高等学校第 3 学年国語科 ( 現代文 B 学習指導案 日時 : 平成 27 年 月 日第 校時対象 : 第 3 学年 組 名学校名 : 都立 高等学校授業者 : 1 教材名 こころ 2 単元の目標 (1 作者や描かれた登場人物の心情や人物像に興味をもち 内容への関心を深めようとしている ( ア関心 意欲 態度 (2 登場人物の行動や心情に対する理解を深め 自分の考えをまとめる ( イ読む能力 (3 主要な語句の意味や漢字を正しく理解し 語彙を豊かにする ( ウ知識 理解 3 単元の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 1 作品全体を表現に即して読み味わおうとしている 2 登場人物の心情を進んで理解しようとしている 3 作者について関心を深めようとしている 1 登場人物の言動や心情を的確に捉えている 2 登場人物の心情を読み取り 作品の主題について自分なりの考えをまとめている 1 熟語の意味や用法を正しく理解している 2 漢字の読み書きの仕方を正しく理解している 4 指導観 (1 この単元の扱いについて 単元観 本単元は 高等学校学習指導要領第 2 章第 1 節第 2 款第 4 現代文 Bの1 近代以降の様々な文章を的確に理解し 適切に表現する能力を高めるとともに ものの見方 感じ方 考え方を深め すすんで読書をすることによって 国語の向上を図り人生を豊かにする態度を育てる 及び 2 内容 (1 イ 文章を読んで 書き手の意図や 人物 情景 心情の描写などを的確にとらえ 表現を味わうこと を踏まえて設定した本単元である 心情を読み取る では 2 年次の2 学期に 山月記 を学んで以来の小説である評論や随想を読むよりも 小説を読むことを好む生徒が本校には多いしかし 小説全体の構成や場面の展開 登場人物の心情を的確に読み取ることについては 課題がある本単元では 生徒の小説を好んで読む気持ちを活かしながら 小説全体の構成や場面の展開 登場人物の心情を的確に読み取ることができる授業を展開したい同時に作品を読んで興味 関心を抱かせたり 自分の考えをもたせたりすることで 文学作品を手に取る契機となるような授業とする (2 教材の活用について 教材観 本教材では 夏目漱石の こころ を扱う こころ は一見明るくない印象を与える作品であるにも関わらず 若者の心を打ち 深い感動を与え続けている定番教材として 教科書にも長い間掲載され続けている教科書では作品の全部を掲載することはできず 採用されているのは 下 先生と遺書 1
の一部のみであるしたがって教科書の本文だけから小説 こころ の全体像を浮かび上がらせることは難しいしかし 掲載された部分だけでも 先生 と という二人の青年の揺れ動く こころ を描き 生徒たちを作品の中に引き込む力は群を抜いたものであると考える高校 3 年生である生徒たちは 心の葛藤というものを多く抱く年頃であると考える お嬢さん に対する 先生 や の揺れ動く心情には 共感する部分も多いのではないだろうかこのような点を 生徒に発問し考えさせることで 何故だろう どうしてだろう 登場人物はそのような気持ちだったのか 等の気持ちを引き出したいそれが単元の目標である 作者や描かれた登場人物の心情や人物像に興味をもち 内容への関心を深めようとしている 登場人物の行動や心情に対する理解を深め 自分の考えをまとめることができる ことに通ずると考える お嬢さん に対する 先生 や の心情を読み取り 自らの経験やこれからに重ねさせたいそして 授業が 今後の人生を豊かにし 考えること 感じることの契機となるように努める以上のことから お嬢さん に対する 先生 や の揺れ動く心情が描かれている こころ は 生徒の興味 関心を引き出し 考える契機とするのに適した教材であると考える 5 年間指導計画における位置付け学期学習内容 1 学期随想 最初のペンギン 茂木健一郎詩 永訣の朝 宮澤賢治 2 学期小説 こころ 夏目漱石状況と人間 15 歳の東京大空襲 半藤一利 3 学期 6 単元の指導計画と評価計画 (10 時間扱い 時 主な学習活動評価規準評価方法 第 1 時第 2 時第 3 時第 4 時 単元の目標を確認するア3 行動の観察 夏目漱石について学ぶウ1 記述の観察 語句調べを行う 小テスト( 夏目漱石について を行う 小テスト あらすじを通読し こころ 全編の構成を確認する ア1 行動の観察 人物構成プリントを完成させる 記述の観察 前時の復習を行う行動の観察 第 1 段落の通読 読解をするイ1 記述の観察 理想と現実の間に揺れ動くの心情を考察する 前時の復習を行う 第 1 段落の読解を行う行動の観察イ1 精神的に向上心のない者は ばかだ と言った私と言わ記述の観察 れたの心情を考察する 前時の復習を行う イ1 行動の観察 2
