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よく聞いて, じこしょうかい 2

学習者用デジタル教材リスト 国語 1 年 国語 1 年上コンテンツ上 8 あいさつをしよう 8 関連ページ 内容 趣旨など 場面の様子を想像する ( 音声付 場面や状況に合わせた言葉遣いの確認 ) 国語 1 年上 コンテンツ 上 10 じこしょうかいをしよう 10 場面の様子を想像する ( 音声付

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

第 9 章 外国語 第 1 教科目標, 評価の観点及びその趣旨等 1 教科目標外国語を通じて, 言語や文化に対する理解を深め, 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り, 聞くこと, 話すこと, 読むこと, 書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う 2 評価の観点及びその趣旨

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指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

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1 高等学校学習指導要領との整合性 高等学校学習指導要領との整合性 ( 試験名 : 実用英語技能検定 ( 英検 )2 級 ) ⅰ) 試験の目的 出題方針について < 目的 > 英検 2 級は 4 技能における英語運用能力 (CEFR の B1 レベル ) を測定するテストである テスト課題においては

4 学習の活動 単元 ( 配当時間 ) Lesson 1 ( 15 時間 ) 題材内容単元の目標主な学習内容単元の評価規準評価方法 Get Your Goal with English より多くの相手とコミュニケーションをとる 自己紹介活動を行う コミュニケーションを積極的にとろうとしている スピー

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PISA 型読解力と国語科の融合 -PISA 型読解力とワークシート- ( ア ) 情報を取り出す PISA 型読解力ア情報の取り出しイ解釈ウ熟考 評価エ論述 情報を取り出す力 とは 文章の中から無目的あるいは雑多に取り出すことではない 目的つまりこの場合は学習課題に沿って 自己の判断を加えながらよ

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小学校国語について

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内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

5. 単元について本単元は,2 年生 1 学期に学習した ともこさんはどこかな から引き続いての 話す 聞く の学習である ともこさんはどこかな では, 大事なことを落とさずに話したり聞いたりできるようにすることをねらいとして学習してきた 本単元では, これに加えて互いの話をしっかり聞いてやり取りを

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

3 4 すみれちゃんはどこでおねえさんになったのだろうか について考える 前時のカードからすみれちゃんの行動や様子について確認する すみれちゃんがかわったきっかけを読む 行動の変化前後での場面の様子について想像する わたしはおねえさん のすみれちゃんのきらりと光るところ抜き出し 理由

*山下小研究誌.indb

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いろいろな衣装を知ろう

6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

トコラージュ というメディアの形態を提案する 本単元では 説明文の 構成メモ をフォトコラージュの形でまとめる このことにより 資料を活用して説明文を書くことが容易になる フォトコラージュとは次に示すように 2 枚以上の写真と それに対する説明文を対応させた情報伝達の形式である 本学級では 社会科の

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

6 年 No.8 You can see Daibutsu! 1/7 単元の目標 主な言語材料 できることを紹介する表現や感情を表す表現が分かる 修学旅行でできることについて具体物などを見せながら伝え合う 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり できることについ

第 2 問 A 問題のねらいインターネット上の利用者の評価情報やイラストを参考に場面にふさわしい店を推測させることを通じて, 平易な英語で書かれた短い説明文の概要や要点を捉えたり, 情報を事実と意見に整理する力を問う 問 1 6 友人, 家族, 学校生活などの身の回りの事柄に関して平易な英語で書かれ

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

国語科学習指導案

第○学年 ○○科指導計画

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

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H21 年度使用小学校教科書定価表 小学校前期用 < 国語 > 発行者番号 発行者名 教科書番号 書名 定価 002 東書 113 新編あたらしいこくご一上 東書 213 新編新しい国語二上 東書 313 新編新しい国語三上 東書 413 新編新しい国

6 年 No.8 You can see Daibutsu! 1/7 単元の目標 主な言語材料 本時の目標 できることを紹介する表現や感情を表す表現が分かる 修学旅行でできることについて具体物などを見せながら伝え合う 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり でき

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さらに自ら調べようと意欲を高めるだろう 2 児童観児童は 文字を50 音すべて学習し 少しずつ読める字や書ける字が増えてきた これまでに音読をしたり 想像したことを話したりしながら ある程度のまとまった文章がよめるようになってきている 5 月の教材 とんこととん では 登場人物のしたことを中心に想像

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3 人権教育の視点英語科の授業を通して 文化や習慣には多様性があることを理解させる そしてその中から 表現の仕方の違いや考え方の違いに気づかせ 互いに違いを認め合い尊重しながら共に生きようとする態度 他者 文化に興味 関心をもち 良い人間関係を築きながら生活する力を持った生徒を育成したい そこでこの

