平成 27 年度小 中学校各教科等教育課程研究協議会報告書 教科 領域 外国語活動 外国語 報告者職 氏名 愛知県教育委員会指導主事松浦恵美 開催日 小 : 平成 27 年 11 月 16 日中 : 平成 27 年 11 月 17 日 会場 国際ファッションセンター < 小学校外国語活動 > 講師 : 文部科学省初等中等教育局教育課程教科調査官 < 中学校外国語 > 講師 : 文部科学省初等中等教育局教育課程教科調査官 直山木綿子氏 平木裕氏 1 今後の英語教育の改善 充実方策について ( 報告 ) ( 平成 26 年 9 月 ) のポイント 1 改革 1 国が示す教育目標 内容の改善 小 中 高等学校の学びを円滑に接続させる 英語を使って何ができるようになるか という観点から一貫した教育目標を示す 小学校 3 4 年生 : 活動型を開始し 音声に慣れ親しむ 小学校 5 6 年生 : 身近なことについて基本的表現によって 4 技能を積極的に使える英語力を身に付ける 中学校 : 授業は英語で行うことを基本とし 互いの考えや気持ちを伝え合う言語活動を重視する 2 改革 2 学校における指導 評価 英語を使って何ができるようになるかという観点から CAN-DO 形式の学習到達目標に基づく指導と学習評価 3 改革 3 高等学校 大学の英語力の評価及び入学者選抜の改善 入学者選抜における英語力測定において 4 技能のコミュニケーション能力を適切に評価 4 技能を測定する資格 検定試験の活用促進 4 改革 4 教科書 教材の改善 学習指導要領に沿った教科書検定 デジタル教科書 教材の検討 5 改革 5 学校における指導体制の充実 現職教員の研修 大学 外部専門機関と連携した推進リーダーの養成 教員養成 免許法認定講習 開設支援 英語指導力のある教員の採用等 外部人材の活用促進 ALT 非常勤講師 特別免許状の活用 外国語 外国語活動 -1
2 中央教育審議会教育課程企画特別部会 論点整理 ( 平成 27 年 8 月 ) より 英語教育関係分 5. 各学校段階 各教科等における改訂の具体的な方向性 (1) 各学校段階の教育課程の基本的な枠組みと 学校段階間の接続 [2 小学校 ] 国語教育と外国語教育の連携 国語と外国語の音声 文字 語句や単語 文構造 表記の仕方等の特徴や違いへの気付き 言語の仕組みの理解 高学年 4 技能を扱う知識 技能を学ぶ 語彙や表現などを繰り返し活用した言語活動から 自分の考えや気持ちなど聞き手を意識しながら伝えようとするコミュニケーション活動までの総合的な活動を展開し定着を図る 教科として系統的な指導を行う ( 年間 70 単位時間程度 ) 短時間学習 ( 帯学習 モジュール学習 ) として実施する可能性を含めた専門的な検討が必要 中学年 外国語に慣れ親しみ 聞く 話す の 2 技能を中心に外国語学習への動機付けを高める 外国語活動を行う ( 年間 35 単位時間程度 ) 時数については 平成 27 年内から平成 28 年当初を目途に一定の結論を得る [3 中学校 ] 小学校段階での充実を前提に この成果を最大化して高等学校教育につなぐ観点から 互いの考えや気持ちを伝え合うことなどを通じて思考 判断 表現を行うことができる指導内容などの抜本的な質的改善や 教科書を含めて必要な教材の改善 充実が求められる (2) 各教科 科目等の内容の見直し [12 外国語 ] 現状 学校間の接続が十分とは言えない 進学後に それまでの学習内容を発展的に生かすことができていない 特に 話す 書く などの言語活動が十分に行われていない 小学校段階での課題に対応する教科化の内容 音声中心で学んだことが 中学校の段階での音声から文字への学習に円滑に接続されていない アルファベットの文字や単語などの認識 国語と英語の音声の違いや 英語の発音とつづりの関係 文構造の学習において課題がある 国語と英語の音声の違いやそれぞれの特徴への気付き 高学年は 児童の抽象的な思考が高まる段階であり体系的な学習が求められる 語順の違いなど文構造への気付き 中学校段階での内容 発達段階に応じた より具体的で身近な話題についての理解や表現 簡単な情報交換ができるコミュニケーション能力を養うための一層の改善を行う 互いの考えや気持ちなどを英語で伝え合う対話的な言語活動を重視した授業を充実する 外国語 外国語活動 -2
授業を実際のコミュニケーションの場面とする観点から 授業を英語で行うことを基本と する 新たに 4 技能を測定する全国的な学力調査の実施により 指導改善のサイクルを確立する 3 グローバル化に対応した英語教育改革実施計画スケジュール ( イメージ ) 学習指導要領 中教審 学習指導要領改訂 小学校新学習指導要領を 段階的に先行実施 新学習指導要領 全面実施 教科書 教材等補助教補助教材配布 検証材開発 新学習指導要領対応教材の作成 新学習指導要領 対応教材の配布 教科書の作成 教科書の検定 教科書の採択 教科書の配布 研修 英語教育推進リーダー養成研修 及び担当教員の指導力向上研修 県による研修の継続 英語教員の英語力 指導 力強化のための調査研究 コアカリキュラム等の活用 普及 中学生の英語力の把握 フィージビリティ調査 :6 万人 調査設計 予備調査 全国的な学力調査 実施 2014 (26 年度 ) 2015 (27 年度 ) 2016 (28 年度 ) 2017 (29 年度 ) 2018 (30 年度 ) 2019 (31 年度 ) 2020 (32 年度 ) 2021 (33 年度 ) 外国語 外国語活動 -3
