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税務調査大全 ( サンプル ) 税務調査の定義と行政指導の相違点 法律および通達等においては 税務調査 という文言は使用されておらず 調査 と規定されていますので その点は注意してください 本書においては 解説部分では 税務調査 を使用しますが 法律 通達等の引用については 規定通り 調査 を使用することとします 質問検査権の解説をする前に その前提となる税務調査の定義と 行政指導の相違点を解説します そもそも 税務調査の定義を理解しなければ 質問検査権の範囲もわからなければ 加算税の賦課 基準も理解できないことになります まず 税務調査の定義は通達に規定されています 国税通則法第 7 章の2( 国税の調査 ) 関係通達の制定について ( 法令解釈通達 ) 1-1( 調査 の意義) (1) 法第 7 章の 2 において 調査 とは 国税 ( 法第 74 条の 2 から法第 74 条の 6 までに掲げる税目に限る ) に関する法律の規定に基づき 特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的その他国税に関する法律に基づく処分を行う目的で当該職員が行う一連の行為 ( 証拠資料の収集 要件事実の認定 法令の解釈適用など ) をいう ( 注 ) 法第 74 条の 3 に規定する相続税 贈与税の徴収のために行う一連の行為は含まれない (2) 上記 (1) に掲げる調査には 更正決定等を目的とする一連の行為のほか 再調査決定や申請等の審査のた7めに行う一連の行為も含まれることに留意する (3) 上記 (1) に掲げる調査のうち 次のイ又はロに掲げるもののように 一連の行為のうちに納税義務者に対して質問検査等を行うことがないものについては 法第 74 条の 9 から法第 74 条の 11 までの各条の規定は適用されないことに留意する イ更正の請求に対して部内の処理のみで請求どおりに更正を行う場合の一連の行為 ロ修正申告書若しくは期限後申告書の提出又は源泉徴収に係る所得税の納付があった場合において 部内の処理のみで更正若しくは決定又は納税の告知があるべきことを予知してなされたものには当たらないものとして過少申告加算税 無申告加算税又は不納付加算税の賦課決定を行うときの一連の行為 1

税務調査ではない 行為の定義が規定されていますので 上記通達と合わせて確認しましょう 国税通則法第 7 章の2( 国税の調査 ) 関係通達の制定について ( 法令解釈通達 ) 1-2( 調査 に該当しない行為) 当該職員が行う行為であって 次に掲げる行為のように 特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものは 調査には該当しないことに留意する また これらの行為のみに起因して修正申告書若しくは期限後申告書の提出又は源泉徴収に係る所得税の自主納付があった場合には 当該修正申告書等の提出等は更正若しくは決定又は納税の告知があるべきことを予知してなされたものには当たらないことに留意する (1) 提出された納税申告書の自発的な見直しを要請する行為で 次に掲げるもの イ提出された納税申告書に法令により添付すべきものとされている書類が添付されていない場合において 納税義務者に対して当該書類の自発的な提出を要請する行為 ロ当該職員が保有している情報又は提出された納税申告書の検算その他の形式的な審査の結果に照らして 提出された納税申告書に計算誤り 転記誤り又は記載漏れ等があるのではないかと思料される場合において 納税義務者に対して自発的な見直しを要請した上で 必要に応じて修正申告書又は更正の請求書の自発的な提出を要請する行為 (2) 提出された納税申告書の記載事項の審査の結果に照らして 当該記載事項につき税法の適用誤りがあるのではないかと思料される場合において 納税義務者に対して 適用誤りの有無を確認するために必要な基礎的情報の自発的な提供を要請した上で 必要に応じて修正申告書又は更正の請求書の自発的な提出を要請する行為 (3) 納税申告書の提出がないため納税申告書の提出義務の有無を確認する必要がある場合において 当該義務があるのではないかと思料される者に対して 当該義務の有無を確認するために必要な基礎的情報 ( 事業活動の有無等 ) の自発的な提供を要請した上で 必要に応じて納税申告書の自発的な提出を要請する行為 (4) 当該職員が保有している情報又は提出された所得税徴収高計算書の記載事項の確認の結果に照らして 源泉徴収税額の納税額に過不足徴収額があるのではないかと思料される場合において 納税義務者に対して源泉徴収税額の自主納付等を要請する行為 (5) 源泉徴収に係る所得税に関して源泉徴収義務の有無を確認する必要がある場合において 当該義務があるのではないかと思料される者に対して 当該義務の有無を確認するために必要な基礎的情報 ( 源泉徴収の対象となる所得の支払の有無 ) の自発的な提供を要請した上で 必要に応じて源泉徴収税額の自主納付を要請する行為 ここからわかるように 税務署から電話連絡があり 具体的に誤り等が指摘されたとしても この行為その 2