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

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児童はこれまでに これは何でしょう (1 年下 ) で ものの特徴を聞き手に分かり やすく説明したり その特徴を落とさないようにしながら聞いたりする学習や 問題が分 かるように はっきりした発音で話す学習をしてきている だが それらを意識はしてい ても十分身に付いているとは言い難い 日々の学習の中で

活動の流れ 1 4 人のグループに分かれ テーマを決める 校内の施設紹介 学校行事 クラブ活動 時間割など 2 各グループで実施計画を立てる 3 動画を撮影する 4 写真を使って動画を作成する 動画の長さは 1 人 2~3 分とし 全員が発表できるように 分担 を決める 5 必要な語いや表現を調べる

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スライド 0

7 児童の実態 書くこと に関わる活動では これまでに 読書生活について考えよう の単元において アンケートを作成して自分が知りたい情報を集め それを整理して表やグラフにして表すとともに 自分の考えや感想を交えて報告書の形に表す活動を行った また 新聞を作ろう の単元では 社会科の学習と関連して ご

平成 29 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

指導方法等の改善計画について

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

今年度の校内研究について.HP

3 学校教育におけるJSLカリキュラム(中学校編)(国語科)4.指導案 6 報告文を書いて発表しよう

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

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目次 1. フラッシュ型スライド教材を作ってみよう 2 2. 文字が順に消えていくスライド教材を作ってみよう 5 3. 文字が順に現れるスライド教材を作ってみよう 8 4. 音声とともに文字の色が変わるスライド教材を作ってみよう スライド教材を種類別にまとめてみよう 14 * 実践事例集

M28_回答結果集計(生徒質問紙<グラフ>)(全国(地域規模別)-生徒(公立)).xlsx

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第 2 問 A インターネット上に掲載された料理レシピやその写真から料理の特徴の読み取りや推測を通じて, 平易な英語で書かれた短い説明文の概要や要点を捉える力や, 情報を事実と意見に整理する力を問う 問 1 6 イラストを参考にしながら, ネット上のレシピを読んで, その料理がどのような場合に向いて

6 年 No.12 英語劇をしよう (2/7) 英語での 桃太郎 のお話を理解し 音読する 導 あいさつをす 挨拶の後 Rows and Columns を交え 天気や時 入 候の確認 既習事項の確認をす (T1,T2) ペンマンシップ ペンマンシップ教材を用いて アルファベットの ジングル絵カー

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総合的な探究の時間 は 何を 何のために学ぶ学習なのか? 総合的な探究の時間 は与えられたテーマから みなさんが自分で 課題 を見つけて調べる学習です 総合的な探究の時間 ( 総合的な学習の時間 ) には教科書がありません だから 自分で調べるべき課題を設定し 自分の力で探究学習 ( 調べ学習 )

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5. 単元指導目標単元の目標 ( 子どもに事前に知らせる ) 小数 整数の意味を考えよう 小数 整数の計算の仕方を見つけ 計算できるようになろう 子どもに事前に知らせる どうまとめるのか 何を ( どこを ) どうするのか ( 作業 教える 考えさせる ) 何についてまとめるのか 1. 小数 整数の

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知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

6 指導計画 (7 時間扱い ) (1) 単元の 1: 字手紙 のねらいの確認と受取人決定指導計画 2: 手紙の基本知識の確認と書くことの内容の整理 3: 時候の挨拶作成 ひと文字練習と下書き 4: ひと文字練習と下書き 5: 相互評価 推敲 ( 本時 ) 6: 推敲および清書 7: 清書と宛名書き

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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03指導案前段

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

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平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

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小学校教育に見る音読及び話し方の指導法について 小学校教科書より 高木香与呼 1. はじめに近年, 国語教育において, 従来の 読む 書く に加え, 話す 聞く にも重点を置くという変更があった 本校の 日本語表現法 もしかりだが, 各大学では, 同様の日本語力を上げる授業が多くみられる このような若者の言葉の表現能力が低いことを受けてのものだと推測される 本稿では, 小学校の教科書と指導書から, 言葉のバーバル表現においてどのような指導が加わったのか見ることにした 声の強弱や高さ, 読む速さ, 間の取り方の表現に欠かせない要素が初めて出てくる, 小学校国語教科書三年上の音声表現においての指導について調べ, 方法を考えたい 2. 各学年 話す の たいせつ の内容まず小学校各学年の教科書から 話す 読む 項目の重要要素である たいせつ の中から音声表現についての項目を以下に学年ごとに抜粋する 一年特になし 二年みんなに聞こえる声で話す ( 音読部分 ) 人物のしたことや様子を考えながら音読する人物の言ったことやしたことを確かめ, 声の出し方などをくふうする 三年声の強弱や高さ, 読む速さ, 間の取り方などに気をつけて読む 四年声の大きさや速さ, 強弱, 間の取り方に気をつけて, 大事なことが伝わるように話す ( 物語読書の読む項目の中の音読部分 ) 場面の様子を聞き手に伝えるためには, どの言葉や文を強調して読めばいいか登場人物の様子を表すためには, どの言葉をどんな調子で読むのがいいか 71

