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Ⅱ. 主な内容 第 1 部公益法人の概況 1. 法人数 平成 29 年 12 月 1 日の公益法人は 9,493 法人 ( 前年比 +35) である 公益法人数の変動は 公益認定又は移行認定により増加し 法人の解散 公益認定の取消し及び合併に伴う減少がある ( 注 ) 公益認定 : 一般法人で公益認

< 用語の解説 > 税額控除制度従来 公益社団法人及び公益財団法人への個人からの寄附金については 所得控除制度が適用されていたが 平成 23 年 6 月より 公益社団法人及び公益財団法人への個人からの寄附金について 寄附文化の醸成を図るため 税額控除制度が導入された 税額控除は 寄附金額を基礎に算出

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ナショナル・トラスト税制関係通知

目 次 はじめに 2 1 所得税の税額控除制度の導入 (1) 認定 NPO 法人への寄附に係る税額控除の導入 4 (2) 認定 NPO 法人以外の法人への寄附に係る税額控除の導入 4 2 認定 NPO 法人制度の見直し (1) 平成 23 年度より税制上対応する措置 6 1 認定要件の見直し 6 イ

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

B 事例 1: 日本赤十字社と公益財団法人公益法人協会ともに 所得控除方式 を適用し ffff た場合に還付される税金について 前提 1 寄附先の名称等 ( 弊協会の他に 東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄附したものと仮定 ) 名称金額備考 日本赤十字社 ( 東日本大震災義援金 ) 30,0

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

1 認定 NPO 法人制度とは? NPO 法人への寄附を促す制度です その目的は NPO 法人への寄附を促すことにより NPO 法人の活動を支援すること です 以前は 租税特別措置法という法律に基づき国税庁が認定を行う制度でしたが 平成 24 年 4 月の特定非営利活動促進法の改正により 所轄庁が認

税制について

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

スライド 1

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【完成版】認定特定非営利活動法人制度のあらまし(H29.4)

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

平成27年度税制改正要望結果について

NPO 法活動状況等アンケート ( 案 ) 下記のアンケートにご協力をお願いいたします ( 右の に数字をご記入ください ) ご協力いただいた結果については 奈良市及び奈良県における指定制度の検討資料として使用させていただきます 1. (1) あなたの団体は 法の設立 ( 設立登記の日 ) から何年

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

移行認定の申請書類目次

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新公益法人制度について 110 年ぶりの公益法人制度の大改革 公益法人制度は 明治 31 年 (1898 年 ) に施行された旧民法に始まります 以来 公益法人は志のある人の集まり ( 社団法人 ) として あるいは財産の集まり ( 財団法人 ) として 民間の公益活動の担い手たるべく大きな役割を果

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

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2012年2月発行 特定非営利活動法人制度のしくみ

平成23年度税制改正の主要項目

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新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

市民公益税制 PT 中間報告書 平成 22 年 4 月 8 日 ( 木 ) 市民公益税制 P T

新設 拡充又は延長を必要とする理⑴ 政策目的 地震等の災害からの復旧に際して 公的補助が公立学校に比べて少なく 自主財源の確保が求められる私立学校にとって 寄附金収入は極めて重要な財源である 災害時には 大口の寄附だけでなく 広く卒業生や地域住民を中心に 義援金 募金という形で小口の寄附を集める必要

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

本要望に対応する縮減案 ページ 2 2

I 申請準備 ~ 申請 ~ 証明までの流れ この手引きは 公益社団 財団法人のうち 個人からの寄附金について税額控除制度が適用される対象法人となることを希望する法人の方が 行政庁の証明を受けるために必要な申請作業内容を御案内しています 手続の流れは 以下のとおりです 税額控除制度の概要 要件について

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「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

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税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

( 別紙 ) 保育士修学資金貸付制度実施要綱 第 1 目的この制度は 指定保育士養成施設に在学し 保育士資格の取得を目指す学生に対し修学資金を貸し付け もってこれらの者の修学を容易にすることにより 質の高い保育士の養成確保に資することを目的とする 第 2 貸付事業の実施主体保育士修学資金 ( 以下

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

川崎市条例指定制度の手引き 川崎市 平成 24 年 7 月発行

平成 24 年度税制改正に関する要望 Ⅰ 寄附金税制について 1 公益法人に係る税額控除制度における PST 要件の撤廃 公益社団法人 公益財団法人 ( 以下 公益法人 ) が税額控除制度の適用を受けるためには1 認定 NPO 法人の認定要件であるPST( パブリック サポート テスト ) と同様の