ものが税務調査かどうか ( 税務調査ではないとするなら行政指導に該当 ) 明確に区別することはでき ません よくあるのが 税務署が法定調書もしくは資料せんを見て 収入の漏れに気付くような場合です 税務署が手に入れた情報から 漏れがわかることがもっとも多いのが 生命保険の解約 満期でしょう 税務署も年調済みの方の課税関係は直接的に把握できなくても 確定申告している方なら 一時所得が漏れていることは明確にわかります さて 税務署からの電話連絡を受けて 収入等の漏れが明らかになり 確認したところ 本当に収入が漏れていた場合 提出した修正申告には加算税が課されるのでしょうか 加算税という観点から考えると 税務署からの電話連絡が 税務調査 加算税が課される 行政指導 加算税が課されない と区分することができます 上記のような税務署からの電話連絡が 課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないもの かどうかは判断がわかれるところではありますが 上記の通達規定を見ると 税務署が資料せん等を見て電話連絡してきた行為は 調査に該当しない ケースに該当するとも捉えることができるわけです では 税務署からの電話連絡等を 税務調査か行政指導なのか 明確に区別する基準はないのでし ょうか 調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について ( 事務運営指針 ) 第 2 章基本的な事務手続及び留意事項 1 調査と行政指導の区分の明示納税義務者等に対し調査又は行政指導に当たる行為を行う際は 対面 電話 書面等の態様を問わず いずれの事務として行うかを明示した上で それぞれの行為を法令等に基づき適正に行う ( 注 ) 1 調査とは 国税 ( 法第 74 条の 2 から法第 74 条の 6 までに掲げる税目に限る ) に関する法律の規定に基づき 特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的その他 3

国税に関する法律に基づく処分を行う目的で当該職員が行う一連の行為 ( 証拠資料の収集 要件事実の認定 法令の解釈適用など ) をいうことに留意する ( 手続通達 ( 平成 24 年 9 月 12 日付課総 5-9 ほか 9 課共同 国税通則法第 7 章の 2( 国税の調査 ) 関係通達 ( 法令解釈通達 ) をいう 以下同じ )1-1) 2 当該職員が行う行為であって 特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものは 調査には該当しないことに留意する ( 手続通達 1-2) この規定にある通り 国税側が冒頭に 税務調査なのか行政指導なのか を明示することが定められ ています 合わせて 質疑応答事例にも下記のようにあります 税務調査手続に関する FAQ( 一般納税者向け ) 問 2 税務署の担当者から電話で申告書の内容に問題がないか確認して 必要ならば修正申 告書を提出するよう連絡を受けましたが これは調査なのでしょうか 調査は 特定の納税者の方の課税標準等又は税額等を認定する目的で 質問検査等を行い申告内容を確認するものですが 税務当局では 税務調査のほかに 行政指導の一環として 例えば 提出された申告書に計算誤り 転記誤り 記載漏れ及び法令の適用誤り等の誤りがあるのではないかと思われる場合に 納税者の方に対して自発的な見直しを要請した上で 必要に応じて修正申告書の自発的な提出を要請する場合があります このような行政指導に基づき 納税者の方が自主的に修正申告書を提出された場合には 延滞税は納付していただく場合がありますが 過少申告加算税は賦課されません ( 当初申告が期限後申告の場合は 無申告加算税が原則 5% 賦課されます ) なお 税務署の担当者は 納税者の方に調査又は行政指導を行う際には 具体的な手続に入る前に いずれに当たるのかを納税者の方に明示することとしています 実務上大事なことは 税務署からの連絡があった場合 具体的な指摘を受け 納税者に確認します としながらも この連絡は調査ではないので加算税は課されないんですよね と 冒頭で 確認することです なぜ冒頭で確認しておかなければならないかというと 加算税が課されないように有利にもっていくため 4