中日本自動車短期大学論叢第 47 号 2017 場面の位置づけがよくわかるようにするためには, どう変化をつけて読めばいいか 五年特になし 六年発表やスピーチをするときには, その場に応じた話し方をすることが大切である 聞き手に応じて, 声の大きさや速さ, 表情, 身振りなど, 話し方を工夫する 最初に音声表現の要素である 声の強弱や高さ, 読む速さ, 間の取り方などに気をつけて読む の記述の出てくるのは, 小三であるため, その小三上の教科書および指導書 指導書別冊 ( 以下 別冊 とする ) をとりあげることにする 3. たいせつ に対応する指導書の内容まず, 教科書にはポイントとして 強く読むところや, 弱く読むところを考える 読むはやさや, 声の高さをかえる とくに聞いてほしい言葉の前や後で, 少し間を取る 1) (P22) とある 別冊の朱書きは, この説明に 〇今後の音読にもつながるポイント 2) とあるが, どこをどの程度の強さ, スピード, 間の時間などについての記述は一切ない 同じく, たいせつのまとめとして,P24にも同じ説明があるが, 同様に朱書きには詳細な工夫の内容の説明はない 同じ箇所の指導書を見てみる 教師の教える指針として, 教師の手立て 対応 という項目があるが, 声の強弱や高さ, 読む速さ, 間の取り方についての対応は 場面を想像させる 声にちょうしをつけたり, 様子を表して読んだりする工夫にはどんなものがあるか問い, でてきたものを板書に整理する それぞれに音読記号を決めるのもよい 3) とあり, やはり具体的な手立てはないように感じる また, 間に関しても 工夫を認めながら, 語句のまとまりを意識して間をとること としか書かれていない 音の見える化の工夫としては, 音読がんばりカードが挙げられている 音読がんばりカードの項目には, 音読で気をつけることの項目に, しせい 声の大きさ 読むはやさ 口の形 話のはじめをはっきり 声にちょうしをつける ようすを思いうかべる, がある それぞれに, 今の自分と今日の学習の二項目をチェックできるようになっている この項目はとても役に立つ項目であるが, それぞれ, どの程度までが許容範囲かなどは教師の感じ方にゆだねられているようで, 基準は書いていない また, 指導書には音読 CD が付属されており, 教師が自ら示さなくとも読む見本を示すことができるようになっている これが付属されているのであれば,CD の音読のポイントを指導書や別冊に書き添えてもいいのではと感じたが, 指導書の中にはそういう記述は見つけられなかった あくまで 工夫する や 変化をつける 間をとる などの記述にとどまっている 72

高木香与呼 : 小学校教育に見る音読及び話し方の指導法について 4. 音声の抑揚と強弱を表現するということ 1983 年発行の 言葉と音声 の学校教育における音声指導には ( 三 ) で音量や速度に関して三 四学年に位置づけられると書いてあるのに続き, 音声の表現方法について, 音声の抑揚はアクセントとイントネーションによって発話し表現される ( 中略 ) イントネーションは, 語の卓立強調のプロミネンスとともに, 発話による心の情感を表現する機能を果たしている いずれも抑揚 強弱は高度な話し方の技術である アクセントは語音とともに音の高低によって客観的意義を表し, イントネーションとプロミネンスは, 主観的な意義を表す イントネーションが文脈の切れ目や文末に表現されるのに対して, プロミネンスは, 語の卓立強調であるから, 意図的に文中の後に表現される いずれも伝達内容を一層理解させるうえで, 欠かせない話し方の技術である 4) P91( 四 ) 音声の抑揚 強弱に関してこう書いてある ここに書いてあるように, 抑揚であるアクセントとイントネーション そして卓立目的のプロミネンス ( 強弱 ) は高度な話し方の技術なのである そしてそれらの技術は伝達内容を理解させるために必要不可欠な技術なのだ 高度で不可欠な技術であるにもかかわらず, 教える側の教師に与えられている指導書及び指導書別冊には, 詳細な指示は見つけられなかった また,1980 年代に発行されたこの ことば シリーズ18 以降, 音声表現をとりあげたものは, このシリーズはじめ文化庁からは出ていない ここでは取り上げていないが, この本に出てくる言葉や表現, いつ何を教えるかについても, 現在の指導書とほぼ同じであることも興味深い 音声表現の教育における重要性が軽視されてきたのではないかとも思える要因の一つだ 5. 音声表現の方法の考察教科書や別冊, 指導書からは 調子をくふうする の内容は, 強弱を考える 間を取る 高低を変える はやさを変える との記述のみでそれ以上の記述を見つけることができなかった もちろん, 強弱 高低 スピード 間を記述で表現することは頗る難しい また, 人によっても感性の違いがあることから, 良い読み方というのは一つではなく, 幾通りも考えられる だからこそ難しく, どこをどのようにが記述できないのだと想像できる しかし, 読解力があっても音声でどう表現するかは, 全く別の技術が必要になる そういった教育を一度も受けていないのであればなおさらであろう 音読表現の技術教育を受けたことがない教師に任せてしまうというのは荷が重いように思われる 音感や感性が優れており, 聞いたものをすぐに再現できる能力を持っている人もいることはいるが, 全員が持っているとは考えにくい この解決には, より詳細な指導内容を書き入れるか, セミナーなどで音声表現技術を習得することが必要だといえる 音の違いを言葉で表現するのは大変困難である 音楽の素晴らしさを, 聞いたことのない人に言葉で説明するようなものだ 曲をそのまま聞かせるのが一番である 単純だが, 言葉で表現す 73

