スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

Similar documents

普及技術 6 トルコギキョウ10 月出しとカンパニュラ3 月出しの無加温電照輪作体系 3 利活用の留意点 1) 赤色 LEDランプは, 株式会社鍋精製 (DPDL-R-9W, 波長 nm) を用い, 地表面から光源先端までの距離は1.5m,2m 間隔で設置している (PPFD:0.6~

試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 1 月中旬 試験中 試験中 試験終了 12 月中旬 試験中 試験中 試験中 1 月上旬 試験中 試験中 試験中 1

試験分類優良品種等導入対策試験調査課題名中玉トマトの品種地域適応性試験実施期間平成 27 年度担当地域支援係 1 目的本市では 直売を中心に中玉トマトが生産されているが 秋の裂果が多く 食味が安定しないという実態がある 生産者要望により 裂果が少なく 糖度および酸度のバランスが良く食味が良い品種の選

1 試験分類  効率的農業生産技術確立対策試験

(\225\\\216\206color.xdw)

温度 平成 23 年平均平成 23 年最高平成 23 年最低平均気温 ( 平年値 ) 最高気温 ( 平年値 ) 最低気温 ( 平年値 ) 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 図 1 生育期間中の気温推移 ( 淡路農技内 ) 降水 3 量

1 試験分類  効率的農業生産技術確立対策試験

H26 中予地方局産業振興課普及だより 新技術情報 -1 いちご新品種 紅い雫 ( あかいしずく ) 1. 紅い雫 の来歴県農林水産研究所が育成したいちご新品種 紅い雫 は あまおとめ ( 母親 ) 紅ほっぺ ( 父親 ) の交配により誕生し 平成 26 年 6 月 25 日に品種登録出願されました

1 作物名     2 作付圃場 3 実施年度   4 担当

Ⅲ-3-(1)施設花き

メラレウカ苗生産技術の検討 供試品種は レッドジェム, レボリューションゴールド を用い, 挿し木を行う前日に枝を採取し, 直ちに水につけ持ち帰り, 挿し穂の基部径を 0.8~1.2mm,1.8~2.2mm,2.8~3.3mm で切り分けた後, 長さ約 8cm, 基部から 3cm の葉を除いた状態に

材料および方法

実証研究の目的 東日本大震災の被災地域である福島県浜通り地域において 花き生産を中心とした農業経営の収益性向上に貢献するため 夏秋トルコギキョウと低温性花きのカンパニュラ メジューム ( 以下カンパニュラ ) を効率的に組合せた周年生産体系の現地実証を行い その成果を普及させることを目的としています

ビール系飲料の輸入

営農のしおり(夏秋キク)

(Taro-0170\203X\203^\201[\203`\203X\201E\203V.jtd)

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

アリッサム ストリーム 発注単位プラグトレイ1トレイより MSフ ラク 円共通パテント管理ラヘ ル付き テ ィーフ ラヘ ンタ ー ラベンダー ライラック パープル ラズベリー アンゲロニア アロニア シルバー スノーホワイト MS フ ラク #200

材料および方法

Microsoft Word - jfs 冬春花壇.docx

(Microsoft Word - 3\203g\203}\203g\223\306\227\247\203|\203b\203g\214\244\225\361.doc)

表 30m の長さの簡易ハウス ( 約 1a) の設置に要する経費 資材名 規格 単価 数量 金額 キュウリ用支柱 アーチパイプ ,690 直管 5.5m 19mm ,700 クロスワン 19mm 19mm ,525 天ビニル 農 PO 0.1mm

茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告第 13 号 数種花壇苗の生育, 開花に及ぼす播種時期ならびに栽培温度の影響 駒形智幸 EfectsoftheSeedingTimeandGrowingTemperaturesonGrowthand thefloweringtim

病害虫については 収穫時に紅色根腐病が確認されたが 収量等への影響はなかった (9 月どり :5/18 定植 ~9/29 収獲 ) 定植後から梅雨開けまでは順調な生育であったが 8 月の低温及び日照不足により生育が停滞し 最終的には当初計画より半月ほど収穫が遅れた また 9 月には台風による葉折れの

<4D F736F F D D947A957A8E9197BF8AAE90AC81698CF6955C816A2E727466>

茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告第 13 号 半促成メロンの 4 月穫り栽培における品種選定および保温方法 金子賢一 小河原孝司 薄史暁 佐久間文雄 SelectionofUsefulCultivarsandaMethodofHeatInsulationinSe

