第 3 学年理科学習指導案 日 時 平成 2 4 年 1 0 月 2 4 日 ( 水 ) 第 5 校時 場 所 理科室 1 単元名化学変化とイオン 2 単元について ( 1 ) 生徒の実態イオンの学習に入る前に下記のようなアンケートを実施した ( 生徒アンケートについては http://www.nipec.nein.ed.jp/sc/rika/teiken/ を参考に作成 ) アンケートの内容 イオン という言葉を聞いたことはあるか はい : 9 7 % いいえ 3 % イオン という言葉から何を連想するか マイナスイオン 9 7 % 小さな粒子 3 6 % プラスイオン 5 7 % プラスイオン 5 7 % 電気 2 2 % 自然 森林 滝 4 3 % イオン水 イオン飲料 5 5 % 電磁波 1 0 % 電気製品 1 9 % 電気製品の例としてドライヤー 冷蔵庫 プラズマクラスター イオン には どのような働きや性質があるか キレイにする 6 2 % 体に良い心地よい 6 0 % 潤う ( 肌 髪 ) 4 3 % 癒される ( リラックス ) 6 2 % 水と結びつく 3 3 % 温度調整 1 2 % 目に見えない 7 9 % 電気を通す 2 8 % 電子と関係がある 4 1 % 物質に影響を与える 2 0 % 結果から ほとんどの生徒がイオンという言葉は聞いたことがあることがわかった また イオンという言葉から連想する語句として マイナスイオンが最も多く その他イオン水や電気製品に関するものも多かった さらにイオンの働きや性質についての設問でも 日常生活との関わりから答えている生徒が多く テレビ等の C M の影響も少なくないと考えられる その中で 目に見えない と答えている生徒が 8 割弱おり イオンは小さいものという認識を多く持っていることが分かる また モデル化を授業の中で進めていくために 水溶液についても質問した 以下にその結果を示す 次の中で水溶液はどれか 7 4 % 8 8 % 2 2 % 3 % 4 5 % 1 0 % 砂糖水食塩水コーヒー牛乳塩酸蒸留水
水溶液の条件 濃度について あてはまるものはどれか 4 3 % 1 4 % 8 % 1 7 % 1 8 % 水に溶けている 液体 均一 透明 溶けきっている 1 9 % 3 % 7 8 % 下部が濃い 上部が濃い 均一 電流を流す水溶液はあるか ある : 8 4 % ない : 1 6 % あると答えた人次のどれが電流を流すと思いますか 6 7 % 3 1 % 1 2 % 1 6 % 4 9 % 2 8 % 水酸化ナトリウム 食塩水 砂糖水 水 塩化銅 塩酸 水溶液 水溶液 食塩水 の様子を ( 目に見えない構造 ) 説明してください a モデル化 ( 図 イラスト ) で説明した生徒 : 8 1 % a のうち ( 均一の状態で表した生徒 ) : 6 9 % ( 不均一の状態で表した生徒 ) : 1 2 % b その他 : 1 9 % 水溶液はどのようなものかという質問に対しては曖昧な答えが多く 水溶液の条件である 均一 透明 というキーワードが少なく 単に溶けているという認識を持っている生徒が多いことがわかった また 濃度に関しても全体の 2 割が下部が濃いという考えを持っていた 最後に食塩水に食塩が溶けている様子を説明させてみたが 図やイラストを使ってモデル化しながら説明した生徒は 8 割であり 水溶液の濃度の設問と同様の結果となった 全体の傾向として 実験や観察などの体験的な活動を進んで行うが 単に活動が主になってしまい 本時の目標を見失ってしまう傾向が見られる 導入時はもちろん 活動中においても学習目標の確認を行い 見通しを持った学習活動を進める必要がある また 考察を苦手と感じている生徒も少なくなく どのように表したらいいのか分からないという理由を挙げている生徒が見られる このことから 考察の表し方についての支援を進め その過程を繰り返すことで 考察の表現方法についても経験的に学習させていく必要があると考える ( 2 ) 教材観この単元では 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解させ これらの事物 現象をイオンのモデルと関連付けてみる見方や考え方を養うことをねらいとしている 小学校での 水溶液の性質 中学校での 身の回りの物質 電流とその利用 化学変化と原子 分子 での学習を基礎にして 物質概念のまとめを行う 具体的には 水溶液の電気的な性質 電気分解 電池 酸とアルカリの中和反応の観察や実験を通して これらの性質や化学変化を理解させる 学習の系統性小学校第 6 学年 水溶液の性質 中学校第 2 学年 物質の成り立ち 化学変化 化学変化と物質の質量 第 3 学年 水溶液とイオン 酸 アルカリとイオン
また 原子 分子のモデルの発展としてイオンモデルを取り入れ 中和反応や塩をイオンモデルと関連付けてとらえさせる このことから 物質についての微視的 電気的な見方や考え方を深めていく ( 3 ) 指導観目的意識を持って観察 実験に取り組ませるため 生徒の実態及び既習事項や日常生活との関連を考慮し 適切な化学変化の例をあげる必要がある それらの事象から原子 分子の学習を受け 物質の調べ方や物質の性質を活用できるように配慮する そして 粒子概念をもとに 目に見えないイオンをモデルとして 生徒に理解させることが重要であり 化学変化とイオンに関わる事象を微視的に考察させることで イオン概念の形成を進めていきたい さらに今後の取組として 様々な現象からそれらのメカニズムを解明していくためには 量的な変化を観察したり 表やグラフを用いて表現することや 実験結果をもとに論理的に考察する態度が不可欠であると考え 予想や考察など 生徒が思考する場面をプリントなどの補助教材を活用して進め 本時の目標に確実に迫れるよう 配慮していきたい 3 研究課題との関わり 研究課題 基礎的 基本的な内容を確実に定着させ 思考力 判断力 表現力を育成する授業の工夫改善 理科では科学的な思考力 表現力の育成を図る観点から 言語活動の充実を進めるために以下 3 点の充実が求められている 自ら課題を見出し 観察 実験活動を計画する活動 ( 話合い活動 ) 観察 実験の結果を分析し解釈する学習活動 ( 表 グラフの作成やモデル化 ) 科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動 ( レポート作成や発表 討論 ) 以上の点を踏まえ 生徒の思考を可視化する活動を進める そして 可視化したものを材料として 他者と意見交換できるような場面を通して自らの思考をより深め 科学的な思考力 表現力の育成を積み重ねていくようにしたい 4 学習指導要領上の位置付け ( ア ) 水溶液の電気伝導性水溶液に電流を流す実験を行い 水溶液には電流が流れるものと流れないものとがあることを見いだすこと ( イ ) 原子の成り立ちとイオン電気分解の実験を行い 電極に物質が生成することから イオンの存在を知ること また イオンの生成が原子の成り立ちに関係することを知ること イ 原子の成り立ち については 原子が電子と原子核からできていることを扱うこと その際 原子核が陽子と中性子からできていることにも触れること また イオン については イオン式で表されることにも触れること ( ウ ) 化学変化と電池電解質水溶液と 2 種類の金属などを用いた実験を行い 電流が取り出せることを見いだすとともに 化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを知ること ウ 電池 については 電極で起こる反応を中心に扱うこと また 日常生活や社会で利用されている代表的な電池にも触れること 5 目標及び評価規準 ( 1 ) 目標 水溶液には電流が流れるものと流れないものがあることを見いだす イオンの存在を知り イオンの生成が原子の成り立ちに関係することを知る