中日本自動車短期大学論叢第 47 号 2017 るより多くのことを伝えることができるとともに, 違いも分かりやすい そのための音読 CD だろう また, それを聞かせるのであれば, 最初に自分の音読を録音し, そのあと CD を聞くという方法もある あらかじめ決めておいた 強弱 高低 スピード 間 の音声記号を両方の録音について書きとめ, 強弱 高低 スピード 間 それぞれの, どこがどのように違うかチェックする そうすれば, 自分と CD の違いがなんであるのかがもっと詳細に, しかも明白にわかるだろう ただしこの方法に時間をかけられるかどうかが不明である 音を書き記す手立ても考えてみた 小三上の 声の強弱や高さ, 読む速さ, 間の取り方などに気をつけて読む の文章を例に表記法を試みてみると, きつつきの商売 5 きつつきが 2 お店を開きました 3 それはもう,1 きつつきにぴったりのお店です 4 記号の意味下線部 =スピードをゆっくりにする太文字 = 前後より高くする囲み文字 = 前後より声を大きく ( 強く ) する網掛け= 前後より声を弱める 囲み数字 = 間をとる場所 中の数字は長さ このような形が考えられる CD を聞きながらこれを書き込むのでもよいし, あらかじめ教科書や別冊に書き示しておく ベースとなる読み方を身につけられるだろう これを見ながら読んだ後, 自分が違和感を覚える部分があれば変えてみるという方法をとることもできる また, この通り読むよりよりいい表現があると感じたら, 変更して自分の読みを確立していくのもいいだろう バリエーションが広がる 記号についても, これでは足りない部分があるかもしれない 例えば強弱やスピード, 高低は前後との差でしか書いていないことだ これも, 間のように数字で段階をつけたりすると, なおよいだろう また, イントネーションの高低差でよく使われる, きつつきがお店を開きました 74

高木香与呼 : 小学校教育に見る音読及び話し方の指導法について のように, 段差で高さの違いがわかるようにするのもいいだろう 自由に読み, お互いのものを批評しあい, いいものはどれかを探すことも大切ではあるが, 最低限の方程式のような基礎を入れておいて, そこからもっと 工夫する 調子を変える を積み上げるほうが, 結果的には音読教育の授業時間の短縮につながると思えてならない 6. 今後の課題本稿では, 小三上の教科書の指導書をもとに考察したが, 小四のたいせつにも 強弱や高さ, 読む速さ, 間の取り方などに気をつけて読む とある 次回はその指導書別冊および指導書の内容についても調べたい 参 考資料 小学校国語学習指導書 3 年音声 CD 朗読 / 話すこと 聞くこと光村図書出版 参 考文献 1 ) こくご三上わかば, 光村図書出版,2015 2 ) 学習指導書別冊国語三上わかば, 光村図書出版,2015 3 ) 小学校国語学習指導書三上わかば, 光村図書出版,2015 4 ) 文化庁, ことば シリーズ18 言葉と音声, 大蔵省印刷局,1983 こくご一上かざぐるま, 光村図書出版,2015 こくご一下ともだち, 光村図書出版,2015 こくご二上たんぽぽ, 光村図書出版,2015 こくご二下赤とんぼ, 光村図書出版,2015 こくご三下あおぞら, 光村図書出版,2015 国語四上かがやき, 光村図書出版,2015 国語四下はばたき, 光村図書出版,2015 国語五銀河, 光村図書出版,2015 国語六創造, 光村図書出版,2015 NHK アナウンスセミナー, 日本放送出版協会,1987 75