<82BD82A294EC82C697CE94EC82CC B835796DA>

<955C8E86899C95742E786C73>

< F2D F6F89D78B4B8A C8E862E6A7464>

(Taro-0390\203T\203C\203l\203\212\203A.jtd)

<4D F736F F D208CC D882CC8DCD947C8B5A8F708E77906A2E646F63>

7 月中旬から 切花を栽培するハウスに隣接する品種を中心に ウイルス病によると思われる葉の黄化が発生したため 一部の株を除去した 7 月下旬から茎葉が繁茂し 株間 条間が混み合うようになり ヨトウ等害虫の発生が増え 一部で倒伏が発生した また 品種により葉の色に濃淡が見られ サッポロミドリ 莢音 げ

(Taro-0300\203J\203\211\201[.jtd)

<4D F736F F D20819B8DD882CC89D48DCD947C837D836A B2E646F63>

溶液栽培システムを利用した熱帯果樹栽培

untitled

白 ネ ギ

東北日本海側において播種期、栽植密度および1株本数がダイズの生育収量に与える影響

山形県における 水稲直播栽培の実施状況 平成 28 年 8 月 26 日 ( 金 ) 山形県農業総合研究センター 1 1 山形県における水稲直播栽培の現状 1 (ha) 2,500 2,000 1,500 1, 乾田直播 湛水 ( 点播 ) 湛水 ( 条播 ) 湛水 ( 散播 )

<4D F736F F D20B1DAC5D8B120D3DDC0C590528DB88AEE8F E93782E646F63>

韓東生.indd

平成19年度事業計画書

供試材料播種用土 : メトロミックス35 ユリ ハボタン アサガオ ゴールデンピートバン BX ペチュニア 栽培用土 : 混合土 赤玉土 大粒 プロミックス 腐葉土資材 : ポリポット 2.5 号 3 号 4 号 キク用 7 号鉢 プラスチック 6 号鉢 プランター用具 : ものさし ノギス スプレ

報道関係資料 2016 年 4 月 26 日公益社団法人日本家庭園芸普及協会 国内最大級 花と緑 に関する総合園芸ショウ 2016 日本フラワー & ガーデンショウ 2016 JAPAN FLOWER & GARDEN SHOW 2016F&G ジャパンセレクション来場者人気投票結果発表 公益社団法

取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

untitled

平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

スライド 1

石川県白山自然保護センター研究報告第27集

ポットファーム ( 独立ポット土耕養液栽培システム )

中央農業改良普及センター ~ 播種時期と資材の検討 ~ 2 立川市にある直売所 みのーれ では 例年ダイコンが出荷されるのは10 月中旬以降です そこで 普及センターでは出荷時期を早くするために 9 月収穫を目指して夏まきダイコンの展示ほを設置し 播種時期と資材の検討を行いました 播種時期の検討地温

<838C835E83582E786477>

リン酸過剰の施設キュウリほ場(灰色低地土)における基肥リン酸無施肥が収量に及ぼす影響

画面遷移

今後の管理のポイント [懸案事項] ①早期作型における2番花 房の花芽分化遅延 ②炭そ病とハダニ類の発生 拡大 [対策] ①寒冷紗を被覆して 花芽分化を誘導する 2番花房 の花芽分化を確認して被覆を除去する 被覆期間の目安 9月25 10月20日 ②定期的に薬剤による防除を行う 特に葉かぎ後の 葉か

あけぼの255_01

小学校

岡山県農業研報 6:31-35(2015) 31 岡山県北部においてニンニクを出荷規格に適合させるために重視すべき越冬後の生育指標 佐野大樹 岸本直樹 森本泰史 The Important Growth Index of Overwintered Garlic for Conforming the

コシヒカリの上手な施肥

(3)(4) (3)(4)(2) (1) (2) 20 (3)

... 6

untitled


裁定審議会における裁定の概要 (平成23年度)


<91E F1938C966B95FA8ECB90FC88E397C38B5A8F708A778F7091E589EF8EC08D7388CF88F5837D836A B E696E6464>

和県監査H15港湾.PDF

ESPEC Technical Report 12


-26-

untitled

日本経大論集 第45巻 第1号


クレイによる、主婦湿疹のケア

群馬県野球連盟

<82B582DC82CB8E7188E782C48A47967B41342E696E6464>

untitled



Microsoft Word - 入居のしおり.doc

untitled

( )

syogaku

Taro12-希少樹種.jtd

untitled

河川砂防技術基準・基本計画編.PDF

4 100g

11_OSUMO表_0408.ai

p1_10月月報用グラフ

Ⅰ ミニトマトの袋培地栽培マニュアル 1 ミニトマト袋培地栽培システムの設置 ア ほ場の準備 袋培地を用い 地床と完全に分離した隔離栽培を実現します 下敷シートと発泡スチロールにより根の土壌への侵入を防ぎ 土壌病害をシャットアウトします 下敷シート 発泡スチロール板 ほ場を整地し 土ぼこりや雑草を防

