報道関係各位 2018 年 11 月 21 日 ビジネスパーソンの 今 をデータで読み解く 一般社団法人日本能率協会 第 9 回 ビジネスパーソン 1000 人調査 理想のチーム編 魅力を感じるのは 助け合う チーム助け合いやコミュニケーションがチームへの満足度を高める要因に チームリーダーは感謝 ねぎらいの声がけで チームの雰囲気づくりを 一般社団法人日本能率協会 (JMA 会長 : 中村正己 ) は 2013 年より全国のビジネスパーソン 1000 人に対し 職場や仕事に対する考えについて意識調査を行っています この調査は 働く人びとに焦点を当て その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです 今回は チーム * の雰囲気 が働く人の満足度やモチベーションにどう影響しているか その意識を聞きました (* 本アンケートでは 所属するもっとも身近な部署の単位 (( 課 グループ )) と定義 以下同様 ) トピックス 1. 現在の職場のチームの雰囲気 満足 は半数強 50 代 非正規職員では 過半数が満足せず 満足の理由は 困ったときの助け合い 創意工夫 情報共有や学びあい ができているから 一方 満足していない理由は フェアな評価 困ったときの助け合い 本音を話す がなされて いないから 2. 魅力を感じるチームは 困ったときに助け合える メンバー同士の仲が良い コミュニケーション が活発 チームの雰囲気に満足している人は 良好な人間関係を魅力と感じる傾向が強い 3. チームに満足している人はリーダーの雰囲気づくりを高く評価する一方 満足していない人はリー ダーへの評価が低い傾向に チームリーダーが職場の雰囲気への満足度に影響か 4. 上司から言われて嫌だと思う一言 1 位 使えないな 2 位 そんなこともできないのか? 3 位 余計なことをするな 一方 やる気がでる一言は 1 位 ありがとう 2 位 よくやった 3 位 頑 張ってるね 感謝とねぎらいの声かけがモチベーションアップに 調査概要 結果の詳細は次ページ以降をご覧ください 本件に関するお問い合せ 一般社団法人日本能率協会経営企画センター広報室 ( 担当 : 斎藤 ) 105-8522 東京都港区芝公園 3-1-22 TEL:03-3434-8620 または 080-3201-4599/Email:jmapr@jma.or.jp 1
調査概要 調査名称 第 9 回 ビジネスパーソン1000 人調査 理想のチーム編 調査期間 2018 年 9 月 28 日 ~2018 年 10 月 9 日 調査対象 ( 株 ) 日本能率協会総合研究所 JMAR リサーチモニター のうち 全国の 20 歳 ~69 歳までの正 規 非正規雇用の就業者 ( 企業や団体で働く正社員 役員 経営者 契約 嘱託社員 派遣社員 ただしパート アルバイト 医師 弁護士などの専門職業 自由業を除く ) 調査方法 インターネット調査 回答数 1,000 人 属性 性別 : 男性 559 人 女性 441 人 年代 :20 代 156 人 30 代 236 人 40 代 239 人 50 代 212 人 60 代 157 人 雇用形態 : 男性 ( 正規 447 人 非正規 112 人 ) 女性 ( 正規 191 人 非正規 250 人 ) 勤務先従業員数 :5,000 人以上 158 人 1,000~5,000 人未満 167 人 300~1,000 人未満 157 人 100~300 人未満 174 人 100 人未満 344 人 調査結果 回答は % 表記とし 小数点第 2 位を四捨五入 1. 現在の職場のチームの雰囲気 満足 は半数強 50 代 非正規職員では 過半数が満足せず 満足の理由は 困ったときの助け合い 創意工夫 情報共有や学びあい ができているから 一方 満足していない理由は フェアな評価 困ったときの助け合い 本音を話す がなされて いないから 現在所属している職場チーム * の雰囲気への満足度を聞いたところ 全体では とても満足している (10.9%) やや満足している (43.6%) と満足している人が半数を超えました 年代別でみると 20 代 60 代は約 6 割が満足している一方 50 代では 満足している人が半数に達して いません 雇用形態別でみると 正規職員と非正規職員では 9.2 ポイントのギャップがありました 図表 1 あなたは現在所属しているチームの雰囲気に満足していますか ( 単一回答 ) 本アンケートにおけるチームとは 所属するもっとも身近な部署の単位 ( 課 グループ ) を指します とても満足しているやや満足しているあまり満足していない不満に感じている 75% 100% 満足してている計 満足していない計 性別 全体 (n=1000) 男性 (n=559) 女性 (n=441) 20 代 (n=156) 10.9 10.0 12.0 10.9 43.6 46.2 40.4 48.7 29.7 31.7 27.6 15.8 15.7 15.9 12.8 54.5% 45.5% 56.2% 43.8% 52.4% 47.6% 59.6% 40.4% 年代 30 代 (n=236) 40 代 (n=239) 50 代 (n=212) 7.9 9.4 38.1 47.7 38.2 30.5 29.3 32.1 17.8 20.3 51.7% 48.3% 55.6% 44.4% 47.6% 52.4% 60 代 (n=157) 13.4 47.8 28.0 61.1% 38.9% 雇用 正規職員 (n=638) 非正規職員 (n=362) 9.1 45.9 39.5 28.2 32.3 19.1 57.8% 42.2% 48.6% 51.4% 2
