <0.01~0.06 0.03~0.25 0.02~0.24 0.01~0.21 Ⅳ 2 3 * <0.01~0.01 <0.01~0.01 0.01~0.04 0.01~0.02 <0.01~0.02 3 3 * <0.01~0.01 <0.01 <0.01~0.02 <0.01~0.02 <0.01 5 3 * <0.01~0.01 <0.01 <0.01~0.03 <0.01~0.01 <0.01 *: 施設 Ⅳ における投与後 2 3 及び 5 日のグループのうち各 1 頭は試験中に本剤添加飼料の残餌が認められたため データから除外した (3) 残留最大許容濃度の上限 薬事法関係事務の取扱について ( 平成 12 年 3 月 31 日付け 12 動薬 A 第 418 号農林水産省動物用医薬品検査所長通知 ) に基づき 直線回帰分析を用いて各残留試験の投与後 1 日目における残留最大許容濃度の上限 ( 片側での 99% 上側許容限界に対する 95% 上側信頼限界 ) を算出した 分析対象の消失が極めて速やかで 直線回帰分析が適用できなかったデータについては投与後 1 日目における残留濃度 ( 対数 ) の平均値に標準偏差の 3 倍を加算した値を算出した 結果については表 3 を参照 表 3 投与後 1 日目における残留最大許容濃度の上限 ( 単位 :μg/g) 施設区分筋肉脂肪肝臓腎臓小腸 Ⅰ 0.117 * 0.034 * 0.139 * 0.117 * 0.073 * Ⅱ 0.133 * 0.034 * 0.693 * 0.132 * 0.073 * Ⅲ 0.103 * 0.098 * 0.3633 0.1772 0.387 Ⅳ 0.528 * 0.232 * 1.876 1.647 * 1.740 * *: 直線回帰分析が適用できなかったため 残留濃度 ( 対数 ) の平均値に標準偏差の 3 倍を加算した値を算出した

3.ADI の評価食品安全基本法 ( 平成 15 年法律第 48 号 ) 第 24 条第 1 項第 1 号の規定に基づき 食品安全委員会あて意見を求めたアセトアミノフェンに係る食品健康影響評価について 以下のとおり示されている 最小毒性量 :30mg/kg 体重 /day ( 動物種 ) ラット ( 投与方法 ) 混餌投与 ( 試験の種類 ) 発がん性試験 ( 期間 ) 104 週間安全係数 :1000 ADI:0.03mg/kg 体重 /day 発がん性試験において F344 系ラットに単核細胞性白血病が認められているが 本病変はこの系統のラットに特異的に高い発生率を示すと考えられるため この試験結果をヒトへ外挿することは適切でないこと及びその他の試験では発がん性は認められていないことから アセトアミノフェンの ADI を設定することは可能であると考えられた アセトアミノフェンは 遺伝子突然変異は起こさないが 高用量では染色体異常を発現させる物質であると考えられる 一方 低用量では解毒代謝等の機構により その遺伝毒性は検出限界以下に抑制されると考えられた 4. 諸外国における状況 FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議 (JECFA) においては評価されておらず 国際基準も設定されていない 米国 カナダ 欧州連合 (EU) オーストラリア及びニュージーランドについて調査した結果 いずれの国及び地域においても基準値が設定されていない なお EU においては基準値設定不要という規制となっている 5. 基準値案 (1) 残留の規制対象アセトアミノフェンとする 動物体内において アセトアミノフェンはグルクロン酸抱合体 硫酸抱合体又はグルタチオン抱合体に代謝され それらは速やかに体内から排出されることから アセトアミノフェンを規制対象物質とすることとした (2) 基準値案別紙 1 のとおりである (3) 暴露評価各食品について基準値案の上限までアセトアミノフェンが残留していると仮定した場合 国民栄養調査結果に基づき試算される 1 日当たり摂取する本剤の量 ( 理論最大 1 日摂取量 (TMDI)) の ADI に対する比は 以下のとおりである 詳細な暴露評価

は別紙 2 参照 注 ) TMDI/ADI(%) 国民平均 1.4 幼小児 (1~6 歳 ) 3.0 妊婦 1.5 高齢者 (65 歳以上 ) 1.4 注 )TMDI 試算は 基準値案 各食品の平均摂取量の総和として計算している

( 別紙 1) アセトアミノフェン 食品名 基準値 ( 案 ) 基準値現行 最大残留許容濃度の上限 ppm ppm ppm 豚の筋肉 0.6 0.01 0.528 豚の脂肪 0.3 0.01 0.232 豚の肝臓 2 0.01 1.876 豚の腎臓 2 0.01 1.647 豚の食用部分 2 0.01 1.740

( 別紙 2) アセトアミノフェンの推定摂取量 ( 単位 :μg/ 人 /day) 幼小児基準値案国民平均食品名 (1~6 歳 ) (ppm) TMDI TMDI 豚の筋肉 0.6 妊婦 TMDI 高齢者 (65 歳以上 ) TMDI 豚の脂肪 0.3 21.5 13.8 24.1 21.5 豚の肝臓 2 0.3 0.1 0.3 0.3 豚の腎臓 2 0.1 0.0 0.1 0.1 豚の食用部分 2 0.8 0.5 0.8 0.8 計 22.7 14.4 25.3 22.7 ADI 比 (%) 1.4 3.0 1.5 1.4 TMDI: 理論最大 1 日摂取量 (Theoretical Maximum Daily Intake) 高齢者及び妊婦については摂取量データの一部がないため 国民平均の摂取量を参考にした *1: 筋肉又は脂肪で高い方の基準値 筋肉及び脂肪の摂取量 *2: 摂取量データがないため 推定摂取量は 0 とした

( 参考 ) 平成 21 年 1 月 30 日 平成 22 年 6 月 3 日 平成 23 年 2 月 16 日 平成 23 年 4 月 28 日 平成 23 年 9 月 8 日平成 24 年 3 月 12 日 平成 24 年 11 月 20 日平成 24 年 11 月 27 日 これまでの経緯 農林水産大臣から製造販売の承認及び使用基準の設定に係る意見の聴取厚生労働大臣から食品安全委員会委員長あてに残留基準設定に係る食品健康影響評価について要請食品安全委員会委員長から厚生労働省大臣あてに食品健康影響評価について通知残留基準告示 農林水産大臣から製造販売の承認及び使用基準の設定に係る意見の聴取厚生労働大臣から食品安全委員会委員長あてに残留基準設定に係る食品健康影響評価について要請食品安全委員会委員長から厚生労働省大臣へ通知農林水産大臣から厚生労働大臣あてに使用基準の変更について意見聴取薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会へ諮問薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会 [ 委員 ] 石井里枝 埼玉県衛生研究所水 食品担当主任研究員 大野泰雄 国立医薬品食品衛生研究所長 尾崎博 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室教授 斉藤貢一 星薬科大学薬品分析化学教室准教授 佐藤清 一般財団法人残留農薬研究所業務執行理事 化学部長 高橋美幸 農業 食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所上席研究員 永山敏廣 東京都健康安全研究センター食品化学部長 廣野育生 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授 松田りえ子 国立医薬品食品衛生研究所食品部長 宮井俊一 一般社団法人日本植物防疫協会技術顧問 山内明子 日本生活協同組合連合会執行役員組織推進本部長 由田克士 大阪市立大学大学院生活科学研究科公衆栄養学教授 吉成浩一 東北大学大学院薬学研究科医療薬学講座薬物動態学分野准教授 鰐渕英機 大阪市立大学大学院医学研究科都市環境病理学教授