第 5 時 第 2 段落の通読 読解を行う 記述の観察 恋の行く手をふさごうとする私の心情を考察する 第 6 時 前時の復習を行う 第 2 3 段落の通読 読解を行う 最後の決断 について考察する 第 7 時 前時の復習を行う 第 3 段落の通読 読解を行う にお嬢さんのことを打ち明けられない私の心情を考察する 前時の復習を行う 第 8 時 第 3 4 段落の通読 読解を行う 俺は策略で勝っても人間としては負けたのだ の意味につ いて考察する 第 9 時 ( 本時 前時の復習を行う 第 4 段落の通読 読解を行う 自殺したの様子と 私の心情の変化を考察する 2 第 10 時 前時の復習を行う 第 4 段落の通読 読解を行う 小説 こころ に描写される こころ について考察する ア12 イ2 7 指導の工夫 小テストや発問を行い 知識の一層の定着を図るとともに 授業を区切ることで集中力を持続させる 本文の内容を 身近なことに感じさせるように解説を行うことで 興味 関心を喚起する 8 本時 (10 時間扱いの第 9 時間目 (1 ねらい 私 や の行動や心情に対する理解を深め 自分の考えをもつことができる ( イ 読む能力 (2 展開 T: 教師の発問 指示 S: 予想される生徒の反応 活動時間具体的な学習活動指導上の留意点 配慮事項評価内容と方法 導入 前回内容の確認をする < 発問例 > T: 俺は策略で勝っても人間としては負けたのだ とあるが これはどのような意味であるか 既習内容等に関して発問し より一層の定着を図る 心情の流れ( 出来事 心情 行動 を意識させる 3
展開 第四段落( 教科書 上 1 行目 ~ を朗読する 添付資料参照 自殺した の様子と 私 の心の動きについて 自分の考えをまとめる 自殺した の様子と 私 の心の動きについて考察する < 発問例 > T: 私はがたがた震えだしたのです とあるが このときの私の心情の流れを考えなさい 生徒が関心をもてるように 身近な出来事に置き換えて解説をする 時間を十分に取ってから発問を行うことで 生徒に考えさせる時間を多くとる 心情の流れ( 出来事 心情 行動 を意識させる や 私 の心の動きについて 自分の考えをまとめることができているか ( イ2 プリント机間指導 私 の心情や行動を 的確に捉えることができる ( イ1 発言 ノート T: 出来事は何か S: が自殺したこと T: では 出来事と行動から どのような心情を読み取る ことができますか S: 怖い に対して申し訳ないと感じている 後悔している ICT で まんがで読破こころ を見て 理解を深める 添付資料参照 ICT で まんがで読破こころ を映写し 理解を深めさせる ( 漫 画で読破こころ 兼久政彦編 まとめ本時の学習内容を振り返る 生徒には黒板 ノートに着目させ 本日の内容を振り返らせる 4
5 (3 板書計画こころ夏目漱石 ~ 私 や の行動や心情に対する理解を深め 自分の考えをもつ 私はがたがた震えだしたのです ( 下 L14 とあるが このときの 私 の心情の流れを考えよう 出 が死んでいるのを発見する 心あああああああああああああああ 行私はがたがた震えだしたのです もう取り返しがつかないという黒い光が わたしの未来を貫いて 一瞬間に私の前に横たわる全生涯をものすごく照らしました ( 下 L12 もう取り返しがつかない が自殺したことで への謝罪の機会も 信頼を回復する機会も永遠に失ってしまったこと黒い光罪悪感全生涯をものすごく照らしました 罪悪感に満ちた暗い将来の自覚 ( 黒板の左側は ICT で使用する