Microsoft Word - cap4-2013chugoku-hirosima

untitled

<4D F736F F D DC58F4994C5817A C8E89D495B294F28E558C588CFC82DC82C682DF8251>


<4D F736F F D FDA8DD794C5816A90D882E889D482CC93FA8E9D82BF8EC08CB182C982C282A282C4>

2013 神奈川県農業技術センター研究報告第 157 号 17 短報 三浦半島における無加温パイプハウスによる パプリカ栽培体系の確立 高田敦之 Establishment of Cultivation Systems for Paprika in Unheated Pipe Frame Green

沖縄県におけるキク生産の現状と課題護得久友子 安田秀実 ( 沖縄県農林水産部園芸振興課 ) TomokoGoEKuandHidemiYAsuDA:Presentsituationandproblemsincrysanthemum productioninokinawaprefecture はじめに沖

ジベレリン協和液剤 ( 第 6006 号 ) 2/ 年 6 月 13 日付け 25 不知火 はるみ 3 回以内 水腐れ軽減 0.5 ~1ppm 500L/10a 着色終期但し 収穫 7 日前まで 果実 ぽんかん 水腐れ軽減 0.5ppm 500L/10a 着色始期 ~4 分

イネは日の長さを測るための正確な体内時計を持っていた! - イネの精密な開花制御につながる成果 -

Transcription:

課題春彼岸に出荷可能な切花の作型試験 担当者木下実香 目的切花の需要期のひとつである春彼岸 (3 月下旬 ) に向けて 無加温ハウスで出荷 可能な切花品目 作型を検討する 供試品種一本立ちストックアイアンシリーズ ( サカタのタネ ) ( ホワイト イエロー ピンク マリン ) スプレーストックカルテットシリーズ ( サカタのタネ ) ( ホワイト イエロー 2 ローズ ブルー) キンギョソウアスリートシリーズ ( サカタのタネ ) ( ホワイト イエロー ブライトピンク パープル ) キンセンカオレンジスター ゴールドスター ( タキイ種苗 ) ナデシコフォトン ( サカタのタネ )( ローズ ホワイト ) 脚光 ( 福花園種苗 ) 試験区構成 1 区 8 月 31 日播種 9 月 27 日定植 ( キンギョソウのみ 10 月 5 日定植 ) 9 月 8 日播種 10 月 5 日定植 3 区 9 月 19 日播種 10 月 16 日定植 4 区 9 月 29 日播種 10 月 26 日定植 区制及び株数 1 区制 1 区 15 株 耕種概要栽培条件施設 ( 無加温ハウス ) 栽植密度畝幅 80cm 株間 15cm 4 条 1,900 本 /a ( スプレーストック ) 畝幅 60cm 株間 12cm 4 条 2,800 本 /a ( 一本立ちストック キンギョソウ キンセンカ ナデシコ ) 施肥量 ( 全量元肥 ) 苦土 有機入り複合 A801T 号 12.5 kg/a 結果及び考察 一本立ちストック採花時期 採花物調査の結果を表 1 に示した 1 区は春彼岸前に採花が終了した 春彼岸の期間中に採花できたのは 3 区 4 区だったが 3 区 4 区は開花開始が春彼岸の期間に入ってからであった 草丈はいずれも 40~50cm と短く 切花のボリュームも小さいものが多かった また 一部で茎が縦方向に割れる症状が見られた 以上の結果から 一本立ちストックを春彼岸に合わせて採花するには 9 月上中旬に播種 10 月上中旬に定植すればよいことが示された また この作型では草丈 ボリュームがやや小さくなることが示された この原因として まず低温期で生育が抑制されたことが考えられる また 茎が縦に割れるホウ素不足の症状が見られるなど肥料不足であったことも考えられる 今回苦土 有機入り複合 A801T 号を 12.5kg/a 元肥として施肥したが 量を増やして 18.8kg/a 程度にする 葉の色を見て追肥をする ホウ素を含んだ肥料を用いるなどの施肥を行えば 草丈 ボリュームの大きいものが採花できると思われる 1