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事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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3 減免の期間及び割合 下表の左欄の期間に終了する事業年度又は課税期間に応じて右欄の減免割合を適用します H27.6.1~H 減免割合 5/6 納付割合 1/6 H28.6.1~H 減免割合 4/6 納付割合 2/6 H29.6.1~H 減免割合 3/6 納

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[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

記者発表ポイント(会社)  


平成 30 年度改正版 平成 30 年 6 月 1 日から平成 31(2019) 年 5 月 31 日までの間に終了する事業年度に ついては 減免割合が 2/6 に変更となりましたので 30 年度改正版をご使用くださ 1 減免の対象 ( 変更はありません ) 詳細は次ページをご覧ください 1 資本金

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平成18年度地方税制改正(案)について

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

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このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

彩の国埼玉県 県内 NPO 法人の皆様へお知らせ 改正特定非営利活動促進法 (NPO 法 ) が施行されます 平成 24 年 4 月 1 日から所轄庁や提出書類等が変更になります 1 さいたま市内のみに事務所を置く法人は所轄庁が変更になります 埼玉県 ( 改正後 ) さいたま市 次の12は引き続き埼

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Ⅰ. 支部と任意団体の基礎知識 1. 支部 (1) 単なる連絡事務所 ( としての支部 ) 定義 会員の連絡 会費の徴収その他若干の本部事務を行う事務所 法律上の 従たる事務所 として登記されていない事務所 会計 独立した会計 帳簿 計算書類 ( 財務諸表 ) をもたず 本部において予算 決算を行う

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

すまい給付金事業の概要 1 消費税率引上げへの対応 平成 26 年 4 月 1 日からの消費税率の 5% から 8% への引上げに合わせて 消費税率の引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化する観点等から 平成 25 年度税制

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所得税確定申告セミナー

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租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

平成19年度分から

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん

Ⅱ 義援金を募集する募金団体の確認手続 [Q7] 当団体は 関係する個人 法人から義援金を預かり これを取りまとめた上で 一括して地方公共団体に対して支払います 預かった義援金が 国等に対する寄附金 に該当することについて税務署の確認を受けた場合 当団体に寄附をした個人 法人に対して発行する預り証に

目次 1. みなし譲渡所得税非課税について 1 2. 公益法人において必要な準備 3 ⑴ 基金の設置 ⑵ 2の基金の業務に充てることについて ⑶ 3の基金内の運用益の考え方について ⑷ 4の合議制の機関について ⑸ 5の基金明細書について 3. 承認特例の申請から承認後までの全体像 8 ⑴ 寄附者と

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所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

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平成15年度税制改正要望書案

回答作成様式

Transcription:

公益法人制度改革について

Q1. 平成 20 年 12 月施行の 公益法人制度改革 は何を目指したのか? 1 旧公益法人制度では 1 主務官庁制のため法人の新規設立が難しい 公益性 の判断基準も不明確である 2 営利法人類似の法人など本来公益とは言い難い法人が混在しているなどの問題点が指摘されていました 2 このような指摘を受け また多様化する社会のニーズに対応するため 明治 31(1898) 年の民法施行以来 110 年ぶりに 主務官庁制を廃止し 法人の設立と公益性の判断を分離する大改革 = 公益法人制度改革 が行われました 3 改革により 法人の設立と公益性の判断が分離され 法人格 ( 一般法人 ) が登記のみで取得可能になるとともに 公益性については民間有識者が審査して 行政庁 ( 内閣総理大臣 都道府県知事 ) が認定する仕組みになり 法人の自主的 自律的な運営が可能になりました 4 併せて 公益法人の税制についても 新制度の下では全ての公益法人が特定公益増進法人 ( 寄付の税制優遇の対象 ) とされるなどの大改革が行われました 5 これまでの民法上の社団法人 財団法人は 5 年の移行期間 (~ 平成 25 年 11 月末 ) 内に新たな公益社団 財団法人又は一般社団 財団法人に移行の申請をする必要があります 1