そして後でモメたときに面倒だからです 加算税の確認をしないで後々 税務署とやり取りをすると 税務署の言い分としては こっちが具体的に漏れを指摘して そのままの内容で修正申告をしたのだから 当然に加算税を課す と主張してきます 税務署から電話連絡があって 修正申告を提出する場合 加算税の賦課についてモメる (= 税務調査か行政指導かでモメる ) ようなことがあれば 上記の事務運営指針とFAQを明示し 電話の冒頭で調査か行政指導かを明示されていないため 事務運営指針違反である またさらには 調査であるなら事前通知が必要になりますが 事前通知はされていないので これは行政指導ですよね と主張することで 加算税を課されない主張をすることができます 質問検査権の法律既定 税務調査の定義を理解していただいたうえで それでは質問検査権の法律既定を順番に確認していき ましょう 国税通則法第 74 条の2( 当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権 ) 国税庁 国税局若しくは税務署 ( 以下 国税庁等 という ) 又は税関の当該職員 ( 税関の当該職員にあつては 消費税に関する調査を行う場合に限る ) は 所得税 法人税 地方法人税又は消費税に関する調査について必要があるときは 次の各号に掲げる調査の区分に応じ 当該各号に定める者に質問し その者の事業に関する帳簿書類その他の物件 ( 税関の当該職員が行う調査にあつては 課税貨物 ( 消費税法第二条第一項第十一号 ( 定義 ) に規定する課税貨物をいう 第四号イにおいて同じ ) 又はその帳簿書類その他の物件とする ) を検査し 又は当該物件 ( その写しを含む 次条から第七十四条の六まで ( 当該職員の質問検査権 ) において同じ ) の提示若しくは提出を求めることができる まず この法律規定で確認しておくべきことは 質問検査権の対象は その者の事業に関する帳簿書 類 となっていることです 1 個人事業主の場合 個人に対する調査において 例えば事業用の通帳と生活用の通帳が明確に分かれていた場合 生 5

活用の通帳を見せる必要はまったくありません なぜなら その者の事業に関する 通帳を見せる必要 ( 義務 ) があるのであって 生活用の通帳はこ こに含まれないからです 2 法人の場合 法人に対する調査において 代表者の通帳を見せてください と言われた場合 これは 原則として 見せる必要はありません なぜなら これも 1 と同じ根拠で 法人の事業に関する 通帳ではないからです ただし 法人と代表者で金銭のやり取りをしている場合は その資金の出所に関して受忍義務があるため 代表者の通帳を見せなければならない場合もあります これは 法人から見た場合 金銭のやり取りをしているという意味において 代表者個人が反面調査先となるからです もちろん 資金のやり取りをしている以外の通帳 ( 生活用など ) まで見せる必要性はありません さて 12 共通で問題になるのは 調査官が 個人の通帳を見なければ 事業の収入とすべき金銭が入金されているかどうかがわからない と主張してくる場合でしょう これは 卵が先か 鶏が先か の議論です 調査官のこの主張を覆す根拠として 国税庁のホームページに下記の記載があります 税務調査手続に関する FAQ( 一般納税者向け ) 問 7 法人税の調査の過程で帳簿書類等の提示 提出を求められることがありますが 対象 となる帳簿書類等が私物である場合には求めを断ることができますか 法令上 調査担当者は 調査について必要があるときは 帳簿書類等の提示 提出を求め これを検査することができるものとされています この場合に 例えば 法人税の調査において その法人の代表者名義の個人預金について事業関連性が疑われる場合にその通帳の提示 提出を求めることは 法令上認められた質問検査等の範囲に含まれるものと考えられます 調査担当者は その帳簿書類等の提示 提出が必要とされる趣旨を説明し ご理解を得られるよう努めることとしていますので 調査へのご協力をお願いします ここに明記されている通り 6