4 生徒の英語力向上推進プランについて 課題 生徒の英語力 高 3 生は英検 3 級程度 ~ 準 2 級程度の下位レベルが多い 特に 話す 書く の課題が大きい 英語が好きではないなど学習意欲にも課題 授業 入試 特に 話す 書く や 聞いて理解して書く ( 技能統合型 ) の言語活動が十分ではない 1 技能 ( 読む ) 又は 2 技能 ( 聞く 読む ) の入試が多く生徒への波及効果が大きい 教員の指導力 英語力 話す 書く の活動に関する指導力や英語力に課題 改革のコンセプト 生徒の着実な英語力向上を目指し 国及び県で明確な達成目標を設定 第 2 期教育振興基本計画中の成果目標 中学卒業段階に英検 3 級程度以上 50% 高校卒業段階に英検準 2 級 ~2 級程度以上 50% その達成状況を毎年公表して 計画的に改善を推進 1 生徒の英語力に係る国の目標を踏まえた都道府県ごとの目標設定 公表 都道府県ごとに 目標を達成するための 英語教育改善プラン の策定 フォローアップ 改善のサイクルを構築 2 英語教育実施状況調査 に基づく都道府県別の生徒の英語力の結果の公表を 2016 年度から実施 3 国が新たに行う より客観的な生徒の英語力調査による把握 分析 国として義務教育段階の中学生の英語 4 技能を測定する 全国的な学力調査 を検討 実施 4 英語力評価及び入学者選抜における英語 4 技能を測定する民間の資格 検定試験の活用を 引き続き促進 小 中 高を通じた改革のための取組 4 技能を重視した授業 入試改革 学習指導要領の周知徹底 改善指導 及び次期学習指導要領改訂を通して 英語 4 技能によるコミュニケーション能力を確実に養う 高大接続改革実行プランに基づく高校教育や入試の一体的な改革による英語 4 技能の重視 中 3 高 3 生の英語力のフィージビリティ調査 教員の英語力 指導力向上等 小 中 高校の英語を担当する全教員の研修を実施 ( 英語教育推進リーダー の養成 ) 先行実施のための研修用教材等の開発 提供 モジュール指導用 ICT 教材開発 整備 4 技能を重視した採用の改善充実 ALT 等の外部人材の積極的活用 養成の改善 ( 大学の教職課程におけるコアカリキュラム開発 改善 ) 民間の資格 検定試験を活用し 県ごとの教員の英語力の達成状況を定期的に検証 外国語 外国語活動 -4
5 英語教員の英語力 指導力強化のための調査研究 1 各都道府県における英語教員の指導力に係る取組や英語力の状況については 地域間で様々な状況にあり 将来的に教員の英語力 指導力の地域差が生じる可能性が高い 2 地方公共団体で行う小学校英語の教科化及び中 高等学校英語の高度化に対応する英語力 指導力向上のための研修機会も不十分であるとともに 教員養成等を担う大学との連携も十分に図られていない 英語教員の英語力 指導力強化のため 現職教員の研修等を中心に 英語教員に求められる英語力 指導力を高めるための取組や大学における養成課程の内容について調査研究を実施 優れた取組事例について収集 分析し 全国に普及 これらの結果を活用し 次期学習指導要領の改訂に向けた英語力 指導力向上に資する 教員養成と研修の一体的なモデルプログラムの開発 大学における教員養成課程と現職教員への研修を一体的に捉えた 効果的な指導者養成が全国の都道府県で実施されることで 今後の英語教育改革に対応できる 優れた指導者の育成を加速する 1 小 中 高等学校の現職教員を対象にした教員研修プログラムの開発 検証 1 教育委員会 大学 学校等の連携によるモデルプログラムを活用した研修実施の実証 2 実際の活用や学校等へのヒアリングを通じた検証により プログラムを改善 3 初任者研修 5 年経験者研修 10 年経験者研修 などの研修 免許状更新講習 や 免許法認定講習 への活用 4 活用事例集 映像資料の作成 普及 2 小学校教員及び中 高等学校の英語担当教員の英語力 指導力向上に向けた大学の教職課程におけるコアカリキュラム ( 共通して達成する目標 ) を含めたモデルプログラムの開発 検証 1 各大学の小学校教員及び中 高等学校外国語の教職課程のプログラムにおけるコアカリキュラム等の実証 2 大学等における実際の活用や学会 研究会等へのヒアリングを通じた検証により プログラムを改善 3 大学の教職課程における活用 4 活用事例集 映像資料の作成 普及 英語教員のための英語力 指導力強化のための調査研究事業 シンポジウム ( 平成 28 年 2 月 27 日 ( 土 ) 実施 ) において モデルプログラム ( 案 ) の周知 活用例紹介等 調査研究内容に関する情 報提供がさせる予定 外国語 外国語活動 -5