公益三法 による新公益法人制度 ~ 民による公益の増進 を目指す~ 明治 31 年の民法施行以来 110 年ぶりの大改革 平成 18 年 5 月 26 日公益法人制度改革関連三法案の可決 成立 平成 20 年 12 月 1 日新制度の施行 ( 従来の民法による公益法人制度 ) 法人設立の主務官庁制 許可主義の下 法人の設立と公益性の判断が一体 < 民法上の社団法人 財団法人 > 〇 公益法人 の設立 = 各主務官庁の許可制 自由裁量 〇公益性の判断 縦割り行政 各主務官庁の自由裁量 ( 判断基準の規定なし ) 税制優遇 : 法人格付与と連動 法人税は収益事業のみ課税 一定要件を満たす特定公益増進法人に対する寄附金について所得控除あり 満たせば寄附金の税額控除あり (23 年度 ) 分離( 公益三法 による新公益法人制度 ) 主務官庁制 許可主義を廃止し 法人の設立と公益性の判断を分離 < 公益社団法人 公益財団法人 > 〇 公益性 の認定 = 一般法人からの申請を民間有識者からなる第三者委員会が審査 答申 行政庁 ( 内閣総理大臣又は都道府県知事 ) が認定処分 税制優遇 : 公益性 認定と連動 法人税は収益事業のみ課税 ただし 公益目的事業の認定を受けたものは収益事業でも非課税 公益法人は全て特定公益増進法人 一定要件を < 一般社団法人 一般財団法人 > 〇 一般法人 の設立準則主義登記のみで設立 2 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 明確な基準を法定 統一的な判断 ( 縦割り行政からの脱却 ) 関連税法の規定 1 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 平成 20 年 12 月現在 特例民法法人 ( 旧公益法人 ) は全国で 24,317 法人 ( うち国所管 6,625) 移行申請 5 年の移行期間 (~ 平 25.11 末 ) 内に 特例民法法人は公益法人又は一般法人への移行申請を行う必要あり 申請がない場合には 移行期間の満了時に みなし解散 3 整備法 ( 新制度への移行手続等 ) 2

法人制度ごとの税制優遇措置の比較 税制優遇措置一般法人 公益法人特定非営利活動法人 ( 法人税 ) ( 寄附税制 ) ( 所得税 ) (所税額得に利法人公税控除係子の益得のる み)社非団控源配課 税泉当財除団 なし ( 全所得課税 ) 収な益し事寄業附 2課税 1み( 上記以外 ) なし なし 所等 公益社団 財団法人認定特定非営利 (+PST 要件 ) 活動法人 公益社団 財団法人 一般社団 財団法人 ( 非営利型法人 ) 一般社団 財団法人 1 公益社団 財団法人の公益目的事業は 収益事業であっても非課税 2 公益社団 財団法人は所得金額の 50% 又は公益目的事業の実施に必要な金額のいずれか多い金額 認定特定非営利活動法人は所得金額の 50% 又は 200 万円のいずれか多い金額について損金算入可 特定非営利活動法人 3

Q2. これまでにどのような成果が上がってきているのか? 1 例えば東日本大震災後の復興支援のように 従来の主務官庁制の枠を超えた活動が活発化しました 2 改革を機に 各法人は自らの事業や財務等の内容を踏まえ 公益法人か一般法人か適切な法人形態を選択して新制度に移行するようになりました この結果 東日本大震災に際しては 国所管で約 2,000 もの新旧公益法人が NPO 等とも連携し 従来の主務官庁制の枠を超えて物資の提供や専門家の派遣等の活動や寄附による支援に積極的に取り組むなど 公益法人の活動が拡大 活発化してきています 平成 25 年 5 月末現在 新制度の下で行政庁の認定処分を受けた公益法人は 国と都道府県合わせて 8,311 法人 ( 特例民法法人からの移行認定を受けた法人は 8,067 法人 新規で認定を受けた法人は 244 法人 ) です 公益法人から内閣府に提出された平成 23 年度の活動実績 ( 平成 23 年度中に事業年度を終了した国所管 824 法人の活動実績 ) についての事業報告を集計すると 年間計約 5400 億円の規模の公益活動を行っています 寄附の税制優遇の対象となる 特定公益増進法人 や寄附金収入も増えています 税制面では 制度を施行した平成 20 年と比べて 特定公益増進法人である公益法人数が制度改革後 10 倍増となる見込みです また 1 法人当たりの寄附金収入も 平成 23 年度実績で1.8 倍 うち税額控除対象法人に限ると4.3 倍となります これは寄附文化の醸成にとっても大きな意義があります 寄附金収入の比較 ( 単位 : 万円 ) ( 公益法人 824 法人 特例民法法人 6,625 法人 ) ( 万円 ) 4.3 倍 1.8 倍 4