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採花できた 草丈は 50cm 前後 切花重は 30g 前後であった 主軸 側枝ともに採花が春彼岸までに終了した 1 区 について 株あたりの側枝数は 1~3 本であった 主軸について 1 区は春彼岸の 1 週間前に採花が終了し 3 区が春彼岸中に採花ができた 4 区の主軸は春彼岸中には採花できなかった 草丈は 50cm 以上 切花重も 100g 前後とボリュームは十分なものが採花できた 以上の結果から スプレーストックを主軸 側枝ともに春彼岸に合わせて採花するには 9 月上中旬に播種 10 月上中旬に定植すればよいことが示された また この作型で春彼岸の時期に草丈 ボリューム共に十分な品質の主軸が採花できることが示された 主軸採花前には株あたり 2 本程度の側枝も採花できる ストックについては 一本立ちよりもスプレーの方が春彼岸出荷に向いていると思われる ただし 低温時に葉に白斑が生じることがある ( 低温障害 ) 特に早朝に気温が下がり 日中晴れて急に気温が上昇するなど気温差が大きいときに発生しやすいので 晴れる日はすぐに換気を行うなど 気温差を小さくする管理が必要になる キンギョソウ採花時期 採花物調査の結果を表 3 に示した 春彼岸の期間までに採花可能な作型は 1 区 のみで これらは早くても 3 月の上旬から 多くは春彼岸の始まる週から採花が始まった また キンギョソウは側枝が発生するが いずれの区でも側枝は期間中に開花しなかった 草丈はいずれも 80cm 以上と十分に伸び 切花のボリュームも十分であった しかし 穂状になっている花が部分的に咲かない花飛び症状がほとんどの採花物で見られた また 一部の採花物で茎の曲がりが見られた 以上の結果から キンギョソウを春彼岸に合わせて採花するには 8 月下旬に播種 9 月下旬に定植すればよいことが示された また この作型で春彼岸の時期に草丈 ボリューム共に十分な品質の切花が採花できることが示されたが 花飛びや茎の曲がりが発生しないように栽培する必要がある 花飛びは花芽が 0 以下の低温に遭遇すると開花しなくなることにより発生する 今年度のように冬季に気温が下がり ハウス内でも 0 以下になることが想定されるときは 保温対策を行う必要がある また 茎の曲がりはフラワーネットを生育に合わせて上げて 切花が倒れないように栽培する必要がある キンセンカ採花時期 採花物調査の結果を表 4 に示した キンセンカは主軸の採花後 4 週間前後で側枝が発生するので 主軸と側枝を分けて調査を行った 1 区は 11 月 は 12 月から主軸の採花が始まり 側枝も春彼岸には採花が終わりかけであった 3 区 4 区も主軸は春彼岸前に採花が始まったが 側枝の開花が春彼岸頃であった 草丈は主軸 側枝ともに 30~40cm と短かった さらに 側枝は株あたり 2~3 本発生したが 特にゴールドスターで 草丈が 30cm に満たず 販売が難しいものが多く 可販率が 60% 前後であった このほか 気温が低い時期でもシンクイムシによる蕾 茎への食害が発生し 切花の姿が乱れるものが一部あった 以上の結果から キンセンカを春彼岸に合わせて採花するには 9 月中下旬に播種 10 月中下旬に定植すればよいことが示された また この作型では切花の草丈が伸びにくいことが示された 主軸も側枝もあまり品質が変わらないことから 主軸を生育初期に摘心して 側枝の生育を促した方がよい切花が得られると考えられる また ゴールドスターの草丈が特に伸びにくいので 低温でも草丈の伸びやすい他の黄色系の品種を使用するとよいと思われる シンクイムシは発生すると花数が減少したり 草姿が乱れるので 低温期でも発生に注意し 初期発生のうちに防除する必要 2