チームの雰囲気に満足している人(545 人 ) にその理由について聞いたところ 困ったときに互いに助け合うから (39.6%) ともっとも多く 次いで 自分なりの創意工夫で仕事を進めることができるから (27.2%) 互いに情報を共有したり学びあったりしているから (22.2%) が続きました 性別でみると 女性では 困ったときに互いに助け合うから が男性より 7.1 ポイント高い 43.7% となり 4 割以上の人が 助け合い を満足の要因としています 男性では 互いの貢献を認め合えているから が 19.4% と 女性よりも 6.8 ポイント高い結果となりました 図表 2 満足している理由は何ですか 業績以外の理由でご回答ください ( 複数回答 ) 上位 10 項目を抜粋全体 (n=545) 男性 (n=314) 女性 (n=231) 困ったときに互いに助け合うから自分なりの創意工夫で仕事を進めることができるから互いに情報を共有したり学びあったりしているから期待されている役割が明確であるから互いの貢献を認め合えているから互いに本音を話すことができるから色々な価値観をもったメンバーがいるからフェアな評価がなされているからチームのビジョンや目標が共有されているからチームリーダーがメンバーの話をよく聞いてくれるから 27.2 25.8 29.0 22.2 21.0 23.8 19.1 16.9 19.4 12.6 16.3 16.0 15.0 11.7 13.4 10.4 12.5 13.7 39.6 36.6 43.7 また チームの雰囲気に満足していない人(455 人 ) にその理由を聞いたところ フェアな評価がなされていないから (24.0%) がもっとも多く 次いで 困ったときにも互いに助け合うことがないから (21.8%) 互いに本音を話せないから (21.3%) が続きました 性別でみると 女性では 互いに本音を話さないから が 22.9% と第 2 位につけています また 女性では チームリーダーが独断で物事を決めるから が男性より 6.2 ポイント高い 17.6% 男性では チームのビジョンや目標が共有されていないから 女性より 4.0 ポイント高い 18.8% となっています 図表 3 満足していない理由は何ですか 業績以外の理由でご回答ください ( 複数回答 ) 上位 10 項目を抜粋全体 (n=455) 男性 (n=245) 女性 (n=210) 0% 15% 30% フェアな評価がなされていないから困ったときにも互いに助け合うことがないから互いに本音を話せないからチームのビジョンや目標が共有されていないからチームリーダーが独断で物事を決めるから失敗が許されない雰囲気があるから期待されている役割が明確でないから互いに情報共有や学びあいができていないから画一的な価値観しか認められない雰囲気だから教育を受ける機会があまりないから 24.0 24.1 23.8 21.8 21.2 22.4 21.3 20.0 22.9 16.9 18.8 14.8 11.4 17.6 13.3 14.1 14.7 13.3 13.0 12.1 12.2 3
2. 魅力を感じるチームは 困ったときに助け合える メンバー同士の仲が良い コミュニケーション が活発 チームの雰囲気に満足している人は 良好な人間関係を魅力と感じる傾向が強い どのようなチームに魅力を感じるか聞いたところ 困ったときに助け合えるチーム (47.0%) がもっと も多く 次いで メンバー同士が仲の良いチーム (29.5%) コミュニケーションが活発なチーム (28.2%) が続きました 現在のチームに満足している人 ( 満足群 ) と満足していない人 ( 不満群 ) で比較したところ トップはと もに 困ったときに助け合えるチーム になっているものの 不満群では 2 位に コミュニケーション が活発なチーム (27.9%) 3 位 メンバー同士の仲の良いチーム (24.6%) でした 不満群では 仲が 良い以前に まずはコミュニケーションを望んでいることが伺えます 先述の調査結果 1 において 困ったときに互いに助け合う が チームに満足する理由の第 1 位に挙げ られたのと同様に 良好な人間関係がチームへの満足度の重要な要素となっているようです 図表 4 あなたは どのようなチームに魅力を感じますか ( 複数回答 3 つまで ) 全体 (n=1000) 満足群 (n=545) 不満群 (n=455) 