公益法人等の現況 ( 平成 24 年 11 月 15 日現在 ) < 概要 > 公益法人及び公益目的支出計画実施中の一般法人 ( 国所管の公益法人及び一般法人 ) から内閣府に提出された平成 23 年度の活動実績 ( ) を報告する定期提出書類 ( 公益法人 : 事業報告等一般法人 : 公益目的支出計画実施報告書等 ) に基づき集計したものです なお 活動実績の報告については 1 事業年度経過後 3 か月以内に行政庁へ提出することとなっています ( ) 平成 23 年度中に事業年度を終了した法人の活動実績 公益法人について (824 法人 ( 財団 :606 社団 :218)) 合計平均値中央値 正味財産額 ( 億円 ) 27,310.2 33.3 6.7 公益目的事業費 ( 億円 ) 5,389.1 6.5 0.9 公益目的事業比率 (%) - 82 85 会費収入 ( 億円 ) 94.8 1,150( 万円 ) - 寄附金収入 ( 億円 ) 1,041,3 1.3 521( 万円 ) 理事 ( 常勤 ) 990 1 1 理事 ( 非常勤 ) 8,130 10 8 職員数 ( うち常勤 ) 24,518(21,415) 30(26) 4(3) 公益法人 824 法人で 年間 5,300 億円を超える規模の公益活動を行っています 一般法人 ( 移行法人 ) について (304 法人 ( 財団 :158 社団 146) 合計平均値中央値 公益目的財産残額 ( 億円 ) 8,125.3 26.7 3.0 公益目的支出 / 年 ( 億円 ) 1,515.9 5.0 0.5 公益目的財産残額の減少額 / 年 ( 公益目的支出 - 収入 )( 億円 ) 722.9 2.4 0.3 移行した一般法人 304 法人における公益目的の活動規模は 年間 1,500 億円に及んでいます 寄附金収入の平均値でみると 新しい公益法人は特例民法法人の約 3 倍となっています 公益法人のうち税額控除対象法人について (152 法人 ( 財団 :123 社団 :29)) 合計平均値中央値 正味財産額 ( 億円 ) 5,185.2 34.3 5.7 公益目的事業費 ( 億円 ) 1,397.4 9.2 1.1 公益目的事業比率 (%) - 85 87 寄附金収入 ( 億円 ) 447.0 3.0 3,170( 万円 ) 職員数 ( うち常勤 ) 7,712(6,394) 52(43) 6(5) 移行後 1 事業年度経過前で活動報告を行っていない法人も含め 国所管の税額控除対象法人の総数は220 法人 (10 月末時点 ) 税額控除対象法人の寄附金収入の中央値は 3,170 万円 824 法人全体の中央値は 521 万円となっています 公益法人 (824 法人 ) と特例民法法人 (6,523 法人 ) の比較 公益法人特例民法法人 1 平均値中央値平均値中央値 正味財産額 ( 億円 ) 33.3 6.7 19.8 1.6 寄附金収入 2 ( 万円 ) 12,637 521 4,323 0 理事 ( 常勤 ) 1 1 1 1 理事 ( 非常勤 ) 10 8 20 16 職員数 30 4 34 4 職員数 ( 常勤 ) 26 3 31 4 1 特例民法法人のデータについては 平成 23 年度特例民法法人概況調査に基づき作成 2 特例民法法人における寄附金については 寄附金と財団法人における会費の総額を基に算出 5

公益法人数とその税額控除対象数の推移 公益法人の認定件数は近年大幅に増加している また 税額控除の証明を受けた公益法人数は 平成 25 年 10 月末時点で 713 法人となっている 1 公益法人の認定件数の推移 ( 内閣府 都道府県の合計値 ) 2 税額控除の証明を受けた公益法人数の推移 6

寄附優遇の対象となる特定公益増進法人である公益法人は 公益法人制度改革前の 10 倍増になり 公益を担う民間の主体は飛躍的に増える見込みです 税制面から見ると 平成 20 年 4 月 1 日現在の特定公益増進法人 ( 寄付の税制優遇の対象 ) である旧公益法人が862であるのに対し 24 年 4 月 1 日では5,529( 旧公益法人を含む ) であり 移行が終了すればこれが約 1 万法人となり 制度改革前の10 倍増となる見込みです < 特定公益増進法人である公益法人数 > 平 20.4 平 24.4 862 法人 5,529 法人 制度改革後 ( 見込み ) 約 10,000 法人 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 旧公益法人の約半数は一般法人に移行しますが これらの法人は 法律に基づく公益目的支出計画により引き続き公益事業を実施していきます 平成 24 年 11 月時点で内閣府がとりまとめたデータでは その時点で移行済みの一般法人 304 法人が総額計 8,125 億円の公益目的支出計画により公益活動を実施中です そもそも新制度では 公益事業を行う一般法人はいつでも公益認定の申請が可能です 実際に一般法人に移行したそのような意図を有する法人は少なくありません 制度改革後に設立した一般法人の公益認定申請も増えてきています 一般社団法人一般財団法人 いつでも 公益認定申請が可能 公益社団法人公益財団法人 7