個人預金について事業関連性が疑われる場合 個人の通帳も見せなければならない ( 質問検査権の範囲内で受忍義務がある ) のであって 事業関連性が疑われもしないのに 個人の通帳を見せてください は根拠がないとわかります この違いは非常に重要なので注意してください このように 個人 法人であっても 原則として 生活費の通帳を見せてください は質問検査権の範囲 を超えた要請になります 調査官が個人用の通帳を要請してきた場合は 上記の通りきちんと根拠をもって反論してください また 質問検査権の対象としてもう1つ挙げられているのが その他の物件 です ここにいう その他の物件 が いわゆる 不確定概念 と呼ばれるもので 明確な規定等は存在しない範囲になります まず 通達の規定を確認しましょう 国税通則法第 7 章の2( 国税の調査 ) 関係通達の制定について ( 法令解釈通達 ) 1-5( 質問検査等の対象となる 帳簿書類その他の物件 の範囲 ) 法第 74 条の 2 から法第 74 条の 6 までの各条に規定する 帳簿書類その他の物件 には 国税に関する法令の規定により備付け 記帳又は保存をしなければならないこととされている帳簿書類のほか 各条に規定する国税に関する調査又は法第 74 条の 3 に規定する徴収の目的を達成するために必要と認められる帳簿書類その他の物件も含まれることに留意する ( 注 ) 帳簿書類その他の物件 には 国外において保存するものも含まれることに留意する ここにいう 調査の目的 とは 堅苦しい言葉で書くと 正しい課税標準等または税額等を確認するこ と となりますから 所得計算に必要なものは含まれ それ以外は含まれないと解釈することができます さらに 国税の内部規定には 下記のように書かれています 税務調査手続等に関する FAQ( 職員用 ) 共通 平成 24 年 11 月国税庁課税総括 課 7

問 1-26 調査の対象となる帳簿書類その他の物件 における その他の物件 というのはどのようなものを指すのか ( 答 ) その他の物件 とは 例えば 金銭 有価証券 棚卸商品 不動産( 建物 土地 ) 等の各種資産や 帳簿書類の ( 作成の ) 基礎となる原始記録などの当該調査又は徴収の目的を達成するために必要な物件が該当します ( 手続通達 1-5) よく聞かれるのが 在庫は質問検査権の対象ですか? という質問ですが 在庫は その事業に関する ものであり かつ棚卸の金額によって所得金額は変わりますから 上記 FAQ の通り 調査官に見せなけ ればなりません 税務調査の対象となるモノの範囲については 実務上かなり判断が難しいケースがあります 例えば 社長の 手帳 ( スケジュール ) 多くの社長はスケジュールを仕事とプライベートを一体にしている 混在したまま管理しているものと思います その手帳 スケジュール表をそのまま見せなければならないのかというと もちろんプライベートの部分を見せる必要性はない となるわけなのですが 混在している場合は 切り分けなどできないわけです 手帳のみならずパソコンについても 調査官は 経費で購入しているのだから 質問検査権の対象になる という言い方をしますが それは間違っています この調査官の主張をそのまま裏を返すと ( 経費ではなく ) 個人的に購入したものであれば調査では見せる必要がない と捉えることができますが あくまでも 調査対象になるのは 事業に関するかどうか が判断基準なのです 法人の経費で購入したパソコン スマホであっても 仕事もすれば 個人的なメールもするわけです 手帳をいちいち 仕事用とプライベート用を分けることの方が むしろ怪しいとさえ言えます 話を戻すと 手帳が調査範囲に含まれるかどうかはまず 事業関連性があるのか そしてさらには そ もそも調査官が 何のために手帳を見たいのか が本論で スケジュールを確認しなければ本当に益金 損金が判断できない場合に限られるわけです 8