最高レベルのトレード手法をどこよりもわかりやすく! 小次郎講師のトレーダーズバイブル第 66 回第 10 部投資の極意に関するコラムその 11 人気のないところにエッジの発生する仕組み 皆さん こんにちは 小次郎講師です こんにちは 助手のムサシです 人気のないところにエッジの発生する仕組み 5 回目 いよいよ核心の話が聞ける回だと期待しています 毎回核心の話をしているつもりだが 1
まあ そうなんですけど ダーツの話と投資の話とどのように共通項があるのかと ところで ムサシ君は考えたかね? もちろん 考えたんですけど さっぱりわからない それなら聞いても分からないだろうね トレードの奥義はそう簡単に理解できるものではない まあ そう言わず 1 市場にあるお金を再配分する トレードを正しく理解すれば 市場にあるお金を 売買を利用して再配 分する と言った 覚えているね 2
覚えています 投機マネーが 世界を代表する市場に集まるのは 小さな市場では儲けられる金額が限定されるから 例えば 同じ金 ( ゴールド ) を扱っている取引所でも NY の市場と 日本の金市場では 残念ながらスケールが違う 値動き自体は似ているが 日本の市場で何百億もの利益を上げるということは不可能だ そうなんですね 2 リスクリワード比率を予測せよ さて 日本人は勝率ばかりを意識する 勝率を上げることが勝ちにつな がることだという誤解からいつまでたっても抜けられない そうですね 実際にはリスクリワード比率という大事な数字がもうひとつあると勉強したね 3
はい 覚えています 勝率がいくらのとき リスクリワード比率がいくら以上な ら勝てるということを勉強しました 勝つためには 勝率 と リスクリワード比率 という二つの重要な数値がある これは両方がバランスを取れることによって初めて勝てる ですね ところで 今まで勉強してきたダーツの賭けだが もう気がついていると思うが エッジがあるかないかの分かれ目は分配金にあった 例えば ケース 2 で山田花子にエッジが出てきたいのは山田花子に賭ける人が少なく (10 人と想定 ) 山田花子ゾーンが当たったときに 配当が 10 万円と高配当になった 4
ダーツ D A C B ダーツの賭け ケース2 1 人 1 万円を賭けてダーツで勝負をします 均等に分けられた長澤まさみ 上戸彩 深田恭子 山田花子ゾーンのいずれかに賭けてください 抽選で選ばれた 1 人がダーツを投げます しかし その時ダーツの的は高速で回転しており どこかのゾーンを狙うことは不可能です ダーツが当たったゾーンに賭けていた人たちで 全体の掛け金を均等に分配します 但し 20% の確率でダーツが的に当たらないことがあります この場合は掛け金は全て没収されます 利益は 1 万円の賭け金を除いた 9 万円 これは投資におけるリスクリワード比率に影響する 平均利益は 9 万円 平均損失は 1 万円 つまりこのケースではリスクリワード比率は 9 という大変高い数値になる なるほど リスクリワード比率が高かったんですね 5
ダーツの賭け ケース3 1 人 1 万円を賭けてダーツで勝負をします ABC のゾーンのいずれかに賭けてください 今回は参加者サービスとして A ゾーンを他のゾーンの2 倍にしました 抽選で選ばれた 1 人がダーツを投げます しかし その時ダーツの的は高速で回転しており どこかのゾーンを狙うことは不可能です ダーツが当たったゾーンに賭けていた人たちで 全体の掛け金を均等に分配します 但し 20% の確率でダーツが的に当たらないことがあります この場合は掛け金は全て没収されます ケース 3 も同様 B や C が当たると ( それぞれ 5 人が賭けると想定 ) 配当金が 20 万となる 賭け金の 1 万円を引いて利益は 19 万円 と するとリスクリワード比率は 19 万 1 万 =19 となる これまたすごい数字だ 6