困ったときに助け合えるチームメンバー同士が仲の良いチームコミュニケーションが活発なチーム互いに学べて成長できるチーム自由度の高いチーム元気で明るいチームリーダーの統率が効いたチーム高い目標に一丸となって取り組むチームその他 2.2 0.2 4.6 29.5 33.6 24.6 28.2 28.4 27.9 24.6 25.9 23.1 21.1 23.5 20.1 21.3 18.7 13.2 14.7 13.7 13.8 47.0 48.8 44.8 3. チームに満足している人はリーダーの雰囲気づくりを高く評価する一方 満足していない人はリーダーへの評価が低い傾向に チームリーダーが職場の雰囲気への満足度に影響か 職場のチームリーダーが チームの雰囲気を良くすることができているか聞いたところ 全体では できている ( よくできている と ややできている の計) は 38.9% どちらでもない は 33.4% できていない ( あまりできていない と まったくできていない の計) は 27.7% となりました 現在のチームに満足している人( 満足群 ) と満足していない人 ( 不満群 ) で比較したところ 満足群では できている が 6 割を超えたのに対し 不満群では できていない が 5 割を超えるなど リーダーのチームマネジメント力が問われる結果となりました 図表 5 あなたの職場のチームリーダーは チームの雰囲気を良くすることができていると思いますか?( 単一回答 ) よくできているややできているどちらでもないあまりできていないまったくできていない 75% 100% できている 計 できていない 計 全体 (n=1000) 11.2 27.7 33.4 12.6 38.9% 27.7% チームへの満足度 満足群 (n=545) 20.0 不満群 (n=455) 0.7 7.3 38.2 44.8 29.4 25.7 4.2 1.7 64.8% 5.9% 7.9% 53.8% 4
4. 上司から言われて嫌だと思う一言 1 位 使えないな 2 位 そんなこともできないのか? 3 位 余計なことをするな 一方 やる気がでる一言は 1 位 ありがとう 2 位 よくやった 3 位 頑張ってるね 感謝とねぎらいの声かけがモチベーションアップに 上司から言われて嫌だと思う一言を聞いたところ 全体では 使えないな (33.8%) がもっとも多く 次いで第 2 位 : そんなこともできないのか? (32.6%) 第 3 位 : 余計なことをするな (23.4%) でした 図表 6 あなたが 上司から言われて嫌だと思う一言は何ですか ( 複数回答 3 つまで ) 上位 7 項目のみ抜粋 使えないなそんなこともできないのか? 余計なことをするな上が言っているんだから やれやる気があるのか? 自分で考えろ聞いてないぞ 全体 (n=1000) 男性 (n=559) 女性 (n=441) 0% 20% 40% 33.8 30.9 37.4 32.6 30.2 35.6 23.4 22.4 24.7 21.5 19.3 23.3 16.6 16.3 11.5 10.7 12.5 10.0 11.8 上司から言われてやる気がでる一言を聞いたところ 全体では ありがとう (35.1%) がもっとも多く 次いで第 2 位 : よくやった (23.9%) 第 3 位 : 頑張ってるね (19.8%) でした 性別でみると 各上位 3 項目の言葉を選択した人は いずれも女性の方が多く 特に ありがとう では 15.9 ポイント 頑張ってるね は 13.2 ポイント男性より高い結果が見られました やってあたり前と思われるのではなく その過程を見てもらいたいという意識の表れと推察されます 図表 7 あなたが 上司から言われてやる気がでる一言は何ですか ( 複数回答 3 つまで ) 上位 7 項目のみ抜粋 ありがとうよくやった頑張ってるねいいアイデアだおつかれさまあなたにしかできない期待しているよ 全体 (n=1000) 男性 (n=559) 女性 (n=441) 35.1 44.0 23.9 21.1 27.4 14.0 19.8 27.2 17.5 19.3 15.2 17.4 19.7 17.1 16.6 17.7 16.0 17.5 14.1 結果を受けてコメント ( 一般社団法人日本能率協会 KAIKA 研究所近田高志 ) 今回の結果からは ビジネスパーソンの多くが 互いに助け合う チームが魅力的であると捉えていることが分かりました これからのチームリーダーには 部下が互いに助け合い コミュニケーションを活発にできるよう働きかけるというリーダーシップのスタイルが求められていると言えるでしょう また 変化が当たり前になっている昨今 多様な価値観 能力を活かして 新しい価値を生み出していくためにも リーダーの皆さんは メンバーの気持ちやモチベーションにさらに注意を払うことが必要でしょう 一方で チームが 仲良しクラブ になれば良いということでもありません ビジネスの領域では 競争 が欠かせません チームのビジョンや目標を常に発信し メンバーの役割を明確にし フィードバックすることも チームリーダーの重要な役割であることに変わりはありません 以上 5