( 2 ) 評価規準 塩化銅の電気分解の実験に興味を持ち 意欲的に調べようとする 関心 意欲 態度 塩化銅を電気分解したとき 陽極に塩素が 陰極に銅が生じることを予想し表現している 科学的な思考 表現 電流計や電源装置を正しく扱え 正しい回路の組み立て方を身につけている 観察 実験の技能 塩化銅を電気分解したとき 陽極に塩素が 陰極に銅が生じることを理解している 自然現象についての知識 理解 6 指導計画 ( 2 5 時間扱い ) ( 1 ) 水溶液とイオン 9 時間 本時 ( 3 / 9 ) 塩化銅水溶液に電流を流したときの変化を調べよう ( 2 ) 酸 アルカリとイオン 9 時間 ( 3 ) 化学変化と電池 7 時間 7 本時の指導 ( 1 ) 本時の目標 興味関心を持ち 班で協力して実験や話合いに進んで取り組んでいる 自然現象への関心 意欲 態度 関 塩化銅を電気分解すると + 極に塩素が - 極に銅が生じることを表現している 塩化銅水溶液の中には電気帯びた粒子が存在することを指摘し モデルで自らの考 えを表現している 実験器具を安全に使い 結果の整理の仕方を身につけている ( 2 ) 本時の展開 科学的な思考 表現 科 観察 実験の技能 技 指導 学習内容 学習活動 指導 支援と評価 方法 資料 過程 : C 判断生徒への手立て 準備等 導 前時の確認 前回の実験の内容を確 電解質の水溶液に電流が流れる 入 認をする と化学変化が起きたことから 5 分 本時の授業につなげる 課題の提示 本時の課題を確認 課題 : 塩化銅水溶液に電流を流すと何ができるのか調べてみよう 生徒実験 器具等の準備をして 関課題を解決するために班で 電極ホ 展 実験をする 協力して意欲的に取り組んでい ルダー 開 方法の確認 る 教師による観察 電源装 技実験器具を正しく使用してい 置 40 準備 る 教師による観察 炭素棒 分 コード 開始 : + 極と - 極を間違えないよう 塩化銅 に確認させながら 電極のま 水溶液 わりを観察させる ビーカ ー
+ 極に発生する塩素は有毒な気体なので 吸い込まないように注意させる 安全面に配慮し 必要に応じ ( 保護て保護メガネの使用及び換気メガネ ) に注意させる 炭素棒どうしの接触 ( ショート ) に注意させる 実験結果の 実験結果を実験報告書 技塩化銅水溶液の電気分解を 記録 に記入する 計画的に行い + 極と - 極にできる物質について 結果を記録し整理している 実験報告書 後片付け : それぞれの極にどのような変化が見られたかを確認させる 考察 実験結果について 科 + 極に塩素 - 極に銅が付 考察する 着したことを表現している 教師による観察 実験報告書 展開 40 分 この化学変化の反応式 : この化学変化は分解であるこを書く とに気づかせ 電流による分解を電気分解ということを確 C u C l 2 認する C u + C l 2 : 化学式を忘れてしまった生徒に対応する なぜ 銅は - 極に 塩素は + 極にでるのだろうか 予想 まず 自分の考えを書 科実験結果から 塩化銅水溶 く 液の中には電気帯びた粒子が存在することを指摘し モデ モデル化ルで自らの考えを表現している 実験報告書等 なぜ 銅は - 極で生成し 塩素が + 極で生成するのかまず個人で考えさせる : 必要に応じて 磁石の性質等を想起させ 考えさせる
話合い 班内で実験結果をもと 話合いを進める際 用意してあに話合いをする る用紙を使い 図で様子を表すようにさせ 話合いが全員で進めやすいように配慮する 用紙 : 話合いに参加できるよう 言 マジッ葉かけをし 意見を聞く ク 発表 話合いの結果を図をも 必要に応じて 補足する とに説明する まとめ イオンの定義について 水溶液中で - の電気を持つ原 ま 知る 子や + の電気を持つ原子がある と ことを知る め 次時の確認 次回はイオンについての学習を さらに 5 分 深めていくことを知る 8 備考男子 1 8 名女子 1 3 名計 3 1 名