このダーツから分かることは 勝率とリスクリワード比率という勝つために重要な二つの数字があって これはどちらも重要なのだが 実はリスクリワード比率が高いか低いかが勝敗を決めるケースが多い なるほど ところが日本人はいつまで立っても勝率の方にばかり目が行き リ スクリワード比率の意識が全くない 確かに 3 一般投資家のポジションが負ける理由 たとえば 日経 225 先物に好材料が出て 上がる確率が 70% くらいになったとする ということは 30% 下がる可能性があるということ しかし 70% くらい上がる可能性があるときは ムードとしては相当強い相場だという印象で 一般投資家はこぞって買いを作る でしょうね 上がる可能性が圧倒的に強いのに売る投資家はいないです よね 7
しかし そこにはリスクリワード比率の考え方が抜け落ちている あっ 仮に上がる可能性が 70% 下がる可能性が 30% だとしても 上が ったときの利益が 10 万 下がった時の損失が 30 万だとすると売り にエッジがある わかるかな? 買いのエッジ計算 勝率 平均利益 - 負け率 平均損失 =0.7 10 万 -0.3 30 万 =0.7 万 -0.9 万 =-0.2 万 売りのエッジ計算 勝率 平均利益 - 負け率 平均損失 =0.3 30 万 -0.7 10 万 =0.9 万 -0.7 万 =0.2 万 確かに売りにエッジがありますね でも その上がったときの利益 下 がったときの損失というのはどうやって予測するんですか? そうだね その予測が難しい だから 一般投資家は勝率の方ばか りに目が向く しかし 勝率もあくまで推定 仕掛ける前から勝率 がわかったりしない そりゃそうです 8
それなら それと同時にリスクリワード比率も予測しなければいけない わかりますが どうやって? 一般投資家が大量に買ったとする 価格が成立するのは常に売りと買いが同量で決まる つまり売方と買方は同数だ ま 同数という意味は同人数という意味ではないんだけどね で ここで理解してもらいたい重要なことは 一般投資家が買えば買うほど 一般投資家買いのプロ売りという構図になりやすいということ プロとは? 大口投資家 機関投資家 ファンドその他だ なるほど そういう構造になりやすいんですね しばしばそういう構図が出来上がっている プロとアマの戦いになっても アマが勝つことはある しかし アマが勝ったときの利益は少なく 負ける時の損失は大きい 9
なんでですか? 例えば アマ ( 一般投資家 ) が買っているとする で 価格が上がったとする 買方であるアマチュア投資家はすぐに利益確定を始める 利益確定というのは売りを市場に出すということだ 買方が売り注文を市場に出せば 上昇はすぐに終わる なるほど 今後は価格が下がったときのことを考えよう ある程度価格が下がると 買方はロスカットの売り注文を出し始める するとさらに価格が下がる すると売りが売りを呼び 価格の下げに拍車がかかる 実は価格が大きく下がる理由は狼狽売りが出るからだ 狼狽売りとは? 値段が下がっているときに あわてて いち早く市場から撤退しないと大変なことになると思い 成行で売り注文を出すことだ 買いものがないところへ どんな値段でもいいから売りたいという注文を出すのだから 値段は果てしなく下がる 10
それが暴落の理由なんですね そういうこと ということで 一般投資家はしばしば買方となるの だが 上がると小さな利益 下がると大きな損となりやすい だと したら 少々勝率が高くても勝てないとわかる ようやくわかりました 一度に話してもこの話は混乱するだけなので 次回もう少し詳しく話をする しかし 肝に銘じておいてほしいことは一般投資家のポジションと同じポジションのときは最終的には負けやすいということ ここら辺に気がついている人は少ない それが 人の行く裏に道あり花の山 につながるんですね そうだ ここら辺 相場の極意中の極意になってくるので 時間をかけてじっくりと説明したい これから先 ある銘柄が上がるか下がるかを予測して 上がる可能性が高いとしても 空売りを仕掛けた方が最終的にはエッジがあるということがしばしばある そういうことをわかっているかどうかが勝敗を分ける ところが こういう発想がほとんどの投資家にない 11
深い 深い 深すぎる 大事な話なので 次回また詳細に話す 続きはまた次回だ 本日はここまで ありがとうございました 12