がある ナデシコ採花時期 採花物調査の結果を表 5 に示した ナデシコは主軸の採花後に側枝が発生するので 主軸と側枝を分けて調査を行った フォトンは ホワイトの方がローズよりも早く開花が始まり 1 区は 1 月に採花が始まり 春彼岸には側枝もほとんど採花終了した 3 区は春彼岸中に採花が可能であったが 4 区は主軸も春彼岸までに開花しなかった 脚光は一季咲きで 春にならないと開花しない性質があるので 3 月に入って気温が上がるまで開花しなかった 開花開始が遅かったため 春彼岸に間に合ったのは 1 区 のみであった フォトンは 主軸 側枝ともに草丈 60cm 以上と十分な長さがあり ボリュームも十分であった 側枝は一部切花重が小さいものもあったが 可販率は 70% 以上であった 側枝は株あたり 6~8 本程度採花できた 脚光は 主軸は 50cm 程度あったものの 側枝は 40cm 前後で 切花重が小さすぎて販売できないものが多かった 以上の結果から ナデシコを春彼岸に合わせて採花するには 9 月上中旬に播種 10 月上中旬に定植すればよいことが示された また フォトンはこの作型で十分草丈が伸び 株あたり 6~8 本程度の側枝も採花できることが示された 脚光は 3 月に入ってから生育するので 草丈が伸びにくく 春彼岸までに間に合うものが少ないので この作型には適していないことが示された フォトンの可販率をさらに向上させるために 生育初期に主軸を摘心し 側枝の生育を揃えると効果があると思われる 表 1 一本立ちストックの採花物調査 ( 主軸のみ ) アイアンホワイト 1 月 22 日 3 月 6 日 52 116 20 1 区 アイアンイエロー 1 月 22 日 3 月 12 日 49 71 20 アイアンピンク 1 月 22 日 3 月 12 日 48 60 20 アイアンマリン 1 月 22 日 3 月 6 日 45 64 20 アイアンホワイト 2 月 26 日 採花中 44 41 14 アイアンイエロー 3 月 12 日採花中 48 54 6 アイアンピンク 3 月 6 日採花中 46 47 7 アイアンマリン 2 月 26 日 採花中 44 53 11 アイアンホワイト 3 月 19 日 採花中 46 48 6 3 区 アイアンイエロー 3 月 19 日採花中 43 43 9 アイアンピンク 3 月 19 日採花中 47 66 11 アイアンマリン 3 月 19 日 3 月 22 日 48 71 19 アイアンホワイト 3 月 22 日 採花中 43 85 2 4 区 アイアンイエロー 3 月 22 日採花中 40 64 5 アイアンピンク - - - - - アイアンマリン 3 月 19 日 採花中 45 127 9 採花は 5 輪以上開花したタイミングで行った 草丈は 地際から花首までの長さを測定した 3

表 2 スプレーストックの採花物調査 ( 主軸 ) カルテットホワイト 2 月 14 日 3 月 12 日 53 159 16 1 区 カルテットイエロー 2 月 14 日 3 月 12 日 54 95 15 カルテットローズ 2 月 21 日 2 月 26 日 55 109 15 カルテットブルー 2 月 14 日 3 月 6 日 55 136 16 カルテットホワイト 3 月 6 日 3 月 19 日 54 87 16 カルテットイエロー 3 月 6 日 3 月 19 日 54 96 15 カルテットローズ 3 月 6 日 3 月 19 日 61 119 16 カルテットブルー 2 月 21 日 3 月 19 日 53 147 15 カルテットホワイト 3 月 12 日 採花中 49 71 4 3 区 カルテットイエロー - - - - - カルテットローズ 3 月 19 日採花中 56 101 3 カルテットブルー 3 月 22 日 採花中 55 124 8 採花は 分枝した花の半分で 3 輪以上開花したタイミングで行った 草丈は 地際から花首までの長さを測定した ( 側枝も同様 ) ( 側枝 ) 株あたり 側枝数 ( 本 ) カルテットホワイト 1 月 9 日 3 月 6 日 48 36 53 3 1 区 カルテットイエロー 1 月 9 日 3 月 12 日 49 26 35 2 カルテットローズ 1 月 9 日 2 月 26 日 52 28 24 2 カルテットブルー 1 月 9 日 2 月 26 日 50 31 15 1 カルテットホワイト 1 月 16 日 3 月 19 日 44 23 30 2 カルテットイエロー 2 月 14 日 3 月 19 日 48 26 27 2 カルテットローズ 1 月 22 日 3 月 19 日 53 33 18 1 カルテットブルー 1 月 29 日 3 月 19 日 51 34 15 1 カルテットホワイト 3 月 6 日 3 月 22 日 44 17 36-3 区 カルテットイエロー 3 月 12 日 3 月 22 日 45 20 41 - カルテットローズ 3 月 6 日 3 月 19 日 49 27 41 - カルテットブルー 3 月 6 日 3 月 19 日 49 30 30 - カルテットホワイト 3 月 19 日 採花中 39 22 12-4 区 カルテットイエロー 3 月 19 日採花中 42 24 8 - カルテットローズ 3 月 12 日採花中 42 21 25 - カルテットブルー 3 月 19 日 採花中 44 44 5 - 採花は 3 輪以上開花したタイミングで行った 4

表 3 キンギョソウの採花物調査 ( 主軸のみ ) 区 品種 採花開始 アスリートイエロー 3 月 19 日 86 168 2 1 区 アスリートブライトピンク 3 月 22 日 93 132 3 アスリートパープル 3 月 19 日 105 139 9 アスリートホワイト 3 月 6 日 84 209 3 アスリートイエロー 3 月 6 日 87 160 11 アスリートブライトピンク 3 月 19 日 100 196 9 アスリートパープル 3 月 19 日 115 165 9 採花は 花首が硬くなり 10 輪以上開花したタイミングで行った 草丈は 地際から花首までの長さを測定した 表 4 キンセンカの採花物調査 ( 主軸 ) 区品種採花開始採花終了 草丈 (cm) 切花重 (g) 採花数 1 区ゴールドスター 11 月 13 日 11 月 27 日 42 129 16 オレンジスター 11 月 20 日 12 月 18 日 43 174 16 ゴールドスター 12 月 4 日 1 月 9 日 36 105 16 オレンジスター 12 月 11 日 2 月 20 日 36 105 11 3 区ゴールドスター 12 月 25 日 2 月 20 日 38 104 15 オレンジスター 1 月 9 日 3 月 6 日 39 108 16 4 区ゴールドスター 2 月 14 日採花中 32 81 14 オレンジスター 2 月 14 日採花中 30 87 12 採花は 花弁が色づき 開花し始めたタイミングで行った ( 側枝も同様 ) 草丈は 地際から花首までの長さを測定した ( 側枝も同様 ) ( 本 ) ( 側枝 ) 区品種採花開始採花終了 草丈 (cm) 切花重 (g) 採花数 ( 本 ) 可販数 ( 本 ) 可販率 株あたり 側枝数 ( 本 ) 1 区ゴールドスター 11 月 27 日 3 月 19 日 37 47 50 28 56% 3 オレンジスター 12 月 18 日 3 月 22 日 41 68 48 46 96% 3 ゴールドスター 1 月 9 日 3 月 19 日 36 40 35 22 63% 2 オレンジスター 2 月 26 日 3 月 19 日 37 50 25 21 84% 2 3 区ゴールドスター 2 月 14 日採花中 34 33 37 28 76% - オレンジスター 3 月 12 日採花中 39 51 7 7 100% - 4 区ゴールドスター 3 月 12 日採花中 33 38 5 3 60% - オレンジスター 3 月 19 日採花中 35 24 3 3 100% - 草丈 30cm 以上かつ切花重 20g 以上のものを可販数として数え 可販率を求めた 5

表 5 ナデシコの採花物調査 ( 主軸 ) フォトンローズ 1 月 4 日 2 月 14 日 63 38 11 1 区 フォトンホワイト 1 月 4 日 1 月 22 日 62 34 12 脚光 3 月 6 日 採花中 50 25 8 フォトンローズ 1 月 29 日 3 月 19 日 68 39 12 フォトンホワイト 1 月 29 日 2 月 26 日 59 37 12 脚光 3 月 12 日 採花中 49 39 4 フォトンローズ 3 月 6 日 採花中 64 50 5 3 区 フォトンホワイト 3 月 6 日 採花中 58 51 11 脚光 - - - - - 採花は 2 輪目が開花し始めたタイミングで行った ( 側枝も同様 ) 草丈は 地際から花首までの長さを測定した ( 側枝も同様 ) ( 側枝 ) 草丈 切花重 採花数 可販数 株あたり 可販率 ( 本 ) 側枝数 ( 本 ) フォトンローズ 2 月 14 日 3 月 19 日 68 19 92 68 74% 8 1 区 フォトンホワイト 1 月 9 日 3 月 22 日 64 16 92 68 74% 8 脚光 3 月 19 日 採花中 41 11 9 2 22% - フォトンローズ 2 月 20 日 3 月 22 日 67 18 43 40 93% 4 フォトンホワイト 2 月 20 日 3 月 19 日 60 19 67 50 75% 6 脚光 3 月 19 日 採花中 41 12 1 1 100% - フォトンローズ 3 月 19 日 採花中 64 31 3 2 67% - 3 区 フォトンホワイト 3 月 19 日 採花中 54 18 10 9 90% - 脚光 - - - - - - - - 草丈 30cm 以上かつ切花重 10g 以上のものを可販数として数え 可販率を求めた 6